アシガール タンポポTANPOPO
ピアノの独奏による美しくもせつなく、そして暖かな感じの曲です。
謝意、憧れ、安堵、感謝などの思いを人に伝えようとする場面で使われているようです。
アシガール・サントラ集の9曲目に納められています。
「TANPOPO」は、ELISE、ぷりんと楽譜などのサイトで楽譜が販売されています。
楽譜によるとフラット6つの変ホ短調です。
さすがに弾きにくいんで、とりあえずフラットを無視してファだけ♯にしても、半音上がってしまいますが曲としては成立します。
でも、やはり出だしの音をB♭にすると、ピアノではよりせつなさが生きるような感じがするのですが、不思議なものですね。
この曲の弦楽バージョンが「ひぐらしの泣く丘」です。

【第1話】おふくろ様の小屋で唯が幼い兄弟を抱きしめて泣く場面
おふくろ様に兄の死を聞かされた幼い兄弟が涙もみせず「ようご無事で。」と唯に言った後、その様子に呆然とする唯をバックに曲が流れ始めます。
「私、足軽じゃない。戦ってもいない。」と心の中で叫んだ唯は三之助と孫四郎を抱きしめ、「ごめんね。本当にごめん。」と泣くシーンで流れます。
戦ってもいない赤の他人の自分が兄の替わりに帰ってきたこと、幼い兄弟の気持ちも考えすにおにぎりを全部食べてしまったこと、にもかかわらず幼い兄弟が自分に礼をつくそうとしたことなど、いろいろな感情が混ざって溢れだしてしまったようです。
これまでコメディタッチで進んできたこのドラマで初めて涙を呼ぶシーンですが、唯の転機にもなっている重要なシーンのように思います。
ここで少しだけ人間として成長したこと、それにこのことが無ければおふくろ様は、「お城から追い返されるようなことがあったら戻っておいで」と唯に言ったかどうか…
就寝後、唯が寝言で「若君様…」と言ったところで曲は終わり、場面は翌朝に変わります。

【第5話】初デートで家族のことについて若君が唯と話す場面
遠乗り初デートで若君からもらったお菓子を食べた唯が「うん!甘い!」と言うところで曲が流れ始めます。
お互いの家族のことを話すうち、唯は若君の母がすでに亡くなっていることを知るのですが、その時のせつなさがこの曲から伝わってきます。
その後、若君が高山との和議について話すために立ち上がるところで曲は終わります。

【第7話】養生していた唯を若君が密かに見舞いに訪れる場面
若君の帰還によって咎人から一転して功労者になった唯は天野家で養生しています。
城を抜け出して密かに訪れた若君を見て唯が「本当に…本当に若君ですよね?」と言うと曲が流れ始めます。
アーモンドチョコを渡し、タイムマシンを唯に返す直前に曲は終わります。
この後、若君は唯を平成に帰すため、1度しか使えないタイムマシンが2度使えるという苦しい嘘をつくことになります。
若君が苦悩するシーンでは月の曲が流れることが多かったのですが、このシーンは無音です。
唯の両親から「1度しか使えないなら唯は帰らないと言う」と情報を得ていた若君はすでに心を決めており、唯に気づかれないよう平静を装ったことがうかがわれます。
ここのBGMが無音であることが、「次の満月では必ず帰れ。そして…戻ってまいれ。」という若君の言葉の後に流れる「Nothin’s enuf…」をさらに悲しくせつなく響かせます。

【第8話】女子の姿になって現れた唯を若君が見送るまでの場面
女子の姿になって現れた唯に若君が「よう似合うておる。」と言うと曲が流れ始めます。
馬の二人乗りで思い出の場所に移動し、タイムマシンを起動する直前、「じゃあ、ちょっくら行ってきますね。」と唯が言うところで曲は終わります。
本当に3分後に帰って来れると思いとにかく明るい唯と、明るく振舞おうとする若君の対照的な表情が印象的です。
若君にとってはこれが唯との永遠の別れ…のはずだったのですが…

【第10話】兄上と剣を交えた後の場面
唯の居場所を聞くために訪れた兄上の庵で、若君は兄上と剣を交え、唯の居場所が高山の本城・長沢城と聞き出します。
助けに入った兄上の母に「私には命を懸けてくれる母はいなかった。」と若君が言うところで曲が流れ始め、若君が去った後、兄上は自虐的に笑います。
その後、兄上の母を天野家で預かることになり、じい、小平太パパ、小平太の3人がそのことについて相談するところまで曲は続きます。
そして、後添えとして天野家に入ったおふくろ様をじいが世話役に指名する直前で曲は終わります。