アシガール 城「アシガール」は、NHKの土曜時代ドラマ(PM6:05~)で、2017年9月23日から12月16日までの期間、全12回が放送されたテレビドラマです。
このドラマを見てアシガールにハマってしまった人はとても多いようです。
ハマってしまうと何度見ても飽きなくなり、なぜか離れることが難しい状態に陥ります。
ここではそんなアシガールの主にテレビドラマについて、歴史・音楽などにからめて思うままに綴ります。
ストーリーについては必要な場合に断片的に触れているだけです。
従って、ドラマを見ていない人には意味不明であることをご了承願います。

アシガールの世界

原作がコミックということでアシガールは基本的にはラブコメですが、タイムマシンが登場するのでSF的な面を持ち合わせている一方、戦国時代がメインの舞台となる歴史ドラマとしての面もあります。

ドラマの舞台が戦国と平成を行ったり来たりする上に、ヒロインとヒーローの二人が戦国と平成に分かれ、戦国と現代が別々に進行する場面もあります。
普通に見ていても充分面白いのですが、満月にだけ移動できるというタイムマシンのルールを理解した上で戦国と平成を時系列的に捉えることができるようになるとアシガールがますます面白くなります。
アシガールの時系列を理解しやすくするため、永禄平成時系列図を公開していますのでよろしければ参考にしてください。
永禄の日付は旧暦となっていますが、旧暦について知りたい方は「戦国で使われていた旧暦」の記事をご覧ください。

歴史ドラマとしては、大河ドラマに実績のあるNHK制作ということで、時代考証は堅くやっているという印象を受けます。
ただ、実在した人物を描く歴史ドラマとは違って全くのオリジナルストーリーですから、そこに実在の人物を登場させようとする際に少々辻褄の合わない部分があることは否めません。
このようなメルヘンドラマを史実と照らしあわせることにどれだけの意味があるのかはわかりませんが、歴史好きにとってはあれこれ考えてみるのも楽しみの一つです。
黒羽城・羽木領がどこにあったのか、また、黒羽の地を去った羽木家が向かった緑合の地がどこにあったのかについても推理しています。
何よりアシガールがこうしたことに耐えうるドラマであることが嬉しいですね。

また、アシガールではサントラ曲(BGM)も秀逸でこのドラマの魅力を引き立てています。
このアシガールの音楽についてもいろいろ綴ってみたいと思います。

アシガールのストーリー

ただ足が速いだけがとりえの平成生まれの女子高生・唯は、誤って弟・尊の作ったタイムマシンで戦国時代にタイプスリップし、偶然そこで会った戦国の若者・若君に一目惚れします。
なんとか現代に戻ることができた唯は、若君が戦で命を落とす運命であることを知り、若君を救うために今度は自らの意志で、尊の協力も得て再び戦国に跳びます。
そして、永禄の世で足軽(アシガール)となった唯は、自慢の足を生かし戦国の野を走り回って奮闘し、次第に若君に近づき、その心も捉えていくというストーリーです。

何も考えずにただやるという唯の行動は一見滅茶苦茶のように見えますが、戦国でも現代でも次第にまわりの人の心を動かし、ついには若君と羽木家の運命、そして歴史さえも動かしていくことになります。

アシガールの原作

原作は、森本梢子による漫画「アシガール」で、Cocohana(集英社)に2012年1月号より連載中です。
単行本コミック「アシガール」は、2019年5月時点で12巻まで出ています。

テレビドラマ「アシガール」本編(1話~12話)

アシガールはアニメではなく実写版としてテレビ化されましたが、総じて丁寧に原作の世界観を損なわずに実写化されているという印象があります。
ストーリーはもとより、舞台、背景、小物、所作など随所に制作者のこだわりが見られ、たいへん楽しく見応えのある作品となっています。

設定やストーリーが完全に原作に忠実というわけではなく、原作のエピソードでカットされている部分もあります。
原作では普通のサラリーマン家庭だった自宅をクリニックにしたり、戦国と現代を一人二役で演じる設定があったり。
でも、これがまたツボにはまった演出となっており、原作には無い面白い場面も多数あります。

テレビドラマ本編(1話~12話)は、原作コミック9巻の途中までのエピソードで終了しており、続編への含みを残しながらハッピーエンドとなっています。
このシリーズのドラマは通常8回程度までで完結しているので、12回というエピソード数は最多です。

テレビドラマ「アシガール」続編スペシャル(続編SP)

平成30年12月24日にファンの強い要望に応える形で続編スペシャルが放送されました。
また、続編の放送に先立って前日の12月23日にこれまでの経緯を盛り込んだ特別編が放送されました。
この特別編は単なる総集編ではなく、ナレーションが特別編のために部分的に変更されたことや音楽が本編と少し違う部分があることはもとより、本編に入っていなかった音が意図的に?挿入されるなど、本編と同様に「アシガールの仕掛け」が随所に見られ、ファンの間では話題となりました。

本編2話に出てきた木村先生の歴史書でちらっと見えた織田信長という名前。
このことから黒羽城・羽木領の位置を推理することができたのですが、続編SPではこの信長が羽木領に侵攻してきたため、羽木家は窮地に陥ります。
この時、織田家の武将・相賀一成という人物が登場しますが、これがなかなか興味深い人物でした。
続編SPは、90分という短い時間に様々なエピソードを入れたため、多少の詰め込んだ感はありましたが、速い展開で感動的なシーンが次々と出てくるため見終わった後の満足感は高いものがあります。
最後は羽木への思いと決意を胸に永禄に戻った唯と若君の幸せそうなシーンが描かれ、続編SPは終わります。
原作では永禄での新たな展開が続いており、続々編の制作を望むファンの声も大きくなっているようです。

アシガールのBD・DVDボックス、サントラ集、楽譜

アシガール BD・DVDボックス

本編と続編SPのBlu-rayとDVDが発売されています。
いずれも映像特典が入っており、ファンの間ではこれが好評です。
・アシガール Blu-ray・DVD BOX 全3枚(2018年6月2日発売)
・アシガールSP ~超時空ラブコメ再び~ Blu-ray・DVD BOX 全3枚(2019年4月2日発売)

アシガール サントラ集

本編・続編SPのダウンロード版と本編のCDが販売されていますが、続編SPのCDは未発売です。
本編のダウンロンード版は45曲収録、CDは34曲収録ということで内容に違いがあり、ダウンロード版に無い曲が収録曲の少ないCDに入っていたりします。

サントラ集ダウンロード版
・土曜時代ドラマ「アシガール」オリジナル・サウンドトラック(2017年12月8日配信開始)
・NHK 特集ドラマ「アシガールSP」オリジナル・サウンドトラック&モア(2018年12月25日配信開始)

サントラ集CD
・NHK土曜時代ドラマ「アシガール」オリジナル・サウンドトラック(2018年10月24日発売)

アシガール サントラ曲の楽譜

アシガール本編で使われたサントラ曲のうち4曲の楽譜が出版されています。
ネット販売で楽譜をダウンロードする形になります。
ピアノ曲が中心で、唄があるものは歌詞が付いています。
・Nothin’s enuf(歌詞付き)
・TANPOPO
・綿雲の願い
・ワイルドフラワー(歌詞付き)



テレビドラマ「アシガール」の主要キャスト・放送日

アシガール 戦国武将

アシガール 主要キャスト
速川唯(唯之助) – 黒島結菜
羽木九八郎忠清(若君) – 健太郎
羽木成之(兄上) – 松下優也
吉乃(おふくろ様) – ともさかりえ
阿湖(阿湖姫) – 川栄李奈
速川覚(お父さん) – 古舘寛治
速川美香子(お母さん) – 中島ひろ子
速川尊(弟) – 下田翔大
天野信茂(じい) – イッセー尾形
天野信近(小平太パパ) – 飯田基祐
天野小平太 – 金田哲
木村先生/木村政秀 – 正名僕蔵
相賀一成 – 西村まさ彦(続編SPのみ)

アシガール本編の放送日/サブタイトル
第1話 9月23日 見参!戦国女子高生
第2話 9月30日 若君めざして一直線!
第3話 10月7日 若君といざ出陣!
第4話 10月14日 ドキドキの夜!
第5話 10月21日 走れ!初デート
第6話 10月28日 平成に若君キター!
第7話 11月4日 待ってます戦国で!
第8話 11月18日 満月よ!もう少しだけ
第9話 11月25日 せつないラストチャンス!
第10話 12月2日 その結婚ちょっと待った!
第11話 12月9日 走りぬけ!愛のために
第12話 12月16日 若君といつまでも!

アシガール特別編の放送日/タイトル
2018年12月23日 ドラマ「アシガール」特別編「唯&若君 時空を超えた恋のキセキ!」

アシガール続編スペシャルの放送日/タイトル
2018年12月24日 アシガールSP~超時空ラブコメ再び~

※本編の放送は2017年。
※再放送は各話の翌週火曜(月曜深夜)
※再々放送は、2018年2月15日(14日深夜)から18日(17日深夜)