アシガールのタイムマシン ワームホールアシガールのヒロイン唯の弟・尊が発明・完成したタイムマシはどのような原理でタイムトラベルを可能にしているんでしょうか。
第1話でタイムマシンについて尊が次のように説明しています。

原理は簡単なんだ!
ワームホールのゆがんだ時空の中には近づくことさえできないと考えられている。
だけど僕は事象の地平面を自由に通過できる方法を見つけたんだよ。
時間を逆行する反粒子は存在した!

タイムトラベルを可能にするためのいくつかの理論がありますが、この説明から尊のタイムマシンの原理について考えてみることにします。

ワームホールによるタイムトラベル
尊の口からは最初にワームホールという言葉が出てきます。
ここでいうワームホールとは時空の離れた2点を結ぶトンネルのようなものです。
そこを通ることができれば光よりも速く時空を移動できることになります。
宇宙で数百万光年離れた場所でも一瞬で行けるという夢のような話。
時空というからには、空間的にだけでなく時間的にも移動できるということになりますが。
どうやら尊はそこを通過する方法を見つけたようです。

ただ、「事象の地平面」っていうのが問題です。
事象の地平面はブラックホールの周辺に存在します。
ブラックホールからは光さえも逃がれられず、そこで何が起こっているのかを外から観測不能な範囲の境界を事象の地平面といいますが、ここを通り抜けるのはちょっとたいへんそうです。
ここを通り抜けるということは、とりあえずブラックホールに落ちるということなので、途中で自分の質量が無限大になってしまったり、時間が止まってしまったりするかもしれません。
時間が止まってしまったら、いつまでたっても目的地(目的時間?)には着かないことになります。
また、ひょっとしたらその前に強烈な重力で粒子レベルでバラバラになってしまうかもしれません。
ということで、事象の地平面が無い(ブラックホールが無い)ワームホールも提唱されているようなので、中を通過するならやはりこちらの方がお薦めです。

ただ、ワームホールを利用したタイムトラベルの欠点は、タイムマシンが完成する以前の過去には行けないということです。
理由を詳しく説明しようとすると恐ろしく長くなるのでここでは割愛します。
これについて解説したサイトもあるので、興味のある方はググッてそちらを参考にしてください。
わかりやすくいうと、過去に行くのに利用する出入口は前もってその時代に作っておく必要があるんですね。
つまり、タイムマシンが今の時代に完成すれば、450年後から現在には来れるのですが、残念ながら戦国時代にタイムマシンは完成していないので、現在から戦国時代には行けません。
アシガールで使用するタイムマシンとしては少々不備があるようです。

実は尊の言葉にはタイムマシンの原理を推理するためのもう一つヒントがあります。
続きは次の記事:尊が作ったタイムマシンの原理(2)で。