月見酒
ピアノの伴奏でチェロがゆったりとした暗めの旋律を奏でます。
あまり高い音域は使わず、チェロ本来の音域でたっぷりと抒情的に聴かせます。
従って、「蒼い月・若君の憂い」に比べると落ち着いて安定した印象を受けるのですが、そこは苦労の多い若君のことですから、同様に思い悩むシーンで流れることが多いようです。
唯の風の曲と同じく、若君がその場に不在でも唯が若君のことを思う場面で流れます。
アシガール・サントラ集では14曲目に納められています。
【第2話】軍議で若君が兄上の話をする場面
若君が兄上を城に招いたことを、父上をはじめとし、家臣の面々も快く思っていないことに若君は心を痛めます。
若君が兄上の軍議への参加を父上に申し出るところで曲が流れ始めます。
父上は「ならぬ。惣領は主じゃ。」とこの申し出を一蹴します。
【第3話】戦の最中、ピンチになった唯の前に若君が現れる場面
敵兵が迫ってピンチになった唯の所に若君が馬で駆け付けるところで流れます。
決して本意ではなく敵兵を斬りつける若君の心を表しているようです。
戦闘シーンなのですが、ゆったりしてせつない曲想がいっそう若君の苦悩を高めています。
戦にショックを受け気を失った唯に「小僧！しっかりせい！」と若君が声をかけたところでエンディングとなります。
【第4話】若君とのドキドキの夜の場面
戦の後、偶然会ったあやめ姉さんの協力を得て、若君が滞在する寺への潜入に成功した唯。
鐘ヶ江の娘・ふきの替わりに「ふく」と称してうまく寝屋への潜入にも成功し、若君と念願の対面をはたします。
若君と打ち解けた後、若君が戦に行くことを嫌がる唯に気遣って、その場に寝転がった若君が「よい風じゃ。」と言うところで曲が流れ始めます。
曲とともに落ち着いたゆったりとした二人の時間が流れます。
曲は、唯が閨に並べられた布団を見たところで途切れますが、この後の唯の一人語りのコメディシーンは見物です。
その後、名シーン「おお牧場はみどり」へとつながっていきます。
【第5話】深手を負って床に横たわる若君の元に唯が現れる場面
深手を負って床に横たわる若君に懸命に呼びかける唯でしたが。
気がついいた若君が「なぜであろう。お前が来るような気がしていた。」と言う時に曲が流れ始めます。
自らの難を定めとあきらめようとた若君に唯は激しく否定し、意を決した唯がタイムマシンの脇差を若君に渡すと曲は消えます。
苦悩は消え、ここからは希望のシーンとなります。
【第6話】平成にいる若君が満月の前日に月を見上げる場面
「ここは穏やかなよい里じゃった。」と若君が言うと曲が流れ始めます。
「できうればこのまま戦を知らず、末永う幸せに…」と言ったところで、感染症で倒れてしまいます。
若君が口にしたのは唯のことなのか、それとも…
【第7話】若君が平成から戦国へ戻る場面
それまでいい雰囲気で「Is it true?」が流れていたのですが…
唯が次に戻ったら二度と戦国には行けないことを聞いた若君が、唯を必ず両親の元に返すことを約束し、「では、これにて。」と言ったところで曲が流れ始めます。
この後、若君はタイムマシンを起動させ、曲とともに消えていきます。
若君の苦悩は平成から戦国へ…
【第8話】軽はずみな唯の行動に若君が腹を立てる場面
如古坊の計略によって正体がなくなった唯を兄上から取り戻した若君が、「お前の助けなどいらぬ。お前はこちらの世の者ではない。」と言うと曲が流れ始めます。
唯の身を案じて出た言葉でしたが、その後、唯は悲しみにくれます。
若君は唯を無事に平成に帰すという唯の両親との約束を果たすために心をくだいていたたのですが、そんなことも知らずいっさい危険を顧みない唯の行動に腹を立てたのでした。
ただ、その約束を果たすということは同時に唯と二度と会えなくなるという結果を招くことなります。
そんなところに唯が兄上の部屋にいたという事実が若君の心をさらに混乱させてしまったようです。
【第9話】母上の怒りをかった如古坊を兄上が悩みながらも手にかけようとする場面
高山と手を切り若君とともに羽木家を守ることを進言した如古坊に怒る母上の手前、兄上が悩みながらも手にかけようとするシーンで曲は流れます。
兄上が刀に手をかけるところで場面は変わるのですが、この後どうなったかは不明です。
如古坊はこの後も生きていたので…
場面は変わり、兄上が母上に「己が決めたことにございます。」というところまで曲は続きます。
【第10話】唯の行方を尋ねるため若君が兄上のもとを訪ねる場面
兄上が子供のころに毒を盛られたという話を聞いた若君の表情が変わるところで曲が流れ始めます。
兄上の自分に対する深い確執を知った若君は心を痛めます。
しかし、阿湖姫や唯を苦しめることで自分に恨みをはらそうとする兄上の態度に業を煮やし「兄上は人の上にはたてぬ！」と言い切ったところで曲は途絶えます。
その後、二人は剣を交えます。
