アシガールの音楽 風風がテーマの曲
作曲者SNSによりますと、唯のイメージは「風」とのことです。
アシガール・サントラ集には何曲か風がテーマの曲があります。
・風の出発点
・風を駆ける
・風の境界線
・風降る森
・風の泪

どの曲も風を暗示する伴奏の上にメロディーを重ねていくという点が共通しています。
この風を思わせる伴奏パターンを、ここでは勝手に「唯の動機」と呼んでいます。
いつも何かしら動きがあって、次第に周りを自分のペースに巻き込んでいくような風のイメージ。
そうこうしているうちに、いつのまにかエラいことを成し遂げてしまう・・・
各々、曲の速さ、演奏楽器、調などが違いますが、基本は同じ動機から作られていると勝手に思っています。
曲は場面場面で微妙に表情を変えながら軽やかに流れていきます。

 

アシガール 風の出発点風の出発点
風を暗示させるようなピアノの伴奏の上に笛?が軽やかで愛らしいメロディーを重ねていきます。
唯が走るシーンで使われていますが、唯が不在の場面でも唯に関係のあるシーンで使われています。
この曲は前奏がピアノだけのせいか、いくつかある風の曲の中で一番シンプルに聞こえます。
出発点はシンプルな曲から始まって、いろいろな風の曲に派生していく・・・っていうのはちょっと考えすぎ?
アシガールのサントラ集では12曲目に納められています。

【第1話】唯が学校の部活で走る場面
学校の部活シーンで軽快に校庭を走る唯のバックに曲(風の出発点)が流れます。
靴ひもを結び直すために出だしで遅れた唯が、この曲をバックに軽快に次々とチームメイトを追い抜いていきます。
コミカル調の「egg」がBGMになっている前シーンの教室での腑抜けた姿から一変。
ここに来て唯の本領発揮ということで、見ていて何とも言えぬ爽快感があります。
作曲者は、ここが唯の物語の出発点と書かれておられますが、予備知識無しでも確かにそのように感じました。(ほんとに)
それから、最後まで見てから改めてこのシーンを見直すと、これからいろいろな奇跡を起こし、おそらく歴史を変えてしまった唯にとって走ることが原点・出発点であることを暗示しているようにも思えます。

【第5話】遠乗りの初デートで唯と若君が和議の話をする場面
遠乗りで若君と初デートの時、高山と和議を結ぶことになったことを告げる若君に、立ち上がった唯が「戦になったらまた誰か死にます。」と話し始めると曲(風の出発点)が流れます。
ドキドキの夜でも同様のことを言っていましたが、この思いは唯の出発点であり、曲は唯の強い思いを表しているように感じます。
また、この後、度々舞台となるこの初デートの場所は、ある意味唯と若君の出発点かもしれません。
城に着き、若君の「ご苦労であった。」という言葉で曲は終わります。
その後の「ところで唯之介。まだ腹は決まらぬか?」と若君が問いかけるシーンでは、それまで続いていたBGMが無くなったことで若君の気持ちが強く表現されているように感じます。
そして、この質問に動揺する唯の表情も。

【第12話】高山との和議の場面
高山との和議の場で若君が宗熊に「今後わしは貴殿と争うつもりはない。」と伝えるところで曲(風の出発点)が流れ始めます。
この場に唯は不在ですが、この和議が唯の活躍で成ったことを暗示しているように聴こえます。
そして、これが羽木にとっても高山にとっても新たな出発点になれば、という願いが込められているようにも。