フォーラムへの返信

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  • 返信先: 雑談掲示板
    旅行記楽しみにしてます!

    メープル様
    オーストラリアに行かれたら、
    旅行記の投稿を是非!
    楽しみにしてますね~。
    カナダの秋も、綺麗でしょうね。
    メープルの木も紅葉するのでしょうか?

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    返信先: 雑談掲示板
    昨夜は満月!

    昨日の夕刻、歩いていたら、
    目の前に、大きな、金色の丸いものが!
    隣の夫が、最初に見つけ、

    「ねえ、アレ何?」

       「はあ?」

    私は、しばし唖然。

    そうなのです。
    初めて気づきました。
    夫は空を見上げる事など、
    今までほとんど無かったのだと。

    時々、プラネタリウムには、
    行ったんですけどね。
    寝てました。笑

    二人で初めて見た月は、
    瀟洒なお屋敷の庭木の枝の間に
    低く大きくぽっかりと浮かんでいて、
    現実離れした姿でした。

    この年になると、
    「月が綺麗ね。」なんて、
    照れくさくて言えませんね。笑。

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    返信先: 出演者情報板
    そこなんですよ!

    てんころりん様
    おばばの悩みは、まさにそのシーンでして。
    三郎兵衛は、脱出しようとする姫姿の唯を
    ”唯之助”と認識していたのか、
    ”阿湖姫”だと思っていたのか。
    そこの解釈で悩んでおります。

    どう解釈しても自由なので、
    いつか、作品にできたらいいなと思います。

    ありがとうございます!m(__)m

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    返信先: 出演者情報板
    ありがとうございます!

    てんころりん様
    ぷくぷく様

    ありがとうございます!
    あの足軽は、遠太さんでしたか!
    すっかり勘違いしてました。

    私の中では、長澤城に唯が
    阿湖姫として捕らわれた時、
    密かに唯の脱出方法を、
    三郎兵衛が練っていたのでは?
    とか、
    若君と長澤城を脱出した後、
    高山軍の中を突っ走る唯を
    三郎兵衛が密かに
    援護していたのでは?
    などと、妄想していたもので、
    つい、勘違いをして
    しまったようです。

    では、長澤城では、
    三郎兵衛はまったく唯に
    気づかなかったのでしょうか・・・

    ますます謎が深まりました。

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    返信先: 出演者情報板
    三郎兵衛と唯が出会ったのは?

    てんころりん様
    いつも詳細な情報、ありがとうございます。
    実は、ずっと疑問に思っていたことが。

    若君の危機をしり、和議の場に駆け付けた唯に、
    「唯ノ助ではないか!」と、駆け寄ったのが、
    三郎兵衛さんでしたよね?

    その時には、二人はすでに面識があるという
    設定になってます。

    では、二人が初めて対面したのは、いつ?
    どんな場面で?

    もし、お分かりの方がいらっしゃいましたら、
    教えてくださいな。

    よろしくお願いいたします。m(__)m

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    返信先: 創作倶楽部
    追伸です。

    カマアイナ様
    どん兵衛きつねうどんは、
    W鰹だしと、鰹と昆布だし。
    2種類のお味があります。
    どちらがお好みですか?
    ただし、地域で分かれているんです。
    関東と、関西で。
    来日される際には、
    両方の地域を旅行されて、
    スーパーの棚を
    覗いてみて下さいね~、

    実は、どんぎつね役の
    吉岡里帆ちゃんは、
    CM契約満了になったそうです。
    ”~手紙~”でご紹介した動画が
    最後の様で。

    星野源さんと新垣結衣さんの
    結婚発表は、里帆ちゃん
    の契約満了時期を考慮した上
    での事だったかも。

    かわいいどんぎつねが、
    もう見られないのは
    さみしいですが、
    おばばの妄想小説の中では、
    これからも登場させたいと
    思います。

    これからも、よろしく
    お願いします~。m(__)m

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    返信先: 創作倶楽部
    ありがとうございます!

    カマアイナ様
    褒め上手の姫君。
    感想をいただき、感激しました!
    とても、励みになります。
    いつか、ハワイでの速川家も
    描けると良いなと思います。

    夕月かかりて様
    お邪魔なんてとんでもないです。
    いつも楽しく読ませて頂いてます。
    次はどうなるのかなと空想すると、
    つい、投稿を忘れるんです。
    私の言葉に語弊があったのなら、
    ごめんなさいね。
    また、次の作品が書けたら、
    遠慮なく、投稿させて
    いただきます~。
    これからも、楽しい連載を
    お願いします~(*^^)v

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    返信先: 創作倶楽部
    ~手紙~

      ピンポーン

    玄関のチャイムが鳴った。

     “ん?誰だ?”

    妻の美香子は、診察中。
    娘の唯は自室に籠っている。
    息子の尊が帰宅するには、まだ早い。
    おまけに、チャイムは鳴らさない。

    覚は、手に付いた粉をはらうと、
    インターフォンの画面をのぞき込む。
    立っていたのは、郵便局の配達員だ、

     「書留でーす。」

    「あ、どうも。今、開けます、」

    配達員は、覚のエプロン姿に、
    一瞬、目を見開いたが、
    手早く、控えにサインを貰うと、
    口元に、含み笑いを浮かべたまま、
    立ち去った。

    妻の祖父の身の廻りの世話を
    引き受けた頃、
    玄関先に出る時には、
    必ずエプロンを外していた。
    だが、その祖父に痴呆の症状が
    現れ始めてからは、
    外す手間すら惜しくなった。
    祖父が亡くなってずいぶん経つが、
    エプロンはすっかり定着して、
    今でもほぼ1日中、着けたままだ。

    受け取った大きな封筒を手に、
    キッチンに戻りながら、
    心の中でつぶやく。

    “今どき、専業主夫なんか、
    珍しくもなかろうに。“

    そう。
    バブルとITバブル、
    二つの泡がはじけ、
    吹き荒れたのはリストラの嵐。

    病み上がりの自分にとって、
    要介護の祖父は、
    救いの神だったとも言える。

    “震災後の数年は、新卒採用すら
    無かったしな。“

    ため息つきつつ、
    食卓の椅子に腰を下ろし、
    覚は封筒を裏返した。

    そこに書かれていたのは、
    大学時代の恩師の名だ。
    留学、就職、転職。
    人生の大きな節目の相談役は、
    いつも、この教授だった。
    懐かしさがこみ上げて来る。
    年賀状だけのやり取りになって、
    何年経つだろう。

    封筒の角をハサミで切ると、
    ペーパーナイフを差し込み、
    静かに滑らせる。
    厚みのある茶色の角封筒の中には、
    さらに封書が二つ入っていた。
    しかも、一通の表書きは
    アルファベットだ。

     “ん?
      大学の研究室宛てだが。“

    覚は恩師の名前が書かれている方の
    白い封筒を手に取る。
    手紙は、思いがけず長文だった。
    今回、この郵便が自分に届くまでの
    いきさつが書かれていたのだが、
    結びの一文に、胸が熱くなった。

    ・・・同封した封書が、
       もっと早く届いていたら、
       君を大学に呼び戻して
       いただろう。・・・

    覚は、もう一つの封筒を、
    じっと見つめる。

    それは、一度開封され、
    改めて閉じられていた。
    震える指先で、そっと開ける。

    中には、いくつかの論文のコピーと
    その考察の他、資料の目録などが
    入っていた。
    綺麗にタイピングされている。
    添えられたカードは、流れた年月を
    物語るように、変色していたが、
    手書きのメッセージとサインは、
    読み取れた。

    ・・・親愛なる覚へ
        これからの君と、
        君の仲間や後輩たちに、
        これが少しでも役立つなら、
        嬉しい。
            鬼塚 承次より・・・

    差出人は、
    エリソン・ショージ・オニヅカ氏。
    高名な日系三世の宇宙飛行士は、
    覚へ和名でメッセージを残したのだ。

    カードの日付をみて、驚いた。
    それは、オニズカ氏の命日の10日前。

    その頃、覚は留学先のアメリカで、
    帰国準備に追われていた。
    日本での就職先が決まり、
    一旦、その会社の研修所に
    入る事になっていた。
    研修後、配属が正式に決まってから、
    社宅に移ることになっていたが、
    住所は、まだ知らされていなかった。

    スペースシャトルへの
    二度目の搭乗前、オニヅカ氏は
    電話をかけてきてくれたのだが、
    その時、覚は帰国後の住所を
    伝えられなかったのだ。

    駆け付けた打ち上げ現場。
    瞬きもせずにロケットを追う。
    その視線の先で起きた大爆発。

    覚の脳裏を鋭い閃光が走る。
    突然のフラッシュバックに、
    ぐらりと体が傾いた。
    固く目をつぶった覚の耳に、
    オニズカさんの声がよみがえる。

     「Satoru!」

    巻き舌気味に“る”を発音するので、
    遠くから呼ばれると、
    「さとー!」に聞こえた。

    差し出されなかった覚宛ての封書は、
    事故後、他の遺品とともに、
    遺族に渡された。
    そして最近になって、
    たまたま発見され、
    覚の母校宛てに送付されたのだ。

    コロラド大学留学中に一度、
    夕食に招待された事があったが、
    それを、オニズカ氏の娘さんが、
    覚えていてくれたらしい。
    もっとも、覚えていたのは、
    お土産に持参した、
    キャンパスグッズの猫のぬいぐるみ
    の方だったかもしれない。
    ぬいぐるみのチャームには、
    日本の母校の名が刻印されていた。

    恩師は、現役を退いた今でも、
    名誉教授として職員名簿に
    登録されている。
    今日、こうして覚のもとに
    大切な人からの贈り物が届いたのは、
    大学の事務長が、直ぐに恩師に連絡
    してくれたおかげでもあった。

    しばらくの間、
    覚は硬直したように座っていたが、
    やがて、腕をさすりながら
    立ち上がり、夕食の準備を再開した。
    そろそろ、尊が帰宅する時刻だった。

      ~~~~~~~~~~~

       「なんか、これ、
        いつもより、分厚くない?」

    レンコンのはさみ揚げを
    頬ばりながら、尊が言う。

     「食べ応えがあって良いじゃない。
      ねえ、唯?」

    妙に明るい声で、
    妻の美香子が娘に向かって言う。
    戦国から戻って以来、
    ずっと部屋に引きこもっていた唯が、
    やっと今夜、食卓に姿をみせたのだ。

    「すまん。
     今日は、仕込みの途中で
     ちょっとな。」

    覚の言葉が途切れる。
    美香子がすかさず言葉をつなぐ。

     「玉手箱が届いたのよ。
      竜宮城から。
      お父さんに。」

    覚の目が、一瞬、遠くなる。

       「で、それをこれから
        開けるってわけ?」

     「ううん、
      もうとっくに開けたって。」

       「でも、どこも変わって
        ないじゃん。
        いつものまんま。」

     「確かに、見た目はね。  
      でも、心は、今、大学生。
      ね?お父さん。」

    「え?ああ。
     まあ、そんなところだ。」

      「玉手箱って、
       開けるとおじいさんに
       なるはずだよね?」

    初めて唯が口を開いた。
    美香子が覚に目配せをする。

    「そうだな。
     お父さんが貰ったのは、
     逆玉だ。
     若返るんだよ。」

      「逆玉って、意味違うし。
       おまけに古いし。」

    覚が笑う。
    そして、じっと娘を見つめ、
    言葉を続けた。

    「なあ、唯。
     実はお父さんも経験がある。
     大切な人との、
     思いもしなかった
     突然の別れをね。」

    唯は黙って父を見つめ返す。
    覚は小さく頷くと、語り始めた。
    憧れの人との大切な思い出と、
    胸に抱いていた宇宙への夢を。

      「辛かったね、お父さん。」

    「辛いって言うより、
     呆然としてた。
     何も手につかなくて。
     今のお前みたいに。」

      「今の、私。」

    「父さんはお前が羨ましいよ。
     大切な人からの手紙を
     その手で受け取れたんだから。」

      「そうだけど。でも。」

    「でも?」

      「貰った時は嬉しかった。
       さよならなんて、
       思ってなかったから。
       今は、読むのが怖い。
       というか、読みたくない。
       読んだら、
       認めなきゃならないし。
       もう、会えないって。」

     「と言う事は、まだ
      読んでないの?」

    大きなはさみ揚げに
    食らいついていた尊が、
    そこで一言漏らした。

       「と言うか、
        読めないんじゃない?」

    覚と美香子が口をそろえる。

    「読めない?」
     「読めないの?」

    唯はうなだれながら頷く。
    そして、上目使いのまま
    両親の反応を窺う。

    「ええー!?」
     「ありゃま!!」

    唯は、持っていた箸を置き、
    肩を落として二階の自室に戻った。
    それを見送り、三人は額を寄せ合う。

     「もともと、足が速いのだけが
      取柄なんだし。」

    「海外駐在したって、
     語学力が上がる保証は無い。」

       「数か月、戦国にいたからって、
        読み書きできるように
        なるとは、」

    「限らんな。」

    はああああ・・・。

    揃ってついたのは、
    大きなため息だ。

    「でも、このままじゃ、」

     「若君の気持ちが、」

       「まあったく、」

    「伝わらん!」
     「伝わらない!」
       「分かんない!」

    “ん???
    尊、そこは合わせようか。“

    尊への一言をぐっと飲みこみ、
    覚が話の舵を取る。

    「まあ、唯ばかりは責められない。
     我々だって、読めないだろうし。
     でも、若君の手紙を
     そのままにするのも、良くない。
     唯にとっても、
     若君にとっても。
     で、どうしたらいいと思う?」

     「唯の学校の、歴史の先生に、
      相談したら?
      ええっと、そう。木村先生。」

       「でも、手紙には、
        お姉ちゃんや若君の
        名前も書いてあるはず。
        それを、今見せるのは、
        ちょっと。」

     「コピーして、
      そこだけ消すとか?」

    「出所をきかれたらどうする?
     何しろ、郷土史の研究家だ。
     下手なごまかしは通用しない。」

     「じゃあ、古典の先生は?」

    「唯の学校の先生は、
     やめとこう。」

     「そうねえ。」

    両親の視線がなぜか自分に向かう。
    二人に見つめられて、尊は焦った。

        “え?これって、いつもの
         丸投げパターン?“

    尊は、めずらしく強い口調で言う、

       「放っとけば?お姉ちゃん、
        読みたくないって
        言ってるし!」

    覚は腕組みをして、目を瞑る。
    しばらくして、ゆっくりと
    目を開けると、こう言った。

    「なあ、尊。
     若君の手紙の解読は、
     お前の為にも
     なるんじゃないか?」

       「え?僕の?」

    「そう。
     お前も、いつか発表したいだろ?
     タイムマシーンを開発した事。」

       「うん。」

    「それには、開発した事実を
     証明する必要がある。」

       「そうだよ。
        お姉ちゃんが
        生きた証さ。」

    「でも、お前たちは姉と弟だ。
     信じて貰えると思うか?」

       「じゃあ、
        芳江さんたちにも頼む。
        若君が戦国から来た事、
        証言してって。」

    「その事なんだが、
     芳江さんたちにとって、若君は、
     身元不明の患者さんなんだ。」

     「怪我のショックで、自分を
      戦国武将だと
      思い込んでるって
      言ってあるの。」

       「それで、“若君”にしたの?
        病室の名札。」

     「そう。
      唯の走り書きが“わかぎみ”
      だった事もあるけど。」

       「でも、証拠品がある。
        矢じりと若君の着物。
        そうだ、DNA鑑定は?
        探せば、家の中に
        髪の毛の一本位、
        残ってるかも。」

    「矢じりと着物は、若君に
     持たせた。
     命を狙われた証拠品だからな。」

     「それに、DNA鑑定は、
      比較するものが必要でしょ?
      若君のお骨が発掘されない限り
      まず無理。」

    「しかも、保存状態が良くないと
     採取できない。」

     「もう、分かったでしょ?
      若君の手紙の方が、
      客観的な物証になる可能性が
      高いのよ。」

    「紙や墨の成分を分析すれば、
     年代も判明するはずだし。
     それに、今後、
     羽木家の資料が発見されれば、
     若君の筆跡や、
     花押が本物だって
     証明されるかもしれない。」

       「でも、古文の解読なんて、
        僕の研究の対象外すぎる。」

    「なあ、こうは考えられないか?
     手紙は、タイムマシーン
     だって。」

       「え?」

    覚はオニズカ氏の手書きのカードを、
    尊に差し出す。

    「父さんは、これを読むと
     あの頃に戻る。
     忘れていた記憶も蘇る。
     どうだ?
     やってみないか?
     心のタイムマシーンの開発。」

      ~~~~~~~~~~~

    数日後の日曜日、遅めの朝。
    速川家のキッチンには
    甘い香りが漂っている。

    その香りに誘われて、
    尊がやってきた。

    テーブルの上にはパンケーキの
    皿が四枚並んでいる。
    添えられているのは、
    生クリームとパイナップルと
    マンゴー、そしてミントの葉。

    「仕上げはナッツ&
     チョコソースだ。」

    覚は鼻歌交じりに言うと、
    砕いたマカダミアナッツを、
    パラリと振りかけた。
    また部屋に籠ってしまった唯の為に
    皿の1枚を盆に移す。
    運びかけた所へ、唯が姿を見せた。

    「おお?おっはー!」

    昔、子供たちに大人気だった、
    “慎吾ママ”のおはようの挨拶が、
    覚の口から突いて出た。
    今思えば、“慎吾ママ”が
    数年後のメイドブームの
    火つけ役だったかもしれない。
    いかん、話が逸れた。

      「私も・・・食べて良い?」

    「ああ、当たり前だろ?
     さあさあ、座って。」

    覚はいそいそと唯の席に皿を戻す。

    4人がテーブルに着いた所で、
    美香子が口火を切った。

     「今日は、お父さんが、
      ビッグニュースを
      お伝えします。」

    覚は、軽く咳払いをする。

    「実はさ。
     ちょっと気の早い話なんだが、
     今度の新年のカウントダウンは、
     ハワイでしたいと思う。」

      「え?ハワイ?」

    目を丸くしている唯に、
    尊が冷めた声で言う。

       「お姉ちゃん。
        真に受けない方が良いよ。
        いつものおやじギャグに
        決まってる。
        で、どっちなの?
        鳥取の羽合温泉?
        それとも、
        福島の常磐ハワイアン?」

     「あらら~。
      尊はよっぽど温泉に
      行きたいのね。
      でも、残念でした。
      今回は、ほんとのハワイなの。
      太平洋の常夏の島。」

        「え?マジで?」

    「マジだ。」

        「どうして急に?」

    「いや、前から考えてはいたんだ。
     いつか必ずって。
     実は、この前話した
     オニズカさんは、ハワイ出身でね。
     ご実家は、コーヒー農園なんだ。」

     「お父さんの大好きな、
      コナ・コーヒーの。」

    「そう。
     オニズカさんが
     淹れてくれたコーヒーの味は、
     一生忘れない。
     ブルーマウンテンや、
     キリマンジャロにも劣らない
     あの香りと風味。」

      “Satoru、ミルクを入れると、
      味が変わるよ。
      コナは一杯で二度美味しい。“

    オニズカさんは、そう言って笑った。
    1回目のシャトル搭乗の際には、
    搭乗員にも、
    ふるまっていたらしい。

       「へええ、そのコーヒー、
        宇宙にまで行ったんだ。」

    「父さんの学生時代には、
     なかなか手に入らない
     貴重品だった。」

    覚の目が輝いている。
    美香子はそんな覚を優しく見つめる。
    妻の微笑みを見て、覚が続けた。

    「それに、母さんとの新婚旅行も
     まだだしな。」

       「え?そうなの?」

    「お前たちも、もうすぐ受験だ。
     そしたら、家族旅行どころじゃ
     なくなるだろ?」

      「だから、今のうちに、
       どう?」

    唯と尊が目を合わせる。
    二人の首が、コクンと縦に動いた。

    「よし、決まりだな。
     唯、ホノルルには
     大食いチャレンジのできる店が
     あるらしいぞ。
     巨大パンケーキの。」

      「それで、今朝はこれ?」

    唯がテーブルの上の皿を指さす。
     
    「そ。今から練習だ!
     さあ、食べよう。」

     「ねえ、お父さん。
      私、会いたい人がいるの。
      ハワイの医療センターの
      ドクター。
      いわゆる、“時差ボケ”に
      ついての第一人者なんだけど。」

    覚が、呆れた声を出す。

    「おいおい、
     “新婚旅行”でも仕事かい?
     というか、何で“時差ボケ”?」

     「ちょっとね。
      久しぶりに論文書いて
      みようかと思って。
      新しいテーマで。
      ケーススタディも出来るしね。
      しかも、被験者は4人。
      これを逃す手はないでしょ。」

    「はあ?」
       「え、私たち、実験台?」
        「僕、実験台より、
         天文台のほうが良い。」

    “尊。それ、ギャグのつもりか?”

    覚は、またしても、言葉を飲み込む。

    こうして、久しぶりに早川家4人の
    ちょっとトロピカルな
    ブランチタイムが、
    和やかに過ぎて行った。

     ~~~~~~~~~~~

      「ありがとう、尊。」

    自室に向かう尊に、
    唯が二階の廊下で声をかける。

       「え?」

      「差し入れ。おとといの。」

       「ああ、あれ。
        悪かったなって思って。
        僕のよけいな一言で、
        食欲無くさせて。」

      「ん。でもホントの事だし。」

    両親から若君の手紙の解読を
    迫られたあの夜、
    尊はもやもやした気分を晴らそうと、
    深夜のコンビニに出かけた。
    自分用の夜食を買うつもりが、
    気が付けば、姉の好物の
    チョコボールを手にしていた。
    そして家に戻り、レジ袋ごと
    ぶら下げたのだ。
    唯の部屋のドアノブに。

    背を向けた弟を、唯が引き留める。

      「頼みがあるんだけど。」

       「何?」

      「読みたいの。
       若君の手紙。
       手伝ってくれない」

       「どうしたの?急に。」

      「やっぱり、このままじゃ、
       いけないと思って。」

    尊は、姉に背を向けて、
    しばらく考え込んでいたが、
    やがて振り返ると、こう言った。

       「わかった。
        じゃあ、見せて。
        若君の手紙。」

    尊は唯に続いて部屋に入る。
    一瞬、ベッドの上に寝転んで、
    漫画を眺めている若君が、
    見えたような気がした。

    唯は枕の下に手を入れると、
    手紙を取り出し、尊に差し出す。

     “唯殿”

    宛名の“殿”の払いの部分が、
    うっすらと滲んでいた。
    唯の涙の跡だ。

       「お姉ちゃんが、
        開けた方が良い。」

    唯はしばらく、手紙の宛名の
    文字を見つめていた。
    書かれているのは、確かに
    自分の名前だ。
    何度見直しただろう。
    何度思っただろう。

    “別れの手紙が
     自分宛のはずが無い。“

    指先が震える。
    そっと裏返す。
    そして、ゆっくりと手紙を開いた。

    尊は、見る見る内に姉の瞳に
    涙が溢れるのを見て取ると、
    慌てて、手紙に手を伸ばした。

       「貸して。」

    手紙を受け取り、
    丁寧に広げて眺める。
    やはり、意味は分からない。
    でも、流れるような文字は
    とても綺麗だった。

       「スキャンしてくる。」

    尊は、自室に戻ると、
    手紙をセットし、スキャナーで
    パソコンに取り込んだ。

    姉の部屋に戻り、手紙を渡す。
    姉の目は真っ赤だった。
    必死で泣くのを堪えている。

       「とにかく、永禄時代の
        古文書を検索してみるよ。
        博物館の公開資料とか。
        似た書体を探せば、
        なんとかなるさ。」

      「ミサなら、読めるかも。」

       「ミサ?」

      「友達。
       尊も小さい頃、一緒に遊んだ。
       覚えてない?」

       「ああ、あの、保育園から
        ずっと一緒の?」

      「うん。ミサの叔母さんの家、
       書道教室なの。
       ミサも小学生の頃から
       習ってて、
       今では手伝ってる。
       小さい子のクラス。」

       「凄い!
        でも、何て言って頼む?
        聞かれるだろ?色々。」

      「正直に、話す。良い?」

       「信じて・・・貰えるかな。」

      「分かんない。
       でも、ミサなら、
       もしかして。」

       「じゃあ、相談しよう。
        家に来てもらって。」

      「うん。連絡してみる。」

    尊は、姉の心の急な変化に
    戸惑ったが、とにかく、
    協力する事にした。

    父親が言った、紙の年代測定は、
    確かに有効だろう。
    手紙文が解読できれば、
    紙の端をサンプルとして
    姉から貰えるかもしれない。

    尊は自室のパソコンに向かい、
    永禄文書の検索にかかった。

    実はあの夜。
    尊の差し入れの中には、
    “どん兵衛きつねうどん”も
    入っていた。
    それを見つけたとたん、
    唯のお腹が盛大に鳴り始めた。
    今にも、鰹出汁の良い匂いが
    漂ってきそうだ。

    唯はお腹を押さえながら
    キッチンに行き、
    ポットの湯の量を確かめる。
    カップうどん一杯なら、足りそうだ。
    湯を入れたどんカップを、
    そおっと部屋に運び、
    割り箸を握ったまま、手を合わせた。

    “ん?なんか、
    前にも同じ事あった気が。。。”

    そう思った瞬間、湯気の向こうに
    ピョコピョコ動く耳が見えた。

     「ゆいさん、お久しぶりです!」

      「ど、どんぎつね!
       どうしてここに?」

     「会いに来ました。
      お礼が言いたくて。」

      「お礼?何の?」

     「実は、源三郎さんが、
      約束してくれて。
      今は、待ってるんです。
      人間の娘として
      生まれ変わる日を。
      闇払いの修行をしながら。」

      「ちょ、ちょっと待って。
       ぜっんぜん、飲み込めない。」

     「え、熱すぎました?
      それとも、麺が太すぎたとか?」

      「違うってば。
       どんぎつねの話の方。」

     「あ、そっち。ですよね~。」

    それから、
    どんぎつねの話は、延々と続き、
    延々と麺も伸び続けた。
    カップの中の出汁は無くなり、
    膨れ上がった麺が今にも
    はみ出しそうだ。
    それを見たどんぎつねが
    慌てて言った。

     「あ、伸びますよ。
      早く食べないと。」

        “あのね。。。”

    唯は、呆れながら尋ねる。

      「で、吹っ切れたの?
       源さんの事。」

     「はい。きっぱり。
      こんな感じでお別れを。」
    https://www.youtube.com/watch?v=c3rUBNl6hrA

    “えー―――!
    極寒の雪原に置き去り?!
    怖い!怖すぎる!“

     「もし、本当に、
      生まれ変われたら、
      報告しますね。」

      「でも、どうやって?」

     「伏見稲荷の白狐に
      頼んでおきます。
      ゆいさんに伝えてって。」

    どんぎつねは輝く笑顔で
    唯に手を振ると、朝日の中に
    消えていった。

      “綺麗になったな、
      どんぎつね。
      それに、強くなった。”

    唯は素直にそう思った。

    朝日と笑顔は、力をくれる。
    唯は、若君の手紙を取り出すと、
    こうつぶやいた。

     「若君。
      このままじゃ駄目だよね。
      私。。。」

    そうして唯は、
    手紙を読む決心をしたのだ。
    窓から差し込む光が、
    手紙に反射して、唯の顔を
    優しく照らしていた。

       ~~~~~~~~~~

    窓ぎわの席に座り、
    携帯電話を取り出す。
    電話もメールも着信はない。
    待合せの時間は過ぎている。

    覚は、テーブルの上に
    携帯電話を置き、
    店の入口に目をやった。
    すると、扉に着いている
    小さめのカウベルが、
    コロン、コロリンと音を立てた。

    入ってきたのは、
    三歳位の女の子を連れた
    若い母親だ。
    予約していたバースデーケーキを
    受け取りに来たらしい。

    トシさんの奥さんが笑顔で迎える。
    ケーキを渡し、料金を受けとると、
    奥さんは、レジの横で揺れている
    風船を一つ取り、女の子に渡した。

    女の子は、恥ずかしそうに
    母親の後ろに隠れていたが、
    おずおずと手を伸ばす。
    トシさんの奥さんは、
    すかさず女の子の手首に
    風船の糸をくるりと巻き付けた。

     「ほら。こうすれば、
     飛ばないから。」

    女の子は、コクリと頷くと、
    笑顔を見せる。
    ドアの外に出てからも、
    何度も振り返り、手を振りながら、
    帰っていった。

     「可愛いわねえ。」

    トシさんの奥さんが
    銀色のトレーにコップを
    載せてやって来た。

     「ああ。あの頃が一番だな。
     手はかかるけど。」

    覚は、懐かしげな顔で答えた。
    子供達が小さかった頃、
    誕生日を祝うのは、
    この店と決まっていた。

    店主のトシさんが、裏メニューの
    焼きリンゴを作ってくれたり、
    奥さんが、コーンスープや
    ナポリタンを出してくれた。

      「昭和の味だよな~。」

    思わずこぼれた独り言に、
    奥さんが笑う。

     「今、作ってるから。
      かつての定番品。」

      「え?」

     「唯ちゃんが元気に
      なるならって。
      朝から妙に
      張り切ってるの。
      ウチの旦那。」

    奥さんが、ショーケースの
    内側に戻った頃、
    覚の席に面した窓が
    コンコンと叩かれた。

    振り向くと、
    窓ガラスの向こうで、
    尊が右手を上げている。

    手招きをする覚に、
    尊は一瞬、ためらう。
    覚は、早く来いと言うように、
    顎をしゃくった。

    間もなく、尊が入ってきた。

     「ああら、尊君。
     また、背が伸びたわね。」

    奥さんの明るい声が、店内に響く。
    その声を追うように、厨房から
    トシさんがやって来た。
    そして、生真面目な顔で言う。

    「久しぶりだったからさ。
     緊張したよ。」

    磨きこまれたバットの中には、
    動物型のケーキが
    ずらりと並んでいた。
    猫、犬、熊、パンダ、タヌキ・・・

      「おー。
       大人気だったよな。これ。
       唯は、特にこの
       スワンシューが
       お気に入りでさ。
       きっと大喜びする。
       ありがとう。トシさん。」

    「味見してみる?」

      「そうだな。コーヒーも頼むよ。
       尊は?」

       「あ、僕はアップルパイで。」

      ”あのな、尊。ここはだな。。“

    またしても、覚は言葉を飲み込む。

      「で、どうだった?」

    尊は、返事の代わりに右手の指を
    二本立てて見せた。

       「ミサさんの叔母さんは、
        とっても親切だった。
        余計な詮索はしないし、
        文章の意味だけ、きちんと
        説明してくれたよ。
        後は、家で。」

      「ああ、そうだな。」

    覚と尊は、ケーキとコーヒーを
    流し込むように平らげると、
    トシさんからケーキの大きな箱を
    受け取り、自宅へと急いだ。

    今日は午後から、唯の友達が家に
    来ることになっている。
    美紗が唯に会った事を学校で
    話したらしく、仲良しグループが
    全員で訪ねて来る事になったのだ。

       「これで、学校に行く気に
        なってくれれば良いね。
        お姉ちゃん。」

      「それ、お前が言うか?」

        「え?あ、ごめん。」

    覚は笑って、尊の背中をポンと叩く。

    不登校だった尊は、若君のおかげで
    通学できる様になった。
    こうして息子と肩を並べて
    歩くのは、本当に久しぶりだ。

      「尊。必ず行こうな。天文台。
       マウナケアの星空は、
       凄いらしいぞ。」

    “オニズカさんの記念碑もあるし。“

    振り仰いだ空には、
    うっすらと飛行機雲が残っていた。

      ~~~~~~~~~~~~

    実は、唯の幼馴染の美紗は、
    一人で4日前の水曜日に
    来てくれていた。

    唯を見るなり両腕を大きく広げて
    ぎゅっと抱きしめ、
    なかなか離さなかった。

    「ゆ~い!ヤッハロー♪」

      「ハロハロ~♪
       サンキュ。来てくれて。」

    その後、尊の実験室で話をした。
    美紗は、パソコンの画面を
    スクロールしながら、食い入る様に
    手紙を読んでいたが、やがて、
    こう言った。

    「ここと、ここ。
     あ、ここもコピーして。
     別ファイルに保存してね。
     漢字のとこ、叔母さんに確認して
     貰うから。
     意味も説明してって、
     頼んどく。
     言葉のニュアンスとか、
     きちんと知りたいでしょ?」

       「うん。」

    「早い方が良いとは思うけど、
     平日の夜は、
     大人のクラスがあるし、
     土曜日は、
     子供のクラスで手一杯。
     時間貰えるとすれば、
     日曜の午前中かな。」

      「信じて・・・くれるの?」

    探る様な唯と尊の視線に、
    美紗は半ば困り顔で言った。

    「うー――ん。
     ホント言うとね、
     無理っぽい。」

    唯と尊が、同時に下を向く。

    “やっぱり、無理か・・・”

    それを見た美紗は、こう続けた。

    「でもね。
     今の話が、唯の妄想だとしても、
     唯にとっては、
     “本当に起こった事”なんだよね?
     だったら、手伝う。」

    尊と唯が、同時に顔を上げた。
    唯が美紗にダイブする。

      「ありがとう~!!!
       ミサ!!」

    実験室を出て、
    家の前に止めたチャリにまたがり、
    美紗が振り返った。

    「唯に会った事、
     学校で話しても大丈夫?
     皆、心配してるし。
     もちろん、
     手紙の事は言わない。」

      「うん、いいよ。」

    「了解。じゃあね。」

      「あ、待って。送ってく。」

    言いながら、唯は自分の
    自転車めがけてダッシュする。
    二人を見送りながら、
    尊はしみじみ思った。

        “友達って良いな。”

    ふと、若君の横顔が胸をよぎる。
    尊にとっては、家族以外で初めて
    心を許せた人だ。
    出来ることなら、また会いたい。
    いつか、自分も永禄に・・・。

    こみ上げる想いを払うように、
    尊はぶんぶんと頭を振ると、
    実験室に戻り、パソコンを
    再起動させた。

      ~~~~~~~~~~~~

    そして、迎えた日曜の午後。
    速川家は、笑い声で溢れていた。
    懐かしの“動物ケーキ”の争奪戦で、
    ジャンケン大会が始まったらしい。

    「いいよな~。
     若い女の子の声って。
     こっちも元気になる。」

     「ああら、じゃあ、
      オバさんの声だと
      どうなるの?」

    美香子に睨まれ、覚は慌てた。

    「え?そ、それはだな。
     アレだ。」

    覚は救いを求める様に息子を見る。
    が、尊はスマホに夢中で気づかない。

     「アレって?」

    「お?
     お・お・お、落ち着く。
     特に君の声は、安心する。
     さすが、名医だ。」

     「うまく逃げたわね~。」

    「あはは。
     そうだ!
     ケーキだけじゃ、なんだから、
     タコ焼きでもするか?
     食べ盛りだろ。コギャルは。」

       「そこは、“JK”。
        コギャルは死語。」

    「死語?そうだな~。」

    珍しく、覚は尊への一言を
    飲み込まず、逆に軽く受け流すと、
    いそいそとスーパーに向かう。

    そして、夕方。
    帰りかけたJK達を引き留め、
    覚はリビングに案内した。
    部屋の真ん中に置かれた座卓には、
    B級グルメがずらりと並んでいる。
    リビングに大歓声が響く。

       「わお!」
         「すご~い!」
          「ヤダー。これ、
           見ちゃったら、
           帰れないよね~!」

    皆、携帯を取り出す。
    そして、セリフを合わせた様に
    話し出した。

        「あ、ママ?
         今夜、夕食いらない。
         唯ん家でゴチになる~♪」

    覚が、嬉しそうに声をかける。

    「さあさあ、遠慮なくどうぞ。
     今日のたこ焼きは、
     ちょっと仕掛けがあってね。」

        「え、なになに?」

    「味見するかい?」

    覚が差し出したたこ焼きを、
    美紗がパクリと口に入れた。

          「んんん?何これ?
           もしかして、
           モッツアレラ?!
           美味でござり
           まする~♪」

    美紗の声につられて、
    他のJKも次々に手を伸ばす。

           「あ、これ、エビ!」
            「私のは・・・
             チョコ
             ボール?!」
             「えっ?
              うっそー?
              ほんとに?」

    ぽん酢、タルタル、それに、
    ソースとケチャップを
    混ぜたオーロラ。
    用意した、ディップも色とりどりだ。

         「いいなあ~、唯は。
          こういうの、
          毎日食べられて。」
          「羨ましすぎ~。」
           「唯パパ、
            サイコー!」

    大絶賛を浴び、覚が照れる。
    赤くなった顔を見られない様に
    キッチンに戻り、
    覚は焼きそば用の
    キャベツを刻み始めた。

    JK達は、タコ焼きを口に運ぶ毎に
    携帯を向け、お互いを
    写メに収める。

    その夜のインスタグラムが
    速川家のB級グルメで溢れたのは、
    言うまでもなかった。

      ~~~~~~~~~~~~

    咄嗟に思いついて、
    用意したたこ焼きが、
    唯の友人たちに大ウケし、
    大満足の覚だったが、
    それ以上に嬉しかったのは、
    唯が見せた、穏やかな顔だ。

    尊の実験室で、永禄時代の
    小袖姿を見た時には、
    正直、戸惑った。

       「かわいかろ?」

    “嬉しそうに言うこの子は、誰だ?
    確かに声は、娘の唯だが・・・。“

    覚は得体のしれない
    違和感を隠したまま、
    数日を過ごした。

    唯が戻った次の夜、
    寝返りを打った拍子に、
    美香子が目を覚まし、こう言った。

     「お父さん、
      眠れないんじゃない?」

    「そんなことは、ない。
     あのさ、、、」

     「なあに?」

    「いや、何でもない。」

    言いかけて、覚はやめた。
    自分でも説明のつかない感覚を
    上手く妻に伝えられるはずもない。

    覚は、自分が抱えていた違和感が、
    唯の表情の変化で、今夜、
    少し消えた気がした。

    友達に囲まれると、唯は
    確実に、元の唯に戻っていく。
    そう、自分の娘は、この唯だ。

    覚はたこ焼きのプレートを
    丁寧に洗う。
    多めに出した蛇口の水が、
    自分の心の迷いも、
    流して行く様な気がした。

     「お茶が入ったわよ~。」

    美香子が唯と尊を呼ぶ。
    いよいよ、これから、
    若君の手紙を“読む”のだ。

    “唯宛ての玉手箱が、
     唯をどんな姿に変えても、
     自分は唯の父親だ。“

    覚は、エプロンを締めなおす。
    そして、三人が待つダイニング
    テーブルに向かう。
    椅子に深く座り、
    深呼吸を一つすると、
    尊に言った。

    「尊、パソコン、起動させてくれ。」

    速川家の屋根の上で、
    小さな星が続けて二つ、
    きらりと流れて消えて行った。

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    返信先: 創作倶楽部
    久々に投稿させて頂きます♪

    昨夜の満月に力を借りて、
    投稿させていただきますね。

    夕月かかりて様
    連載途中に、すみません。
    お話の流れを止めてしまうのは申し訳なく、
    ずっと、タイミングを計っていたのですが、
    まだまだ続くとの事ですので、
    入らせて頂きますね。m(__)m

    ぷくぷく様
    大長編の投稿前にすみません。
    ご準備中かと存じます。
    タイミングが重なりましたら、
    お許し下され~。m(__)m

    皆さま
    漫画版では”若君の手紙”を
    読んでくれたのは、
    お隣の元大学教授だったかと。
    では、ドラマ版は?

    唯は
    ”にょんにょんした文字”を
    読み解けたのか?

    そんな疑問がきっかけで、
    書き始めました。

    お楽しみいただけましたら、
    幸いです。

    投稿フォームへ

    返信先: 雑談掲示板
    月見

    昨夜は、綺麗なお月さまでしたね。
    とある遊歩道で見ました。

    昔、次男と自宅近くの公園で、
    月見をしたのを思い出し、
    メールをしたら、珍しく返信有。

    月は絆を保つ力も有るのかも。

    おばばが見た月は、
    白く平面的でしたが、
    こちらは、オレンジ色。
    しかも、立体的で、球体。
    カメラの力、凄し!
    ふと、昔のピンポン玉を
    思い出しました。
    (ピンポン玉は一時期、
     オレンジ色でした。)

    お城も映ってます。
    撮影は前日の9/9の様ですが、
    よろしければ、どうぞ!↓
    https://twitter.com/nhk_chubu/status/1568173809974255616

    こちらも面白いですね↓
    https://news.yahoo.co.jp/articles/237f9b33723e759bba6b6420e00cb44f2f023162/images/000

    てんころりん様
    さすがですね~。
    肉月餅は”ミートパイ”味ですか。
    食べてみたい。
    調べてくださって
    ありがとうございます。m(__)m

    ぷくぷく様
    遅くなりましたが、大長編のご様子。
    掲載、楽しみにしてますね。(*^^)v

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    返信先: 雑談掲示板
    今宵は満月!

    ご無沙汰してます。
    色々、見逃しですが、
    皆さんの投稿を拝読し、
    一喜一憂しております。

    今宵は満月ですね。
    晴れるといいですね。

    日本では、お月見の定番は団子ですが、
    中国では、肉月餅なのだとか。
    (今朝のTVニュースで知りました。)

    今まで、”月餅”と”満月”が
    結びついておらず、
    おばばにとって、”月餅”は、
    中華街散策時のお土産品でした。

    それにしても、肉月餅って
    どんなお味なんでしょうね。
    ”肉まん”とは違うのか???

    横浜、中華街では、
    シンボル的な存在だった、
    ”聘珍楼”が倒産?!
    名物の、”大月餅”はどうなったのか、
    とっても気になる中秋です。

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    返信先: 雑談掲示板
    3割

    Akita inu 様
    1割だったのはかなり前の事で、
    今は、3割負担です。
    自治体によって、
    子供や高齢者は無料に
    なる所もあります。
    民間の医療保険にも加入して、
    長期の入院などに備えるのが、
    一般的ですかね。
    入院期間については、
    症状によるのでしょうが、
    短期になっている傾向が
    あるのでは。
    医療関係者の方が
    いらっしゃいましたら、
    補足をお願いします~。

    投稿フォームへ

    返信先: 雑談掲示板
    ご、ごま?!

    アンケートの話題の中、
    突然、すみません。m(__)m

    衝撃的な”ぴよりん”を見つけて、
    書き込まずにはいられず。(;^_^A

    いやあ、名古屋の方々の発想は、
    凄い!!!

    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000079799.html

    残念ながら、既に販売終了。
    食べてみたかった!!!

    もし、”ぴよりん”のアンケ―トが
    あるならば、”レンコンぴよりん”
    リクエストしたいですね。

    投稿フォームへ

    返信先: アシガール掲示板
    兜!

    昨日、録画しておいた
    ”ラスト・サムライ”
    を見ました。
    そして、アシ脳、活性化。

    真田広之さんが演じた武者の兜!
    あれは、小平太殿の兜では・・・。

    両脇の”角”が
    真田さんの方が細いですが、
    そっくりです。

    そして、トム・クルーズの
    赤い甲冑姿。
    まるで天野家の家臣。(;^_^A

    小雪さんの子供たちが、
    三ちゃんと孫ちゃんにかぶる。

    続編が実現するまで、
    まだまだ、おばばの妄想は
    続きそうです。

    ”若君”の義経姿。
    どなたかが、ツイッターに、
    この時間から沿道にお客さんがいるのは、
    ”タッキー”こと、滝沢君以来と
    書かれておられました。

    ”東下り”も大盛況の様でしたね。
    白馬に乗った姿は、
    ”吹雪”に乗った”若君”の様で、
    嬉しかったです。

    投稿フォームへ

    返信先: 初書き込み掲示板
    お見舞い申し上げまする

    Akita inu様
    くれぐれもお大事に。
    お見舞いに
    栃の実を使った日本の名産をご紹介。
    栃木名産かと思いきや、
    な、なんと、島根でした。
    栃の実は貴重で、
    なかなか手に入りません。
    アクが強くて、
    抜くのが大変そう。
    でも、とても美味しそうです。
    https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/tochi_mochi_tottori.html

    投稿フォームへ

    返信先: 雑談掲示板
    中学林

    ソーラーパネルが並ぶ風景は、
    正直、見たくないなー。
    ”アシガール曲”が似合う景色
    が少しでも残る事を願ってます。

    投稿フォームへ

    返信先: 連絡掲示板
    マスター様

    手工芸部への投稿が反映されないようです。
    お助け下され~m(__)m

    投稿フォームへ

    返信先: 初書き込み掲示板
    Akita inu 様

    創作倶楽部については、
    てんころりん様が
    創作倶楽部の[no.812]
    に詳しく書かれて
    いらっしゃいますよ。

    素敵な黒羽城の3D画像、
    ご紹介下さって
    ありがとうございます。

    3D映像にチラリと映る閨が
    印象的でした。

    少し前に、妄想作品で、
    とある”黒羽城炎上”事件を
    書きました。

    ドラマ本編で、
    唯を平成に送り返した後の、
    辛い時期の若君が、
    大笑いして、閨の寝具の上で
    大の字になって眠るシーンが
    有ります。

    この映像を見ながら、
    読んで頂けると、
    より、興が増すかも。

    宜しければ、創作倶楽部の
    [no.804]兎角この世は~源三郎編~
    をどうぞ。

    投稿フォームへ

    返信先: 初書き込み掲示板
    Akita inu様 はじめまして

    主に創作倶楽部に出没する
    妖怪でございます・
    よろしくお願いいたします。

    最近、創作倶楽部でも、アシガール掲示板でも
    ご紹介したのですが、英語の字幕付きで、
    本編、第一話から楽しめる動画を
    みつけましたので、
    こちらにもURLを張りますね。
    ドラマは好きだけど、日本語は苦手な
    お友達がいらっしゃいましたら、
    是非、紹介してあげて下さいませ。
    https://www.dailymotion.com/video/x7uwcn2

    では、私からは、”むじなそば”をどうぞ~。
    おあげと、天かすが
    両方入ってます。

    ちなみに、カップ麺では、”どん兵衛”を
    お勧めしております~(;^_^A
    でも、決して”日清”の回し者では、
    ございませぬ。笑

    投稿フォームへ

    返信先: 雑談掲示板
    「妖怪シェアハウス」再び

    今夜、テレ朝、夜11時、続編放送開始です~!
    出演者の皆様、パワーアップ。
    よろしければ、どうぞ~(*^^)v

    投稿フォームへ

    返信先: 創作倶楽部
    こちらでもお知らせ~海外在住の皆様へ~

    カマアイナ様
    メープル様
    海外在住のアシラバの皆様

    アシガール掲示版で
    お知らせしたのですが、
    こちらでも。

    英語の字幕のある
    アシガールの動画を見つけました!
    第一話はこちら↓
    https://www.dailymotion.com/video/x7uwcn2

    日本のドラマに興味はあるけど、
    日本語は苦手というお友達が
    いらっしゃいましたら、
    ご紹介下さいな~。(*^^)v

    海外の俳優さんたちの”アシガール”も、
    いつか見てみたいですね。(^_^)v

    投稿フォームへ

    返信先: アシガール掲示板
    皆様ごぞんじかもしれませんが

    知人にアシガールを紹介しようとして、
    ネット検索し、こちらを発見↓
    https://www.bing.com/search?q=%E3%82%A2%E3%82%B7%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%AB&form=ANSPH1&refig=bed086581a094e24b55e1d142787a70b&pc=U531&sp=1&qs=SC&pq=asiga-ru+&sk=PRES1&sc=8-9&cvid=bed086581a094e24b55e1d142787a70b

    動画を堪能できます。
    宜しければどうぞ~。

    投稿フォームへ

    返信先: 創作倶楽部
    未練な事とは思いつつ

    皆様、こんばんは~!

    夕月かかりて様、新作連載
    始まったばかりで、
    割り込みまして、
    申し訳ございません。

    ただ、鐘ヶ江家の”二の姫”
    につきましては、
    おばばが生み出した、
    おばばオリジナルの
    最愛のキャラでしたので、
    それに近いイメージを
    少しでも皆様に
    お伝えしたく、お邪魔しました。

    まあ、当初名乗らせた名前とは
    異なりますが、今の所、
    幼き頃の、おてんばな”二の姫”の
    イメージに近い人形として
    ご紹介したいのは、こちらです。
    髪を、黒髪の戦国風にしていただき、
    唇を尖らせて、不服そうな表情に
    変えてイメージして頂ければ、
    もっと嬉しいです。
    そうすれば、
    幼き日の小平太殿を、
    ボコボコにして悠然と自宅に帰った
    ”二の姫”のイメージに近づくと
    思います。
    https://atelier-dolldoll.com/contents.html

    この人形は、ミモザの髪飾り、
    着物の袖の飾りもミモザかと。
    ヨーロッパでは、ミモザは
    春を告げる花。

    最近では、日本でも、恋人に贈る
    ”ミモザの日”と言うものが
    あるそうな。

    実は、ミモザも染料になるんです。

    この愛らしい姿。
    如何でしょう?
    成人した”二の姫”にとって、
    人生最高の晴れの場である
    ”流鏑馬披露”の日の
    最上の笑顔を想像して頂けると
    幸いでございます。m(__)m

    遠い昔、
    米山京子さんの本を手に入れ、
    それを頼りに30体ほど
    人形制作を致しました。
    そのほとんどは、
    友人、知人にプレゼント。
    愛する姪たちに作って、
    実家に送ったものは、隣の児童館に
    母が差し上げて、自分の手元には、
    一体も残っておりません。

    自分の子供に作ってやる余裕もなく、
    日々を過ごしていましたが、
    てんころりん様の投稿をきっかけに、
    なつかしい、人形作家のサイトを
    検索できたのは、嬉しい事でした。

    てんころりん様。
    ありがとうございます。
    m(__)m

    投稿フォームへ

    返信先: 創作倶楽部
    夕月かかりて様 てんころりん様

    夕月かかりて様
    新作始まりましたね。
    楽しく読ませて頂きます~。

    てんころりん様
    せっかく下さったコメントなのに、
    もし、不快な思いをさせて
    しまったのでしたら、
    すみませんでした。

    色々考えて、”十三夜”の二の姫が
    名乗るシーンは、書き換えました。

    当時の、”姫”が、初見の男性に
    直接名乗る事は無かったかも
    と言うのが、私の結論です。

    ですので、二の姫の”蘇芳”については、
    お忘れくださいね。m(__)m

    どうか、ドラマの人形のイメージを
    大切になさってください。(^_^)v

    投稿フォームへ

    返信先: 創作倶楽部
    てんころりん様

    私の妄想小説の、しかも、ほんの一度
    名乗るシーンを覚えていてくださって
    ありがとうございます。
    その事には、感謝しかありません。

    ここから先は、私の私見なので。
    この場に相応しくないですよね。
    でも、受けた衝撃は、少なからず。
    二の姫に、この名を名乗らせたことを、
    今は、後悔しています。

    http://hizuki-doll.jp/suou
    この人形に、蘇芳と名付けた意図を
    私は、作者に、問うてみたい。
    和人形作家であれば、蘇芳色が、
    紫に次ぐ高貴な色であったことを
    知らぬはずはない。
    それをふまえた上で、
    この表現をあえてしたのであれば、
    その意図は何でしょうか?

    私の目には、この人形は
    あまりにも無残な姿にしか
    見えないです。

    投稿フォームへ

    返信先: 創作倶楽部
    御礼

    カマアイナ 様
    メッセージありがとうございます。
    お名前変えたのかな~
    と思ってました。
    ハワイ編、もう少し
    お待ちくださいね。

    桜と薔薇 様
    コメントありがとうございます。
    そうですね。
    ”戦の無き世を!”
    これは、戦乱の世を描く場合の
    不変のテーマにしなければ!

    てんころりん 様
    蘇芳人形、拝見しました。
    最初に見たものに、ショックを受け、
    しばし、絶句。。。
    確かに、妖艶。
    おばばの第一印象は”怨念”
    この人形作家さんは、”ハナズオウ”
    をイメージされたのではないかと。
    ”ハナズオウ”の花ことばは、
    ”裏切り”です。

    おばばの二の姫のイメージは、
    マメ科の薄黄緑色の花をつける
    ”蘇芳”で、こちらの花は、
    大変素朴というか、地味です。
    ただし、染料にして布を染めると、
    深紅になり、古代、飛鳥時代から
    使われています。
    男装し、女子としての色香は、
    あえて見せず、鐘ヶ江家の因果を
    断ち切る為に一生を捧げようとする、
    その二の姫が、小次郎殿の心を
    熱い恋色に染め上げる。
    それを、表現するために、”蘇芳”
    としました。

    投稿フォームへ

    返信先: 創作倶楽部
    カマアイナ様

    感想、ありがとうございます!
    コメントを頂けると、
    とても励みになります。
    書いていると、
    時々不安になるんです。
    主要な登場人物は特に。
    キャラの解釈が独りよがりかな?
    このセリフは、このキャラに
    相応しいか?とか。

    見えたとコメントを頂けると、
    本当に、ホッとします。(^_^)v
    しかも今回は、
    笑って頂けたんですね♪
    ロスをうめていただけたなんて、
    感激~!(*^▽^*)

    所々、名前の間違いがあったので、
    少し書き直しました。
    気に入って頂けた、
    ”じいの鯉の汁”ですが、
    実は、若君と小平太の、
    ちょっとした、ボケとツッコミの
    前振りでした。
    初回投稿で、それを書き忘れまして、
    追記しました。笑
    今日も、すこし、書き直す予定ですが、
    ストーリーは変わりません。笑

    今、私の中の覚さんは、
    ハワイに行くプランを練ってます。笑
    文字に出来るまで、
    少しお待ちくださいね。

    投稿フォームへ

    返信先: 創作倶楽部
    兎角この世は~源三郎編~ ”どんぎつねシリーズこぼれ話”

       
    皆様、ご無沙汰しました。
    ”緑合板”で、突然のお知らせを
    目にしまして、
    内容がそぐわないかと
    ためらっておりました。

    でも、勇気を振り絞って
    投稿いたします。
    原作は、途中までしか
    読んでいないので、
    ”黒羽城炎上”が
    どう回収されたのか、
    大変気になります。

    でもそこは、やはり原作を
    読み込んでからと思い、
    別の意味での”黒羽城炎上”事件
    を書いてみました。
    ちょっぴり笑って、
    ちょっぴり泣いて頂けたら
    嬉しいです。

    桜と薔薇様
    リクエストいただいた作品では
    ありませんが、
    お楽しみいただけましたら
    幸いです。

    夕月かかりて様
    ほのぼの長編、お疲れさまでした。
    次回作、お待ちしてます。

    ・・・・・・・・・・・・・・・

    花園での茶会が終わった翌日。
    つまりは、狐火に囲まれて、
    白狐の元へと戻って行く
    どんぎつねを見送った
    その明くる日でもあるのだが。

    源三郎は、宴の後片付けに
    追われていた。

     “仕事に励んでおれば、
     思い出す事も無い。“

    そう自分に言い聞かせ、
    ひたすら体を動かす。
    だが、しかし、
    当人はそのつもりでも、
    傍目にはそうは映らなかった。

      “源三郎様は、
      如何なされたのか。
      思い詰めた顔で、
      まるで、心ここにあらず
      のご様子。“

    庭師の頭は、さりげなく、
    手下の若い衆を力仕事に当てた。
    おのずと、源三郎には
    簾や簀の子の整理という、
    軽めの作業が回る。

    しかし、帳簿付けは
    源三郎以外、誰もする事ができない。
    何度も、茶道具や緋毛氈を数え直し、
    その数を書き直す様子に、
    庭師の頭は、
    気を揉むばかりだった。

    手間取りながらも記帳を終えた頃、
    ふと辺りを見回すと、
    宴の名残は東屋の周囲に
    新たに敷かれた白い玉砂利
    だけになっていた。

    西の空には、
    夕焼け雲が浮かんでいる。
    その中に、微かに動く
    小さなものがあった。
    目を凝らすと、
    透き通った羽根のカゲロウが
    風に身を任せるかの様に
    ふわふわと飛んでいる。

    源三郎は、いつの間にか、
    その頼りなげなカゲロウに
    誘い出されていた。

    着いた先は、
    月下美人の鉢が並ぶ一角だ。
    水を引き込んでいる樋の中から、
    流れる水音が微かに聞こえる。
    すると、カゲロウは、
    思いがけない早さで樋に向かい、
    その中に落ちて消えた。

     “とうとう、力尽きたか?“

    樋を覗き込む源三郎の胸が、
    チクリと痛む。

    子供の頃は、力強く飛ぶ
    オニヤンマが好きだったのに、
    何故、今は、
    儚げな小さな虫が気になるのか。

    溜息を一つ、つき、
    城に戻ろうと顔を上げると、
    黄昏の中に人の影があった。
    腰の辺りに、ふさふさと
    揺れるものが見える。

       “もしや、どんぎつね殿?“

       「戻ってきたのか?」

    源三郎は駆け寄ると、
    両腕を伸ばした。

    「何をする!」

    源三郎のみぞおちに
    その影の肘が突き刺さる。

       「うう!」

    体をくの字に折り、
    膝をついた源三郎の頭の上から、
    聞きなれた声が降ってきた。

    「源三郎?!」

      「わ、若君様!」

    振り返った若君が慌てて、
    源三郎を起こそうとする。
    すると、背中が棚に当たり、
    その弾みで、若君の体が
    源三郎に覆い被さる様に傾いた。

    源三郎は、若君が顔面を打つのを
    防ごうと、咄嗟に右手を
    若君の頭の後ろに回す。
    そして、自分の頬の横に引き寄せ、
    左腕で腰から背中を抱きかかえた。

    月下美人の鉢の間に
    倒れ込んだ二人は、
    暫くの間、動けなかった。

    源三郎は背中を、若君は腰の右側を、
    地面に強く打ち付けたのだ。

    西の山の稜線が、橙色に輝いていた。

        ・・・・・・・

       「さつき様、いつまで
        ここに、この様に?」

      「え?」

       「早う戻って、
        夕餉の支度にかかりませぬと
        御坊に叱られまする。」

      「さ、左様じゃの。
       私も戻らねば。
       今、見た事は、決して誰にも
       語ってはなりませぬぞ。」

       「承知しました。」

    花園の隅の、生け垣の裏にかがみ、
    息を潜めていたのは、
    奥女中のさつきと、薬師堂の小僧。

    さつきは、昨日の茶会で披露された、
    成之の花の見事さに感じ入り、
    その花材を一枝分けて貰いに、
    花園に出向いたのだ。

      「奥の長廊下の脇に
       飾りますれば、
       皆、喜びましょう。」

    そう言って、奥御殿の総取締役、
    藤尾の許しを貰った。

    奥では昨夜から、若君の腹違いの兄、
    成之の噂で持ち切りだ。
    常に落ち着いた様子で、
    時には冷たくさえ感じる成之だが、
    その胸の内は、あの花が示す様な、
    熱い思いをたぎらせて
    おられるのだと。

    女子が、キャラのギャップに
    魅入られるのは、この世の常らしい。

    東屋で一人、青銅の壺に向かう
    成之のまなざし。
    身の丈を超える古木を、
    立てた際に、額に浮かんだ汗。
    迷わず紅葉の枝を選び、
    古木の枝に埋め込む手さばき。

    見る間に、古木は切り立った崖に、
    紅葉は流れる滝に変わり、
    滝壺は、深紅の葉で
    埋め尽くされた。
    “清流”を、“紅”で表す。
    それは、誰もが息をのむ、
    斬新な芸術作品だった。

    さつきの訪れを気にも留めず、
    庭師たちは、忙しく立ち働いている。
    声を掛けるのもはばかられ、
    戻りかけた所へ、薬師堂の小僧が
    通りかかった。

        「何か、御用で?」

    小僧は、さつきから話を聞くと、
    庭師の頭を見つけ出し、
    伝えに走って行った。
    やっと、さつきに気づいた庭師は、
    その場で深々と頭を下げる。

        「小枝で宜しければ、
         花園の紅葉の下に
         置いてありますものを、
         お持ち下さいませと。」

    戻ってきた小僧は、庭師の
    しわがれた声音をまねる。
    さつきが噴き出すと、
    照れたように頭を掻き、
    庭師から、案内を頼まれたと言う。

        「ここは、私の庭の様な
         ものですから。」

    小僧は、大人びた口調で得意げだ。

       「まあ、左様な事、
        誰ぞに聞かれたら、
        仕置きものじゃ。」

    さつきは顔をしかめてたしなめる。
    が、すぐに笑顔に戻った。
    紅葉を手に入れるのが、
    よほど嬉しいらしい。

    秋の日は瞬く間に過ぎる。
    念願の枝を数本手にし、
    上機嫌で奥御殿へと足を向けた矢先、
    源三郎と若君が、折り重なって
    月下美人の陰に消える様を
    目撃したのだった。

       ・・・・・・

    背中全体に擦り傷を負ったが、
    源三郎は、何よりも先に、
    若君を案じた。

    若君は、腰を抑えたまま、
    声も出せずにいる。

    背中の痛みをこらえ、
    立ち上がり、
    若君を抱き上げると、
    源三郎は、花園の中に
    新たにしつらえられた
    水屋に向かった、

    そう、女子であれば
    誰もが一度は憧れるかもしれない、
    お姫様抱っこで。

    源三郎にとっては、あくまで
    主君の手当の為だったのだが、
    奥女中のさつきと、
    薬師堂の小僧には、
    そうは見えなかった。
    成之の“花”に惹かれながらも、
    日頃から若君贔屓を公言している
    さつきにとっては、衝撃の出来事だ。

    源三郎は、水屋の中に
    若君を運び込み、
    先ほど畳んだ緋毛氈を敷く。

    その上に若君を寝かせると、
    無礼を詫びながら、袴を脱がせ、
    着物の裾をまくる。
    若君の腰が、青紫色になっていた。
    源三郎は、水屋の手桶を掴むと、
    すぐ横の井戸で水を汲み、
    首に巻いていた手拭いで、
    若君のあざを冷やし始めた。

    「世話をかけるの。
     それより、ぬしの腹は如何じゃ?
     肘を強う当ててしもうたが。」

     「は。確かに一時
      息が止まり申した。
      さすが、若君にございます。」

    「すまぬ。源三郎とは思わず。」

     「いえ、私の方こそ、
      大層な見間違いを。」

    「見間違い?」

     「は。その。。。見知った者が、
      そのふさふさとした物と
      良く似た狐の尾を
      付けておりました故。」

    「さようか。それはもしや、
     稲荷の巫女とやらか?
     久殿の絵馬を
     届けてくれたと言う。
     だがの。
     これは、唯之助のものじゃ。」

     「唯之助の?
      確か、生まれ故郷に戻ったと
      伺いましたが。」

    「うむ。
     戻る前、城下の芝居小屋に
     立ち寄った様での。
     その折に、落として行ったらしい。
     よほど、慌てておったのであろう。
     使いの者が、届けたそうじゃ。
     天野の離れ座敷にの。
     わしが持っておった方が、
     唯之助も嬉しかろうと、
     おふくろ殿が申すので、
     譲り受けた。」

    源三郎は、どんぎつねを
    引き合わせるなり、花園を
    走り去った唯之助を思い浮かべた。
    そう言えば、あの時、
    何かが腰の当りに揺れていた
    様な気がしないでもない。

    「ん?源三郎。
     帯に挟んでいる、
     それは何じゃ?」

     「あ・・・これは。そのう。
      稲荷のお守りとか。」

    「貰うたのか?
     その巫女から?」

     「は。あ、いえ、その。」

    どんぎつねから渡された、
    小さな尻尾を指で撫でながら、
    耳まで赤くなっている源三郎
    を見て、若君は、話を変えた。

    「それよりも源三郎、
     背中に血が滲んでおるぞ。」

     「そ、それは、気付きませず、
      申し訳ございませぬ。
      すぐに止血を。」

    源三郎は慌てて、若君の着物を
    脱がせようとする。

    「いや、わしではない。
     ぬしじゃ。
     わしが、手当する故、
     早う着物を脱げ。」

     「滅相もございませぬ。
      かような傷、何程でも。」

    遠慮する源三郎の襟をつかみ、
    胸元をはだけると、
    若君は、半ば無理やり
    源三郎の片袖を引き抜いた。
    まさにその時、
    水屋の戸が開き、庭師の頭が、
    顔をのぞかせた。

    仕事を終え、帰りかけた庭師は、
    水屋から物音がするのを聞きつけ、
    不審に思ったのだ。

    そして、そこで目にしたものは、
    頬を朱に染めた半裸の源三郎と、
    下半身をはだけた若君の姿。

    仰天した庭師は、
    戸を閉めるのもそこそこに、
    叫びながら、走り去る。

      「お、お許し下さいまし~!」

    庭師は思った。

       “源三郎様が上の空で
       あったのは、
       かような訳が。。。“

    実に、間の悪い事は続くもの。
    当人たちは、庭師の誤解には
    とんと思い及ばず、
    こんな言葉を交わす。

    「あの者は、何をあのように、
     慌てておるのじゃ?」

     「はて?」

    こうして、宴の後の一日は
    とっぷりと暮れて行った。

        ・・・・・・・・

    さて、さらにその翌日。
    奥御殿で、若君と源三郎の噂が、
    “成之の花”を超えて
    しまったのは、致し方ない。

    薬師堂の小僧に口止めを
    したものの、己の胸の内に
    納めておくには、
    さつきにとって、
    刺激が強すぎた。

    その噂は、瞬く間に、
    藤尾の耳にも入った。

      “なんじゃと?
      自ら呼ばれたふき様の元に
      若君様がお通いに
      ならなかったのは
      それ故か?! “

    藤尾は血相を変え、
    城表に出向むくと、
    人目もはばからずに叫ぶ。

      「天野殿!
       信茂殿はおられぬか~?」

    一方で、薬師堂の小僧は、
    御坊には語らなかったものの、
    草木染の手習いにやって来た、
    天野家の女中、トヨには
    つい、漏らしてしまった。

    トヨが千原家の家紋ばかりを
    熱心に染めるので、
    その訳を尋ねた所、
    幼馴染の源三郎が、千原の姓を
    賜るのを、念じての事だと言う。

       「それなれば、
        じきに叶いましょう。」

    意味ありげに語る小僧に、
    トヨが聞き返す。

      「???何故に?」

       「若君様は源三郎様を
        格別にご寵愛のご様子。」

      「それは言葉が
       違うておろう?
       確かにお側近くに
       仕えてはおり、
       厚い信頼も頂いては
       おる様じゃが。」

       「私の言葉に誤りなど。
        確かにご寵愛にて。」

      「ご・・・ちょう???」

    トヨが小僧をまじまじと見る。

       “しまった!”

    小僧は、思わず、己の口を押え、
    その場を立ち去る口実を
    探したが、後の祭り。
    トヨに詰め寄られ、
    首根っこを掴まれた猫同然に
    体をすくめたまま、
    花園で目撃した様を、逐一語った。
    しかも、やや盛り気味に。
    いや、実は、大いに盛って。

    トヨは、頭の中が真っ白になり、
    思わずよろめく。

      “そんな!
      まさか、あの源三郎が!“

    やがて、おぼつかない足取りで、
    仕えている天野家へ帰って行った。

    どこをどう歩いたものか。
    気もそぞろで、勝手口に
    たどり着いたトヨに、
    下男が声を掛ける。

      「おお、やっと戻ったか。
       ご隠居様が、お呼びじゃ。
       早う、茶をお持ちしろ。」

    トヨは、何度も茶碗を落としかけ、
    一向に、信茂の茶が整わない。

    見かねた下男が、他の下女に
    手伝わせ、トヨは、今にも、
    つんのめりそうな様子で、
    隠居部屋に向かった。

    信茂は、茶を一口すすると、
    おもむろに切り出す。

    「トヨ。ぬしは確か、
     若君付きの源三郎とは、
     同郷であったの。」

      “げ・・・源三郎?”

    追い打ちをかけられ、
    直ぐにも逃げ出したい
    トヨであったが、
    ぐっと堪えて答えた。

     「は、はい。幼馴染にて。」

    「左様か、ならば尚更、好都合。
     実はの。確かめて欲しい事が
     あるのじゃが。」

    その後、幾晩も、トヨが眠れぬ夜を
    過ごしたのは、言うまでもない。

        ・・・・・・

     「はああああ~~~」

    こだまヶ池の淵で、どんぎつねは、
    手を合わせている。

    大きなため息を聞きつけ、
    白狐が声を掛けた。

    「どうした?」

     「こだまが、
      返って来ないんです。
      どうしちゃったんだろう?」

    白狐は、どんぎつねが
    黒羽城の方向を
    向いていることを見て取ると、
    慰めるように言う。

    「平和な現代でも、色々あるのだ。
     ましてや、源三郎殿が居るのは、
     戦国時代。」

     「言われなくても、
      分かってます!」

    「信じて待つも、忘れるも、
     全てお前次第だ。」

     「分かってますってば!」

    どんぎつねは、恨めしそうに
    白狐を睨むと、
    もう一度、大きく柏手を打った。

    あの日、源三郎は約束したのだ。
    どんぎつねが自分の娘として
    生まれ変わったら、
    “美緒”と名付けると。

    それには、源三郎がめでたく
    誰かと結ばれなければならない。
    その候補に、一番近いのは、
    トヨであったはず。

    伏見稲荷のこだまヶ池では、
    柏手のこだまが返る時間や方向で、
    願いの成就を占うのだが
    暫く待っても、
    やはり、こだまは返らなかった。

    「もう行くぞ!
     修行の時間だ。」

    しぶしぶ、どんぎつねは、
    白狐の後をついていく。
    一人前の、闇払いになるには、
    まだまだ遠いどんぎつねだった。

    さて、そのどんぎつねの
    生まれ変わりに、
    大きな役目を果たすはずの
    トヨはと言えば、ここ数日、
    頭痛、肩こり、腰痛、不眠に
    さいなまれていた。
    おまけに、下痢と便秘も
    繰り返している。
    つまりは、これまで経験のない
    絶不調で、食事もろくに
    喉を通らなかった。

    仕えている家の御隠居様の
    頼みとあらば、断る訳には行かぬ。
    さりとて、当の源三郎に
    面と向かって問いただしても、
    しらを切られれは、それで終わり。
    いや、その逆に、
    幼馴染のお前にならばと、
    噂通りの色恋の嗜好を
    打ち明けられでもしたら、
    その瞬間に、己の恋心は粉々に
    砕け散る。
    しかもその相手が、“わ・・・”

    イヤイヤイヤイヤ。

    トヨは、頭をぶんぶん振って、
    駆け巡る妄想を消そうとする。

    普段なら、考える前に体が動いて、
    テキパキと仕事をこなすのに、
    今は邪念が渦巻いて、
    全く手に付かない。
    トヨは焦った。
    情けない自分に腹が立つ。

    そう、空腹は時に、
    怒りに変わるもの。

    トヨは手にしていた雑巾を、
    廊下にたたきつけると、
    後を年下の下女に頼み、
    たすき掛けのまま、
    天野の屋敷を飛び出した。

     “噂だけでは、埒が明かぬ
     証拠でもつかめば別じゃが。”

    トヨが向かったのは、
    花園の水屋だ。

    薬師堂の小僧が語った、
    “お姫様抱っこ”の姿が、
    目の前に浮かぶ。
    戸を開けようとして、
    一瞬手が止まった。

    すると、いきなり戸が開き、
    出てきたのは庭師の頭だった。

      「うわあああ!」

    庭師はトヨを見て叫び声を上げた。
    その慌てっぷりを見て、
    逆に、落ちつきを取り戻したトヨは、
    庭師が後ろ手に何か隠したのを、
    見逃さなかった。

     「ここで何をしておる?!」

      「お、おぬしこそ!
       んんん?どこぞで、
       見かけた顔じゃの。」

     「天野の者じゃ。
      ぬしは時折、庭木の手入れに
      参るであろう?」

      「おお、雪囲いの折に、
       ふかし芋をくれた、
       お女中か。」

     「覚えておったか。」

      「そのお女中が何故ここに?」

     「ご隠居様から
      頼まれた事があっての。
      それより、ぬしは、
      今、何を隠した?」

      「わしは何も隠してなど。」

     「私の目は、ごまかせぬ。
      出さねば、
      御隠居様にお伝えする。
      庭師の頭は、手癖が悪いとな。
      さすれば、ぬしは、
      出入り禁止じゃ。」

      「それは、ご勘弁を。
       落ちていた物を、
       拾うただけで。
       すぐに、お届けに
       上がろうとした所へ、
       お前様が。。。」

    庭師が恐る恐る差し出したのは、
    なんと、トヨが源三郎に
    渡した手拭いだ。

     「届ける?
      では、これが誰の物か、
      ぬしは存じておるのじゃな?」

      「へえ。茶会の明くる日、
       源三郎様が確かにここに。」

     「他には?」

      「・・・。」

     「他に誰ぞおったのなら、
      その者の物かもしれぬ。」

      「いえ、そのような事は。
       一緒におられたのは、
       そのう。。。」

    言いかけて、庭師は口ごもる。

      「お許しくだされ。
       そのお方は決して、
       千原家の紋を
       お使いになるお方では
       ございませぬ故。」

     「次席家老の紋を
      受けぬ者とあらば、
      筆頭家老の天野家の者か?
      それとも?」

    手を緩めぬトヨの迫力に押され、
    庭師の頭は、致し方なく語った。
    あの日、自分が目にした有様を。

    トヨの目が、鋭く光った。
    これで、状況証拠は十分だ。

     「この手拭いは、私が届けよう。
      千原屋敷への使いもある故。」

      ・・・・・・

    庭師の前では、気を張っていた
    トヨであったが、
    花園の門を抜けた途端、ヘナヘナと
    その場にしゃがみ込んだ。

    手にした手拭を見つめる。
    千原家の紋が、ぼやけた。
    気付かぬうちに、
    涙が込み上げていたのだ。

    トヨの指には、小刀の傷が
    今も残っている。
    渋紙に紋を刻んだ時に
    小刀が滑って切ったのだ。
    滲んだり、掠れたり、
    何度も染め直している内に、
    指の傷も染料の紅に染まった。
    源三郎を思えば、
    それさえ嬉しく思えた。
    それなのに。

    トヨの心の中で、
    二人のトヨが囁き始める。

      「源ちゃん酷い。」
            と、白トヨ。
       「わざと落としたかも。」
            と、黒トヨ。
      「わざと?」と、白トヨ。
       「秘め事の証を残せば、
        若君も後には引けない。」
            と、黒トヨ。
      「それって、まさか。。。」
            と、白トヨ。
       「出世の為なら
        その身も差し出す。」
            と、黒トヨ。

    思わずトヨは、
    拳を振り上げ叫んだ。

     「武士であれば、身を
      差し出すべきは戦場じゃ~!」

    すると、おおらかな声が答えた。

    「まさに、その通り。」

    驚いて振り返れば、
    そこには腕を組み、
    頷きながら立つ源三郎の姿が。

     “い・・・いつの間に。。。”

    振り上げたトヨの拳の下には、
    あの手拭いが揺れている。
    それを見た源三郎は、
    にこやかに言う。

    「ん?トヨ。
     それは、お前がくれた
     手拭いではないか。
     実はの、わしはそれを
     取りに来たのじゃ。
     大切に使わせて
     貰うておるぞ。」

    何とまあ、これは兎に角、
    超絶に間が悪かった。

    源三郎のその一言が、
    くすぶっていた
    トヨのもやもやに
    火をつけたのだ。

     “何を今さら、ぬけぬけと!”

    トヨは手拭いを源三郎の胸に
    投げつけるとこう言い放つ。

     「見損のうたぞ、源三郎!
      色仕掛けで出世を目論むとは!」

    トヨの目から大粒の涙が
    ぼろりとこぼれ落ちた。

    源三郎は、訳も分からず、
    目を白黒させている。
    こんなに取り乱したトヨを
    見るのは、初めてだ。
    まずは落ち着かせようと、近づく。
    ところが、トヨはその源三郎の手を
    振り払い、走り去ってしまった。

    直ぐにも追いかけて行きたかったが、
    宿直の出仕の刻限が迫っている。
    足元に落ちた手拭いを拾い上げると
    枯葉が一枚、はらりと落ちた。
    それはまるで、さっき見た、
    トヨの涙の様だ。

     “解せぬ。
     女子なるものは、全く。”

    源三郎は、手拭いを丁寧に畳むと、
    懐に入れ、城に向かった。

       ・・・・・

       “ちと、遅うなった。”

    足早に若君の居間に向かう源三郎に
    庭から下男が声を掛けた。

       「源三郎様。
        若君様は、一足先に、
        湯殿に向かわれました。
        着替えの手伝いは無用と
        仰せられまして。」

      「承知した。」

    無用と言われても、近くに侍るのが
    お側仕えの勤め。

    湯殿に向かい、着替えの間で、
    若君を待つ。
    何故か寝間着が二着用意されている。
    やがて、湯上りの若君が姿を現した。

      「湯加減は如何で
       ございましたか?」

    「良い加減じゃ。
     ぬしも、浴びると良い。」

      「かたじけのうございまする。
       なれど、恐れ多い事にて。」

    源三郎は、さりげなく辞退すると、
    若君の着替えを手伝う。
    残った寝間着一着の入った盆を
    捧げ持ち、若君の寝所へ向かいつつ、
    心の中でつぶやく。

      “見習いの者が
      整えたのであろうか?
      衣装方には、
      良う言うておかねば。
      寝間着と言えど、上等な絹。
      数を誤るような
      粗相があってはならぬ。“

    寝所近くの廊下で若君が足を止めた。
    ほの暗い廊下に、黒い影がある。
    源三郎は、若君の前に立ち、
    低い声で問う。

      「何者じゃ?」

    影はおもむろに、
    手蠟燭に火をつける。
    ぼうっとその顔が浮かび上がった。

      「小平太殿!」

    「小平太、如何した?
     今宵は非番であろう?」

     「爺・・・いや、若君様の守役の
      指図にて。こちらを。」

    みれば、小平太の膝の前には、
    酒膳が置かれている。

    「鯉の汁か。気が利くの。」

    若君は、安堵した声で
    小平太をねぎらうと寝所に入った。

    小平太の後に続いて、
    控えの間に入った源三郎は、思わず、
    寝間着の盆を落としそうになる。
    閨の几帳の脇から、
    夜具が二組有るのが見て取れた。

    慌てて、横にいる小平太に、
    声を潜めて訊ねる。

     「今宵、若君様は、
      どこぞの姫をお召しに?」

    小平太は答えず、源三郎を睨む。

    閨の外廊下から若君の声がした。

    「小平太、膳をこちらへ。」

     「は、只今。」

    酒膳を持ち上げた小平太が、
    それをそのまま
    源三郎の目の前に突き出す。

     「ぬしがお持ちしろ。」

      「はっ?」

    同じお側仕えとはいえ、
    格上の小平太には逆らえぬ。

    源三郎は、腑に落ちぬ顔で
    膳を運んだ。

    それを見て若君は、
    改めて小平太を呼ぶ。

     「小平太、
      ぬしもこちらに参れ。

    気の進まぬ様子で現れた
    小平太の眉間のしわをみて、
    若君が、あきれたように
    声を掛けた。

    「如何した?
     今宵は常より一本
     多いようじゃが。」

    若君は自分の眉間を
    指でさし、笑う。

     「いえ、何も。
      常と変わりませぬ。」

    「左様か。
     折角の酒じゃ。
     ぬしも飲まぬか?」

     「かたじけのうございます。
      なれど、今宵は。」

    「なれば、まあ、よい。
     それにしても、小平太。
     聞き違えにも程がある。」

     「は?」

    「確かに、茶会の夜、向後は
     手足を伸ばして休みたい
     と申した。
     だが、それは言葉の綾じゃ。
     夜具を増せという事ではない。
     今は、語れぬが、全ては
     兄上次第の事での。」

     「は?成之様?
      いや、しかし・・・。
      では、源三郎は?」

    「源三郎とな?」

       「小平太殿、何故、
        そこで私の名が?」

     「水臭いぞ、源三郎。
      今さら、隠さずとも良い。
      もう、皆、承知の事じゃ。」

      「何を承知と?」

    小平太は、こらえきれず、
    ついに、若君に向かって
    申し述べる。

     「若君様。
      恐れながら、申し上げまする。
      私は、七つの頃よりお仕えし、
      自負して参りました。
      若君様のお心は、誰よりも
      存じ上げておると。
      その私に、何故、真っ先に
      打ち明けて下さらなかったのか。
      この小平太、誠に無念。」

    「打ち明ける?
     何をじゃ?
     先ほども申したが、
     兄上の事は、十分に策を練らぬと、
     語れぬ。」

     「成之様の事ではございませぬ。
      私が申し上げておるのは、
      源三郎との事にて。」

    「源三郎が如何したと言うのじゃ?」

     「もう、知らぬ者はございませぬ。
      こ、こ、こ、
      こい、こい・・・。」

    「鯉?」

    若君は、椀を覗き込む。

    「この汁が濃いと申すか?」

     「その濃いでも、
      この鯉でもございませぬ!」

    「ん?」

     「恋仲であると!
      若君様と源三郎が!」

    部屋の空気が一瞬にして固まる。

    暫くの沈黙の後、
    閨は、爆笑の渦に包まれた。
    誰の?
    そう、もちろん、若君の。

    源三郎は、卒倒寸前。
    小平太は、益々挙動不審に。

    笑い袋と化し、腹を押さえながら、
    悶絶していた若君が、
    ようやくその身を起こした頃、
    小平太が、恐る恐る声を掛けた。

     「若・君・様?」

    「笑いが過ぎて、腹が痛うなった。」

    またしてもこみ上げて来る笑いを
    こらえながら、若君が答える。

    源三郎は、今になってやっと
    トヨの言動が腑に落ち、
    青ざめた顔で、
    小平太に向かった。

      「それは、全く、
       根も葉もない噂に
       ございまする。」

     「いや、しかと逢瀬を見た
      と申す者が居り。
      それはそれで、
      めでたいと。」

       「めでたい?
        いや、その様な
        間柄もあるとは
        存じておるが、
        若君様と私は、
        断じて。。。」

    うろたえる源三郎。
    なだめる若君。

    「まあ、良いではないか。
     わしには、むしろ好都合。」

      「好都合?」

     「好都合とは?」

    「うむ。縁談除けになる故。
     此度の噂が、松丸に届けば、
     自ずと、阿湖姫との婚礼も
     無くなろう。
     阿湖殿は申し分のない姫君じゃ。
     それ故、いかように
     退いて貰うか、
     悩ましく思うておった。」

     「な、なんと!
      しかし、松丸との縁組には、
      乗り気であられたのでは?」

    「確かに。
     以前は、戦ばかりが先立ち、
     浅慮であったのじゃ。
     源三郎、しばし、頼むぞ。」

      「はっ?」

    「不服か?」

      「い、いえ。
       お役目とあらば。。。」

    答えながら、
    源三郎の目が泳ぐ。

      “どんぎつね殿。
      ぬしがくれたお守りは、
      このような折には、
      役に立たぬのか?
      わしは今、この上もない
      窮地に居る。“

    誤解の証拠として、
    源三郎の背中の擦り傷を確かめた
    小平太は、すっかり上機嫌に。
    冷めてしまった鯉の汁を
    若君から分けて貰い、
    勧められるまま、
    酒も飲み干して帰って行った。

    いつになく、深酒をした若君は、
    二つ敷かれた夜具の上に
    大の字になって眠っている。
    寝顔に笑みさえ浮かべて。

    あどけなさの残る、
    その寝顔を見れば、
    いかなる難題でも
    引き受けざるを得なくなる。
    源三郎は、ため息つきつつ、
    若君にそっと夜具を掛けた。

    東の空が、白々と明けて来る。
    冷たい指先に息を吹きかけ、
    伏見稲荷の方角を探す。

      “どんぎつね・・・
      いや、美緒。
      済まぬ。
      しばし、待てるか?
      いつになるかは、
      皆目分からぬが。“

    朝もやが、源三郎に忍び寄る。
    源三郎は、膝を抱えて
    静かに目を閉じた。
    花園で追ったカゲロウの姿が浮かぶ。
    突然、トヨの言葉が蘇った。

       「源三郎。
        カゲロウは、
        子を産むために
        水に身を投げるのじゃ。
        悲しくもあるが、
        生まれ変わると思えば、
        嬉しくも思える。」

    そうなのだ。
    カゲロウが生まれる頃、
    またここに見に来ようと、
    トヨと約束した。
    二人が育ったあの村の小川で。
    あれは、確か、千原の家に
    住み込む事になった前の年。
    まだ、その約束は
    果たしていない。

    忘れていた思い出が、
    源三郎の心をほんのり照らす。

    瞼を開けば、いつの間にか、
    朝もやは消え、青空が
    広がっていた

      “トヨには全て語ろう。
      カゲロウが生まれる頃に。
      例え、信じて貰えずとも。“

    源三郎は、そう心に決め、
    外廊下から空に向かって
    飛び蹴りをする。
    そして、庭に着地し、
    片膝をついて、
    ガッツポーズを決めた。

      ”シャーッ!”

    青空に浮かぶ白い月が
    静かにその姿を見守っていた。

      

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    返信先: 創作倶楽部
    リクエストありがとうございます!

    桜と薔薇様

    「SP(スペシャル)は
       52分で小休止
          黒羽の守護神
            瞼に再生」

    あ・・・いやその💦

    ホントですか?

    だとしたら、
    妄想作家冥利に尽きまする。
    ありがとうございます!
    m(__)m

    続編・・・書いてみたいですが。
    (;^_^A
    実は、数々の難題が。

    その一例を挙げますと、
    このサイトの記事にも
    取り上げられておりますが、
    志津姫と若君の婚礼を
    知らせる手紙。

    相賀殿は、大殿他、
    城から”消えた”はずの
    足軽を含めた羽木の面々の
    居所を知っておられる。

    唯の狙いは、
    ”消える”
    事だったはず。

    つまりは、”行方知れず”
    にさせる事で、
    一族を守ろうとしたわけで、
    手紙が届いた時点で、
    その目論見は崩されている。

    では、いったい、誰が、何時、
    大殿たちの居所を明かしたのか?

    間者?
    身内が内通?
    もしや、野上の裏切り?
    まさかの若君?
    よもや、
    じいではあるまいな?

    うーーーーん。

    おばばの悩み所、山積で、
    妄想が追い付かないのです。

    おばばにとっての、
    別の”謎”の一つを
    今、ふきちゃんの物語を
    完結させることで、
    おばばなりに解き明かす
    つもりですので、
    気長にお待ちくださいね~。

    よろしくお願いいたします。
    m(__)m

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    返信先: 雑談掲示板
    おおお~。月文字様!

    地震は怖い!
    阪神淡路も、東北も。
    火山も怖い!
    雲仙普賢岳も、御岳も。トンガも。

    でも、人間て結構、強いなって思う。
    一人では、情けないくらい弱くもなるけど、
    たった一つの言葉や、
    ワンフレーズの歌で、繋がれる。

    桜島の麓で暮らす方々は、
    ホントに凄い。

    月文字様、切らずに済めば、
    それが何よりです~。
    陣痛とか、どんなんだろうって、
    おばばも、超不安でした。
    先輩方に聞いても、
    答えは様々で、一番、
    びっくりだったのは。

    ”頑固な便秘が、
    解消される時のようなもの”

    でした!

    言い古された言葉ですが、
    ”案ずるより産むがやすし”

    ご無事を祈ってます!

    • この返信は2年、 7ヶ月前に妖怪千年おばばが編集しました。理由: タイトルが、てんころりん様のアシガール掲示板のものと被っているのに今、気づきました。てんころりん様すみません。こちらのタイトル修正しますね。

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    返信先: 雑談掲示板
    Kamaaina様

    ご無事でなによりです!
    トンガの津波は15Mという報道が。
    被害状況は、まだまだ
    把握できないようですね。
    そうですか。
    20万年後には、島が・・・。
    ふと、ムー大陸の伝説を
    思い出しました。

    投稿フォームへ

    返信先: 雑談掲示板
    カマアイナ様

    トンガからは日本よりも
    ハワイの方が近いですよね。
    津波の被害はありませんか?
    日本は、昨日、暗いうちから、
    津波警報が出ていましたが。
    ご無事を祈ってます!

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    返信先: 出演者情報板
    かなり前の映画ですが・・・

    てんころりん様
    皆様

    最新情報、ありがとうございます!
    大雪にびっくりの正月明け。
    もっとびっくりだったのは、
    エンタメはここでと
    足を運んでいたTSUTAYA某店の閉店。

    え?いきなりステー・・・じゃなくて
    いきなり閉店???!!!

    てなわけで、
    少しばかり古いDVDをレンタル。

    相賀殿こと西村氏が
    いい味出してます!

    宜しければ、皆様も、
    レンタルしてみてくださいな~。

    タイトルは、
    「超 高速!参勤交代」
    「超 高速!参勤交代リターンズ」

    後程、PR動画のURL貼りますね!

    取り急ぎ、こちらをどうぞ~って、
    URLが何故か違っていたので、
    また、後ほど。m(__)m

    https://www.youtube.com/watch?v=QbfiJM3sDdA

    https://www.youtube.com/watch?v=RngrAI-263I

    https://www.youtube.com/watch?v=BSAebx7rchM

      ↑
    貼りました~(*^^)v

    投稿フォームへ

    返信先: 創作倶楽部
    マングースに野ブタ!

    カマアイナ様

    ハワイのお正月情報、
    ありがとうございます~(*^^)v

    マングースに野ブタですか?なんだか、
    ワクワクしてきました。(^_^)v

    実は、”ふきちゃん”の物語を
    なんとか完結させたいと
    思っているのですが、
    戦国時代の侍たちの暮らしぶりを
    どう描くかで悩んでまして。(;^_^A
    なかなか、筆が進まず。(^▽^;)
    一行書いては、削除の繰り返しです。

    でも、あきらめずに、
    ぼちぼち、行きますね。(^_^)v

    投稿フォームへ

    返信先: アシガール掲示板
    実は私も・・・

    月文字~様

    第一子出産の際、
    おばばも切りました。(;^_^A
    しかも、横ではなく縦。(^▽^;)
    今も、傷跡有りますが、
    勲章だと思ってます。

    思い起こせば〇年前。

    出産予定を2週間後に控えた、
    年末最後の外来診察日。

    「正月休みに入る前に、
     健診に来てね。」

    と、主治医に言われ、
    いざ行ってみたら、
    主治医の顔がみるみる硬直。
    酸素マスク付けられ、
    しばしの経過観察後、
    即、入院となりました。
    (;^_^A

    「切ります!」

     「へ?」

    「お子さんの心拍数が、
     落ちて、戻りません!」

     「は、はい?」

    息子の産声聞くまでの時間が、
    超、超、長―――かった!
    (実際は、ほんの一瞬。)

    てなわけで、病院で
    生まれたばかりの息子と年越し。
    3ヶ日は”豪華お節”・・・ではなく、
    点滴三昧。

    年越しそばを食べそびれたので、
    退院してから、蒲鉾てんこもりにして、
    平らげましたよ。そばの大盛。
    (*^^)v

    その数年後、第二子も同じ病院で
    生みましたが、
    その時は、風邪を引き込み、
    絶望的な咳が盛大に出て止まらず、
    ”切迫早産”で、またまた、即、入院。

    先生方は、

     「切ろう!」

      「今度は横にするか!」

        「へ?」

    浮かびましたよ、お腹の十字。

    ちょ、ちょっとまって!
    ワタシハ、
    カクレキリシタンデハ
    ゴザラヌ

    咄嗟に頭に浮かんだ、
    意味不明な言葉を飲み込み、
    発したのは、

    「先生方!
     私は、生まれ持っての
     安産体形。
     この骨盤なら、普通に分娩、
     できるはずです!」

    でしたとさ。

    二人目も、ちょいと
    長い入院にはなりましたが、
    切らずに生みました。

    それにしても、月文字様!
    妊娠中に、あの、かかしの大作を
    作っておられたのですね!
    本当に、ありがとうございます。

    ご無事の出産を、
    お祈りしております!!!

    投稿フォームへ

    返信先: 創作倶楽部
    カマアイナ様~!

    久しぶりにお名前をお見かけし、
    とても嬉しいです!
    TVでハワイに観光客が戻っている
    と、報道されているのを見ました。
    ホノルルマラソンは、
    どうなのでしょう?

    おばば的には、ホノルルを
    唯ちゃんに走って貰いたいんです。

    暫く前に、箱根駅伝に女子選手
    を出場させる為の
    デモンストレーションランナー
    として走る姿を少しだけ
    描いたので。

    ただ、ハワイに行った事が無く、
    しかも、このコロナ禍。
    描けるものなのかと、
    迷ってまして。

    ハワイのお正月って、どの様に
    過ごされるんですか?
    少し、情報を頂けると、
    大変嬉しいです。

    よろしくお願いいたします。
    (*^^)vm(__)m

    投稿フォームへ

    返信先: 雑談掲示板
    新年早々

    マスター様
    皆様

    新年早々、打ち間違えました。
    先の投稿の”バラード”は、
    ”ブルース”の打ち間違えです。(;^_^A
    大変失礼いたしました。m(__)m

    投稿フォームへ

    返信先: アシガール掲示板
    ごちそう!?

    月文字様。
    キジ、ツル、コウノトリ・・・
    確かにシュール。
    イルカも?
    サメは食べるし、有りですかね。
    (;^_^A
    因みに、フカヒレスープ、
    好物でござる。

    フグは出されたのでしょうか?
    そう言えば、いつの戦か忘れましたが、
    調理法を知らなかった秀吉軍が、
    フグを食し、アタリまくって、
    散々な目に会い、以来、
    フグを食すのは禁じられたとか。
    解禁になったのは、明治以降。
    解禁した伊藤博文と、旅館の女将の
    エピソード、再現ドラマで
    見た事あります。

    冬のてっちりとか・・・
    良いですよね。
    旅館の女将の勇気に感謝!
    ああ、食べたくなってきました。
    なかなか手に入らないので、
    今宵は、フグ雑炊の素と、
    たまたま入手した、深谷葱の
    鍋にしようかな~(^^♪
    メインは豆腐。笑

    山口の殿様メニュー、
    ご紹介いただき、
    ありがとうございます~。

    投稿フォームへ

    返信先: 創作倶楽部
    妄想作家あるある

    夕月かかりて様
    時は隔てても、家族は一緒。
    楽し気な、令和と、永禄の物語、
    ありがとうございます。

    さて、アシガール掲示板から
    引越ししまして、
    おばばが、大爆笑してしまった
    曲をご紹介します~。
    おばば、アプリも、クラウドも
    無縁ですが、修正後のファイルを
    上書きし忘れ、閉じてから呆然・・・
    というのは、良くありまする。
    皆様は、如何かな?

    URL後から追記します。
    しばしお待ちを。
    https://www.youtube.com/watch?v=140-htqygo4
       ↑
    追記しました~笑

    投稿フォームへ

    返信先: アシガール掲示板
    もう一つ

    てんころりん様
    気に入って頂けて、超嬉しい~(^^♪
    もう一つ、おばばが思わず、
    大笑いした曲があります。
    それは、創作倶楽部の方で、
    ご紹介しますね~。(*^^)v

    投稿フォームへ

    返信先: アシガール掲示板
    アシラバの心

    てんころりん様
    見て下さってありがとうございます。
    ここに集うアシラバの心の歌にも聞こえるものが
    ありましたので、ご紹介します~。
    アシガール曲では無いですが、
    話の流れで、お許しを!
    https://www.youtube.com/watch?v=Kb65Qc_nFYw

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    返信先: アシガール掲示板
    良かった~(*^^)v

    喜んで頂けて嬉しいです!!!
    マスター様のアレンジ、聞いてみたい!
    ”ラララ”再開の際には、
    マスターのギターのお披露目を是非(^^♪。(*^-^*)
    そして、”アシラバーズのテーマソング”を
    アシラバーズで合唱とか(*^^)v。
    実現出来たら、良いですねえ。(*^-^*)

    投稿フォームへ

    返信先: アシガール掲示板
    名曲弾き語り

    マスター様
    日夜、このサイトを、
    維持管理して下さっている事に
    何か、感謝の意をお伝えしたく、
    色々、考えておりました。

    ギターの曲で、マスター様が
    喜んでくださるものはないかと、
    YOUTUBEを検索しまして、
    こちらを見つけましたので、
    ご紹介します~。
    https://www.youtube.com/watch?v=RfTKRJbvDdY

    皆様にも、喜んでいただけたら嬉しいな。

    投稿フォームへ

    返信先: 連絡掲示板
    す、すみませ~んm(__)m

    ムーンウオーク様
    ご心配をおかけしてしまい、
    申し訳ございません。
    他の版も、しっかり閲覧
    できております。

    他に連絡方法が無いと言うのは、
    個人的な連絡先を存じ上げない
    という意味です。

    他の版に投稿しようか、迷いつつ、
    最新でお名前をお見かけした
    こちらに書かせて頂いた方が、
    見て頂ける確率が高いかと、
    つい、板違いなのに、
    書き込ませて頂いた次第です。
    m(__)m

    以後、気を付けますので、
    お許しください。
    m(__)m

    投稿フォームへ

    返信先: 連絡掲示板
    少しだけお許しをm(__)m

    この板は、マスター様への連絡板と、
    分かってはいるのですが、
    連絡方法が無いもので、
    他の方へのメッセージ、お許しください。
    m(__)m

    ぷくぷく様
    お久しぶりです~。
    そろそろ、新作、ご披露いただけませんか?
    楽しみに待ってますね♪

    投稿フォームへ

    返信先: 連絡掲示板
    「403 Forbidden」

    何度クリックしても、
    掲題の表示が出た時は、
    仰天しました。
    「妙な投稿しただろ?
     それで、クローズ
     したのかも。」
    と、夫君と息子に
    さんざん脅かされ。
    「いや、しかし。
     投稿が問題なら、
     それだけ削除すれば
     良くない?」
    などと、アタフタ。
    何しろ、他の連絡ツールが無い
    おばばは、ハンドルネームを頼りに、
    ツイッターを検索しまくり、
    何か情報が無いかと、
    慌てふためいておりました。

    その間にも、マスター様が、
    大奮闘して下さっていたんですね。
    ありがとうございました。
    (*^^)v
    感謝、感謝、感謝
    本当に、嬉しいです。
    これからも、よろしく
    お願いいたします。
    m(__)m

    投稿フォームへ

    返信先: 雑談掲示板
    昔・昔

    メゾフォルテ様
    共感できる方がいて下さるのは
    嬉しいです。

    昔、”ブタの貯金箱”割って、
    小銭を数え、チケット代に
    足りた時のあの喜び。

    歌舞伎座は、当時の、
    私にとっては、
    外から眺めるだけのお城でした。

    そのお城に、やっと入れる!
    しかも、歌舞伎の名門、
    松本・市川の三代そろい踏みの
    一挙襲名披露。

    前夜からそわそわ。
    まるで、遠足前の小学生。

    口上の際に、吉右衛門さんも登場。
    お祝いの言葉の後に、
    「中村も御贔屓に」と添えられました。
    それを聞いた兄、当時の幸四郎さんが、
    若干、慌てて、弟を見た、
    その姿が、ちょっぴり可笑しくて。

    あの舞台は多分、
    一生忘れないと思います。

    ”鬼平”も、良かったですよね。
    時代劇に、フラメンコギター
    というのも斬新でした。

    投稿フォームへ

    返信先: アシガール掲示板
    なんだかウルウルしました。

    月文字様
    ご自身の、努力の賜物なのに。
    アシラバーズって。。。
    ご主人にも、感謝です。
    というか、羨ましい夫婦の姿。

    改めて、受賞、
    おめでとうございます!

    投稿フォームへ

    返信先: 雑談掲示板
    アシラバの中の歌舞伎ファンの方々へ

    ショックです。。。
    中村吉右衛門様が、他界。
    言葉にならない。

    投稿フォームへ

    返信先: アシガール掲示板
    案山子コンテスト

    月文字様。
    唯案山子のご紹介、
    ありがとうございます!
    山口?のアシラバさんから
    元気、頂きました~。
    そう言えば、初回?の
    アシガールの放送の直前の、
    ニュースの時間で、
    ”案山子コンテスト”のニュースが
    流れたような気が。

    こちらにお邪魔する前、
    とある、無料動画のサイトで、
    ”ドラマ・アシガール”
    を、楽しませて頂いてたんです。
    そこで、見たと。。。

    あーーー、いつか、
    前作、一挙再再再再?放送、
    あったら、いいですね。

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