アシガール 月の曲BITTER MOON
弦楽をバックにケーナが抒情的な旋律を奏でます。
ケーナは南米のペルー、ボリビアなどが発祥の縦笛とのことです。
最初聴いた時は尺八かと思いましたが、音色も雰囲気も尺八にそっくりです。
「蒼い月-若君の憂い」でチェロが奏でる旋律が基本となっていますが、若君の動機は少し形を変えて現れます。
雲がかかった月が暗くなったり明るくなったりする情景が目に浮かぶようです。
ドラマでは不安と希望が交錯する場面で使われているように思います。
サントラ集では26曲目に納められています。

【第6話】クリニックのベッドに横たわった若君が尊の説明を聞く場面
唯の身を案ずる若君に「姉なら大丈夫です。若君が戻ってくるのを向こうの世界で待っています。」と尊が説明するところで曲が流れ始めます。
助かったには違いないが、自分の身に何が起こったのかがわからず、安堵と不安を同時に感じていると思います。
目の前にいる人々は自分によくしてくれるが、一方で唯の身を案じる不安な気持ちを曲が表現しています。

【第7話】歴史の教科書に羽木家のことが何も書かれていないことに若君が心を痛める場面
感染症から回復し、何とか状況も理解してきた若君が、歴史の教科書を読み、「我らの名前はどこにもない。」と言うところで曲が流れ始め、自分たちのことが何も書かれていないことに心を痛めます。
外出した若君の後についてきた女子高生が門の外に群がっていることを尊が告げると曲は消えます。
この後、「わしは唯ほど好もしいおなごに会うたことがない。」と若君が告白するシーンへと続きます。

【第11話】唯救出に向かった若君の身を案じる阿湖姫が兄上に助けを求める場面
唯の救出に向かう若君を送り出したものの「やはり不安で…」と阿湖姫が兄上に告げるところで曲が流れ始めます。
だめかもしれないが、もしかしたらよい方向に進むかもしれないという期待と不安が入り混じった気持ちを曲が表しています。
「こやつも阿呆じゃ」と言いながらも、このことが後の兄上の心変わりに影響を与えていることは否めません。