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    二人の平成Days54~22日19時30分、感謝を形に

    まずは、結菜さん、おめでとうございます!
    ┅┅
    ほとんど、ひらがなで書いてない?
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    唯の部屋。

    唯「では、デレデレメロメロのたーくんが攻めて来る前に」

    若君「ハハハ。攻めなどせぬ。期が熟すのを待つ」

    唯「え~?優しーい。やらなきゃならない事があるからね~」

    白紙のメッセージカードと、靴下の形の巾着袋が三つずつ出てきた。

    唯「靴下なんだよ、かわいいでしょ~」

    若「何ゆえ、この形なのじゃ?」

    唯「クリスマスのプレゼントは、靴下に入れるのである」

    若「答えになっておらぬが。ん、まあ良い、そういう物だと覚えれば良いのじゃな?」

    唯「うん、もう、そう納得して。尊には聞かないでね、あいつ勘がいいからバレちゃう」

    若「あいわかった」

    唯「…ん?言葉、戻してきてる?」

    若「少しは」

    唯「現代語、忘れちゃう?」

    若「それはない。朝、おはよう、とか行ってらっしゃい、とか言うてしまいそうじゃ」

    唯「ふふっ。夜、おやすみは言ってね」

    若「閨が同じなら、寝かさぬが」

    唯「はぁ?」

    若「あっ、す、済まぬ」

    唯「で、作業なんだけどね、この紙にね」

    若「え…いっそ詰られた方が気が楽じゃが」

    唯「はいはい。じゃ、お父さんお母さん尊あてのプレゼントに、それぞれ文を付けるよ。まずは尊に、はい、しゃべって」

    若「しゃべる?」

    唯「感謝の言葉とか、伝えときたい事とか話して。私がたーくんからの文として代わりに書くから。プレゼントと一緒に渡します」

    若「なるほど。それは良きはからいじゃ。ならば…師匠、大変世話になり申した」

    唯「ははは。…申した、はい」

    若「次は、師匠も永禄に来られる、起動装置刀を所望」

    唯「ふふっ、これ見てまた悶絶しそう。じゃあ次はお母さんに」

    若「母の愛とは、心の底から充たされる物だと知る事ができました。優しく抱き締められた事は生涯忘れませぬ」

    唯「え?!初耳なんだけど」

    若「筆が止まっておるぞ」

    唯「あ、あー。気になる~!」

    若「後ろより、そっとであったが」

    唯「そうなんだ。えー色々聞きたいけど、まずは書く。では最後、お父さん」

    若「父上、尊敬しております。料理の指南ありがとうございました」

    唯「…ございました」

    若「父上の様な、優しき父になれるよう励みます」

    唯「えっ、父!父…」

    若「また止まっておる」

    唯「ごめん、ちょっとウルウルしちゃった。…励みます。あ、追伸、品はわしが選びました、と」

    若「唯は書かぬのか?」

    唯「私は、ゆうべもう書いた。じゃ、それぞれ袋に入れて」

    プレゼント袋三つ完成。

    唯「じゃあ、これは、今日ここで寝ないからベッドに隠しとこっかな」

    若「この後使うが」

    唯「あ、そうだった。って、おいおいっ!」

    若「ハハハ。唯」

    唯「はい」

    若「その、服の」

    唯「ワンピースの?」

    若「中がどうなっておるのか、ずっと気になっており」

    唯「えっ?!ずっと?!もしかして朝から?」

    若「朝から」

    唯「やだ、一日そんな事考えてたの」

    若「エロ侍じゃからの」

    唯「ははは。名前気に入ってる?えー、涼しい顔してコーチとしゃべってたよね」

    若「その折は、別の理由でちと危なかったがの」

    唯「そうなの?全然そんな風に見えなかったよ」

    若「コーチ殿が、子が既に居るように仰せられるので、嬉しゅうて顔が緩みそうじゃった」

    唯「そっかあ。ふふっ、まだわかんないけどね。あー、自分で言ってて照れちゃう~」

    若「待ち遠しゅうてならぬ」

    唯「そうだね。一緒に待ってようね」

    若君は、唯を抱き上げ、ベッドに寝かせた。

    若「唯…」

    頬を撫で、顔を近づける。

    唯「たーくん…」

    若「おぉ、そうじゃ」

    唯「へ?」

    若「腹は、今宵も黙っておらぬかのう」

    唯「あー、それなら大丈夫。さっき、お饅頭つまんどいたから」

    若「ほぅ?いつの間に。ハハッ、相当腹が減っておったとみえる」

    唯「えぇまぁ、それは、そのような…」

    若「ん?いかがした?」

    唯「え?ううん、なんにも…」

    若「…もしや?まさかと思うが、この時を待ちわび…」

    唯「わー!聞こえない聞こえないっ」

    若「…そうか」

    唯「そうか?ってなに」

    若「いよいよ、花が咲くのじゃな」

    唯「え?花?えー、わかりません」

    若「ならば」

    唯「聞いてないし」

    若「しかと、見届ける」

    唯「し、しかと、って…」

    若「じっくりと」

    唯「じっくり?じっくりってなにー!」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    時間いっぱいまで、ご自由に。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人のもしもDays2、うれしいひなまつり篇

    今日は、「もしも」の方をお送りします。
    1とこのシリーズの説明は、no.510にあります。本来、二人が現代には居ない時季のお話となっております。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    2月中旬、水曜の夕方。速川家リビング。

    尊「ただいまー。わっ!何!」

    リビング入ってすぐのスペースに、背丈程もある何かを組み立て中で、入口が塞がっている。

    覚「おー、おかえり尊。ちょっとこの端押さえててくれ」

    尊「は?はぁ、わかった」

    若君が、逆側を押さえている。

    尊「若君も、手伝わされてるんですね」

    若君「母上の大切な品と聞いての。是非にと」

    覚「よし、傾いてないからいいな。留めてくか」

    階段状の骨組完成。

    尊「ところで何?これ。あっ、あ~」

    奥で美香子と唯が、大きな箱から、和紙にくるまれた色々な形大きさの物を、取り出し並べている。

    尊「雛人形?」

    美香子「おかえり尊。当たりよ」

    尊「え?だって奥にもうあるじゃん」

    リビング奥の棚の前に、男雛女雛二体のみの親王飾りが、綺麗に飾ってある。

    美「あれは、唯の。これは、私のよ」

    尊「へ?一人に一つなの?」

    美「そりゃそうよ~」

    尊「お母さんの、あったんだね。初めて見る気がするけど」

    美「ホントは良くないんだけどね、ずっと仕舞ってて。でも今年は、若君も居るから見せてあげようかなって」

    若「先程、あちらの雛飾りは唯の物と聞き、では母上のは?と尋ねたのじゃ」

    唯「で、出すなら一気にってね。でもわかるよー、出したくなかったの。すっごいアイテムが多くて細かーい!」

    尊「で、あれがもしや七段飾りとか言うヤツ?」

    さっきの骨組は、毛氈が敷かれて雛壇らしく変身。

    尊「着替えたら手伝うよ」

    豪華七段飾り、完成。リビング入口側のスペース中央に、庭を向いてどーんと鎮座。

    唯「場所ってここでいいの?もっと隅っこじゃなくて」

    美「雛飾りは、東向きか南向きと決まってるのよ。この部屋、北も西も壁がないから。そんなに邪魔じゃないでしょ」

    唯「うん。ドアにぶつかるよりいっか。久しぶりに箱の外に出られたから、お日さまの方に向けてあげたいしー」

    若「母上の雛飾りもこれまた美しい。お付きの者も多く、豪華じゃ」

    唯「私のが貧弱に見える?」

    若「双方立派じゃ」

    美「あい変わらず、優しいわね~」

    晩ごはん後。

    若「尊、後で実験室に行っても良いか?9時過ぎになるが」

    尊「あ、いいですよ」

    9時過ぎの実験室。

    若「尊に、折り入って頼みたき儀がある」

    尊「わー、儀。久しぶりに聞きました。若君、何でござろうか」

    若「雛飾りを見て、思い付いたのじゃが」

    尊「へー?なんだろ」

    若「わしと唯は、永禄で祝言をあげた」

    尊「はい。お姉ちゃん、今でもその話が出ると嬉しそうです」

    若「互いの姿は目に焼きついておるが、この先の世にある、写真、はない」

    尊「こんな感じだよ、がわかりづらいと」

    若「何とか、形に出来ぬか?よく、検索、と言いながら調べておる中に、そのものがあれば、尊にも伝わるかと思うての。できれば、雛のように飾れる形で」

    尊「平面じゃなくて、立体って事ですね。…割と簡単にできると思います。だって、若君のは前に着てたアレですよね?」

    若「色は瑠璃紺じゃ。あと烏帽子」

    尊「お姉ちゃんの装束と髪型がわかれば、楽勝ですよ」

    若「尊には雑作ばかりかけるが。今日は、何か作業があったのではあるまいか?」

    尊「いえ、ないです。若君と待ち合わせだ~って、ときめきながら待ってました」

    若「かわいい弟じゃ」

    二人、パソコンで検索したり、細かい部分は紙に描いたりで、作業は翌日も続いた。

    尊「さすがに、顔は表現できないんで、まっさらでいいですか?」

    若「構わぬ。笑顔にしか見えぬゆえ」

    尊「カッコいい~」

    深夜、3Dプリンターが動き出した。

    若「ここまで苦労かけたのう」

    尊「ようやく雛二体できたんで、明日、雛壇とか作りましょう」

    そのまた翌日、金曜の夜。

    尊「できたー」

    若「尊、大儀であった」

    若君が、尊をギュッと抱き締めた。

    尊「えー!」

    若「喜びや感謝を伝えるには、このようにするのではないのか?」

    尊「えっ、その」

    若「違うと申すか?唯がよく、こうするが」

    尊「い、いえ、間違ってはないです」

    若「合ってはおるのじゃな」

    尊「はい、充分、充分わかりましたから」

    ようやく体が離れた。

    尊 心の声(はぁ。若君ってホント素直だなー。でもかなり、罪作りだよ)

    若「して、これはいつ皆に披露する?」

    尊「明日の朝で、どうですか」

    翌朝。朝ごはん前。

    尊「発表します、ジャジャーン!」

    唯&覚&美「おーっ」

    屏風の前に、雛二体。右の若君男雛は瑠璃紺、左の唯女雛は純白で、烏帽子や扇子や刀も表現されている。

    唯「あー、ちゃんと髪型が、戦国姫結びになってる!」

    前髪と横を4か所、つまんで結んである。

    美「お顔はつるんとしてるけど、もう、笑顔にしか見えないわ~」

    唯「言えるー」

    若「そうであろうの」

    覚「これが、祝言の時のか」

    唯「うん、すごく再現してあるよー。尊、たーくん、遅くまでありがとう!」

    尊「作ってて楽しかったよね?若君」

    若「あぁ。喜ばれ嬉しい限りじゃ」

    美「どこに置こうかしら?」

    覚「そんなに大きくないから、唯の雛飾りの置いてある台に、一緒に並べるか」

    雛飾り、二つ並びました。

    覚「雛壇が三つもあって、まさしく、雛のお祭だな」

    美「ふふっ、うまくまとまった?じゃあそろそろ」

    全員「いただきまーす!」

    食後、唯は出来上がった雛飾りの前にぺたんと座り、ずっと見入っていた。若君は、ソファーに座りその様子を見守っている。

    唯「なんか…色々思い出しちゃう」

    若「そうじゃな」

    唯「楽しい思い出ばかりじゃないのが、ちょっと切ないけどね」

    若「…今が平穏ならば、それで良い」

    唯「そうだね」

    その時、二人同時に何か思い付いた。

    若「そうじゃ」

    唯「あっ」

    顔を見合わす。

    若「なんじゃ?唯、申してみよ」

    唯「ううん、たーくんの方が早かったから、先に言って」

    若「そうか」

    キッチンで覚が作業しているのが気になる模様で、様子を覗く若君。

    若「父上には、聞かれないようにしたいが」

    唯「わかったぁ」

    座る若君に近付き、耳を寄せて聞く。

    唯「…えっ!やだ~!たーくんったらもーもーもー!」

    聞いた途端、若君の肩や胸を、バシバシ叩き始めた。

    若「痛い、それは強い、唯」

    覚「おーい、唯?若君をいじめるなよ~」

    覚が、作業したまま声だけかけた。唯が、若君の隣に座り、叩いた所を撫でる。

    唯「ごめんね、痛かったね。たーくん…あのね、あのね私も、同じ事考えてたの!」

    若「そうであったか。やはり我らは通じあっておるのう」

    唯「超嬉しい~」

    肩にもたれる唯。若君も顔を寄せる。

    若「ならば、支度をせねばならぬの」

    唯「うん!あ~でも、色々動くとバレちゃうから」

    若「そのような折は」

    唯「困った時の尊頼み~。これも意見は一致だねっ」

    若「ハハハ。師匠には頭が上がらぬわ」

    その日の晩ごはん後。

    尊「はーい、ではイベントの準備しまーす」

    若「あいわかった」

    唯「はーい」

    美「え?何?」

    覚「何だ?」

    三人が動く。テーブルをソファーの近くまで移動し、できたての雛飾りを上に置いた。座布団を五枚運び、テーブル前に二枚、その向かい、母の雛飾りの手前に三枚並べた所へ、尊が両親を呼ぶ。

    尊「ここに座って、待ってて」

    覚&美「はい?」

    唯と若君が洗面所に入って行った。尊は二階からお盆を持って来た。

    美「甘酒?と」

    覚「盃?いつの間に」

    唯達が現れた。唯の髪は戦国姫結び、若君は髷にした後軽くピンでまとめてある。座布団に座る。

    尊「お待たせしました。それでは、これより小垣城での祝言の、再現を始めます」

    覚&美「えっ…」

    唯「お父さん、お母さん、もっと早く見せてあげれば良かったけど、遅くなってごめんね。服もこんなままでごめん。後ろのお雛様のカッコしてると思って、見てて」

    覚&美「…」

    尊の手で、盃に甘酒が注がれる。再現スタート。

    覚&美「…」

    粛々と進む。

    美「若君の所作、とっても流麗で素敵…直垂着てるようにしか見えないわ」

    覚「そうだな」

    最後、若君が飲み干す場面で、盃が上下するのに合わせて、首を動かしながらじっと見とれる唯。

    覚「あはは、実際こうだったんだろうな」

    美「きっとそうね」

    終了。二人、前を見て微笑む。

    尊「以上です。皆さん、お疲れ様でした」

    覚「…ありがとう、ありがとう、凄く、良かったよ」

    両親とも涙目。

    美「本当にありがとう。すごく嬉しいわ。これは、どっちの発案なの?」

    若「二人、時を同じくして、です」

    美「えっ、そうなの?一心同体ね」

    唯「うん!」

    若「尊、色々世話をかけ、済まなかった」

    尊「ううん。このミッション、すごく楽しかった。僕も見てみたかったし。若君、超カッコ良かったです」

    唯「私もかわいかったでしょ?」

    尊「超好き!って気持ちは、よくわかったよ」

    唯「ん、まぁ合ってるからよしとする」

    若「ハハハ」

    覚「甘酒、飲みたくなったな。温めて、生姜入れてやるか」

    唯「賛成~。じゃあ、テーブル元に戻そっ」

    美「まずお雛様戻して」

    唯「はーい」

    家族団欒と温かい甘酒に、心も体も暖まった夜でした。

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    切ない思い出が、温かい思い出に変わりました。

    次回、通常の平成Daysに戻ります。

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    返信先: 創作倶楽部
    久々の来訪者に喜びました

    てんころりんさん、今回もご感想をいただきありがとうございました。

    しばらくこの板、私以外の投稿がなかったので、少しさみしい思いをしておりました。
    そりゃアンタが一日おきに頻繁に来とるからじゃろ、心をグワングワンと揺さぶり、感想を言わずにはおれない、なんて話作ってから言え、って話ではあります。精進します。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days53~22日19時、新居に届きます

    尊、休む暇なし。
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    唯「ただいま~!」

    若君「ただいま帰りました」

    覚「おー、おかえり~。今お茶いれるから」

    尊「おかえりなさい。楽しかった、よね?聞くまでもないか」

    若「尊に尋ねたい事が、数多あっての」

    尊「お姉ちゃんが、答えられずに?」

    唯「だって聞いた方が早いもん」

    尊「それも明日までだよ」

    唯「ギリギリまで聞きまくる」

    尊「聞いた内容は、ちゃんと覚えててよ?」

    唯「たーくんが覚える」

    尊「はあ」

    若「ハハハ」

    覚「はい、お茶。長旅お疲れさんでした」

    美香子「あ、お父さん、8時30分スタートで決定で」

    覚「了解」

    若「父上、あの、ありがとうございました」

    覚「いいよ~」

    美「で、カードだけど、唯のも持って行ってね」

    唯「二つともいいの?」

    美「二人はセットでしょ」

    唯「うん!良かったね、たーくん」

    若「ありがとうございます、大切にします」

    美「でね、追加でこれもって思って」

    葉書を差し出した。印刷がカラフルだ。

    若「葉書、じゃ」

    美「あら、良くご存じ。宛先を見て」

    唯「ウチの住所と…あっ!速川忠清様、唯様って書いてある!」

    若「なんと!何ゆえ、この名で」

    美「写真館から届いてたの。案内というか、広告だけどね。ちょっと嬉しくて、取っといたのよ」

    唯「なんか、ここにたーくんと二人で住んでるみたーい。やーん、感激っ」

    若「そうじゃな。これは嬉しい文じゃ。母上、この葉書も頂戴して良いのですか?」

    美「どうぞ。これってね、それこそ今後、季節毎に届くと思うの」

    尊「そうだね、DMってそういう物だし」

    美「受け取る度に、そうよ二人は今ここに居るのよ、って思えるわ。二人の新居に配達される葉書ね。楽しみよ」

    唯「なんか、じわっときた…」

    若「それは…わしも嬉しゅう思います」

    唯「ありがとう、お母さん」

    美「いいえ~」

    尊「いい話だね」

    覚「でも、あんまり行かないと、届かなくなるぞ?」

    美「じゃあ、孫の七五三とか、撮りたいわ~」

    唯「わあ!夢みたいだね」

    若「そうじゃな。叶うと良いとは思うが」

    一斉に尊に視線が集中。

    尊「わっ、今の僕では無理なんで、長い目で待ってください…」

    覚「最短でも三年後だろ」

    尊「えっ、だってタイムマシン2号も、いつの時代から未来の僕が送ったかわからないし」

    若「尊、済まないとは思うておるが、許せ、頼む。気長に待つゆえ」

    尊「うへー」

    尊を残して、四人、大笑い。

    唯「さてと。たーくん、今から部屋には行くけど、まだ色々やる事あるからね」

    若「心得た」

    唯「ずっとニヤけてるし。なんかー、こんなに現代になじんちゃって、ちゃんと立派な総領に戻れるか心配になってきた」

    美「大丈夫でしょ。唯に甘えてるだけよ」

    若「そうですね。今は、唯と、家族に甘えさせて貰うております」

    覚「速川の家族、じゃなく、家族、ってところが嬉しいなあ」

    美「そうね。だから唯、心配無用」

    唯「そっか、わかった。じゃあ、ちょっくら行ってきます」

    尊「では、後程」

    唯「のちほど…」

    若「後程、懐かしいのう」

    尊「あっ、なんか秘密の会話だ」

    二階へ上がって行きました。

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    そう、夜は今日が最後だから。

    次回、平成Daysは一回お休みして、「もしも」シリーズの第2回を挟む予定です。

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    今までの二人の平成Days、番号とあらすじ、26から50まで

    no.503の続きです。
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    26no.443、12/16、海鮮市場。父が茶を吹く

    27no.449、12/16、ホームセンター。両親車内で語る

    28no.456、12/17、ジェンガに名を書きたい若君。達筆で読めない

    29no.461、12/17、完成したジェンガを前に永禄の仲間達を回想

    30no.467、12/17、若君と尊は仲良し兄弟

    31no.472、12/18、デート服がない唯とシェフデビューが決まった若君

    32no.476、12/19、朝から料理の特訓

    33no.477、12/19、両親の溢れる愛情に感涙

    34no.481、12/19、デート服を買いに行く。校門近くで車内に潜む若君

    35no.484、12/19、ペアルック購入。若君がときめき過ぎ

    36no.486、12/19、若君の体調を心配してるのか別の意図があるのか

    37no.489、12/20、唯と尊のしゃべくり漫才

    38no.490、12/20、料理披露

    39no.492、12/20、年賀状書きます

    40no.493、2019/1/1、年賀状届きました

    41no.497、12/21、唯は退学。オムレツ作って帰りを待っていた若君

    42no.500、12/21、尊が若君に機械の説明

    43no.504、12/21、収録内容確認。no.486の意図がわかる

    二人のもしもDays1no.510、とある年の2月上旬の日曜、バレンタイン直前でチョコ味の唯

    44no.515、12/18、イヤリング購入。唯の雪の思い出

    45no.516、12/22、デート当日。母から色々貰える

    46no.517、12/22、芳江とエリに挨拶。若君自動改札初体験

    47no.522、12/22、電車と飛行機。公共の場ではラブ自粛

    48no.523、12/22、貴重な写真を激写。人生の未来図を語る唯

    49no.524、12/22、公園ランチ後のラブラブタイム

    50no.525、12/22、土産に欲しい物有り。三人へのプレゼント買いに行く

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    二人の平成Days52~22日15時30分、まるわかりです

    早く決めないと、自由時間が減ります。
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    雑貨売場で、睨みをきかせ、仁王立ちの唯。

    若君「唯、贈る品を選んでいる姿には到底見えぬぞ」

    唯「悩む、悩み過ぎて訳分からなくなってきた」

    若「ハハハ、気持ちは分かるがの」

    唯「はあ。ねぇ、たーくんなら何にする?」

    若「そうじゃな…」

    若君が、手にすっぽり入るサイズの、スノードームを手に取った。

    若「これは、どういった物じゃ?」

    唯「これはね、一旦逆さにするの、そうすると」

    中で雪が舞う。

    若「なるほど、雪の風景になるのじゃな」

    唯「スノードームかぁ。家にあるのはもっと大きいし、このサイズならかわいくていいかも。いろいろ、中の風景も種類あるし」

    若「小さいは、小さいのう」

    唯「よし、たーくん三つ選んで」

    若「わしがか?それで良いのか?」

    唯「たーくんが選んだとなったら、みんな喜ぶから」

    若「そうか。責任重大だが、選ぶとする」

    三つ決まりました。お会計。

    唯「ふう。任務完了。ありがとね」

    若「どういたしまして、じゃ」

    駅まで来た。地元へ戻る電車を、ホームで待っている。唯が足元をじっと見ている。

    若「いかがした?何かあるのか?」

    唯「うん。思い出した事があって」

    電車に乗り込んだ。座ろうと思えば座れるが、二人は立っている。

    唯「このブーツね、たーくんのお墓が見つかったって聞いて、慌てて見に行った時に履いててね」

    若「うん」

    唯「もう、悲しくて悲しくて、お墓の前で泣いて泣いて」

    若君が唯の肩を抱く。

    唯「で、涙がポタポタ落ちて、今でもシミになってるの」

    爪先の辺り、数か所色が変わっている。

    若「そうか。しかしわしは生きておる。もう泣かずとも良い」

    唯「うん。あの頃は、ずっと暗黒の世界で。何をする気にもなれなくて、実は髪も切らずにそのままだったの。小垣城で撫でてもらった時から、切れなくて」

    若「そう、だったのか」

    唯「まっ、そんな事もありましたって話。永禄に戻ったら、また髪は切らずに伸ばしてくね。本格的に、姫にならないと」

    若「どんな姿でも唯は姫じゃが」

    唯「えへへ。でも、暴れガッパのままじゃ、なんだしさぁ」

    若「暴れガッパ?唯は、河童でなくとも暴れるであろ…ふひ」

    唯「もーっ!どの口が言うのじゃ~?」

    若君が、両頬を横にむにーと伸ばされている。

    唯「ふふっ」

    若「ふう。してやられたのう、ハハハッ」

    駅では、母が待っていた。

    美香子「おかえり~、二人とも。楽しかった?」

    唯「うん!」

    若「お迎え、ありがとうございます」

    車内。

    若「母上、あの」

    美「はい」

    若「カードですが、母上のお気持ちに心を打たれました。謹んで頂戴します」

    美「いいえ~、そんなに喜んでくれたなんて嬉しい。こちらこそありがとう。それでね、追加で渡したい物があるから」

    若「物?」

    美「きっと喜んでくれると思う。後でね。ところで唯」

    唯「なに?」

    美「この後の予定は?」

    唯「帰って、晩ごはんまでを二人の自由時間にしようって、たーくんと決めた。食後に尊の作品発表会、その後は家族全員一緒に過ごす」

    美「うん。って事は、ごはんが遅いと、自由時間が増えるわよね」

    唯「それはそうだけど、晩ごはんは8時位って、朝ごはんの時に聞いたよ」

    美「それが、8時30分に変更はどう?ってお父さんが。遅過ぎても何だから、プラス30分で手を打たないか~って」

    唯「へ?それは嬉しいけど、なんで?」

    美「今朝見送った時、あまりにも若君がデレデレのメロメロで、これはプラスの時間が欲しいだろうって」

    若「えっ!わし、が」

    唯「たーくん、そんな顔してたの~?気づかなかったー、もっと見とけば良かったあ」

    美「唯はもっと分かりやすかったからね」

    唯「あ、そーすか」

    美「もうすぐ7時だから…まあまあ時間あるかな?」

    唯「うん。嬉しい!良かったね、たーくん」

    若「そうじゃな。父上に、礼を申さねばの。されど…」

    唯「なに?」

    若「顔に出たとは不覚じゃ」

    美「え?ダダ漏れよ?エリさん達なんか、可愛かった可愛かったって、仕事中ずっと言ってたわよ」

    若「こ、これはしたり」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    あんなに泣いた時もあった、と過去形で言えるのは、今が幸せだから。

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    二人の平成Days51~22日15時、守り抜きます

    誠実さは、初対面でも伝わるよね。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    デパートで、プレゼント物色中。

    唯「どうしよっかな~」

    若君「どういった類いの品を、探しておるのじゃ?」

    唯「心がこもっていれば、どんなのでもいいんだけど、基本的に小さい物」

    若「小さい?何ゆえ?」

    唯「私のリュックに、三つ入れて帰るから。明日まで隠しておきたいから、たーくんが持ってる方には入れられないの」

    若「なるほど。その品に込めた存念は、物の大小に関わらぬ。それで良い」

    唯「ありがと、たーくん」

    誰かが、駆け寄って来た。

    男「速川、速川じゃないか?」

    唯「あっ、コーチ!」

    若「コーチ?」

    唯「うん、えっと、学校の陸上部で、指導してくれた」

    コーチ「珍しい所で会ったな。なんかいつもと全然イメージが違うから、最初わからなかったぞ。デートか?」

    唯「うん。コーチこそ、プレゼントでも買いに来たの?」

    コ「あぁ。娘も小学生にもなると、リクエストが具体的で、デパートまで探しに来た」

    唯「だから、こんな所でバッタリなんだね」

    コ「それより、速川。退学とは…驚いたぞ。昨日は、報告だけして逃げるように行ってしまって。今日会えて良かった」

    唯「はい。ごめんなさい」

    コ「かなりの有望株だったから、残念だけどな。まぁ、お前にも事情があるんだよな?」

    唯「はい」

    コ「どうしたんだ?」

    唯「あの、えっと…」

    若「失礼します」

    若君が、困っている唯の前に出た。

    コ「君は…そういえば以前、速川が超イケメンと帰って行くって、部員が騒いでたな。君だったのか」

    若「初めまして、コーチ。速川忠清と申します。唯が、お世話になっております」

    深々と一礼。

    コ「え?速川?え?」

    若「僕達、結婚したんです」

    コ「え?!結婚?!えっ、お婿さん?ずいぶんと若く見えるけど」

    若「早い、とお思いでしょうが」

    コ「急ぐ理由…えっ!まさか妊娠…もしや、それマタニティドレス?えーっ!」

    唯 心の声(うまい事進んでる。たーくん、がんばって!)

    若「事情は、お察しください」

    コ「は、はあ」

    若「暫く、僕の故郷に連れて帰るんです」

    コ「そ、そうなんだ。速川を名乗ったって事は、いずれ家を継ぐのかな?確か、実家のお母さんは医者だったよな?」

    唯「はい」

    若「故郷にて、精進して参ります」

    コ「それは、医師免許取得に向けて?」

    若「そう…ですね」

    コ「そうか、よーくわかった。速川!」

    唯「はい、コーチ」

    コ「お前は、恋愛などせず、走りを極めるのかと思っていたが」

    唯「まっ、そう見えてましたよね」

    コ「こんな、若いのに凄くしっかりした旦那さんに出会えていたとは。良かったな。おめでとう」

    唯「ありがとうございます。私、幸せになりますから」

    コ「そうか。うんうん」

    唯「私、みんなに何も言わず辞めちゃったんで、コーチから、今日の事言ってもらってもいいですよ」

    コ「そうなのか?」

    若「皆様に、よろしくお伝え願います」

    唯「速川は、最上級の素敵な旦那をゲットしたってね」

    コ「そうだな。じゃあ、これで。幸せになれよ」

    唯「はい!」

    若「ありがとうございました」

    若君は、また深々と礼。

    唯「…もうコーチ見えなくなったよ。顔上げて」

    若「そうか」

    唯「たーくぅん、ありがとう~!もぉ聞かれた時は、やばっ!マジで~?って焦った~」

    若「上手く勘違いもされたようだし、無事に事が運んで良かったの」

    唯「現代語、完璧だったよ」

    若「そうか?」

    唯「すっごくカッコ良かった。ますます惚れ直したでござるよぉ」

    若「それは嬉しい。全ては唯を守る為じゃ。守れておったか?」

    唯「うん!」

    若「あ、ここも公共の場じゃな」

    唯「そうなの~ざんねーん、私も。ふふっ」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    此度の嘘は、誰も傷つけてはおらぬ。

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    時空を超えるICカード

    前回の平成Daysで、若君は、速川の名前のカードに感激していましたが、きっとそのカードのデザインも気に入ってくれたと思うんです。イメージした交通系ICカードは、マナカです。

    https://manaca.jp/type/index.html

    まるで…。交通事業者によると、無名のキャラクターで、月とは関係ないんですが。

    no.491の考察でもお話ししましたが、唯達が住む黒羽市は、三重県北勢地方の推測です。実はこの辺りを通る鉄道会社の路線では、ICカードを導入していません。
    でも、このエピソードを入れたかったので、今回は使える物としちゃいました。実際は使えないでしょ!とか言わないでね(;^_^A

    勝手に何もかもリンクさせてますが、大企業を敵にまわすつもりは、毛頭ありません…。関係者の方々がご覧になりましたら、人気のキャラクター御用達、にしましたので、売上に直結はしませんが、御容赦くださいますようお願い致します。

    このカードをお使いのアシラバの皆様!おめでとうございます、若君&唯とお揃いです!妄想の域を出ませんが。

    私の定期もお揃いです~。こんな些細な事でも、生活が少し潤うようです。自分で設定しておいて何なんですが。

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    二人の平成Days50~22日14時、手のひらに想い出

    唯、なんやかやで願いが少しずつ叶ってます。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    建物内に戻りました。

    若君「暑いのう…」

    唯「うん、外もだいぶ暖かかったから。上着脱いで」

    脱ぐのを手伝う唯。

    唯「上着は、邪魔になるからおなかに巻いとけばいいよ」

    若「そうか」

    若君が上着の袖を、体の前で結んでいる姿に、

    唯 心の声(ん?なんか普通の人と違う…あ、そっか!おなかじゃなくて、腰骨の上で結んでるから、ビシっと決まってるんだ。んもぉ無駄にカッコいいんだから~。あっそうそう!)

    唯「たーくぅん、袖もまくって~」

    若「こうか?」

    唯大好物の、腕まくり姿。

    唯「へ、へへへ~」

    若「姫がおかしな事になっておる」

    土産物屋の前を通過中。

    若「色々売っておるようじゃの」

    唯「そうだね。何か欲しい物ある?」

    若「いや…」

    唯「あ?それって、なんかあるとみたぞぉ」

    若「永禄に持ち帰りたい物は、ある」

    唯「えーそうなんだ、なんだろ?」

    若「母上に許しを乞わねばならぬが」

    唯「えっ?それって、もしかして…」

    若君が、ICカードを出した。

    唯「すごく気に入ったんだね。やっぱ名前入りだから?」

    若「わしが、この先の世に居た証じゃからの」

    唯「そっかぁ。なんか私も嬉しい~。きっと喜ぶと思うけど、お母さんに今聞いてみるね」

    若「頼む」

    LINEでパパっと送信。即返信あり。

    唯「ふふっ。見て、これ」

    若「おぉ」

    号泣しているスタンプと、OKマークのスタンプが連続して来た。

    唯「良かったね、たーくん」

    若「あぁ。帰ったら、母上に礼を申す」

    駅の改札前。

    唯「そろそろ移動するよ。もう飛行機は堪能した?」

    若「良いぞ。実にこの、技術や人々の努力には、目を見張るばかりであった」

    唯「もし、もしいつか機会があったら…飛行機、乗ろうね」

    若「そうじゃな。いつか」

    唯「もしかしたら、その頃にはもーっと遠くまで行ける乗り物に、乗れるかもしんない」

    若「遠く?」

    唯「月にとか」

    若「月?!」

    唯「もしかしたら、ね」

    若「それは、どのように」

    唯「あ、えーっと…」

    若&唯「帰ったら尊に聞く」

    唯「わー、どうしよう。もうすぐこの手使えなくなる」

    若「ハハハ」

    電車内。

    若「この後はどうするのじゃ?」

    唯「さっき人がいっぱい居た駅の所で、デパートに行くよ。あのね、お父さん達にクリスマスプレゼント買いたいの」

    若「買い物に行くのじゃな。しかしその場所には、色々な呼び名があるのう」

    唯「そうだね。スーパーはわかるよね?」

    若「米など買う処」

    唯「うん、合ってる。あとは?」

    若「ショッピングモールは、床が柔らかい。ホームセンターは、じいの大きいカートが有り、手軽で楽チン」

    唯 「…他に覚え方なかったの」

    下車し、デパートに向かっている。都会は、そこかしこに、イルミネーションやツリーがある。

    若「昼間から眩いのう。綺麗じゃな」

    唯「あ」

    若「ん?いかがした」

    唯「ううん、綺麗だね。えへへ~」

    若「ようわからぬが、唯がご機嫌なら良かろう」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    じい、居ないのに登場回数が多い。

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    二人の平成Days49~22日13時、風を纏って

    お母さん、あの選択、グッジョブでした。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    公園ランチ、そろそろ終わり。

    若君「なんと、茶がまだ熱い」

    唯「なにげにすごいでしょ~」

    冬にしては、暖かい日だ。飛行機が置いていく風も、心なしか柔らかい。

    若「よい風じゃ」

    唯「ホントだ。…ふふっ懐かしい」

    若「そうじゃな」

    空を見上げる若君。真上を、大迫力で飛行機が行き交っている。

    若「羽ばたきもせず、なぜ飛ぶのかの…」

    唯「私に聞いてる?」

    若「帰ったら尊に聞く」

    唯「それが正解~」

    若君は、シートから降りた。芝生の上に寝転び、空を仰ぐ。

    若「草の匂い、土の匂いじゃ」

    弁当箱や水筒を片付ける唯。

    唯 心の声(セーターの赤色が、芝生に映えて綺麗)

    若君は、眠ったようだ。時折、額にかかる前髪が風に揺れる。

    唯 心(無防備な寝顔が、かーわいい)

    シートも片付け、隣に座った。

    唯 心(こういう時間、今度はいつ手に入るかな…)

    いつの間にか、若君に見つめられている。

    唯「わぁ!起きてたんだ」

    手を伸ばしてきた。

    若「おいで」

    唯「えー」

    若「ん?」

    唯「そう言えば、絶対来ると思ってるでしょ」

    若「思うておる」

    唯「否定しないし~」

    若「来ないのか?」

    唯「どーしよっかなー?…えいっ!」

    寝転ぶ若君に、ダイブ!なかなかの衝撃。

    若「うっ、く、苦しい…」

    唯「えー?なにぃ?だって来いって言ったもーん」

    若君の胸元に顔をうずめていたが、

    唯 心(ダメダメ、このままじゃイヤリングがセーターに引っ掛かっちゃう)

    体を起こした。すると、

    若「…唯の向こうに、広がる空は」

    唯「空?」

    若「永禄も、この先の世も変わらず、一面澄んでおる」

    唯「450年変わらないかぁ。あっ、でも飛行機は飛んでない」

    若「ハハ、そうであったの」

    若君が、唯を乗せたまま体を起こした。

    若「そう言えば…まだ、遠いか?」

    唯「え?」

    若「体が境界線で近づけぬ、と申しておった」

    唯「うん。もっとそばに、もっとって思って。あー?たわけたおなごが無茶言ってる、って思ってるんでしょ」

    若「いや、構わぬ。唯の全てを慈しんでおるゆえ」

    唯「…難しい。帰ったら尊に聞く」

    若「ハハハ。もう、境はなかろう?」

    唯「うん。今はもうない。なんでだろ、いつの間にか消えてた感じ」

    若「宿の夜に消えたのであろう」

    唯「…」

    若「そのような意味合いではない」

    唯「うん、わかるよ。心も一つになったって事だね。たーくんもそう思う?」

    若「思う。今もそうであるし」

    唯「今?」

    若君が、視線を下に落とす。

    唯「え?わかんない」

    若「二人は一つじゃ」

    唯「え?あ、あーっ!ホントだぁ」

    同じセーターを着ているので、重なった部分で二人が一続きになっているように見える。

    唯「一つになってる、境目がなーい」

    若「そうじゃ。望み通りであろう?」

    唯「よく気がついたね!すごーい、感動しちゃったぁ」

    若「ハハハ」

    唯「たーくんと私は、一心同体~」

    また抱きついた。

    若「そうじゃな」

    唯「ふふっ。はぁ~、なんか幸せ過ぎて、溶けちゃいそう」

    若「溶ける?それはならぬ」

    唯「えぇ?」

    若「決して消えてはならぬぞ」

    唯「そっか~。あはは~」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    聞いているのは、風だけ。

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    二人の平成Days48~22日11時、告白します

    撮ろうと思って撮れるものじゃないから、超貴重。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    建物内に戻ってきた。

    唯「クリスマスツリーだ~、あっ、雪だるま見っけ!」

    大きなツリーの足元に、雪だるまのオブジェがある。

    若君「大きいのう。我ら程もある」

    唯「写真撮ろっと」

    まずは雪だるまをバックに、二人並んで自撮りでパチリ。

    唯「ポーズ変えよっ。え?たーくん何してるの」

    唯の背後に回っていて、顔を近付け、両手を肩に乗せている。

    若「良いぞ」

    唯「あぁ、前後にね。では、はい、ポー…」

    その瞬間、若君の両手が唯の両頬をつまみ、横にむにーっと引っ張った。パチリ。

    唯「ふひっ、あーっ!ちょーっとー!たーくん!」

    若「ハッハッハッ、愉快じゃ」

    唯「もーーっ!!ひどーい!」

    逃げる若君、追う唯。本気で逃げてない若君と、マジで追う唯なので、あっという間に捕獲完了。

    唯「かわいく撮りたいのに~!もーっ」

    若「かわいいではないか。見てみるが良い」

    撮れた写真を確認。

    唯「あ、かわいい…」

    若「で、あろう?」

    唯 心の声(たーくんが、超かわいい!)

    そこには、悪戯を企んで、瞳が子供のようにキラキラと輝いている若君が写っていた。

    唯「えへへ」

    若「掌を返したように、ご機嫌じゃの」

    空港併設の、公園に来た。芝生の上。

    唯「ごはん、ごはん、お腹空いたでしょ」

    若「唯ほどではない」

    唯「どーせ食い意地が張ってますよっ」

    レジャーシートを広げて座り、弁当箱と水筒もろもろを出した。

    唯「それでは~」

    唯&若「いただきます」

    唯「見て見て、おにぎりこんなに大きいよ」

    若「父上の愛情の大きさじゃな」

    唯「そうかも?はい、たーくん、あーんして」

    パクリ。

    唯「うふふ、かわいい~」

    若「そういえば、唯の手料理は、食しておらぬままじゃのう」

    唯「ギクッ。そ、それは」

    若「言うてみただけじゃ」

    唯「へ?」

    若「それを言うたら、母上のも尊のも食しておらぬからの」

    唯「ん?これはからかわれてるのか?まぁいいや。他の事を、今後がんばりますのでお許しを」

    若「ほぉ。例えばどのような?」

    唯「え?えーっと…」

    若「ん?何を恥ずかしがっておる」

    唯「あの、たーくんの子供、いっぱい産みます」

    若君の動きが止まった。

    若「そ、それは」

    唯「ジェンガに子や孫の名前書くって聞いて、感動したの、だから」

    若「…ありがとう、唯。一応尋ねるが、戦は?」

    唯は、若君の前に座り直し、正座した。若君も、体を唯の正面に向けた。

    唯「戦には、もう出ません」

    若「そうか。それは安心じゃ」

    唯「私、赤ちゃんに早く会いたくて」

    若「えっ」

    唯「戦は他の足軽でもできる。でも赤ちゃんは私しか産まないよね?」

    若「そうじゃ、愛するのは唯のみじゃ。側室など要らぬ」

    唯「お腹に居るかもしれないのに、無理に戦に出て何かあったら…たーくんも私も悲しいでしょ」

    若「…」

    唯「私は、私にしかできない事をがんばる。これからは、たーくんと、子供と、全部守るから」

    若「…唯!」

    唯の細身の体が折れてしまいそうな程、強く抱き締める若君。

    若「ありがとう、唯…」

    唯「いつか言おうと思ってたから。でも早く言って良かった。こんなに喜んでくれて」

    若「唯、ここも公共の場であろうが…」

    唯「あっ、あー。そうだけど、周りにあまり人居ないし…許します」

    熱いキスが続いた。

    若「唯」

    唯「はいっ」

    若「腹が鳴っておるの」

    唯「ひゃー!ごめんなさい~、だってぇ私まだ一口も食べてない」

    若「ハッハッハ。唯の腹は、恋路にも容赦ないのう」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    腹が減っては、戦もラブラブもできぬ。

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    二人の平成Days47~22日9時、エスコートします

    二人、羽根生えて飛んで行きそう。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    地元の電車はかなり混んでいた。扉付近で立つ二人。

    唯 心の声(近い~。壁ドンなんか比べものになんないっ)

    壁にもたれる唯の前で、被さるように肘を壁に当てて立つ若君。

    若君「唯」

    唯「なに?」

    唯 心(見上げるともっと近いー)

    若「キスしとうなる」

    唯「えっ?!だめですっ」

    若「駄目なのか?」

    唯「だめなものは、だめ。ここは公共の乗り物の中だから、我慢してっ」

    若「…」

    唯「そんな顔してもだめっ」

    唯 心(ひゃ~!今されたら、私は瞬殺だし、周りのチラチラ見てる女子達も秒殺だよ~)

    大きな駅に到着した。乗り換えで移動する。

    若「平和な世の筈であるが、戦並みに人が行き交うのう」

    唯「乗り換え駅だから特にね」

    若「ここを進むのか?」

    唯「うん、がんばって行こー」

    雑踏を進む。唯が人にぶつかりそうになると、若君が肩を抱き、さっと引き寄せる。

    唯 心(守られてるー、感動~)

    乗り換え完了。今度の電車は、二人掛けの席に座る事ができた。窓際の若君が外に目をやる。

    若「速い、速いのう。先程は唯を隅々まで眺めていたゆえ、外に気付かず」

    唯「やだぁ。そうだね、今までたーくんが乗った乗り物の中では一番速いね」

    若「まだ速い馬があるのか?」

    唯「うん。今から行く所にね。私達が普通に乗れる乗り物ではそれが一番速いから、たーくんに見せてあげようと思って。馬というよりは、鳥だけど」

    若「鳥?!空を人が舞うのか?!」

    唯「そうなの。でもごめんね、乗るんじゃなくて見るだけだけど。近くで見たらきっと迫力あるから、腰抜かさないでね」

    若「そうか。心して見よう。なんと申す鳥じゃ?」

    唯「飛行機だよ。今、空港って場所に向かってるの」

    窓の外が一変した。空港島へ伸びる海上の線路を走行中。窓の外は海。反対側の窓の外も海しか見えない。

    若「なんと!我らは浮かんでおるのか?!」

    唯「ホントだ~なんか、天国への道、って感じ?」

    若「唯と共になら、いずこでも天国じゃが」

    唯「え~嬉しい。すっかり殺し文句がうまくなっちゃって、この子は」

    若「…母上にそっくりじゃの」

    唯「え?そう?」

    改札を抜けると、そこは空港。

    若「またここも、戦並みな」

    唯「年末近いから、人は多いかな」

    人種も様々。

    若「悪丸に似た者がおるの」

    唯「そうだね。私、悪丸にどこの国から来たの?って聞いた事あるんだけど」

    若「それで?」

    唯「すっかり忘れちゃいました~」

    若「ハハッ、そうであるか」

    唯「たーくん、そこから外に出られるから。いよいよ飛行機とご対面だね」

    デッキに出た。何機も並んでいる。

    若「これはなんと巨大な。しかも何羽も」

    滑走路近くのため、かなりの迫力と音。

    若「このような鋼の塊が、飛ぶとな」

    唯「うん。ほら、今、飛び立つよ」

    耳をつんざく音と共に、滑空していく。

    若「このような物を考え、形にした者が幾人も居るのじゃな」

    唯「そうだね。尊みたいなのがいっぱいね」

    若「感謝せぬとな」

    唯「未来の事まで感謝なんて、たーくん素敵!」

    若「そうか?」

    唯「大好き」

    若「わしもじゃ」

    唯「あっ、ここも公共の場だから」

    若「…読まれたのう。では代わりに」

    唯をお姫様抱っこで抱き上げた。

    唯「きゃっ」

    若「姫、くるくるか?」

    唯「うん!くるくる~」

    360度回転。

    唯「きゃー、えっ二周!」

    若「ハハハ~」

    唯「あはは~」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    若君のそんな顔、それは唯にしか見せない顔。

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    返信先: 創作倶楽部
    10年ですか

    今回の地震は、先の震災を引き起こした地震の影響を受けて発生しているとの事。10年前のあの日、何をしていて何を考えていたかは、今でも鮮明に思い出されます。
    被害にあわれた地域の皆様に、早く平穏な日々が戻りますように。

    妖怪千年おばばさんへ

    お菓子タワーは子供の夢ですね。子供だけじゃないか?いくら好きなお菓子でも、いつまで経っても無くならないので、しばらく見たくなくなりそう。

    あまりにも、花男がわからないので、画像検索しました。なるほど、ピンクでした。若君似合いそうです。

    まゆちゃんは、クラスメート三人娘の、一番背の高い子ですね。やっぱり、地元のアイツ推しなんだ(^o^)

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days46~22日7時30分、扉が開く

    遠足かも。どっちが引率かわからないけど。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    二人、着替えました。

    覚「なるほど、眼福はわかるな」

    尊「お姉ちゃん、若君を守るのを相当頑張んないと」

    唯「えー。ねぇ、私の服装にコメントは?」

    尊「ない。若君にはあるんじゃない?…あ、黙ってると思ったら、またときめいてるし」

    若君「…あ?ん、何か申したか?」

    尊「コメントは差し控えます」

    美香子「唯、髪はどうしたいの」

    唯「イヤリング着けるから、耳が出るようにして欲しいな」

    美「んー、じゃあ前髪は残して、横を編みこんであげよう」

    唯「やったぁ、ありがとう」

    美香子の手が、唯の髪を少しすくっては編み、すくっては編みして顔周りに三つ編みが出来上がっていく。

    唯「たーくん、そんなにじーっと見られると恥ずかしいよ」

    若「まさか、母上も術の使い手とは」

    美「あら~。なんか凄い人になった気分ね」

    お弁当、出来ました。

    覚「いつものリュックで持ってくのか?」

    唯「そのつもりだよ」

    覚「水筒もあるから、案外重いぞ」

    若「わしが持つので大丈夫です」

    美「じゃあ唯の鞄は?」

    唯「このリュック」

    いつものリュックに比べて、かなり小ぶり。

    美「まぁ、合格ね」

    唯「良かったぁ。しゃっ!」

    美「支度は完璧?ならちょっと待ってて」

    唯「ん?」

    芳江とエリが来た。

    芳江「んまぁ~、なーんてかわいらしいカップルなんでしょ!唯ちゃん、若君、よーく似合ってますよ」

    エリ「初々しいわね~。赤もとってもお顔に映えて綺麗。最後にこんな、天使みたいな姿が見られるなんて」

    美「お二人に、少し早く出勤していただいたのよ」

    唯「あっ、そうなんだ。ありがとう~」

    芳「私達は、お会いできるのが今日が最後だから」

    若「芳江さん、エリさん、今まで大変お世話になりました」

    エ「嬉しいわ~ホント、楽しませてもらいました。ありがとう。では、お元気で」

    芳「お達者でね」

    美「では、急いで駅まで送ってきます。さっ、出かけるわよ」

    唯「はーい。じゃあたーくん、参るぞ~」

    若「ハハハ、では、行って参ります」

    尊&覚&芳&エ「行ってらっしゃーい」

    車を見送った。

    尊「お父さん」

    覚「ん?」

    尊「若君、デレデレだったね」

    覚「おー、顔にメロメロって書いてあったぞ」

    尊「ははは。いい思い出になるといいね」

    覚「そうだな」

    駅に到着。

    美「二人きりなんだから、唯は若君を、若君は唯を守るのよ」

    唯「心得たっ」

    若「心得ました」

    美「二人ともいい笑顔ね。行ってらっしゃい」

    いよいよ自動改札を通ります。

    唯「あそこ今、入口がふさがってるじゃない。でね、カードをその光ってる所に当ててみて」

    いつものように、素直に言われた通りにする若君。ゲートが開いた。

    若「おおっ、動いた」

    唯「これで開くの。通って」

    若「急いでか?」

    唯「普通に歩けばいいよ」

    そろりそろりと通る。通過したらゲートが閉まった。

    若「おおっ」

    唯「そんな感じでーす」

    後ろから、唯も入ってきた。

    若「慣れておるのう」

    唯「慣れてはいないけど、学校の部活の大会とかしょっちゅう行ってた時に使ってたから。だから家にあるはずなんだけど、たぶんお母さんの事だから、買っちゃえ~って思ったんじゃないかな」

    ホームで電車を待っている。

    若「先程の話じゃが」

    唯「ん?改札?カード?」

    若「学校じゃ」

    唯「あ、そちらの話」

    若「…もう行かぬと決めたのじゃな」

    唯「バレてたかぁ」

    若「済まぬ、唯。わしの為に、様々な事を辞めたり、諦めたりさせておる」

    唯「いいの。だって、それは嫌だから行かない、って言ったら困るでしょ?」

    若「それは、身を裂かれる思いじゃ」

    唯「うん、だから気にしないでね」

    急に、抱き締められた。

    唯「えっ」

    若「わしが、唯を守る」

    唯「ありがとう。私も、たーくん守るからね」

    若「離さぬ」

    唯「うん。絶対そうしてね。たーくん」

    若「なんじゃ?」

    唯「ここでは…恥ずかしい」

    若「そうか」

    腕を緩めたところに、ちょうど電車が入ってきた。

    唯「じゃあ行こっ」

    出発します。

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    どこに向かっているかは、次回。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days45~22日土曜7時、ピッとね

    電車は初めて、でも最後なの。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    今日は待ちに待ったクリスマスイブイブイブデート。朝ごはん食べてます。

    唯「お母さん、後で、髪結んで欲しい」

    美香子「あらそう、いいわよ」

    覚「駅には何時だ?」

    唯「8時に家出れればいいかな」

    覚「じゃあそろそろ作るか」

    唯「やったぁ、お弁当、お弁当~」

    若君「楽しそうじゃ」

    食卓も片付け終わりました。

    美「そろそろ着替えるわよね。二人に、渡す物があるの」

    唯「なに?」

    美「まずは唯に」

    袋が出てきた。

    唯「え?何だろ」

    タイツが複数。柄が入っている物が多い。

    唯「え!すごーい、かわいい~」

    美「ワンピースに合わせて穿いて欲しいな、って思って、買い揃えちゃった」

    唯「えーどうしよう~、たーくんどれがいい?」

    若「そうじゃな」

    唯「え」

    若「ん?」

    唯「選んでくれるの?」

    美「何よそれ。聞いたのは唯の方でしょう」

    尊「僕が進言した」

    美「あら、急に」

    若「尊に、わからぬのは致し方ないが、求めに出来るだけ応えるのも優しさとな」

    唯「えー、なんて嬉しいコトを~ありがとう!尊」

    尊「どういたしまして」

    唯「じゃあ、たーくんどれがいい?」

    若「これはいかがじゃ」

    唯「これ?」

    白地に、パステルカラーの水玉が散りばめられていて、少しラメが入っている。

    美「あら、かなりラブリーなのをチョイスね」

    唯「して、その心は?」

    若「夜降った雪が、朝日に照らされ、溶ける間際の輝きのようじゃ」

    美「まあ、なんて叙情的」

    若「雪だるま、の耳飾りに合わせての」

    唯「えー!すごい、たーくんセンスいい!」

    若「扇子?」

    唯「そう、扇子扇子」

    尊「通じてるのか?」

    美「ブーツがキャメル色だから、いい感じよ。でね、もう一つは二人に」

    色違いの定期入れが二つ。

    唯「え?何、定期?あー、ICカード?」

    美「そう。今日は電車も乗り継いだりするから、ピッって通れる方がいいでしょ。券売機で毎回買ってもいいだろうけど、若君も覚える事が少ない方が楽だしね」

    唯「そっか、ピッで通れるから」

    美「ただ買うだけでも良かったんだけど、記念になるかなって思って…カードをよく見てみて」

    唯「え?あー、名前が入ってる!って事は、たーくんのは?」

    若「どこじゃ?」

    唯「あ、これこれ。ハヤカワタダキヨ、って書いてあるよ」

    若「なんと」

    美「ごめんなさいね、若君。記名式を買う時は連絡先を登録しなきゃいけなかったんで、写真館の時と同じにしたの」

    若「これは…母上、ありがとうございます」

    唯「羽木が良かった?」

    若「いや。速川で嬉しい」

    若君が、カードの名前の部分を感慨深く指でなぞっている。

    美「じゃあ、そろそろ二人とも着替えてらっしゃい」

    若&唯「はいっ」

    美「ん~いい返事だこと」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    このままだと、カードの名前がピッだと勘違いされそう。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days44~18日火曜17時、冬に遊ぶ

    クリスマスイブイブイブデートの前に、デート服を買った際に唯が話していた、イヤリングを買った時の様子をお送りします。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    ヘアアクセサリーなどを売っている、ショップに到着。

    若君「おなごは、かんざしや櫛が好きじゃの」

    唯「え?誰かに贈ったりしたの?」

    若「してはおらぬ」

    唯「ホントかなぁ」

    若「してはおらぬし、今もわしが支払う訳ではないゆえ、贈った事にはならぬし」

    唯「いいの、たーくんが選んでくれた~ってのが嬉しいから」

    若「そうか。しかし、此処は眩い場所よのう」

    様々なアクセサリーが並んでいる。ライトが当たっているため、まぶしい位だ。壁に全面貼られた鏡に、光を集めた若君が映っている。

    唯 心の声(わぁ~綺麗。たーくんが)

    鏡の中の、若君に見とれる唯。

    唯 心(あ~周りが霞んで見える、綺麗過ぎる~。そんなたーくんは私のもの。私は、たーくんのもの。いや~ん、ぐふふ)

    若「唯?」

    鏡の向こうから、若君が声をかける。

    唯「あっ、なんでもないですぅ」

    しばらく店内を眺めていたが、あるイヤリングに目が止まった。

    唯「かーわいい!雪だるまみた~い」

    真珠を模した丸い玉が、上下重なりぶら下がって揺れる。上が小さめなので、確かにそう見える。

    唯「ねっ、雪だるまみたいでしょ?」

    聞かれた若君が首を傾げている。

    唯「え?何?」

    若「雪、だるまとはなんじゃ?雪はわかるが」

    唯「え~?!えっ、だるまがわからない?」

    若「わからぬ」

    唯「え~、歴史ありそうなのに。戦国時代にはなかったのかなあ」

    スマホで検索。

    唯「あ、なかったみたい。たーくん、ごめんね」

    若「それは良いが、そのように唯が喜ぶ、雪だるまとは何じゃ?」

    唯「あー、こんな感じ」

    画像を見せる。

    若「ほぉ。なるほど。雪でこのように形作るのじゃな」

    唯「うん!小さい頃、庭に雪が積もると、尊と一緒によく作ったんだよ。でも、どっちかというと、雪合戦に変わっちゃってたけど」

    若「合戦?幼子らがか?」

    唯「あっ、そういえば戦でした。雪を丸めて玉にして投げ合うから、痛くないよ。冷たいだけ」

    若「そうか。それは良い思い出じゃな。ならばそれにするが良い」

    唯「これでいい?待って、着けてみるね」

    頬にかかる髪を耳にかけ、着けて顔を揺らすと一緒にゆらゆらと。

    若「かわいいよ、唯」

    唯「気に入ってくれた?」

    若「あぁ。唯は何をしていてもかわいいがの」

    唯「やだぁ~どこでそんな返し方覚えたの?でも超嬉しい!」

    買い物終了。帰宅途中。

    唯「あの、これから向かう緑合も、雪がよく降るかなあ」

    若「そうじゃな…訪れた事はないが、山合いであったと思う」

    唯「そっか。じゃあ雪が積もったら、雪だるま作ってあげるね」

    若「共に作ろうではないか」

    唯「わぁ、楽しみ!」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    二人の熱で、即解けるって。

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    返信先: 創作倶楽部
    あれ?

    先程、このアシカフェ内の、スポンサードリンク(広告)に、電子書籍の広告で、アシガールの単行本の表紙が11巻15巻10巻の三つ表示されました。

    原作を読んでいなくても、アシガールと検索すれば漫画の情報は出るので、毎回、こんな表紙かーとは思っていましたが、最新刊15巻を見て、ん?

    あれ?この打掛、「桜が全体にあしらわれたパステル調の色打掛」とも言える。私が昨年12月1日に投稿した、二人の平成Daysのno.358、写真館で唯が決めた和装?

    私がイメージしたのは、もっと淡い色調だったんですが、元々あの表紙のお着物、原作に既に登場してたんですかね?それを私がどこかで見て、脳裏に焼きついてたのを描いちゃったのかしら。

    それか私が先?なぁんて。着物の柄は、すごく斬新でもない限り、どうしても似てくるものとは言えますね。

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    返信先: 創作倶楽部
    (新)二人のもしもDays1、バレンタイン直前篇

    とうとう、妄想が暴走になりました。

    平成Daysの空気感をそのままに、二人に、本来現代に居ない日付のイベントを楽しんでもらおうという算段です。今は確か?とか、この頃永禄では、は全てとっぱらいました…。
    なんでもありの様相ですが、ドラマの続きというよりは、勝手に面会時間はずらすわ呼び名は変えるわでお送りしている、平成Daysの進化版、としてお送りします。
    「創作」倶楽部の名のもとに、羽目を外しましたので、ご不満な方は、どうか跨いで通過してくださいm(._.)m

    ひとまず、今の時季に合わせたお話を。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    バレンタインが近づいた日曜の昼下がり。速川家キッチン。

    唯「たーくん、アーモンドチョコ好きだからさぁ」

    美香子「うん」

    唯「それが、すっごく大きかったら、喜んでくれるかなって」

    美「大きくね。いかにも唯が考えそうな」

    唯「だから~、作りたい~!」

    美「まぁ、まだ、作れって丸投げされるよりはいいけど」

    唯「で、考えたんだけど、元々のアーモンドチョコを芯にして、溶かした別のチョコをまわりにつければいいかなって」

    美「はいはい、それなりに手作り風に考えたのね。まぁ、やってみましょ。お父さん達が買い出し行ってる内に」

    板チョコをボウルに入れ、湯せんにかけている。

    美「温め過ぎると、分離するわよ」

    唯「どのくらい?」

    美「50℃くらいね。ちゃんと調べた?」

    唯「ざっくりとは。どうやって測るの」

    美「温度計あるから」

    唯「あるんだ」

    美「それくらい聞きなさい~。もー、行き当たりばったりなんだから!」

    チョコ、母のお陰でいい感じに溶けました。

    美「一粒、中に落としてみて」

    唯「うん、それで?」

    美「スプーンで転がしたらすくって、バットに並べる」

    唯「わかったー」

    美「そこ、垂れてる!」

    あちこちチョコが飛びながらも、順調に進んでます。

    唯「二、三個一緒に入れてくっつけたら、もっと大きくなるよね」

    美「なんでそんなに大きくしたいの?プチサイズを可愛くデコレーションしよう、って気はないの?」

    唯「一緒に食べるから。私は、大きい方がいい~」

    美「あれま。バレンタインデーの意義からかけ離れてる気はするけど、若君ならどんな風でもニコニコしてくれるわよね」

    唯「やってみよっ」

    徐々に出来上がってます。

    唯「なーんか、形が不格好だなー」

    美「バットに接してる部分は平らになるしね。固まるのに時間かかるし」

    唯「全部上から垂らすとか。まいっか、残り少ないし、ボウルのここにこすりつけてと」

    美「あ!もう~なんで、手で直接触るの!」

    唯「めんどい」

    美「はぁ~。面倒だなんて、若君に失礼でしょ!もー、作業終わるまで他の物触っちゃダメよ!」

    尊「ただいま~」

    若君「ただいま帰りました」

    美「あれ?思ったより早い」

    唯「えーっ!あとちょっとなのに~」

    若君と尊が、買い物袋を抱えて帰宅。

    尊「甘い香りがすると思ったら、男子、というか若君が見ちゃいけない作業中だったみたいだね」

    若「種の入った甘味、か?」

    テーブルの上に、見覚えのある空箱。

    覚「ただいまー、おっ?バレンタインの準備か」

    美「今日は買い物早かったわね」

    覚「男三人だからな。あれこれ悩まず、ひょいひょい運べる」

    唯「そのせいで、全部バレバレだよぅ」

    若君が、チョコまみれのテーブルの上を不思議そうに眺めている。

    若「これは、何という有り様じゃ?」

    唯「バレンタインデーの…」

    尊「それ、説明に相当時間かかるけど」

    唯「もー、それがわかってたから、帰るまでに終わりたかったんだよぅ」

    美「急いでたとはいえ、こんなにあちこちチョコ飛ばして~!」

    尊「若君、なんかすごい事になってますが、この有り様でもわかる事が一つあります」

    若「申してみよ」

    尊「お姉ちゃんは、若君のためにかなり頑張った模様です。なんで手がそんな状態かは、謎だけど」

    唯「おっ、尊うまくまとめたねぇ。正解~。へへへ、ほらたーくん見てっ」

    目の前に勢いよく手を出すので、若君は少しのけ反った。

    美「唯~、あちこち付いたら大変だから、じっとしてて!それ、服に付いたら中々取れないのよ!」

    唯「チョコ味の、唯でーす。なんちって」

    若「…頑張った、のじゃな」

    唯「うんっ」

    若君、唯や周りの様子を見ながら、じっと考えていたが、

    若「これが最良か…」

    唯「ん?」

    若「唯、うまそうじゃの」

    唯「そう?なんとかできて良かったよぉ…へっ?えーっ!!なんでー?!」

    唯の腕を掴み、指をパクっとくわえている。

    若「甘い」

    唯「えっ、えーっ!!」

    ジタバタするが、手首はがっつりホールドされていて、指一本一本、キレイに舐められていく。

    尊「なんか、直視できない」

    美「さすが若君、キュンポイントがわかってるわ」

    覚「へ?そうなのか~?」

    美「だって、並んでるチョコよりも、唯の方が良かったんでしょ。これで中身も食べたいなんて、言われようものなら…あらん」

    覚「妄想が激し過ぎるぞ」

    若君が手を離した。

    若「この位かの。ほれ、手を洗うて参れ」

    唯「はっ、はい」

    洗面所へ走って行った。

    尊「若君、あの」

    若「なんじゃ?尊」

    尊「なんで指舐めたんですか?」

    覚「核心を突く質問だな。いやそのまんまか」

    若「母上が大層ご立腹で」

    美「え?私?」

    若「唯が不憫であったので」

    美「あら優しい」

    若「手さえ、何とかすれば良いかと」

    尊「そうだったんだ」

    美「なあんだ」

    尊「お母さん~」

    若「何がどうと?」

    尊「いえ、実に健全な理由だったなと」

    若「健全?」

    尊「お母さんが変な事言うから。中身も食べたいんじゃないかって…ってこの説明、僕にさせないでよー!」

    若「中身、中身…なるほど」

    尊「今、不健全な顔にスイッチした気が?」

    唯「あー、びっくりした~」

    若「唯」

    唯「はい?」

    若「後程、中身をいただく」

    唯「中身?なにそれ。まいっか、わかったー」

    尊「うひゃー」

    美「まずは片付けましょ。きちんとチョコも固めないと」

    唯「うん。後で、できたチョコ少しあげるね。たーくん早く食べたいでしょ?」

    若「どちらかと言えば中身が良いが」

    美「はいはい、若いわねー」

    覚「ボウルこっちにくれ、洗うから」

    尊「なんなんだこの、後程話もサラっと進んでく空気は」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    速川家はこの両親ありきでいつも平和。

    通常の、二人の平成Daysは、また二日後に再スタートします。

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    返信先: 創作倶楽部
    スタートが12月8日の件

    既に半月経ってるのはなぜか。

    一つめは、投稿日と描いている日付を合わせたかった。二年前に二人が居た日付と同じに。ちょうど11/23に初投稿していますが、そのまま11/23の話から始めると、二度と日付は一致しません。一つの日付で複数話ありますからね。途中、少しだけ一致して、手前味噌ですがリアルさを感じられて小躍りしました。以後は、ほとんど合ってませんが。

    二つめは、私が描いているのは、永禄に戻る事を決めた後の二人だからです。

    既出のno.370で、これらやSP内での日付の見解を述べてます。そちらと合わせてご覧いただけるとわかりやすいですが、

    11/23 平成に到着

    11/25 大相撲千秋楽(no.358内の台詞に出てくる)

    11/27? 平成か永禄かの選択を迫られる

    11/29? 永禄に戻る許しを得る

    →許しを得て即、写真館の予約。無事1日と9日を押さえた

    12/1 写真館で試着

    12/3 覚の指輪話(no.375内の回想)

    12/8 この日の午後から平成Daysスタート。夜は手巻き寿司パーティー(逆算したらこの日しかなかった)

    12/9 家族写真を撮りに行く

    じゃあ、11/29スタートじゃないの、となりますが、日付が明確でない。実際は12/1スタートです。物語は8日→1日→9日と進みますので。8日のパーティー内で、翌日は写真撮りに行く話が出ないと、いきなり1日の話はできないですから。

    これで説明になりましたかね?日付も物語も、終わりに近づくにつれてギュっとなっております。

    新?シリーズのお知らせ

    ご新規様への説明をしてすぐで恐縮ですが、この後、通常の平成Daysはお休みして、初投稿します。てんころりんさんが、「創作は自由!ドラマと関係なく現代の二人を書く事だってありますし」とおっしゃられて、今日出そうと思っていた私は、どこに間者潜んでた?とギクッといたしました。

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    返信先: アシガール掲示板
    嬉し~い!

    月文字さん、文字に起こしていただきありがとうございます!

    赤ペン瀧川さん、このコーナーについては散々な言われようで、気の毒にな~勝手にやってる訳でもなかろうに、と思っていました。
    私は6話からしか観ておりません。作業は大変でしょうが、続きを楽しみにしてます!

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days43~21日22時、あの日の空と

    だからデジカメ持ってました。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    写真がスライドショーのように流れ始めた。

    若君「テーマパークじゃな」

    イルミネーションの前でピースする二人から。

    尊「これ、よくピースサインがわかりましたね」

    若「指を二本出せと言われた」

    尊「そうなんだ、お姉ちゃんらしいや」

    しばらくイルミネーションの写真が続いた後、画面が切り替わった。

    若「ん?これは…あの」

    まだ暗い海が映る。画面が少しずつ動いている。

    若「先程までとは撮り方が違うようであるが」

    尊「さすが。よくわかりましたね。タイムラプスって言うんですけど、写真を一定の間隔で撮り続けて、繋げて映像の様にする技法なんです」

    若「宿から見た、海では?」

    尊「当たりです。イルミネーションでこれをやろうかなと思って、デジカメを…スマホではない別のカメラを持参したんですけど」

    若「また海が見られるとは」

    尊「そうなんです。前の晩に、若君がすごく海を気に入ったのがわかったので、急遽予定を変更して、海を夜明け前から日の出まで撮り続けました」

    若「ずっと手で持ち、か?」

    尊「いえいえ、三脚持って行ってましたから。全然楽だったんでご心配なく」

    朝日が昇り、海の色が変わっていく。

    若「美しい…わしもちょうど見ておった頃じゃ」

    尊「はい。撮影止める時間に合わせて、僕もその時間お風呂入ってたんです」

    若「そうだったのか」

    尊「そしたら、隣から賑やかな声が聞こえてきて」

    若「あの時か…」

    尊「二人のために撮影してて、それで声が聞こえたんで、とても幸せな気分になりました」

    若「そうか…。その折の、唯との時間はよう覚えておる。観る度に思い出せて、幸せを貰えるんじゃな」

    尊「喜んでもらえて、嬉しいです。次に本物を見に来れるまでは…この映像で楽しんでください」

    若「くれぐれも、無理はせぬようにの」

    画面が変わり、写真館の様子がスタート。

    若「ん?何やら…」

    尊「気づきました?音量上げますね」

    写真のスライドショーと共に、話し声が聞こえる。

    若「父上と母上の声じゃ!」

    尊「そんなに驚いてくれて、頑張った甲斐がありますー」

    若「写真を見ながら、感想を述べられているようじゃが」

    尊「はい。オーディオコメンタリーって言います。両親に家族写真の完成版を観てもらいながら、別に音声を録りました」

    若「次から次へと、術が繰り出されるのう」

    尊「実は音声を録るのに、若君とお姉ちゃんに少し悪い事をして」

    若「そうなのか?身に覚えがないが」

    尊「実は録るのが一苦労で…実験室に両親と僕の三人が居られて、かつ若君達が絶対来ない時間じゃないとダメなんで、二階に早めに行ってもらおうと画策して」

    若「ハハッ。一度部屋に入ると、確かに9時まで離れぬ。見透かされておるのう」

    尊「ええ、すいません。だから一昨日に」

    若「あー、なるほど。あの日は、けしかけられるのうとは薄々思うておった」

    尊「騙すような事してごめんなさい。ちょっと時間がなくて、切羽詰まってたんで」

    若「謀られたとは思うておらぬから、気に病むでないぞ。かえって苦労かけたの」

    尊「そういえばその日は、ちょっといつもと感じが違いましたね」

    若「あの日は一日中、心が騒いでおった。別れが迫る中、感慨深かったのもある。だがその中でも、唯を赤く染めた姿はあまりにも可憐であったので」

    尊「ときめいたんですね」

    若「そう申すのか?色々な表し方があるんじゃのう。尊は誠、ポテンシャルが高い」

    尊「…一回しか聞いてませんよね?」

    若「漏れなく、聞いておるゆえ」

    尊「神業だよ。では続きは、明日という事で」

    若「世話をかけたのう。忝ない。唯の喜ぶ顔が楽しみじゃ」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    盛り沢山じゃ。

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    返信先: 創作倶楽部
    今までの二人の平成Days、番号とあらすじ、25まで

    ご教授をお願いしてばかりではいけないと、シリーズの案内をどのように、と色々考えましたが、既に40を越える投稿をしておりますので、まずは初投稿作品のダイブ!2話と、1から25までを羅列しました。もしや、思ってたんと違ーう?
    通し番号、投稿番号、描いている日付、大まかな内容の順です。

    ドラマ最終話ダイブ!の続き~唯篇~no.329&同じく~若君篇~no.329、永禄に居ますが平成Daysのプロローグ的な位置付けです

    二人の平成Days1no.330、12/8、毎日誰かの誕生日

    2no.333、12/8、尊と三人でスーパーに。じいをカートにどう乗せるか

    3no.338、12/8、芳江さんエリさんの分もケーキを買って帰宅

    4no.346、12/8、楽しい手巻き寿司パーティー

    5―1no.347、12/8、二手に分かれた一階の方。翌日家族写真を撮りに行く発表が

    5―2no.348、12/8、一方二階は母達が涙

    6no.353、12/8、面白いの意味の違いを学ぶ

    7no.357、12/9、朝の公園で愛の告白とお姫様だっこ

    8no.358、12/1、母と三人で写真館へ試着に。速川忠清です

    9no.362、12/1、白装束から小垣城の別れを思い出し涙

    10no.363、12/1、タキシード姿が王子様。ネクタイは結べない

    11no.364、12/9、撮影スタート。ここで呼び名がたーくんに

    12no.368、12/9、和装から洋装。俳優ですと上手くやり過ごす

    13no.371、12/9、撮影大詰めに指輪登場

    14no.375、12/9、若君の指輪に込めた思いが語られる

    15no.383、12/9、情緒不安定な唯。意を決し両親との約束を破る若君

    16no.385、12/9、優しく相手をする若君。ここで面会時間が9時に延長

    17no.388、12/12、スーパー銭湯へGO

    18no.392、12/12、岩盤浴を満喫。赤ちゃんも寄ってきた

    19no.394、12/12、若君叱られる。現代語を駆使

    20no.395、12/15、温泉旅行へGO。若君の海初体験

    21no.404、12/15、テーマパークへ。煌めきの世界に全員大はしゃぎ

    22no.412、12/15、宿で夕食。父が酒の力を借りる

    23no.422、12/15、ジェンガ登場。同じ部屋に二人きりで唯のビンタが炸裂

    24no.427、12/15、とうとう…

    番号未定no.433、2019/1/1、これは後で40に変わります。

    25no.437、12/16、翌朝露天風呂で戯れる

    説明し過ぎもなんですし、やっぱり難しいですね~。続きは50話くらいまででまた書きます。

    ぷくぷくさんへ

    悪丸はアークくんなんですね。
    私は、悪丸となったのはこれが語源かな?と思っていた別の名前がありました。ただ、裏付けもとってないし、この後今日の投稿しなきゃいけないだし(ノд<)。また機会がありましたらお話します。
    彼も、苦労続きの人生ですよね。どうしても脇役にはスポットライトがあたりませんが。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days42~21日21時、お披露目です

    取説がないからね。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    尊「できた」

    唯と若君が、リビングでいちゃついている。

    尊「今日は部屋に行かないんだ?」

    唯「うん。そういう時もあるさ~」

    尊「あっそう。若君、9時過ぎに実験室に来てもらえますか?」

    若君「わかった」

    尊 心の声(もう時間は貴重だから、あえて両親のそばに居るんだろうな)

    9時。実験室に二人。目の前に、画面がついている箱状の物体がある。

    尊「では、まずは渡す機械の説明をします」

    若「尊、わしは唯を差し置いて、聞いてしまって良いのか?」

    尊「いいですよ。若君に、先に伝えておきたい事もあったので」

    若「伝える?」

    尊「機械の説明の後に、言いますね」

    若「そうか。ではまずは、しかと覚えねば」

    尊「大丈夫です。これ、機械は割と単純なんで。まず、この中にこのような物が入っています」

    手にはブルーレイディスク。

    若「穴が開いておる。鍔のようじゃ」

    尊「つば?」

    若「刀の」

    尊「あぁ、なるほど。この中には録画録音されたデータが入っています。今回、このデータ編集に時間がかかったんです」

    若「済まなかった」

    尊「いえいえ。楽しかったんで。予定が色々変わって、それもまた良しで」

    若「そうか。無理せずであったなら良いが」

    尊「電源を入れると、映像が画面に流れ始めます。後は、送り、戻し、停止などは下のボタンで操作です。音量も」

    若「ほぅ」

    尊「で、電源なんですが、もう一つ付属品があって」

    何やら畳まれている。広げると骨のない傘のよう。

    尊「太陽電池です」

    若「日の光で電気を?なんと」

    尊「灯籠、お城にありますよね。これを広げて被せて、日中太陽に当ててください。そうすると、充電されて、夜二人きりの時には楽しめます」

    若「あっぱれじゃな。で、これで繋ぐのか?」

    コードが伸びている。

    尊「そうです。あと、音が周りに聞こえては困る時は、これを挿して」

    イヤホン。

    若「どう使うのじゃ?」

    尊「若君、ちょっと失礼しますね」

    若君の耳に挿した。もう片方を自分の耳に。

    尊「これで、外に音が漏れずに静かに楽しめますよ」

    若「尊、近いの」

    尊「はい、わざと短めにしました」

    若「キスしてしまいそうじゃ」

    若君が、顔を尊に近づけた。

    尊「えっ、ダメですよ、若君に迫られたら、僕でも本気になりそうです」

    若「そうか?ハハハ」

    尊「あはは~。できれば毎回使ってください。お姉ちゃん喜びますよ」

    若「このイヤホンとやらをか?」

    尊「はい」

    若「そうなのか?まだまだ唯は、わからぬ」

    尊「で、伝える話なんですけど」

    若「おぉ、何であろうか」

    尊「まず、今から若君には大まかに見せますが、お姉ちゃんには明日の夜、改めて若君と一緒に観てもらおうと思います」

    若「心得た」

    尊「夜って明日が最後じゃないですか。これは両親からの伝言なんですが、明日は時間制限なしで、かつ、リビングに五つ布団敷いて寝たいみたいで。若君はそれでいいですか?」

    若「宿でも別々だったからの。無論それは良い話じゃ」

    尊「で、何か二人きりでやりたい事があったら、先に済ませて欲しいらしいです。それで夜は五人一緒に過ごすと」

    若「やる事とは、例えばなんじゃ?」

    尊「いや、僕からは何も」

    若「なんじゃ?」

    若君がにじり寄る。

    尊「わー、僕はただの伝言係です…」

    若「ハハハ。わかった。唯と話しておこう」

    尊「はい、お願いします。では、そろそろ再生しますね」

    若「よろしくお頼み申す」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    続きます。

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    返信先: 創作倶楽部
    メドですね

    てんころりんさん、いつもご意見ありがとうございます。
    質問をしたはいいが、これ、投稿ペースの二日後までには答えてくれと言ってるようなもんだ!と、後で焦りました。早々のご返事に感謝です。

    今の一日おきのペースで投稿するなら、最終回は3月下旬位ですね。おいおい、まだそんなにあるんかい!と思われるでしょうが、土曜のお話だけで、15話もありました。そんなに要るかしらと自分にツッコミを入れつつ、デートの模様と仲良し速川家がたっぷりです。

    鋭意練り練り中のお話を、差し込む予定があります。私に足りない余韻、も必要ですね。なので、もう少しゆっくりになるとは思いますが、基本的には、今までどおり一日おきに投稿しますね。自分のペースとしてできあがっている、のが大きいです。ご容赦くださいませ(´д`|||)

    案内…は、どのようにすると良いでしょうか。no.何の話で、とかですか?振り向かず突っ走っている者なので、少し苦手な部分ではあります。ご教授いただけるとありがたく存じます。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days41~21日金曜8時、フェードアウト

    いろんな手配が必要なのが現実。
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    今日は学校の終業式。玄関でお見送り。

    覚「じゃあ、唯を学校まで送るから」

    美香子「お願いします。その後も」

    覚「うん。若君、悪いが一人で留守番頼むな」

    若君「わかりました」

    覚「何かあれば、クリニックに母さん居るから」

    若「はい、大丈夫です」

    覚「行ってきます」

    唯「行ってきます、たーくん」

    尊「行ってきます。若君、お昼に間に合うよう、できるだけ早く帰るね」

    若「ありがとう。行ってらっしゃい」

    唯と覚、車内。

    覚「気持ちの整理はついたのか?」

    唯「ん~?周りに言わないでおこうかなって」

    覚「騒ぎにならないか?」

    唯「学校に来てたイケメンと何かあったとか思うんじゃない?実際そうだし」

    覚「お世話になった方々には、お礼を言っておけ」

    唯「そうだね」

    覚「若君には説明したのか?」

    唯「言ってない。退学って、あまりよくわからないんじゃないかな。聞かれたら言うよ。心配かけずに済むならその方がいい」

    時間を飛ばします。13時。再び唯と覚、車内。

    唯「お父さん、色々手続きありがとね。荷物も、少しずつ持って帰ってれば良かったけど」

    覚「まあ、若君に心配かけないつもりなら、それも出来なかっただろうからな」

    唯「うん。お父さん」

    覚「何?」

    唯「私、赤ちゃんに早く会えるといいなって思ってる」

    覚「おぉ、そうか。戦はもういいのか?」

    唯「戦のお供は他の足軽でもできるけど、たーくんの子供は私しか産めない。産まない。側室をとらないと決めてくれてるから、責任重大だし。たーくんを守りたい気持ちは変わらないから、たーくんの大事な家族となる子供を産み、育て、全部守る」

    覚「若君は、いろんな事サラっと言ってるけど、ちゃんと周りに目を配り、かつ物凄く愛情に溢れてる。唯は最上級の幸せ者だ」

    唯「わかってる。だから私も、私にしかできない事をがんばるよ。早くたーくんの喜ぶ顔が見たいな」

    ただいま帰りました。

    尊「おかえり、お父さん、お姉ちゃん」

    覚「おー、昼飯は済ませたよな?」

    尊「うん。お母さんは仕事中だから済ませたし、僕もその時食べたけど」

    覚「ん?若君は?」

    尊「二人が帰るまで待つって。で今支度始めた」

    覚「え、そりゃ悪かったな~。支度って?」

    尊「オムレツ焼いてる」

    唯「えー!たーくん、ありがとう!」

    キッチンに若君シェフ。

    若「父上、唯、おかえりなさい」

    唯「待っててくれたなんて、嬉しい~」

    若「父上、勝手に卵を使いました。すみません」

    覚「いいよいいよ、見ての通りまだ沢山あるしさ」

    出来ました。朝の残りのご飯、覚が出かける前に作っておいた味噌汁、そして、

    若「何も入っていないし、これしか作れないのですみません」

    覚「愛情がたっぷり入ってるよ~」

    唯「美味しそう!いただきまーす!」

    やはり、顔色を伺う若君。

    覚「心配しなくても、すごく美味しいよ。形も綺麗だし。文句なしだ。さぁ、若君も食べて」

    若「ありがとうございます」

    唯「おかわりー」

    覚「何?!もう?ご飯か味噌汁かどっちだ」

    唯「プラスでオムレツも」

    覚「はあ?!」

    若「では、これを食せ」

    若君が自分のオムレツを差し出す。

    唯「たーくん、半分ちょうだい」

    若「半分でいいのか?」

    唯「うん、仲良く半分こ」

    覚「仲良くじゃないだろ、搾取だ」

    離れて見ている尊。

    尊 心の声(家族団欒もあと数回だなぁ。よし、僕はラストスパートだ)

    実験室に入っていった。

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    数回かあ。

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    返信先: 創作倶楽部
    まだまだ続きます

    てんころりんさん、今回もご丁寧に、あらすじとご感想、ありがとうございました。

    皆さんにお尋ねしたいんですが、二日に一回の投稿では、インターバルが短いですかね?
    前にもお話しましたが、ストックを小出しにしている状態なので、毎日でも投稿はできます。でもそれではせわしいわ余韻はないわ、何より早く終了してしまう(;^_^Aなので、一日置きくらいが良いのかなー早く読みたい方もみえるかもしれないしー、と思ってこうしているのですが。

    今日のお話は21日金曜の分。帰る日含めあと三日ではありますが、まだまだ平成Daysは終わりません。土曜は二人でラブラブデートですよ~。たっぷり時間(投稿話数)かけて、お送りします。

    もう、最終回まで描き終えております。終わりがわかっている物語、ちゃんと上手く着地できてるかしら~。そんな懸念を抱えつつ、次はどんな話にしようかと練り練り中です。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days40~2019年1月1日9時、時空を超えて

    姉ならこうする、と考えればすぐ見つかるのかも。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    元旦の速川家。届いた年賀状の仕分けをしている。

    美香子「えっ、えー!」

    覚「何?」

    美「唯達から、年賀状が届いてる!」

    覚「えぇ?!あー、まぁ配達のシステムからすると、こちらに居る内に投函すれば今届くからなあ。中々の嬉しいアイデアだ。で、なんて?」

    裏を見る。若君が書いたと思われる達筆。

    覚&美「やっぱり読めない」

    尊が起きてきた。

    尊「…読めない。訳文付けといてくれないとー」

    覚「ジェンガの時の苦労を、学習しないのか?唯は」

    美「時間かけて、解読するしかないわね」

    覚「年賀状というより…いや、嬉しいんだぞ?」

    美「で、何」

    覚「挑戦状?なんじゃ」

    尊「縁起の悪い事は書いてないと思うけどさ、正月中、解読して楽しめって事じゃない?」

    美「正月の新聞見開きで、まちがいさがしとか数独とか載ってるのみたいに?」

    尊「少なくとも、若君はそんなつもりはなかっただろうから、これはお姉ちゃんが悪いよ」

    覚「まあ、優しい気持ちが配達されました、と」

    美「そうね」

    尊が、年賀状の表の面を凝視していたが、何かに気付いた。

    尊「はぁ~?!何でわざわざこんな!」

    半分怒りながら、二階に上がっていく。

    美「え?何かヒントでもあった?」

    尊が手に袋を持って登場。

    覚「何だ?」

    尊「あったよ。ベッドの下に」

    美「あらま。よくわかったわね」

    尊「ここに書いてあった」

    覚と美香子が覗き込むが、

    美「見えない~老眼にはキツいわ」

    覚「え?言われてもどこかわからん」

    尊「よりによって、こんな所に書くんだから」

    表面下の、宝くじの番号の隙間隙間に、小さく何か書いてある。

    尊「B、E、D、し、た」

    美「あ~ようやくわかったわ。なんでこんな面倒な事をしたのかしら」

    尊「どう書くか悩み過ぎて、書ける場所が無くなったんじゃないかな。でもここじゃなくてもさー」

    欄外は、字を塗りつぶしたらしく、ところどころ真っ黒だ。

    尊「まっ、推測しかできないけど」

    覚「どう解く?」

    尊「くじがもし当たっても、引き換えるなとか」

    美「年賀状自体は、スタンプ押されて返ってくるじゃない」

    尊「じゃあやっぱり挑戦状だよ」

    覚「もうそうしとこう。見つかったんだし。で、答えは?」

    尊「書き損じの葉書に書いてあるよ」

    覚「新春を寿ぎ謹んでご祝詞を申し上げます。あー、いかにも古文なのかと思ったら、まあまあ分かりやすいなあ」

    美「若君が、私達に合わせてくれたんじゃない?優しいわね~」

    覚「字も綺麗だし。という事は…」

    美「何」

    覚「これ、コピーして、来年の年賀状に使えるんじゃないか?」

    尊「訳文つけるの?誰が書いたか聞かれたらどうするの?それにコピーなんて失礼だよ」

    覚「はいすいません、図に乗りました」

    美「永久保存よ。家宝」

    尊「まだ書いてあるんだよ。書き損じを若君が無駄にしたと気にしているので手数料払って取り替えてください、って」

    美「あら、そんな心配まで」

    覚「そんなもったいない事、できないよな」

    尊「じゃあ、あそこに置くの、決定?」

    覚&美「決定!」

    リビング奥の棚で、唯と若君の指輪が、射し込む朝の光に煌めいていた。

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    手にした全ての物が、愛おしい。次回、お話は平成に居た頃に戻ります。ご安心を。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days39~20日20時、愛を届けます

    唯達にちょうどいいシステム。
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    唯の部屋。

    唯「あのね、まずこれの説明をするね」

    取り出したのは、年賀状。

    若君「いい紙じゃの」

    唯「葉書って言ってね、文を書いて送れるの。これを、ポストって箱に入れると、郵便局って所が相手の家まで運んでくれるの」

    若「ほぅ」

    唯「でね、この年賀状ってのはその葉書の中でも特殊で、例えば今日入れても、明日入れても、みんな元旦に届くの」

    若「という事は、明日入れても、我らが去った後に届くと」

    唯「さすがたーくん、その通り。だから、お正月に、お父さん達を喜ばせたくて」

    若「で、わしは何を?」

    唯「表の、宛先とかは私が書くから、裏の文を書いて欲しいな」

    若「どのように?」

    唯「新年の挨拶。紙が小さいから難しいかもしれないけど」

    若「そうか。ただそのような習慣はまだあまりなかったゆえ、どう書くと良いかの」

    唯「そっかー。じゃあ」

    スマホで検索し、年賀状の文例を探す。

    唯「たーくんが、これ、ってひらめいたので書いて」

    若「心得た」

    唯「筆ペンと、半紙は用意したよ。年賀状も5枚あるから、もし間違えても大丈夫だから」

    若君、練習中。

    唯 心の声(相変わらず…読めない。でもジェンガの時もそうだったけど、面と向かって読めないとは中々言えないんだよねー)

    年賀状、3枚目で書き上げました。

    若「小さく書くのは慣れておらぬゆえ、無駄になり悪かったのう」

    唯「大丈夫だよ。この書き損じはね、郵便局で手数料を払うと、新品の葉書に交換できるんだよ。だから無駄にならないの」

    若「なんと。上手くできておる」

    唯「字が素敵~。で、どれにしたの?」

    若君が指さした言葉をスクショした。

    唯「たーくんありがとう。あとは私が宛先とか書くね。あっ」

    若「もう、良いか?」

    いつの間にか、後ろから抱き締められている。時計を見上げると、8時30分。

    唯「あー、油断も隙もないー」

    若「待てぬ」

    唯「えー。あはは」

    今日はここまで、と言いたい所ですが、まだ唯はやる事があるので、自主規制で9時ちょい前に飛びます。

    若「おやすみ、唯」

    唯「おやすみたーくん」

    ドアが閉まる。早速宛先を記入。

    唯「黒羽市東町3―45、速川覚様美香子様尊様、差出人は、唯&忠清」

    スクショを確認。

    唯「新春を…寿ぎ…謹んで…ご祝詞…を申し上げます、うーん同じ日本語とは思えないー。難しー」

    書き損じの年賀状にメモした。

    唯「良かった、無事終了。でも問題は、年賀状にこう書いてあるよって書けるスペースが残ってないんだよね~どうしよう」

    メモ入りの書き損じを含め4枚の年賀状と、練習の半紙を袋に入れ、ベッドの下に。

    唯「よし、あとはヒントを」

    投函する年賀状を見つめ、何やら書き込み出した。

    唯「気づいてね!尊くらいは」

    年賀状を前に、かしわ手を打った。

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    この後、no.433、元日に投稿したお話の改訂版です。

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    返信先: 創作倶楽部
    若君のシェフデビューレシピ

    食卓には三品出ましたが、その内オムレツとスープは、覚お父さんのオリジナルで、特に引用した物はありません。

    ピラフのレシピは、検索できます。その前に、まずは過程を説明しますね。

    あの日2018年12月18日、夜9時の時点で、唯とお母さんは唯の部屋、尊は実験室、若君とお父さんはテレビを見始めました。

    9時スタートの料理番組、アシガールの放送局系列は?となると、そう、「きょうの料理」です。

    https://www.nhk.or.jp/lifestyle/recipe/detail/43290.html

    私もリアルタイムで観てたかもしれない、そして皆さんももしかしたら。同じ番組を観ていて、速川家では若君と覚の会話が繰り広げられていた、と想像すると、楽しくなりませんか?

    唯達の住んでいる黒羽市はどこか、の考察が、管理人様のブログ記事“羽木氏の領地・黒羽城はどこにあったのか?(2)”にあり、三重県北勢地方とあります。この放送は、三重県の特集だったので、

    覚「若君、しばらく尊に相手にしてもらえないよなあ。今日のテレビは地元の回だから、一緒に観ないか?」

    と、仲良く肩を並べていたのではないかと。

    最近、このレシピだけ急に閲覧回数が増えたな~、なんとアシガールを愛するアシラバの仕業か!これはそろそろオンデマンドに復活させないと!とか、ならないかなー、ちょっと遠回り過ぎるかな?その前に、勝手にリンクさせるなと怒られるかしら。

    今日は、二本立てです。元旦の投稿、ようやく順番が来ました。

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    返信先: 初書き込み掲示板
    いらっしゃいませ!

    はじめまして、真夜中さん。

    私も、昨夏の再放送でがっつり嵌まってしまいました、夕月かかりてと申します。ドラマとSPのみで、私は原作は読んでおりません。

    創作倶楽部に、もうおいでいただいたんですね。私の拙い作品や、他の妄想作家の皆さんの素敵な物語が、わんさか溢れております。楽しんでいただけているのは、とても嬉しいです。これからも、よろしくお願いいたします。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days38~20日18時、手さばきあざやか!

    手元だけずっと見ていたい。
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    唯と尊がしゃべっている間に、米を炒め始めてます。

    覚「火加減はこまめに見て」

    若君「はい」

    唯「エプロンじゃなくて、あの、コックさんの着る」

    尊「コックコート?」

    唯「っていうの?が良くない?」

    美香子「シェフ目当てに超人気のレストランになるわね」

    尊「ひとりじめ~なんて、言ってられなくなるよ?」

    唯「それはやだー」

    若「ハハハ」

    そうこうする内に、炊飯器スイッチオン。

    覚「さて、若君のポテンシャルが高い…しまった、ポテンシャルって日本語で何だっけ?」

    尊「潜在能力」

    覚「サンキュー。で、それが高いから、オムレツ、中に何か入れて作ってみる?若君」

    若「卵だけではなく、ですか?」

    唯「はいはーい!私チーズがいい!」

    尊「僕は明太子がいいな。まだあるよね?」

    美「じゃあ、明太子チーズオムレツでいいじゃない。あんまり手間かけさせないように。あんた達は食べるだけなんだから」

    尊「お母さんも食べるだけじゃん」

    美「えへ、その通り。と言ってる間に、着々と明太子とチーズの準備が進んでるわ。いいお店ね~」

    オムレツ作り始めました。

    唯「この手さばき、も~綺麗過ぎる。超カッコいい~、ますます惚れ直しちゃう~」

    覚「今日のギャラリーは一段と騒がしいな」

    若「唯、近過ぎる。下がって」

    唯「はぁい」

    尊「良かった、ちゃんと注意してくれて」

    唯「抱きつきたかったのにー」

    尊「フライパン持ってるのに?危ないよ!」

    炊飯器が呼んでます。

    覚「よし、後は蒸らして混ぜるだけ。あとオムレツ幾つ?」

    若「これで最後です」

    覚「よーし、運んで~」

    あおさとたいのピラフと、明太子チーズオムレツ、あと、わかめスープの完成です。

    全員「いただきまーす!」

    若「父上。僕が至らなく、手伝わせた上、汁まで作っていただき、ありがとうございました」

    覚「いいのいいの。手際良かったよ。ご丁寧にありがとね」

    唯「う~、うまぁい!」

    若君 心の声(どこかでこのような光景を見たな…あぁ、山寺で芋粥を食した時か。懐かしいのう)

    尊「若君、ホントに美味しいです」

    若「ありがとう」

    美「ん~息子の作るご飯は美味しいわ~」

    尊「ここにも居ますが」

    美「じゃあ、今度よろしくね~」

    尊「いずれ」

    美「はぁ。いつになるやら」

    全員で、大笑い。

    覚「いや~美味かった。若君お疲れ様。では」

    全員「ごちそうさまでしたー」

    片付けも終わりました。

    唯「8時かぁ。たーくん、頼みたい事があるから、部屋に来て」

    若「頼み?珍しいのう」

    唯「いいから、ねっ」

    二人で二階へ。

    覚「残念な事に、来週も作ろうな、が言えないんだよな」

    美「そうね。リクエストしようかとつい思っちゃったけど…」

    尊「いよいよカウントダウンかー。僕もあと一息。実験室に行くね」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    数えたくないけど、あと少しです。

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    返信先: 初書き込み掲示板
    はじめまして(^_^)

    安芸レンコン様、こんにちは。
    公式掲示板に投稿できた頃には、アシガールの存在も知らなかった、超新参者の夕月かかりてと申します。創作倶楽部に、ほぼ一日おきに勝手に現れておる者です。よろしくお願いいたします。

    まだまだ、ここを見付けられず心を痛めてみえる先輩方、多いんでしょうね。ピンときて検索、ヒット!するといいなあと、切に願います。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days37~20日木曜17時、絶妙な掛け合い

    同じテンポで返してくれる相手は貴重。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    いよいよ、若君シェフのデビューです。キッチンでは、若君が両親のサポートで準備中。唯と尊はというと…食卓で支度をしてるようなしてないような。

    唯「たーくんが、現代男子だったら良かったな~と思う事は、ある」

    尊「贅沢な。なに」

    唯「まず、クリスマスにときめいてくれない」

    尊「それは聞いた。仕方ないじゃん。でも現代男子だって、何にも思わない人はいると思うけど」

    唯「イルミネーション綺麗だね~とか言って歩きたかった~」

    尊「テーマパークで見た時、言ってなかったっけ?」

    唯「知らない」

    尊「あ、そういえばお姉ちゃん居なかったな」

    唯「なにっ!いつ?」

    尊「あの、無数の電球で輝いてた道の所」

    唯「え?私何してた?」

    尊「走って遠く行ってた」

    唯「呼んでよぉ~!」

    尊「自分が勝手に走ってったくせに」

    唯「あと、クリスマスソングにキュンとしてくれない」

    尊「同じだね。聴いた事ない物は仕方ない。音楽全般は、最後までわからなかったみたいだね」

    唯「よくカップルがさあ、一つのイヤホンを片耳ずつ分けて同じ曲聴いてたりするじゃない。あれもやってみたかったな~」

    尊「耳に差し込むだけならすぐできるじゃん」

    唯「いい曲だね、って一緒にニッコリしたい」

    尊「台詞だけなら、頼めばやってくれるよ」

    唯「ちょっと違う~」

    尊「そりゃ違うけど。無い物ねだりが続くな」

    唯「あと、どれがいい?ってきいてもどれでもいいよって言う」

    尊「それは、若君の優しさもあると思うけど、正確には」

    唯「何?」

    尊「どれもわからないから、決めていいよ、だと思う。お姉ちゃんだって、例えば見た事ない物を三つ出されて、どれがいい?って言われてもわかんないでしょ」

    唯「なるほど。その説明はわかりやすい」

    尊「いつかさぁ」

    唯「ん?」

    尊「聞いても返事もない、あっても生返事なんて時が来ちゃったりして」

    唯「え~?結婚20年、倦怠期の夫婦みたいな?」

    尊「お姉ちゃん達、特に若君は絶対そんな事ないと思うけど」

    唯「どうしよう…飽きられたら」

    尊「その前に、超現実問題として、生きててね。あまり言いたくはないけど、こればっかりは時代が」

    唯「うん。生き抜くよ!で、ばんばん子供産んで子孫繁栄じゃ」

    尊「へー、最近まで腹が決まってなかった割には」

    唯「たーくんが、まっさらなジェンガに名前入れるって言ったから、願いを叶えてあげたいの」

    尊「良き妻じゃ。それ本人に言った?」

    唯「まだ。いつか言って、イチコロにする。ふっふっふ」

    尊「若君も俄然やる気出るよね。あっ、やる気はそっち方面の話じゃないよ」

    唯「そっち方面でいいよ。エロ侍だし」

    尊「それさ、お姉ちゃん命名したでしょ。で僕も、同じ日に全く同じ名前付けたんだよ」

    唯「月曜でしょ。たーくんに部屋に連れ込まれた」

    尊「なんつー言い方。で、若君に、さすが血が繋がっておるって言われちゃった」

    唯「へぇ。それで?」

    尊「言葉の意味を説明したら、笑いながら、お姉ちゃんにしか反応しないって言ってたよ。ちょっと聞いてて恥ずかしかったけど、愛だな愛、と心を落ち着かせて聞いてた」

    唯「反応…男子の会話って感じだね」

    尊「さっきの、結婚20年目の夫婦の話だけど」

    唯「うん」

    尊「ウチってそのくらいだよね?」

    唯「あーそうだね。という事は…ずっと仲良しなら、倦怠期はなしかー!」

    尊「旅行の帰りにさ」

    唯「うん。眠過ぎて、すぐ寝落ちしたけど」

    尊「その節は、お務めご苦労であった」

    唯「もうさぁー、たーくん全然寝させてくれなくってさぁー」

    尊「それ以上言わなくていいけど」

    唯「眠くても、愛だな愛」

    尊「はいはい。で、話戻すよ。車中で、お父さんとお母さん、お姉ちゃん達の言葉を引用してラブラブだったよ」

    唯「どんなん?」

    尊「美香子さんは僕の唯一です、とお父さんが言ったら、お母さんが、大好きな美香子は私一人だけって事?って言ってたよ」

    唯「あんた、よく恥ずかしげもなく言えるね」

    尊「あの時、お姉ちゃんの台詞上手い!と思ってたから」

    唯「あの日の事、私ところどころ覚えてないんだよねー。すごーく甘い時間だったな、とは強く残ってるけど」

    尊「あの時の若君の落ち着きと、返し方は見事だったよ」

    唯「尊、その台詞、いつか自分が使おうと思ってるんでしょ」

    尊「使えたらいいなあだけど。もし彼女ができたら、お姉ちゃんや若君に、キュンとする台詞教えに来て欲しいよ」

    唯「自ずから出てくる言葉じゃないと、胸に響かぬぞ」

    尊「うわっ、急に若君が乗り移った」

    唯「一心同体だから」

    尊「なるほどね」

    美香子「ちょっと~何座ってんの、テーブル拭いたの?」

    唯&尊「はーい、ただいま」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    仲良し姉弟の会話は、エンドレスです。

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    返信先: 創作倶楽部
    ライバルは言っても聞かぬ相手

    妖怪千年おばばさん、若君の平成での嫉妬は、かわいいですね。
    残念ながら、私が花○や銀○がとんとわからないので、その部分の感想は申し上げられません(>д<)

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days36~19日19時、行っちゃえ~

    今日の若君は、感情が忙しかった。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    晩ごはん。そろそろごちそうさまです。

    唯「まさか今夜が焼き魚だったとは」

    覚「お前が何度も言うから」

    唯「確かに言ってた、意味違うけど」

    若君「そういえば、尊」

    尊「なに?若君」

    若「服は買うたのだが、ほとんど尊のを借りたままじゃが、良いか?」

    尊「いいですよ。着慣れた服が楽でしょう?」

    美香子「いい買い物ができて良かったわ。若君、素敵だったわよ」

    若「ありがとうございます」

    唯「ねぇ聞いてっ!とうとう、」

    尊「とうとう?」

    唯「私の魅力で、たーくんを射抜きました~!」

    尊「やっと?」

    唯「うー、それは言うてはならぬ」

    美「試着した姿がね、若君のキュンのツボに入ったらしいの」

    若「キュン、とな。…言い得て妙じゃ」

    尊「ホントなんだ」

    美「でも、今日は一日色々あったから、疲れちゃってるかしら」

    唯「え、料理の練習、そんなスパルタだったの?!」

    美「違うわよ」

    尊「お母さんは教えてないよね」

    覚「厳しくなんかしてないぞ、若君は筋が良かったから。まあ色々、心揺さぶられる程に、って所だ」

    尊「ふーん」

    尊が若君の顔を覗き込む。

    若「なんじゃ?」

    尊「ちょっとぽや~んとしてるみたいですけど、調子悪い訳じゃないですよね?体、休めなくていいですか?」

    唯「えっ、うそっ」

    若「それはない。案ずるには及ばぬ」

    唯「ホントに?」

    その時、唯の手が若君の頭を撫でた。

    唯「疲れちゃった?大丈夫?」

    覚「あ」

    美「あ、すごい勘がいい」

    尊「は?勘?」

    そしてやはり弱点でした。

    唯「え?たーくん、顔赤くなってる!やだっ、やっぱり調子悪かったの?!」

    若「大事…ない」

    美「大丈夫。熱があるとかじゃないから」

    唯「え?そう?いつの間に診察した?」

    覚「それを言うなら、若君は唯に」

    尊「お熱だ、とか言う?」

    覚「何でわかった」

    尊「勘」

    唯「心配ないならいいけど。でも赤くなるなんて、たーくんかわいい!」

    尊「はいはい、続きは部屋でどうぞ」

    唯「なによ。食後なんだから、お茶くらい飲ませてよ」

    尊「そこ?」

    覚「はいお茶」

    唯「え?やけにスムーズに出てくるし」

    食卓が、どんどん片付いていく。

    唯「なんか、早くない?」

    覚「気のせいだろ」

    美「もう連れてって休ませたら?」

    唯「お母さん。部屋に行くイコール休む、では決してないのじゃ」

    尊「鍵かけたら豹変する?」

    唯「ありえる」

    尊「そんなん、知ったこっちゃないけど」

    唯「なんて無責任なっ!」

    若「ハハハ。では折角じゃ、部屋で少し休む。食事も終えた事だし。ん?確かに今日はいやに片付けが早いのう」

    唯「尊の部屋で一人で寝る?」

    若「何ゆえ避ける」

    唯「なんとなく。ウソウソ、一緒にゆっくり休もうね~」

    若「唯が休めるかは、わからぬが」

    唯「ちょっとー。全然元気じゃん」

    若「それでは、9時には下りて参ります」

    尊「はい。9時まで戻らなくていいですから」

    美&覚&尊「ごゆっくり~」

    三人で、バイバイと手を振る。

    唯「なによ、その盛大な送り出し」

    二人、二階へ上がって行った。

    尊「さてと」

    覚「さて」

    美「さて」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    19日のお話はここまでです。三人のさて、の続きは、またいずれ。

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    返信先: 創作倶楽部
    唯は何の花?

    若君にとって世の中のおなごは、唯or唯じゃないの二択(私見でーす)なので、お花に見えるくらいは当然だと思いますが、じゃあ何になぞらえたのか、という話を。妄想話のモチーフの、見解です(^_^;)

    現代の冬の和風の赤い花、だと山茶花や椿が一般的ですかね。山茶花の花言葉なんて、「困難に打ち克つ」とか「ひたむきさ」とか、唯そのものですし。

    山茶花自体は、古来より日本に生息する種のようですが、野生種は主に中国地方以西に分布していて、しかも白。園芸種は江戸時代になり発展した模様で、もし若君が永禄で赤い花を見ていたとしても、馴染みがなかったのではないかと思われます。

    椿は、首が落ちるのを想像して、武士には縁起が悪いと言われています。そうではないという説もあるようですが、総領としては、縁起も担ぎたいでしょうから、例えには使わないかなと。

    私は、若君にとって唯は、「初めて出会った、野原にぽつんと佇む、強くて可憐な一輪の花の蕾、咲く姿は未知の花」…なんじゃないかなーと思い、彼の想像を形にはせず、あえて〇〇の蕾とはしませんでした。

    ドラマ内の唯のテーマ曲、「ワイルドフラワー」は、青い花ですね。唯にぴったりだと思います。

    平成Daysは、クリスマス直前の話なので、ちょっと浮かれモードで赤い二人です。映像化したら絶対キレイだと思う~という野望、も、一匙入ってます。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days35~19日17時、腕の中で咲く花

    何がツボか、はまってみないとわからない。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    唯「たーくん?」

    若君「あ、あぁ唯。とてもかわいいよ」

    美香子「なんか、心ここにあらずね」

    唯、少し考えていたが、ふと思い出したように、天井を見あげた。

    唯「ねーねー、天の声~」

    美「天の声?」

    ……天の声といっても、天井に居る訳ではありません。

    唯「あ、居た居た。ねーねー、教えて。たーくんどうなっちゃったの?」

    そういうシステムではないのですが、今、この状態を解説なら出来ます。

    唯「えー、ぜひお願いしますぅ」

    若君、射抜かれました。

    唯「え…ホントに?!ずっきゅ~ん?」

    はい、ずっきゅ~ん。それでは、失礼します。……

    唯「えー、えー、ホントにそうなら超嬉しいんだけど!」

    美「ちょっと何?!今の」

    唯「え?ファンタジーだから、軽く流して」

    美「よくわからないけど。忠清くーん、起きてる?」

    若「…夢であろうか」

    美「えぇ?」

    唯「ねぇたーくん、この格好、気に入ってくれたの?」

    若君、首をコクっと。

    美「らしくないわねぇ」

    唯「んー、この萌え袖にキュンとしたとか?」

    若「萌え袖?」

    唯「袖が長くて、手がちょっとしか出ない」

    若「そうじゃな。それも良い」

    美「例えば、戦国時代には、こんなゆるくて体が中で泳ぐなんて服ないわよね。それが新鮮とか」

    若「それもあるやもしれません。何というか」

    唯「なに?」

    若「まるで、今にもほころびそうな蕾、の様にあまりに可憐で」

    美「あら綺麗~」

    唯「私が?やーん、嬉しいっ」

    美「忠清くんは、唯がお花に見えるのね。素敵ね」

    唯「やったー!しゃっ!」

    美「またー。せっかく花に例えてくれてるのに」

    若「ハハハ」

    美「ひとまず、気に入ったのはよーくわかりました」

    二着お買い上げ。

    美「あとはいいの?」

    唯「うん、いい、充分。ありがとう」

    アクセサリー売場の前を通過中。

    唯「お母さん、実はイヤリングだけ買ってあるんだぁ」

    美「あら、そうなの?」

    唯「昨日、たーくんと帰りに、一緒に選んだの」

    美「そう~。ワンピースに合いそう?」

    唯「うん、バッチリだった」

    美「当日、楽しみにしてるわね」

    唯「うん!」

    唯は、手を繋いでいる若君の方を全く見ない。

    若君 心の声(ずっと母上と楽しそうに話しておる。その横顔が、また良い)

    そろそろ帰ります。

    尊「えー、試作品、全部食べちゃったの?そんなにおいしくできたんだ。明日が楽しみだな」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    がっつり、ペアルックですね。

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    返信先: 創作倶楽部
    血の気が引きます…

    ぷくぷくさん、どうか気を落とされずに。
    私も、実は二度、投稿の段階で原稿が一部消えた事がありました。慎重にコピペしてるんですが。
    以後は保険で、他にも保管しています。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days34~19日16時、伏せよ!

    危機管理能力が必要。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    出かける前に、若君お着替え。

    覚「また制服着せたのか、お前も好きだな~」

    お馴染みの、尊の制服。

    美香子「学校帰りに買い物に行く、って体だからいいの~」

    覚「趣味と実益だな。まあ、若君が嫌がってないからいいだろう。じゃあ、遅くなるようなら連絡くれな」

    美「じゃ、行ってきます」

    若君「行って参ります、父上」

    二人で、学校までプチドライブ。

    美「車はどう?前にも聞いたわね」

    若「この前、長く乗ったので幾分慣れました」

    美「慣れ過ぎて、馬に乗れなくなったら大変よね」

    若「疾風に嫌がられるやもしれません」

    美「あらそれは、一大事ね」

    若「ハハハッ」

    唯の学校正門前。車は少し離して停めた。

    美「どこかしらね…あっ、居た」

    唯にも気づいたが、こちらの若君の姿が、JKに気づかれ始めている。

    美「不穏な空気。若君、伏せて!」

    若「ははっ!」

    唯が全速力で走ってきた。車のドアを開けると、小さく潜んでいる若君発見。

    唯「お待たせ、あっ」

    若「おかえり…唯」

    唯「…直ちに退却!」

    JKが群がる前に、安全に出発できました。

    唯「あー危なかった~」

    美「唯の足が速くて助かったわ」

    唯「ところで、どこ行くの?」

    美「ショッピングモールが、一番豊富かなって」

    到着しました。

    若「床が、硬くない」

    唯「そうだね。歩きやすいからかな?」

    若「走るのも楽そうじゃ」

    唯「走る用では、ない」

    プラプラしてます。

    美「どうしようかしら~。あ」

    外国産のファストファッションの店。

    美「唯のはともかく、忠清くんのは見つかるかも。入りましょ」

    メンズ服売場。

    唯「どんなのがいいかなー?」

    若「どんなでも」

    唯「だよねぇ」

    美「こちらでは、ジャージや制服しか着せてないからね。セーターとかどう?」

    色もカラフル。

    唯「わー、いっぱい。真っ赤とかある」

    ディスプレイに、赤のオフタートルのセーターが掛かっている。

    美「赤。忠清くんには新鮮ね…戦国では絶対着ないでしょ」

    唯「うん。多分これからも」

    美「一度着てみる?」

    若「はい、お母さん」

    フィッティングルームへ移動。着ました。

    唯「うわぁ~いい、いい!超好き~!」

    美「あら…何着ても素敵だろうとは思ったけど、こんなに似合うなんて」

    血色を思わせるその色。肌の透明感が増し、唇がより赤く感じられる。緩い首元から鎖骨が少し覗き、爽やかな色香が放たれている。

    唯「ねえねえ、たーくん、肘まで袖まくって」

    若「袖?上げるという事か?」

    凛々しいながら優しい顔立ちとは裏腹の、鍛えられた腕が現れた。

    唯「いい、いい、すんごくいい~っ!くらくらしちゃうぅ。決まり!」

    美「唯って腕フェチだったっけ?忠清くん、着心地はどう?首、チクチクしない?」

    若「暖かいですし、首…も、はい大丈夫です」

    美「悪くないならそれにしちゃおうか。眼福だったわ~。…あ、ん?」

    唯「どしたのお母さん」

    美「唯、売場で、このセーターのワンサイズ下のを持ってらっしゃい」

    唯「え?同じので?」

    美「地が厚いから、女の子だとワンピースとして着られるかも」

    唯「へー、そっか!お揃いはベタだけどやってみたーい!取ってくる~」

    走っていった。

    若「同じ物を着るという事ですか?」

    美「試しにね。こんな経験ないわよね?」

    若「おなごと同じはないです」

    美「じゃあせっかくだから」

    唯、着替えてます。中から声がする。

    唯「お母さん」

    美「なぁに?」

    唯「これでも大きいんじゃないかなぁ」

    美「見せてみて」

    カーテンを開けて出てきた。

    美「あら、かわいいじゃない」

    すると、若君の様子がまたおかしい。

    若「…」

    唯「たーくん、どしたの?目がうつろだよ?」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    ちなみに、泣いてはいません。続く。

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    返信先: 創作倶楽部
    はーるか遠き所より参った守り神だから

    ぷくぷくさんへ
    唯が関わった人々が、幸せになっていく様はいいですよね。
    この別れの後、兄上は角がとれて色っぽくなってるし、如古坊はワイルドになってるし。シフト具合が好きです(^o^)

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    返信先: アシガール掲示板
    好きな仕草なら

    若君の、小首を傾げて、なんじゃ?とおめめをくるっとさせてる表情にキュンです。

    じいにお馬番にしてもらえたシーンや、山中で唯がヘラヘラしてるシーンや、もちろん「ん?」が聞こえた山寺のシーン。

    台詞をあてれば、「なんじゃ?」になるんでしょうが、「なぁに?」と甘えてるように見えてしまいます(*^_^*)

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days33~19日12時、笑顔を見せてね

    心が、求めていたんです。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    玉ねぎをバターで炒めてます。

    覚「料理らしい過程は、実はこのくらいしかないんだ。ほとんど炊飯器にお任せだからな」

    美香子「デビューにちょうどいい感じ?」

    覚「失敗は少ないな。オムレツの方が高度だ」

    若君「あとどのくらい、炒めますか?」

    覚「そろそろいいな、米入れるよ。そのまま続けて」

    美「ん~、いい!いいわ~」

    覚「ギャラリーは静かに」

    鯛が入ります。

    覚「米の上に乗せて」

    若「このままですか?」

    覚「大丈夫だよ」

    炊飯器の蓋を閉め、スイッチオン。

    覚「さて、あとは炊き上がりに少し手を加えるだけ」

    若「ありがとうございます、父上。あの、オムレツですが、父上がどう作るか見たいのですが」

    覚「オッケー」

    美「さぁ面目躍如なるか」

    さすがの腕前であっという間に完成。

    若「何となく、掴みました」

    美「ホント~?」

    覚「じゃあ、早速」

    忠清、行きま~す。

    覚「おっ、いいよいいよ、トントンと」

    美「出来てる出来てる」

    若「動きません」

    覚「慌てないで、よし、お皿に出せる?」

    75点くらいのオムレツ完成。

    美「すごーい!ホントに掴んじゃったわ」

    覚「僕の出る幕ないなあ」

    若「父上の指南の賜物です。ありがとうございます」

    ピラフ炊き上がりました。

    覚「あおさ海苔を入れて、蒸らす。少し待って、混ぜて出来上がりだ」

    若「はい」

    お昼ご飯、出来ました。

    美「感動だわ~」

    覚「さっ、じゃあ、いただこうか」

    全員「いただきます」

    若君が、覚と美香子の顔色を伺っている。

    美「おいしーい!」

    覚「おっ、うまいなぁ。若君も食べてごらん」

    若「あ、美味いです」

    美「上手だったわよ~。明日の本番は万全ね」

    若君の様子がおかしい。

    美「え?どしたの若君」

    覚「え?殻や骨とか入ってた?」

    涙ぐんできた。

    美「えっ、何で?!」

    若「…心の底から、じんわりと、温かくなりました」

    泣きそうな若君を前に、しばらく沈黙。

    覚「…そうか。嬉しい感じ?」

    若「はい。求めていた物が手に入ったような」

    美「手に入ったのよ、忠清くん」

    美香子が席を立ち、若君の後ろへ。そのまま後ろからそっと抱き締める。

    若「母上…」

    美「すっかり泣き虫さんになっちゃって、この子は」

    落ちる涙が、若君のエプロンを濡らしてゆく。

    覚「唯が知ったら、また泣かしたな!って怒られるな」

    美「あら、こういう泣かせ方は、唯にはできないからいいのよ」

    若「父上母上の優しさが、心に染みました…ありがとうございます」

    覚「いや。忠清くんは、僕らの大事な息子だから、お礼なんか言わなくていいんだ」

    若「えっ?」

    覚「親が注ぐ愛情なんて、こちらからの一方通行としたもんなんだ。愛をありがとうなんていらないよ。忠清くんが元気で笑ってくれてればいい」

    若「父上…」

    覚「さぁ、冷めちゃうから食べような。って、わー!また泣いてる!」

    美「あーあ」

    覚「え~?僕、悪者?」

    若「いえ、…あはは」

    団欒は、しばらく続きました。

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    いっぱい、甘えていいんだよ。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days32~19日水曜7時、泣けちゃう!

    練習の残りでいいから、食べさせて。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    唯「料理って、焼き魚じゃあないよね」

    覚「それはとっくに手伝ってもらってる」

    美香子「じゃ、行くわよ唯。行ってきます」

    唯「行ってきまーす!たーくん、夕方にね」

    尊「若君、頑張ってね。行ってきまーす」

    若君「行ってらっしゃい、母上、唯、尊」

    一気に静かだ。

    覚「さてと。ピラフだから一品だけでもいいけど、他に挑戦したい料理あったりするかな?」

    若「もしできるならば、あの、卵を使って」

    覚「卵?何だろう」

    若「父上が、鉄鍋をこう上へ下へと操っていました」

    あおるような仕草。

    覚「あー、オムレツかな?」

    若「名前は、わかりません」

    覚「こういう動き?」

    フライパンを持ち、柔らかいオムレツを整えるように手首をトントンと叩く。

    若「そう、それです!父上の術じゃと思いました」

    覚「そうか~上手く形を作るには練習あるのみだな。まあ若君はセンスあるから、大丈夫だと思うけど」

    若「扇子?」

    覚「うわっ、やっちゃった」

    若君、前にもどこかで聞いたな、と笑顔。

    覚「卵かー、在庫がちょっと心細いから、少し練習して昼前に買いに行こう」

    若「はい!」

    美香子帰宅。テーブルの上の試作オムレツを眺めている。

    美「まだ、何作ってるか当てられないレベルかな」

    覚「これからこれから」

    若「励みます」

    美「いいのよ~学ぼうっていう気持ちが素晴らしいわ。ウチの二人は、座ればご飯が出てくると思ってるから」

    若「それは、父上の作る飯が全て美味いからでは」

    美「違うなーきっと。だって若君は教わろうと思ってくれたじゃない」

    若「父上を尊敬しておるので。いや、唯や尊がそうではないという意味ではありません」

    覚「尊敬だって。嬉しいなあ」

    若「もちろん母上も尊敬しております」

    美「んまぁ~嬉しい!ウチの子になる?あ、ウチの子だったわ」

    美香子、手を伸ばして若君の頭を撫でた。

    美「ホント、いい子」

    若「ありがとう、ございます…」

    若君の顔が、赤くなっていく。

    美「いやん、照れちゃった?かーわいい~」

    覚「おいおい、唯の居ない所でいいのか~?」

    若「いや、その」

    美「案外弱点だったりしてね」

    覚「完璧に見える若君にも、そんな可愛らしい所があったんだな」

    卵、大量。

    美「ある意味、失礼な量よね」

    覚「心おきなく練習するため、と言ってくれ」

    若「すみません。無駄にせぬよう励みます」

    覚「じゃあ、ピラフの準備から。まずは玉ねぎのみじん切りな」

    若「微塵に、切る」

    覚「うわっ、若君が言うと僕が斬られそうだ」

    頑張って、みじん切り。

    若「目が痛うなってきました。父上はこのような苦労をされていたとは露知らず、今まで難儀をかけすみません」

    覚「こんな時まで労ってもらえるなんて」

    美「もっと早くウチの子になって欲しかったわ~」

    覚「あー、そのくらいでいいよ。この後炒めるから、ひとまず顔洗っておいで」

    若「はい、行って参ります」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    生まれながらの親子でも、こんなに仲良くないよ。

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    返信先: 創作倶楽部
    デートは何度でも

    妖怪千年おばばさん、ロマンチック夜デートですねぇ。覚父さん、可愛いです。

    唯と若君のデートの様子は、今までも数多の妄想作家様が描かれています。これからも現れるであろう作家の皆さんも、いろんな場所に行かせてやって欲しいなーと思います。もう、365日デートでいいんじゃない?

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days31~18日火曜20時、腕が鳴るよ

    何着てもかわいい、とは言いそうだけど。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    この時季、テレビはCMもニュースもクリスマス一色。

    唯「う~ん、いい!クリスマスはロマンチックでときめいちゃう。ねっ、たーくん」

    若君「ん?何がどうだと?」

    唯「うぅっ、ダメだぁ、いつも空振りってわかってるのについ聞いてしまうぅ」

    尊「そういうのは、長年の刷り込みだから。クリスマス、イコールロマンチックは若君には無理だよ」

    若「近々、その何やらで出かけると聞いておるが」

    唯「そう!クリスマスイブイブイブデート~!ぐふふ」

    尊が、指折り数えている。

    尊「…土曜か」

    美香子「デートはいいけど~、男の子が二人居るような格好で行くの?ちゃんとデート服考えた?」

    唯「んー考えたような考えてないような」

    美「9時過ぎでいいから、一度クローゼット見せなさい。ダメ元で」

    尊「ダメ前提か、だろうね」

    9時。唯の部屋。

    美「まず、スカートがないわね」

    唯「制服しか」

    美「スカートじゃなきゃダメとは言わないけど、どうにも色気が皆無というか」

    唯「そりゃあ、たーくんを、ずっきゅ~んと射抜くくらいの、かーわいい格好はしたいけど」

    美「じゃあ、明日買いに行く?朝は車で送るし、夕方は私が若君連れて、学校に迎えに行ってあげるわよ。そのまま買いに行けるから」

    唯「うーん」

    美「あら、話に乗ってこないなんて珍しい」

    唯「買ってもらおうかな、とはちょっとは考えたんだけど」

    美「そう?」

    唯「たーくんの分も、できればと思ったけど」

    美「そりゃそうよね、何が嫌なの」

    唯「嫌なんじゃなくて…」

    美「何?」

    唯「一回しか着ないから、悪いなって」

    美「一回…」

    二回目はない。別れが迫っている事実と直結してしまう。

    美「いいわ、明日行きましょ」

    唯「えっ、いいの?」

    美「若君に、唯のかわいい格好見せてあげたいし、若君のいつもと違う感じも見たいし。その貴重な一回を、私達に見せて欲しいから」

    唯「わあ!ありがとう、お母さん!」

    ぴょん、と抱きついた。

    美「うふふ」

    唯「うふっ、やったぁ~」

    唯を残し、美香子が下りてきた。

    美「尊は実験室?」

    覚「ああ」

    美「珍しく若君がこっちに居るわね」

    若「はい、父上に教えを乞うていました」

    覚「朗報だぞ、なんと若君が料理に挑戦だ」

    美「え~!イケメンシェフ誕生?!どうしたの?」

    覚「さっき料理番組を一緒に観てて、あ、材料全部今なら揃ってるって呟いたら」

    若「作らせて欲しい、と僕から願い出ました」

    覚「録画はいつもしてるから、見直してメモしてたところだ」

    美「すごーい。まだ内緒?」

    覚「内緒にしなくてもいいが、練習はした方がいいだろうな。明日にでもして、本番は木曜の夜にするか」

    美「あ。びっくりして言い忘れそうだったけど、明日朝、唯を学校まで送るから私」

    覚「何かあるのか?」

    美「で、若君、夕方私と一緒に出て、唯を学校に迎えに行くからよろしくね。土曜日のデート服買いに行きます」

    覚「おー、そうかそうか。じゃあ、明日の昼ごはんで試しに作ってみような、若君」

    若「ありがとうございます、父上。で、母上、服を?」

    美「うん。何か質問?」

    若「一度しか…」

    美「しっ!それ以上言わない~。気は回さなくていいから」

    若「わかりました。唯とそう約束したのですね」

    美「さすが若君!だから、ただ楽しみにしててね」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    明日もイベント目白押し。

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    返信先: 創作倶楽部
    いつもありがとうございます

    ぷくぷくさんへ

    成之は、二人とも守りたかった。如古坊は突き放す事で守り、久は暴走を未然に防ぐ事で守り。
    この回のシーンは、サスペンス劇場のようだったなと思い出されます。ともすると冷たい奴にしか見えない兄上の、心のヒダを描いていただきありがとうございました。

    てんころりんさんへ

    息切れまでさせて、すみません(>д<)いつも細かく感想をいただけて、大感謝です。大変励みになります。ありがとうございます。
    若君には、まだまだ平成を満喫してもらいます。いつまで書いとるんじゃ!と言われても、できるだけいつまでも、でございます。なので、ご無理はなさらずで、お付き合いくださいませ。

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    返信先: 初書き込み掲示板
    いらっしゃいませ、ほのほのさん

    ようこそ、アシカフェへ。

    ドラマは観たが原作は読んでいない、なのに妄想物語はやたらと書いております、夕月かかりてと申します。ちなみに、私の前にコメントなさった三人様も全員、別の板の創作倶楽部内でお書きになっています(^o^)

    新しくおみえになった皆様は、アシガール愛を今さらの話題かもと躊躇なさいますが、そんな事はお気になさらず、どんどん語ってくださいませ。皆、喜んで飛びつきます(^3^)/よろしくお願いいたします。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days30~17日21時、語り合おう

    兄と弟、膝を突き合わせます。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    8時59分、二階から降りてきた若君は、両親に会釈をし、実験室へ向かった。

    若君「尊、入って良いか?」

    尊「どうぞ」

    尊が何かを組み立てている。

    若「手伝おう」

    尊「ありがとう、若君。じゃあここ押さえててください」

    若「済まぬのう」

    尊「え?」

    若「我らに関わる物ではないか?」

    尊「うん、まぁそうですね。買い物の時点でバレバレですよね」

    若「先程まで手伝うてくれていたし、残された時間があまりないが」

    尊「大丈夫ですよ。複雑じゃないので」

    若「そうか」

    尊「壊れてもすぐに直してあげられないから、簡単な作りにするので」

    若「…尊が、永禄に居れば楽しいじゃろうな」

    尊「僕はダメダメー。お姉ちゃんほどタフじゃないから」

    若「わしの良き相談相手になって欲しいが」

    尊「えー嬉しいですけど、僕は色々調べられる環境に居ないと無理です。自分発信ができないから」

    若「尊の賢さは、強さに繋がる」

    尊「あー、戦術を考えるくらいなら役に立つのかな?」

    若「何より」

    尊「ん?」

    若「暴れる唯を止めてくれるからの」

    尊「あはは。忠清兄さん」

    若「なんじゃ?」

    尊「僕、生まれ変わっても、忠清兄さんの弟がいいな」

    若「生まれ変わって、か。未来の尊の傍におるんじゃな」

    尊「あ、そうとも言えるかも」

    若「唯も共に、が条件じゃが」

    尊「それはもちろん」

    若「未来の尊が、我らをどう助けてくれるか、傍で見られるなら楽しみじゃの」

    尊「はぁ~、なんか兄さんの考え方って、一味違うというか、現代人より現代的、いや未来的というかすごいなぁ」

    扉を叩く音。

    美香子「尊~、若君~、お風呂入んなさーい」

    尊「はーい。行きます?」

    若「二人で入るか」

    尊「あ、嬉しい。行きましょう」

    リビングから入ると、ちょうど唯が風呂上がりで、階段を上がっていく。

    尊「あ、お姉ちゃん」

    尊の声に振り向いたが、若君に向かって、あっかんべーをして、そのまま上がっていった。

    尊「ケンカでもしたんですか?」

    若「いや。思うところがあるのじゃろう」

    尊「…兄さん、実験室来る前、ここに居ました?」

    若「いや、唯の部屋じゃ」

    尊「なるほど」

    若「ん?」

    尊「エロ侍だ」

    若「…先程も聞いたな。速川軍の暗号か?」

    お風呂の洗い場。

    尊「傷、ほとんどわからないなぁ。あの時は、どうなっちゃうのかと思ったけど」

    若「よう、わしの世話をしてくれた」

    尊「いえいえ。母が医師で良かったと、あんなに思った事はなかったです」

    若「わしは、導かれた」

    尊「運命、さだめ、ですか」

    若「誰に礼を申すと良いかの」

    尊「お姉ちゃん?」

    若「父上母上が出逢っておらねばそれもない。父上母上が生まれておらねばそれもない。結果、ここまで繋がる全ての者に感謝じゃな」

    尊「…下手な先生の訓話よりためになる」

    若「ん?師匠か?わしの師匠は尊じゃ。様々な言葉を教えてくれた」

    尊「えー、大した事はしてない」

    若「師匠、お背中流します」

    尊「えっ、えー。それでは、忠清に頼もうか。わっごめんなさい」

    若「かわいいのう」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    二人とも、かわいいよ。

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    返信先: 創作倶楽部
    乗っちゃって~

    ぷくぷくさんへ

    隙間があいたままだと、今の時期寒いです。アシガールの隙間があいたままだと、心が寒いです。どんどん、図にも波にも乗ってくださいませ。

    カマアイナさんへ

    唯のカタカナ語は、永禄でも登場しています。パパとか、パワハラとか、勿論デートも。隠語にするつもりがなくても、ついしゃべっちゃうと思います。的確な日本語に変換してくれる尊が居ないのが、痛い所でしょうがね。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days29~17日20時、妬いちゃう!

    聞かずに済むならって事もあるだろうに。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    美香子「それで、早々に三人で籠ってるのね」

    覚「悪いな、団欒を切り上げて」

    美「それはいいけど。若君って想像力豊かよね。でも、尊は良かったのかしら?何か作ろうとしてたみたいだけど」

    覚「自分のは、徹夜してでも完成させるだろ。二人に何か持たせる気なら特に。いいんじゃないか?多少無理しても、渡す頃には冬休みだ。いくらでも寝ていられる」

    美「私達の名前も入るかしら?」

    覚「真っ先に書いてたぞ。字もな、そこは読めた。今は実験室にあるけど…若君の達筆、取っておく?」

    美「うん。泣けるわね…」

    実験室。

    尊「お姉ちゃん、思い出プレイバックは後にしてよ。早く書いて」

    唯「ごめーん、どうしても気持ちが入るから」

    若君「書き忘れはないかの」

    唯「いいんじゃないかなぁ。ねぇ、ずいぶん余るけど、どうするの?」

    若「全て持って行く」

    唯「書いてないのも?予備?」

    若「子や孫の分じゃ」

    唯「え」

    尊「さすが若君、話がデカい…もとい、大きいよ」

    唯「惚れ直しちゃう~」

    若「そうか?それは嬉しい」

    尊「じゃあ、プリントするから、並べていって」

    完成しました。お名前一覧は、作者の体力気力耐久力を消耗し過ぎますので、涙をのんで割愛します。

    唯「見て見て~!」

    若「いかがであろうか」

    美「すごーい。尊はまだ何かやってるの?」

    唯「さあ。いちゃついてたら追い出された」

    覚「そりゃそうだ」

    唯「8時15分かー。今日はジェンガを眺めておしまいかな」

    美「戦国時代って感じね~、名前が。この勘兵衛さんとか」

    唯「勘兵衛さんは、命の恩人」

    若「え?そうなのか?」

    唯「おふくろさまの息子と間違えてくれたから、斬り捨てられずにすんだ」

    覚「さりげなく恐ろしい話してるな」

    唯「あ、孫四郎~!かぁわいいんだぁ、ぷにぷにしてて」

    若「ぷにぷに?うん、その言い方は、わからなくもない」

    唯「あ、阿湖姫」

    美「若君の許嫁だった?」

    唯「うん。元気かなー。かわいくて、現代に居たらアイドルになれるよ」

    若「アイドル?」

    唯「そこはスルーして欲しかったけど。人気者になれるって事。たーくんも、一緒の時楽しそうだったし…ん、なんか無性に怒れてきたっ」

    美「なんで?」

    唯「たーくんを半年ぶりに見た時、阿湖姫とすっげぇ楽しそうで、超ショックだった」

    若「何を見たのじゃ」

    唯「たーくんは笛吹いて、阿湖姫はカエル捕まえてた」

    美「聞いただけでは、全然ラブラブの場面じゃないわね」

    若「あの頃は」

    唯「ん?」

    若「唯に二度と逢えぬと思うていたし、羽木の為の婚儀であったし」

    覚「政略結婚か、時代だな」

    若「こういうものだ、と思うておったので」

    覚「そうか。なんていうか、諦め続ける人生だったんだな」

    唯「珍しく、深い事言ってる。でも、阿湖姫かわいくてラッキー!と思ったでしょっ」

    若「何を怒っておる」

    美「若君、嫉妬よ嫉妬。唯は居なかったんだからしょうがないでしょ」

    唯「だって~」

    若「案ずるような事は何もない。今のようにずっと共に居る訳ではないし。嫉妬か。かわいいのう」

    唯「ホントかな~?」

    若「欲しゅうなる」

    唯「…は?!何言ってんの?!」

    若「まだ時間は充分」

    唯「えぇっ?ちょっとー!おかしいでしょ!親の前でありえないし!」

    両親をおそるおそる見る。すると、二人が笑顔でバイバイ、と手を振っている。

    唯「えー!!」

    若「父上、母上、9時には下りて参ります」

    唯「うぅっ、とうとうその姿を現しよったな!このエロ侍め!まぁ、恥ずかしいような嬉しいような?あれぇ~」

    若君は、唯をひょいと抱えて、二階へ上がっていった。

    覚「なんというか、ほほえましいな」

    美「うん、かわいらしい。でも、若君も意外と、隅に置けないわね~」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    唯がそう言うんだからそうなんでしょ。

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