アシガールの※
曲というよりは効果音のようにも聞こえますが、ちゃんと旋律はあり、チェレスタで奏でられます。
ハリーポッターのテーマで最初に流れてくるあのメルヘンチックで不思議な音色です。
チェレスタってけっこう図体はデカいんですが、このような可愛らしい音も出せます。
アシガールではけっこう多くの場面、それも重要な場面で使われており、曲と曲をつなぐ役割をはたす場面もあるようです。
総じて登場人物の不安な気持ちを暗示しているように感じます。
自分としては気になっている曲?なんですが、サントラ集には入っていません。
曲名については作曲者・冬野ユミ氏のSNSで書かれていたものです。

【第1話】唯と若君の出会いの場面
空腹に耐えられず、目に入ったきのこに手を伸ばした唯の前に剣先が。
そして、次第に目線を上げていくと、そこには眉目秀麗の若者が…
そこで静かに曲が流れます。
若君がこういう現れ方をする時は「Is it ture?」の前奏が定番なんですが、この時はまだお互いのことを知らないので、ここはこの曲なんだと。
唯の心の不安と同時に今後の二人の展開を暗示しているかのように聞こえます。

【第2話】平成に戻った唯が戦国のことを思い出す場面
無事平成に戻れたことを実感し、ベッドに寝転がりながら改めて喜ぶ唯でしたが、戦国や若君のことを思い出し、なにかいたたまれないような気持ちになった時に曲が流れます。
この後、夢の中で若君が現れ、馬の二人乗りで「Is it ture?」へと続きます。

【第4話】戦の最中、唯が恐怖で気を失う場面
冒頭、第3話からの続きで、戦の最中に一瞬全ての音が消え、「これが・・・戦」と唯の心の声が聴こえた後、そのまま恐怖で気を失った唯を若君が抱える時に流れます。
なお、第3話最後の同一シーンではこの曲は流れません。

【第5話】深手を負った若君を唯が平成へ送り出す場面
深手を負って横たわる若君がタイムマシンの脇差を抜く場面で、バックには希望を表す「風の境界線」が流れています。
目をつぶったまま「お前は…ふくであろう。」と唯に問いかけると、曲はピタリと止まり、静寂が訪れます。
かなり長い沈黙が続き、今度はしっかりと唯を見つめた若君がもう一度「ふく…」と呼びかけるとこの曲が流れ始めます。
唯が答えると、若君は次第に消えていき、「誠の名は?」「唯です。速川唯。」
このやりとりの後、完全に消えます。
唯の「若君様~」という叫びとともに曲は「Nothin’s enuf…」へとつながれていきます。
この3曲の連携は見事ですね。

【第7話】唯が想い出の場所に横たわる場面
冒頭、一転して追われる身となり、城から逃げてきて走り疲れた唯は若君との想い出の場所に横たわります。
「私、ここで死ぬのかな。」と諦めかけた時に曲が流れます。
前第6話の最終シーンでワイルドフラワーをバックに「絶対生き延びてやる!」と決意表明したのにもうめげてしまいました。
もし若君が平成で命を落としてしまっていたら、若君のいない戦国でずっと生きていくということになるかもしれないので、これはもう唯でなくても絶望感に襲われてしまうでしょう。
そういえば、第1話でも一人戦国に迷い込んでしまった唯が途方に暮れて、同じように仰向けになって同じことをつぶやいていました。
あの時は若君に救われたんですが、ここで唯を救ったのは…じい。
ただ、そのじいもここでは死のうとして唯に救われているんですが…

【第7話】唯が牢番に若君のことを尋ねる場面
牢の中で一晩過ごした唯は朝になったことに気づき、牢番に若君が戻っているかどうか尋ねます。
若君が戻っていないと聞いた唯が「戻ってない。」とつぶやくと曲が流れ始めます。
牢内の寒さですでに熱があった唯は、絶望感からその場に倒れてしまいます。
次の詮議の場面に変わるまで曲は流れ続けます。

【第9話】追手が迫った唯と阿湖姫が着物を取り換える場面
唯と阿湖姫は、高山の追手から逃れて逃げ込んだ小屋で着物を取り換えることにします。
その時、唯が女子だと知った阿湖姫が驚くシーンで流れます。
ただ驚いただけではなく、直観的に抱いた女子としての不安が曲から感じとれます。
若君は笑顔で接してくれてはいても、阿湖姫はどこか違和感のようなものを感じていたのでしょうか。
何か思い当たることがあったようです。
もし唯が女子であることを若君が知っていたとしたら、自分が感じている違和感の理由はひょっとして…
この時阿湖姫の中では不安を通り越し、全てがつながってしまったのかもしれませんね。

【第10話】若君が庭で一人剣をふるう場面
高山に連れ去られた唯の身を案じながら若君が庭で汗だくになって一人剣をふるう場面で流れます。
今までの唯との思い出が若君の頭をよぎります。
この時、若君は単身で唯の救出に向かうことを決意し、救出方法を模索していたのでしょう。

【第12話】撃たれた唯が横たわっている場面
冒頭、撃たれた唯が板の上に横たわっている場面で曲が流れます。
その後、唯が撃たれて倒れるまでのシーンが回想されます。
深刻な事態?…と思いきや…
応急手当をするため、傷を負った唯の腕に木村様渾身のぶーっが。
「ギャ~!あ~あ~何やってんですか。木村様~!」と反射的に跳ね起きる唯。
「しゃんとせえ!これしきの傷で死にやせん。」と応じる木村様に、見る方にも安堵感が。
やっぱりアシガール…一気に和みます。