風の境界線
「風の境界線」は風をテーマとする曲の一つで、サントラ集の14曲目に納められています。
「風を駆ける」をシンセサイザーにアレンジして演奏しているように思えます。
そのため、他の風の曲に比べて曲のスケールが大きく感じられ、大きな展開を予想させます。
1分15秒あたりで転調しますが、30秒ほどで元の調に戻り、すぐに終曲となります。
何かが変わり、そこに境界線がある、というイメージとしてこの曲を捉えています。
比較的深刻な場面で使われることが多いようです。

【第2話】若君を救うために戦国に行く決意をする場面~エンディング
いったんは現代に戻った唯が、若君の難を知ってから再び戦国に行く決意をするまでの一連の場面で曲(風の境界線)が流れます。
「行かなくちゃ、戦国に。若君様を守るために。」と決意表明する直前に曲は転調するのですが、これがまたツボにはまっていて感動的です。
目標もなくただ何となく生きてきた今までの自分と決別し、ここからは明確な意思を持って生きていく。
そこに心の境界線があることを曲が見事に表現しているように思います。
曲は続き、そのままエンディングとなります。

【第3話】足軽として初登城する時
おふくろ様の家。戦のため城に行く準備で脇差(タイムマシン)を身につける場面で曲(風の境界線)が流れ始めます。
これまでどうしても入れなかった黒羽城に入って若君のそばに行けるかも、ということで期待に胸を膨らませています。
唯にとってはこれが初めての出陣。
これまでの戦を知らない自分とは違う。
ここでは唯自身が自らの心の境界線を自覚する、ということを曲が暗示しているようにも思えます。
三之助が作ったわらじをはかせてもらう場面も忘れてはいけませんね。
その後、城に向かって走っていくところで曲は転調し、「若君様、私があなたをお守りします。」に続きます。
上の第2話と同じく、転調によって覚悟と決意がいっそう強く伝わってくるように思えます。

【第5話】傷ついた若君をタイムマシンで平成に送る場面
最後の場面で、唯が若君にタイムイマシンを使わせるシーンの一部で曲(風の境界線)が流れます。
何回見ても感動的なこのシーンについては、使われているBGNの流れについて書いていきます。
深手を負って横たわる若君のバックには月見酒(サントラ集14曲目)が流れています。
しばし無音の後、「私を信じて。」と唯が訴えるところからこの曲・風の境界線が流れ始め、何かが大きく変わろうとしていることを暗示させます。
目をつぶったまま若君が「お前は…ふくであろう。」と言った瞬間に曲はピタリと止まります。
かなり長い無音状態が続き、今度はしっかりと唯を見つめた若君がもう一度「ふく…」と呼びかけると、「星」(サントラ集に入っていない曲)が流れ始め、「はい、ふくです。」と唯が答えます。
音楽の演出でこのシーンの感動度倍増は間違いないですね。

【第11話】唯が若君をたばかって一人で山を下る場面
自分が敵中を走り抜けて羽木陣に危機を知らせると提案する唯でしたが、がんとして許さない若君に「もう~、わからんちん!」とドラマで唯一若君に対する暴言?をはきます。
この時、バックには若君の苦悩を表すように「月見酒」が流れています。
唯は仕方なく悪丸にでんでん丸を使わせて若君を気絶させ、自らの作戦を決行します。
倒れこむ若君を唯が抱き留め「こめん…こめんなさい。若君。」と言うところで曲(風の境界線)が流れ始めます。
その後、唯が一人で山を下るシーンで曲は流れ続けますが、転調直前のところで止まります。
これから唯が試練の山場を迎えることを暗示しているようです。
ここで場面は羽木陣中へと切り替わります。