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  • 返信先: 創作倶楽部
    二人の令和Days13~23日火曜12時30分、ふるまいます

    腕は落ちていなかった模様。
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    クリニックの昼休み。

    芳江「今日は先生も、こちらでお昼を召し上がる?」

    美香子「ええ。お二人とも、お弁当少なめ、玉子料理なしで来てくださったかしら?」

    エリ「はい。実は、少しワクワクしてます」

    芳「もしや、ご馳走が?なんて」

    美「ホントは、昼ごはん全部と言いたい所だったんですけどね。シェフに負担がかかるので一品でご勘弁を」

    エ「ご主人が?」

    美「ふふふ」

    覚「はい、失礼するよー」

    折り畳み式のテーブルを運んできた。

    唯「お邪魔しまーす」

    両手にお皿。設置されたテーブルに置く。

    芳「あらぁ、綺麗なオムレツ!」

    エ「唯ちゃんが作ったの?」

    唯「いや、私には無理っす。もうすぐ最後の一皿が来ますから」

    廊下を見る芳江とエリ。すると、

    若君「失礼します」

    エプロン姿で、フライパンと皿を持って現れた。

    芳&エ「えーっ!」

    若「今、盛り付け致します」

    綺麗にフライパンから滑り降り、オムレツが皿に。

    若「お待たせ致しました。どうぞお召し上がりくだされ」

    エ「まぁー素敵!」

    芳「頂く前から、美味しいってわかるわ~」

    若「いや、褒めていただくのは、ご賞味の後で結構です」

    お昼ごはんスタート。

    芳「美味しい!お世辞じゃないですよ」

    エ「ふわっとろっ、が絶妙で、勿論お味もとても美味しいです」

    若「良かった。ありがとうございます」

    美「サプライズは成功ね。一安心。お二人には黙ってたんだけど、実は前回来た時何回か作ってくれてて」

    芳「そうだったんですか」

    美「ここを去る直前だったから、お二人に食べてもらえる機会がなかったの。だから黙っててごめんなさいね」

    エ「そうなんですか。良かったわ~頂く機会が出来て」

    若「はい、わし…あ、僕も嬉しいです」

    そろそろ午後の診察の準備に。一旦戻っていた唯と若君が、片付けにやってきた。

    芳「ごちそうさまでした。片付けまでありがとう」

    エ「ごちそうさまでした。料理は、若君の趣味になるのかしら?」

    若「趣味、とは?」

    美「興味があって、楽しくできる事、かな?」

    若「あぁ、ならば料理は、趣味です」

    芳「いいご趣味ね」

    エ「あー、私も久々に、趣味の洋裁しようかしら」

    唯「へー、エリさん、服とか作るの?」

    エ「ええ。昔はよく、子供の服や自分の服も作ってたのよ」

    唯「すごーい」

    芳「若君に感化され、俄然やる気が出ました?」

    エ「出ました~」

    美「ふふっ。若君って、いろんな人を幸せにする天才ね」

    若「いや、何もしておりませぬゆえ」

    唯「そこが良いのじゃー」

    芳「唯ちゃんは、全然変わらないわね。小さい頃のままだわ」

    唯「えーちょっとは大人になってない?髪もちょっと伸びてるしー」

    美「伸びてはいるけど」

    唯「最近、ポニーテールができるようになってきたんだよー。たーくんとお揃い!」

    美「向こうでやってたの?」

    唯「いや、勝手にやるとシメられる…」

    若「城の奥に指導する者がおりまして」

    美「必要ね」

    唯「えー!」

    美「親の顔が見たいとか思われてないかしら?唯への色々な指導、ビシビシお願いしたいわ」

    若「ハハハ」

    エ「若君が唯ちゃんに指導するなら、ちょっと甘そうね」

    若「え?そう…かもしれません」

    全員「ハハハ~」

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    美香子さん、ずっと黙ってたのも辛かったでしょう。

    23日のお話は、ここまでです。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の令和Days12~22日月曜14時、買い込みます

    大きいお肉…今回は魚介類ではない模様。
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    覚と子供達三人、ホームセンターに向かう車中。

    覚「あさってな、行きもプールまで乗せてってやるから」

    唯&尊「やったー!」

    若君「父上、良いのですか?」

    覚「いいよー。任せて」

    若「ありがとうございます」

    覚「あとな、8日、花火大会も乗せてってやるから」

    唯「やったっ」

    尊「良かったですね、若君」

    若「それは…世話ばかりかけ済みませぬ」

    覚「当日の詳細は、また考えるよ」

    ホームセンターに着きました。

    唯「では、花火などもろもろ探して参る!さらばじゃ!」

    ぴゅ~っと走って消えていった。

    覚「おーい、ってもう居ない」

    尊「兄さん置いてかれてるし」

    若「ハハハ。重い物は運びますゆえ、わしはこちらに居ります」

    尊「今日は何買うの?」

    覚「七人でコンロ一つじゃ心もとないから、もう一つ買おうと思う」

    アウトドアグッズ売場で、丸型の蓋が付いているタイプを選んだ。

    尊「へー、いろんな種類があるんだね」

    覚「忠清くん、大きい肉をドーンと焼いてあげるよ」

    若「さすが料理の師匠。お父さん、また手ほどきをお願いします」

    覚「あぁ、勿論だよ。あ、そういえば料理の話で、母さんが忠清くんにお願いしたい事がある、って今朝チラッと言ってたな」

    若「わしに、ですか?」

    覚「うん。帰ったら確認するよ」

    コンロや着火材などでカートは一杯に。

    尊「あ、思い出した。日焼け止めも買わなきゃ。ちょっと行ってくるよ」

    尊が離れる。

    若「日焼け、止め?日に焼けなくなる術があるのですか?」

    覚「そうだよ。迂闊に焼いてしまって、ヒリヒリしちゃ痛いだろ?」

    若「はい」

    覚「あと、永禄に戻った時にさ、やたら焼けてたら周りが驚くよ?3分後の顔で戻らないと」

    若「なるほど。お父さん」

    覚「何だい?」

    若「大層中身が濃く、心地の良い3分を過ごしております」

    覚「そう思ってもらえて、嬉しいよ」

    尊が両手に何本も、日焼け止めを抱えて戻って来た。

    覚「随分多いな」

    尊「お母さんが、肌の老化は二十歳前から始まるって脅すから」

    覚「まあホントの事だろうし」

    尊「僕、焼くと赤くなっちゃうから。ヒリヒリは嫌だし」

    唯「お待たせ~!」

    カゴに山盛り詰め込んで、唯が合流。

    若「お帰り、唯。それが花火、か?」

    尊「なんかそうじゃないのも混じってるな。あ、浮き輪!二つあるし」

    唯「要るでしょ」

    尊「要る。さすが遊びに関しては、よく気が付くなあ」

    唯「地味に失礼な気がする」

    尊「あとは?あ、シャボン玉作るやつだ!」

    唯「そっ。いいトコに目を付けたと思わなーい?」

    尊「そうだね。懐かしいし、兄さんには新しいし」

    若「まだまだ知らぬ物があると?」

    唯「うん。楽しみにしててねー」

    帰宅しました。

    覚「コーヒー運びがてら、母さんに、若君に何の用か聞いてくるよ」

    若「お願いします」

    マグカップ三つを運ぶ覚。ほどなく美香子と戻る。

    尊「え?今いいの?」

    美香子「ちょうど今患者さん居なくて。若君、あのね」

    若「はい」

    唯「なになにー」

    リビングでひそひそ会議。

    美「…と、言う訳なんだけど、頼んでもいい?」

    若「上手く出来るでしょうか」

    尊「朝、練習したら?」

    若「良いですか?父上」

    覚「いいよ~」

    美「じゃ、戻るわね」

    唯「じゃあ、今からスーパーに?」

    覚「そうなるな。材料が心細い」

    唯「行く行くー」

    覚「今度は何をねだるんだ」

    唯「バレた?アイス買ってー」

    尊「小学生か!」

    唯「じゃああんたはナシね」

    尊「それとこれとは話が別」

    唯「なにそれ」

    若「ハハハ」

    早速皆でスーパーへ出かけました。

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    さて、何が始まるのでしょう。

    22日のお話は、ここまでです。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の令和Days11~21日15時30分、色っぽいね

    かわいい妻。見せびらかしたい派か、しまっときたい派かなら、きっとしまっときたい派。
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    男子二人を見送ると、早速物色。

    美香子「ビキニがいいんだって?」

    唯「うん」

    美「忠清くんを悩殺したいとか?」

    唯「うん!」

    美「彼はそのままの唯が好きなんだから、それこそスクール水着でもいいと思うけど」

    唯「もー!なんで親子で同じ事言うのっ」

    美「あ、尊も言ってた?」

    唯「言ってた。かわいいの着たいもん!選ばせてよ~」

    美「はいはい」

    三着選んだ。美香子がチェック。

    美「なんと言うか、この胸パッドの、えげつない程の入り方が…」

    唯「胸小さめ女子の救世主でしょ」

    美「半分以上パッドが占めてるじゃない。胸の形が崩れるから、あまりオススメできないんだけどねー」

    唯「いーのー。これでガッツリ、谷間を作るのだー!」

    美「忠清くん、中身知ってるから、なんか怪しいなと思うわよ」

    唯「えー、あくまでも、たーくんの味方?」

    美「まあ、まずは試着してみなさいな」

    次々と試着。

    美「んーどれも悪くないけど、強いて言うなら黄色いのかな」

    唯「やっぱり?私もそう思った!もう一回着てみるね」

    再度着替え中。

    尊「お母さーん」

    美「あ、おかえり。決まった?」

    若君「お母さん、見てください」

    美「ふむふむ、青色の濃淡がグラデーションに入ってるのね。あら!尊は黒の濃淡の色違い?合わせたの?」

    尊「偶然の一致」

    美「まあ!そうなのー。仲良し兄弟ね」

    尊「思わず、喜びのハイタッチしたよ」

    美「へー。尊、優しいわね」

    尊「え?」

    美「ハイタッチの思い出を、いい方に塗り替えてあげたのね」

    尊「うわっ」

    若「そうなのか?尊」

    尊「えーっと…えへへ」

    若君が手を差し出した。尊もそっと出す。

    若「ありがとう、尊」

    尊「いえいえ」

    固い握手。

    美「ん~兄弟愛。いい眺めだわー」

    唯「ねぇちょっとぉ、私の事忘れてない?」

    試着室のカーテンが開いた。

    唯「ジャーン!どお?どお?たーくん」

    若「唯…」

    レモン色のビキニ。ショーツはシンプルだが両脇にリボン、ブラは肩紐は細く、胸の中央でリボンを結んだようなデザインで、動くとリボンが揺れる。

    若「よう似合うておるぞ。…ん」

    不自然に盛り上げられた胸元を、不思議そうに見ている。

    若「何やら普段と違うておる」

    唯「やだー、気のせいだってぇ」

    尊「ウソにも程がある」

    若「この先の世では、これを良しとすると?」

    唯「あれぇ?なんかノリが悪いー」

    尊「時代が違えば、価値観も違うでしょ」

    若「良しとするのならば」

    唯「ならば?OK?」

    若「他の男に色目を使うのか」

    唯「えっ?!まさかっ!」

    尊「ヤバい展開だな」

    若「無念じゃ」

    唯「違う、違うってば!」

    美「拗ねてる…」

    尊「お母さん、シーッ」

    美「あ、ごめん、つい」

    唯「たーくん、そんなんじゃないから!」

    若「…わしは、有るがままの唯で良いのじゃが」

    美「あー。ほらね、言った通りでしょ?唯」

    尊「やっぱ僕らの方が理解してる」

    唯「えー、これダメ?」

    若「駄目とまでは申さぬ。気に入ったのであればそれで良い。何より似合うておるし」

    尊「もろ手を挙げて賛成ではないが、まあ良かろう?」

    美「忠清くん、少しでもあなたの気を引きたかった乙女心に免じて、許してやって」

    若「ほぅ。乙女心、とはそういう物なのですね。ならば、唯」

    唯「はいっ」

    若「許す」

    唯「ありがと~。きょ、きょうえつ…なんだっけ?」

    尊「言えないなら言わない」

    水着三着お買い上げ。そろそろ帰ります。

    唯「あー、無事決まって良かったぁ。早くプール行きたいなー」

    美「プール。確かにいきなり海水浴よりはいいかも。いつ行くの?」

    唯「まだ考え中」

    美「今週の水曜にしたら?行きはまだ約束できないけど、帰りは迎えに行ってあげるわよ」

    唯「え、いいの?」

    若「それは有り難きお言葉じゃ」

    尊「やったー!」

    美「ご機嫌ね。なんせペアルックだもんね」

    尊「楽しみー」

    唯「乙女か!」

    全員「ハハハ~」

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    楽しい予定続々。

    21日のお話は、ここまでです。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の令和Days10~21日15時、まるで買い物デート

    ふんどしも、際どいからダメ。
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    水着売場の前。

    美香子「この売場は、時代が移ってもカラフルさは同じね~」

    唯「キャー!かわいいのがいっぱーい」

    尊「派手~。一人だったら絶対入れないよ」

    若君「全ての色を集めたような処じゃな」

    美「あい変わらず綺麗な表現ね、忠清くん」

    唯「あ」

    尊「外出時は令和ライフ、始動だね。了解」

    若「わかりました、お母さん」

    売場内に突入。

    美「メンズ物は向こうにあるから、自由に決めてらっしゃい。何かあれば呼んで。どうせこちらは時間かかるだろうから」

    尊「はーい。行きましょう、兄さん」

    若「わかった。お母さん、行って参ります」

    売場の隅にメンズコーナー。

    尊「こちらは選択肢が少ないから、かえって助かりますよね」

    若「それでも随分とある」

    尊「あっ、それはちょっと…」

    若「いやに小さいのう」

    手に取ったのはビキニパンツ。

    尊「それ選んだら、お姉ちゃんに際どいのはダメって言えないです」

    若「どのように身に付けるのじゃ?ほぅ、伸びるのか」

    尊「兄さん、売り物なんであまり伸ばさないでくださいね」

    若「あ?そうか、済まない」

    尊 心の声(そんなん選んだら、お母さんだけが異常に喜ぶよ)

    尊「無難に、サーフパンツ系にしましょう」

    若「色々、模様が入っておるのう」

    しばらく、二人それぞれ黙って選んでいた。

    若「これなど如何であろうか」

    尊「決まりました?僕も選びましたから、試着しましょうか。あっ」

    若「おっ」

    同じ柄の色違いを手にする二人。

    尊「わー、嬉しい!あとはサイズが合えばいいけど。兄さん、ちょっと見せてください」

    若君の選んだ水着のタグを見る尊。

    尊「サイズは大丈夫そう。じゃ、着てみましょうか」

    試着室。まずは若君。

    若「どうじゃ?」

    尊「わー、想像通りよく似合う。えーどうしよう、僕似合わなかったら」

    若「そんな事はなかろう」

    尊「いや、容貌の完成度の違いが如実なので…」

    若「その言葉、いつぞや聞いたな」

    尊、着替えました。

    若「何も申し分なかろう」

    尊「良かった~」

    選択完了。

    尊「あの、もしかして僕に気を遣って同じのにしたとかないですか?」

    若「いや、それはない。わしも面食らった位じゃ。されどかわいい弟と、センスが同じで嬉しかった」

    尊「センス、ちゃんと覚えてますね。さすが忠清兄さん」

    若「此度も、様々な言葉を覚えようと思うておる。尊、よろしく頼む。…そうじゃ、早速尋ねたいのじゃが」

    尊「なんですか?」

    若「先程唯と吉田殿が、再会の折に手を叩き合うておった。あれは何か合図や決め事なのであろうか。あとクラスメート、とは何じゃ?」

    尊「あー、ハイタッチ。えーと軽い挨拶でもやるし、上手くいったねおめでとうって時もやるし。お姉ちゃんの様子だと、会えばいつもあぁしてたんじゃないかな。クラスメートは、同じ教室で勉強してた仲間です」

    若「そうか。仲良うしていたのは相違ないと」

    尊「多分お姉ちゃん、誰にでもやってますよ。だから心配要りませんから」

    若「そうか?」

    尊「はい。…あ、そういえばハイタッチって、今この状況でもやりますよ」

    若「それは何ゆえ?」

    尊「一緒の選んだじゃん、二人通じあってるよな!って」

    尊が右手を挙げる。若君も同じく右手を挙げた。

    尊「イェーイ!」

    若「イ、イェーイ」

    パシッ!といい音でハイタッチ。

    若「おぉ、なにやら、より通じ合うた気がするのう」

    尊「良かった。じゃあ、これからは時々やりましょう」

    若「そうじゃな」

    尊「もう決まったかな~?お姉ちゃん達の所に行きましょうか」

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    実に微笑ましい兄弟。

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    返信先: 創作倶楽部
    ぷくぷく様・妖怪千年おばば様

    まずぷくぷく様へ。

    お返事が遅くなり大変失礼致しました。先程ようやく以前の作品を再度拝読しましたが、変わった?そうかな?という感想です。謝っていただくなど恐れ多いです。
    それでしたら、私の「」の使い方は、ぷくぷくさん寄りですので、こちらが恐縮でございます。

    お二人へ。

    私が現代のお話を描いているのは、戦国言葉をうまく扱えないからです。もっと励まないといけませんが(*_*)。お二人の言葉の操り方、大変尊敬致しております。

    てんころりん様

    投稿の間隔が空くのですね(ToT)淋しくなります。

    色々ご事情もあると思いますので、サイトが見られない、という環境でないのであれば、アシカフェの動向を見守っていてくださいね。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の令和Days9~21日14時30分、そっと見てました

    あい変わらずな親子です。
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    本屋を出て、急いで歩き出す尊。

    尊 心の声(あそこの角を曲がれば、水着売場はすぐだな)

    角を曲がった所で、思わずバックした。

    尊 心(わ、おっと!え、誰と居る?僕出てっていいのかな?様子を見るか)

    唯達三人に遭遇。少し離れた所から覗く事に。

    美香子「ふむー」

    尊「わっ!お母さん!いつから後ろに居たの?」

    美「尊こそ、いつから覗いてんのよ」

    尊「ハイタッチから」

    美「私もそこから。あの子達、というか唯だけど、相当プラプラしながらゆっくりと売場に向かってたのね」

    尊「若君固まってるよね。大丈夫かな」

    美「どっちの言葉をしゃべればいいか、わかんなくなってるんじゃない?」

    尊「あ、そっか。目上の人には現代語、僕やお姉ちゃんは戦国言葉でいいけど、現代語の方が無難そうな同年代、って今まで経験ないもんね」

    美「唯がほったらかしにしてるのは気になるけど。なんか思考停止してる感じで口も開いちゃってるしね。若君の瞳って、黒目がちじゃない。まるで…」

    尊「埴輪みたいになっちゃってる?」

    美「はに丸王子みたいになっちゃってる」

    尊「またわかんない事言うー。なんかのキャラ?」

    美「ただの埴輪よりはかわいいわよ。お供の馬もいるの。若君と一緒でしょ。はい、わからなければ検索!」

    尊「後で見るよ。お母さんってさあ」

    美「何」

    尊「ただ勉強して頭イイだけの人じゃなくて、ちゃんとそういうテレビや漫画とか?も押さえてるからすごい」

    美「お勉強が出来れば医者にはなれるけど、それでは人としてはペランペランだもの。視野が広いのは大事よ」

    尊「なるほど。そんな美香子先生が人気で、我が速川クリニックは安泰だと。僕もそういうの必要なのかな…あれ、お姉ちゃん達どうなった?」

    唯と吉田がしゃべりまくる隣で、黙って若君が聞いている構図のまま。

    美「そろそろ助けに行こっか」

    尊「え、行くの?」

    美「だってあの男の子、ウチの患者さんだもの」

    尊「知ってるんだ」

    美香子と尊、歩き出す。

    吉田「お前がしゃべり過ぎるから、旦那さんがしゃべる隙がないんだろ?」

    唯「違うよ~」

    吉「…あっ、美香子先生!こんにちはー」

    美「こんにちは、吉田くん。最近お腹の調子はどう?」

    吉「はい、最近は大丈夫です。先生に、病は気からと言われてからは」

    唯「そういえばコイツ、潔癖症で人の握ったおにぎり食べられないんだったー」

    美「あらそんな事があったの。でも今は大丈夫ね。ハイタッチしてる位だから」

    唯「そんな前から見てたの?」

    若君 心の声(長い間見ておったと?…母上、早く止めていただきたかった)

    吉「先生も来てたんだ。あっ、弟くん?あの超エリート高に通ってるっていう」

    尊「こんにちは」

    美「唯達が里帰りしてくれたから、家族みんなでお出かけしてるのよ」

    吉「へー。じゃあ僕は、お邪魔なんでそろそろ消えます。今日は先生に会えて、嬉しかったです」

    唯「ちょっとー、そこは私じゃないの?」

    吉「お医者さんは、普通は病んでる時だけ会う人だろ。今日は元気な時に会えたからさ」

    若君「なるほど」

    尊「さすが人気の先生だ」

    美「ふふふ、ありがとう吉田くん」

    吉「では、失礼します!」

    美「さよなら~」

    唯「バイバーイ」

    ひとまず、小さな嵐が去りました。

    尊「へー、これがはに丸王子」

    美「見つかった?ひんべえも居るでしょ」

    尊「この馬?ふーん」

    唯「なに検索してんの」

    尊「ん?まあいいから」

    美「若君」

    若「はい、母上」

    美「あの子、ただの友達だからね」

    若「そう…ですか?随分親しげでしたが」

    美「唯は小さい頃から、男友達が多い子だったから」

    若「なぜそれを、わしに申されるのですか?」

    美「すごく嫉妬してたように見えたから」

    若「…」

    唯「え!たーくんが嫉妬!なんで?」

    美「唯が吉田くんと楽しそうにしてたからでしょ」

    唯「えー?たーくん以外は目もくれないし」

    若「まことか?」

    唯「うん。ごめんねー、久々だったからいっぱいしゃべっちゃった」

    美「じゃ、そろそろ行きましょ」

    唯が、若君と手をつなごうと左手を出した。すると、

    若「こちらじゃ」

    逆側に回り、唯の右手を取った。

    美「ふふっ、かわいいわね若君」

    尊「あー、右手はわしのモノだと?」

    若「然り」

    唯「えー、しばらくこのネタ引っ張られそうー」

    いよいよ、水着売場へ。

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    心配しなくても、全部若君のモノでしょ。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の令和Days8~21日日曜14時、静かにパニック

    まさかの伏兵、登場。
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    母の運転で、ショッピングモールに到着。

    美香子「車停めてくるから、先に行ってて」

    唯&若君&尊「はーい」

    三人、入口手前で車から降りた。

    尊「お姉ちゃん、ちょっと本屋寄りたいから」

    唯「了解、先に行ってる~」

    唯と若君の二人で、水着売場へ向かい始めた。

    唯「久しぶりだね~ショッピングモール」

    若「相変わらず、床が柔らかい」

    唯「またそれ~?そろそろ違う覚え方にしようよ~」

    二人が歩いていると、通路の向こう側から、こちらをいぶかしげに見ながら若い男性が近づいてくる。

    男「あれ?速川?」

    唯「あれ?あー!」

    唯、若君とつないだ手を離して、急に駆け出した。

    若「唯?え?」

    取り残される若君。

    唯「吉田~!」

    吉田「やっぱ速川かー!」

    唯と吉田、お互い右手を挙げた。

    唯「うぇーい」

    吉「うぇーい」

    パシッとハイタッチ。

    若君 心の声(なっ、なんと!)

    唯「久しぶりー元気?今日は買い物?」

    吉「久しぶり。お前は間違いなく元気だな。ちょっと本屋に行ってた」

    唯「優等生ってみんな本屋に行くなぁ」

    吉「誰でも行くだろ。あれ?お前確か、デキたから学校辞めたんじゃなかったっけ?デキ婚って聞いた気が」

    唯「デキ婚…はぁ。デキて欲しいのにぃ」

    一気にトーンダウンし、顔が曇る。

    吉「え、俺なんか地雷踏んだ?あっ…デキてたけどダメだったとか?ごめん速川、事情がわからなくて」

    唯「いーよ。元々デキてないから。それガセネタだよ」

    吉「そう?デリケートな話だからさ、傷つけたら悪かったなって」

    唯「ありがと。結婚したのはホントだけど」

    吉「ソコはマジなんだ、天変地異~。あれが旦那さん?置いてきてどうすんだよ」

    若 心(唯…一体、何者と話しておるのじゃ)

    若君、ようやく近くまで来た。

    吉「何が起こると、こんなすんげぇイケメンとお前がくっつくんだ?」

    唯「私の魅力で」

    吉「自信満々に言ってんなー。俺にはわかんねー。…あ、こんにちは!高校で速川のクラスメートだった、吉田と言います」

    若「こんにち、は…」

    唯「マイダーリンのたーくんだよ」

    吉「こいつの、ドコがいいんすか?」

    若「え」

    唯「もー!変な事聞かないで!」

    若 心(この男、随分と親しく話しておる。クラスメート、がわからぬが、学校に関わる人物か?しかもあの、手を叩き合う仕草は何じゃ?かなり心通じておるような…)

    若君、考えを巡らせ過ぎて、うつろな表情になっている。

    吉「足が速いのが好みとか?」

    唯「止めてよー。それは褒められたけど、馬には負けちゃうし」

    吉「なんでそこで馬なんだよ。お前は飛脚か?それか足軽?」

    唯「え!なんでわかった?さすが優等生!」

    吉「何だよソレ。話がとっ散らかって、訳わかんねーよ。ねぇ、旦那さん」

    若「え?あぁ…」

    若 心(現代語を話さねばならぬようだが、とても使いこなせそうにない。ここは黙って、頷くより他ない)

    吉「なんか、寡黙でカッコいいな。歳は幾つ違い?」

    唯「え!えっと…二つくらい?」

    吉「また訳わかんねぇ事言う。あー、誕生日の関係?」

    唯「そ、そう」

    吉「すげぇ大人っぽい。わかった!いつもお前がしゃべり過ぎるから、旦那さんがしゃべる隙がないんだろ?」

    唯「違うよ~」

    若 心(話はいつまで続くのか。唯、そなたの楽しげな顔、これ以上見ておるのは…)

    その時、尊と美香子がこちらに向かって来るのが見えた。

    若 心(おぉ、助かった!)

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    次回、この場面を別の角度からお送りします。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の令和Days7~20日16時、目白押しです

    もしや、水に入るのにトラウマあり?
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    実験室に三人。

    唯「ねぇ、花火の後に調べたい物がある」

    尊「あー、そう。まずは花火…えっと、家で今度やろうとしてるのは、こんな感じです」

    線香花火などの画像や動画を観る若君。

    若君「ほぅ、まさしく火の花じゃな。美しいのう」

    尊「で、こちらが打ち上げ花火です。これは家では無理なんで、やってる所に見に行ったりするんですけど」

    動画が、夜空を彩る、迫力の大輪の花火に。

    若「なんと!闇に花が咲いておる!しかも咲いては消え、また違う花が咲き」

    唯「たーくんは言い方がいつもキレイ」

    尊「少しは見習ったら?」

    唯「身に付くモノなら、とっくに身に付いておるのじゃ」

    尊「ソッコー諦めたと」

    唯「似合わないコトはしない」

    尊「似合うよう努力しなよ」

    唯「いーのー。たーくん、打ち上げ花火キレイでしょ。あーどっかで、生で観らんないかな~」

    尊「花火大会ね、探すよ…あ、8日にあるよ」

    唯「他には?」

    尊「お姉ちゃん達が帰る日の辺りが多くて」

    唯「お盆だもんね。わかった、ありがと」

    尊「どうする?」

    唯「木曜だもんね…お父さんに相談してみる」

    若「空一面に、咲くのが観られると?」

    唯「観たいよね。ちょっと返事待っててね」

    尊「で、何調べるの?」

    唯「そうそう、水着を見たくて。ビキニがいいな~。明日買いに行く前に予習する」

    尊「ふーん」

    唯「なによ」

    尊「いかにして、若君を悩殺するか?いやーそりゃ無理でしょ」

    唯「失礼なっ。そりゃボンキュッボンではないけどっ」

    若「ボン…」

    唯「あ、なんでもないから」

    尊「若君は、そのままのお姉ちゃんが好きなんだから、水着なんか何でもいいんじゃないの」

    唯「んーそっか。って違う!しかもなんで尊に言われる?」

    若「尊。水着とは、なんじゃ?」

    尊「あ、理解がそんな前で止まってたんだ。ごめんなさい若君。えーと、泳ぐ時に着る物です。水着のカタログはと」

    画像が出た。ビキニの女性やマネキンが、ポーズをとっている。

    若「なっ!こ、これは…」

    尊「やっぱり刺激が強いよね」

    若「覆う所が少な過ぎはしないか?」

    唯「そーかなー」

    尊「若君もそう言ってるし、もうスクール水着にしといたら」

    唯「やだっ、かわいいのが着たいっ!」

    尊「で、悩殺したいからビキニ?」

    唯「着てみたいんだよぅ」

    尊「若君、ちょっと刺激は強いかもしれませんが、これが海やプールに行くと映えるんですよ」

    若「こういう物なのか。先の世はわからぬ。唯、あまり際どい物は着てはならぬぞ。所で、プールとは何じゃ?」

    尊「あ、この写真の後ろに写ってる場所です。泳いだり、水遊びをしたりするために、水を溜めてあります。水がキレイな池や沼?ちょっと違うか」

    若「沼…底なしではないか?」

    尊「いや、それはかえって作るのが難しいです。なんか嫌な思い出でもあるんですか?」

    唯が投げ捨ててしまった、タイムマシンの起動スイッチを拾いに、沼に入った事を思い出す若君。

    若「いや、何程でもない」

    尊「足、着きますから」

    唯「そんな話してると、プール行きたくなる~」

    尊「行く?」

    唯「まさかあんたの口から出るなんて」

    尊「いきなり海よりは、若君も良くない?」

    唯「確かに。いつにする?」

    カレンダーを確認。

    尊「いつでも行けると言えば行けるけど。あ、来週土曜はお祭りだから。地元の」

    唯「あー、あのお神輿出るヤツ?」

    尊「うん」

    唯「じゃあ、来週のどっかの平日かなー」

    若「盛り沢山じゃな」

    尊「なんかさ」

    唯「なに?」

    尊「楽しい予定で、カレンダーが埋まってくって、いい」

    唯「夏休み終わった時にさ、あんただけ真っ黒に日焼けしててさ、周りが何してた?!って思うんじゃない?」

    尊「それさえも僕は後悔しない」

    唯「カッコいい事言ってると思いきや、遊びに真剣なだけだし」

    若「約束したからの。後に励むと」

    尊「うん、今は満喫する」

    唯「若君との夏、をでしょ」

    尊「お姉ちゃんも入ってるから、ちゃんと」

    唯「ちゃんと入ってて、良かったよ」

    全員「ハハハ~」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    おでかけの予定、続々。

    20日のお話は、ここまでです。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の令和Days6~20日土曜14時、食欲旺盛です

    人の倍はいかがなものか。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    尊の夏休みスタート。美香子の仕事終わりに合わせ、五人全員で、遅めの昼ごはん。

    覚「思ったんだけどな」

    美香子「何を?」

    覚「ご招待の日だが」

    唯「わぁ、なになに?」

    覚「庭でバーベキューやろうか?夏だし」

    唯&尊「やったー!」

    尊「えー、いつぶりだろ?」

    美「バーベキューコンロ、錆びたりしてないかしら?」

    覚「あーどうかな」

    若君「なにやら楽しそうじゃ」

    尊「えーと、説明しますと、庭で火をおこして、肉や野菜を焼いたりして食べるんです」

    若「わざわざ、外で?」

    尊「確かに」

    唯「そこで話終わんないでよ」

    若「野外で食するとは…戦の折はそうじゃが」

    覚「そうか。若君にとっては、何をわざわざ不便な事を、ってなるよな」

    唯「気が乗らない?」

    若「いや、皆がそこまで喜ぶゆえ、その不便が楽しいのであろうの」

    唯「正解!」

    覚「じゃあ、今から点検するか」

    一式、ウッドデッキに並べた。

    若「この、袋に入った長い物は、何ですか?」

    覚「あぁ、タープだね。出してみようか」

    金属製の骨組が畳まれている。広げた上にシートを被せ、ポールを立てる。屋根が出来た。

    覚「日差しや雨よけだね。これは簡単に設営できて楽なんだ」

    若「これは…良いですね」

    唯「たーくん、戦に持って行きたいって思ったんでしょ?」

    若「思うた」

    覚「雨を制する者は戦を制するか」

    尊「そんな格言あったっけ」

    覚「中々いいだろ?」

    美「自画自賛ね。でも、夜だからよっぽど使わないんじゃない?」

    唯「えー使おうよ」

    美「雨天決行って事?」

    唯「じゃなくて、昼にもやろうよ。予行練習で」

    覚「あー、悪くないな。ご招待しておいて、お粗末な物お出ししても何だしな」

    尊「いつにする?」

    覚「やるなら日曜しかないから…明日は買い物だろ?来週だな。ご招待日の直前にはなるが」

    唯「わーい!食べるぞぉ~」

    覚「何だ?向こうでは、あまり食べられなかったのか?」

    若「父上、そんな事はありません。いつもの如く、人より多く食しておりました」

    唯「たーくん、そこは黙ってて~」

    若「まことの話じゃ」

    美「どうせ、ばんばん産むからとか言って人の倍食べてたんでしょ。現代よりカロリー少ないお食事だろうから、いいようなものの」

    尊「来月、ぶっくぶくに太って帰るんじゃない?」

    唯「そんな事ないもん!」

    覚「百年の恋も冷めるぞ」

    唯「ひー!」

    若「家の手伝いなどして、体を動かせば済む話じゃ」

    美「それいいわね~、一石二鳥」

    唯「太った私は嫌?たーくん」

    尊「そこ、論点違うし」

    若「容姿は何も申さぬが、働かざる者食うべからずじゃからの。わしも励みますゆえ、以後、何なりと申し付けくだされ。父上、母上」

    覚「わかった。三人ともな」

    唯&尊「はぁい」

    美「若君に先頭に立ってもらえると、色々スムーズだわ~」

    若「お役に立てて、嬉しいです」

    覚「ひとまず、点検の続きー」

    全員「はーい」

    点検、終了。

    覚「何とか全部いけそうだ。燃料は買わないとな。月曜にでも行くか」

    唯「行く行くー!」

    覚「ホームセンターだぞ?いやに乗り気だな」

    唯「夜、みんなで花火やりたーい!いいでしょ?いっぱい買おうよ」

    美「なるほどね」

    尊「わー、いいね!」

    若「花火?」

    尊「あ、説明…よりも、今から映像見ますか?実験室で」

    若「よろしく頼みたいが。父上、もう手伝いはありませぬか?」

    覚「大丈夫だよ。ありがとな」

    唯「じゃあ、実験室へGO~」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    初めて平成に一人で来た時は、ほとんど寝込んでたもんね。

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    返信先: 連絡掲示板
    確認いたしました

    連続で恐縮です。お手を煩わせてしまい、すみませんでした。

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    返信先: 連絡掲示板
    夜分に失礼いたします

    創作倶楽部に先程投稿しましたが、編集した所、原稿が消えてしまいました。
    後から送信した方が復活できるとありがたいですが、先の方でも構いません。お手数おかけしてすみません。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の令和Days5~19日金曜7時30分、ほんのり甘く

    城下にもよく売りに来てましたね。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    玄関。

    尊「では一学期最終日、行ってきます!お昼には帰りますね」

    若君「行ってらっしゃい、尊」

    若君がリビングに戻ると、唯が麦茶をガブ飲みしている。

    若「腹を壊すぞ」

    唯「現代の夏って、こんなに暑かったかなー」

    若「確かに朝稽古の時分から日差しは強いが。唯は、一歩も外に出ておらぬではないか」

    覚「若君、もっと言ってやってくれ。ダラダラされるだけではたまらん」

    若君が呆れていると、風呂敷を抱えて美香子が現れた。

    美香子「お父さん、31日になったわ」

    覚「おー、そうか。良かった」

    カレンダーに予定を書き込む。

    唯「なに?31日って」

    覚「また、芳江さんとエリさんを、晩ごはんにご招待しようと思ってな」

    唯「わぁ!そうなんだ~」

    美「今回土曜は、旅行も行くし、お二人の都合がつかなかったから、水曜なんだけど」

    若「それは楽しみじゃ」

    唯「この包みなに?」

    美「あー、これね。芳江さんにいただいたの」

    風呂敷をほどくと、二人が見覚えのある、黄色い果実がゴロゴロっと出てきた。

    唯「あーっ!瓜!」

    若「おぉ、この先の世にもあるのじゃな」

    覚「マクワウリだな」

    唯「マクワウリ、って名前なの?」

    美「おうちで、おじいさんが育ててみえるらしくて。今年はいっぱい採れたからって、くださったの」

    覚「向こうで、食べたのか?」

    唯「うん、おふくろさまが切ってくれた。すっごく甘かったよ」

    覚「これ自体は甘さは控えめだが、戦国時代なら、かなり甘く感じるだろうな。早速冷やして、昼にいただこう」

    唯「わー、楽しみっ」

    バケツに水を張り、凍った保冷剤とマクワウリを沈めた。じっと見つめる唯。

    若「吉乃殿が、とならば、まだ梅谷村に居た頃か?」

    唯「うん。まだ全然、たーくんに会えてなかった頃」

    若「声は、幾度も聞いた気がするがの」

    唯「あはは、わりと叫んでたからね」

    若「唯とわかっておれば、馳せ参じたが」

    唯「ホントに~?その頃は、おなごと心通じ合わなくて良かったんじゃなかったぁ?」

    若「うっ、それは」

    唯「ははは。あーあの頃は、超働いたな~」

    覚「今も、働いてもらっていいんだぞ」

    唯「えー」

    若「父上、ならば今から、庭の草取りをいたします。唯と」

    覚「あー、それは助かる。よろしく頼むね」

    唯「げっ!」

    若「ほれ、行くぞ」

    唯「はぁい」

    一仕事、終了。

    覚「あー、綺麗になった。ありがとう、若君、唯」

    若「いえ、朝稽古でよく、草に足を取られておりましたので」

    唯「自分のためかーい」

    覚「よくぞ気付いてくれたと言え。はい、お疲れ様。麦茶どうぞ」

    唯「わーい、あーおいしい」

    若「このようにいただくのが本来じゃ」

    唯「えへ、失礼いたしましたぁ」

    家族全員で昼ごはん。マクワウリも切りました。

    尊「へー、450年前もこれ食べたの?」

    唯「いただきまーす!あ~懐かしいっ。確かに、今食べるとそこまで甘くないけど、おいしい!」

    覚「若君、変わらない?」

    若「はい、同じです」

    美「変わらないってのも、ある意味すごいわよね」

    覚「そんな物もあっていいだろ」

    唯「ねえねえ、31日は何作るか決めた?」

    覚「まだだ。考えておく」

    尊「イベント、もっと増えるといいなぁ」

    唯「受験生のセリフじゃないし」

    尊「三倍頑張るから」

    唯「はいはい」

    全員「ハハハ」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    イベントは、まだまだ増える予定。

    19日のお話は、ここまでです。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の令和Days4~18日20時、時間無制限です

    確かにそう言ってました。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    まだ晩ごはん中。

    覚「で、これは提案なんだが。若君に」

    若君「わし、にですか?」

    覚「海、見るだけじゃなくて、泳いでみないか?」

    若「泳ぐ…」

    唯「海水浴?!行く行くー!」

    覚「今度行く所、近くに海水浴場があるんだけど、砂浜が白くて綺麗でね。ぜひ楽しんでもらいたくてさ。良ければ当日は、早朝にここを出発する」

    尊「え、土曜でしょ、お母さんは?」

    美香子「仕事終わってから、車で宿に直接向かうわ」

    唯「いいの?お母さんだけ一人だよ?」

    美「いいわよ~この歳で海なんて、日焼けが心配だし。そこ、ホントに綺麗なのよ。昔はよくお父さんと行ったの」

    若「思い出の場所なのですね。では、是非朝からお願い致します」

    覚「よし、じゃあ楽しみにしてて」

    唯「水着買わなくちゃ!」

    美「そうね。じゃあ日曜に買いに行きましょ。四人で」

    尊「四人…」

    美「尊、入ってるわよ」

    尊「海水浴かー、こんな事でもないと絶対行かない」

    美「でしょ。良かったわね、夏の思い出が増えるわよ」

    尊「うん!」

    覚「だな。ところで、若君お待たせ。話ってなんだい?」

    若「あっ、ありがとうございます」

    若君が箸を置く。

    若「前に二人でこの先の世に参った折、寝所は別でした。その所以は、唯がまだ高校生だから、という事でした」

    覚「うん、そうだったね」

    若「もう高校生ではありません。去る時に辞めはしましたが、今は既に卒業した歳に相当と、唯に聞きました」

    覚「はい」

    若「寝所を、唯と同じ部屋にしていただけぬでしょうか」

    若君が頭を下げる。

    覚「わかった。今日から唯の部屋で。面会時間の制限もなしにする」

    唯「わー、嬉しい!良かったね、たーくん!」

    若「誠に忝のう存じます」

    ずっと頭を下げている。

    美「若君、実はそれ、こちらからお願いしようかと思ってたの」

    若「え、そうなのですか?」

    驚いて顔を上げた。

    美「遊ぶ気満々だけど、尊は一応受験生だから。夜部屋で勉強する時に、いつまでも電気付けたりしてると、若君も居心地が悪いかなって思ってね」

    若「そうですか。わしも、尊の邪魔はしとうありません」

    尊「時間制限ないって事はさ、例えば若君が夜12時まで僕と一緒に居て、それから寝に行ってもいいわけだよね」

    唯「なんでそうなる」

    尊「亥の初刻のシンデレラじゃなくなると、前半一緒か後半一緒か、配分が変わるだけじゃん」

    唯「そんな事ない。夜一緒は大きい。じゃあ毎日、晩ごはん食べ終わったらすぐ部屋に行って、朝までたーくんとずっと一緒に居よっと」

    尊「なんでそうなる」

    美「うふふ、なんか、若君の取り合いになる様相ね」

    覚「人気者だ」

    若「痛み入ります」

    9時。ゆうべ尊の部屋に敷いた若君の布団一式を、唯の部屋に移動。

    若「尊、済まなかったの」

    尊「いーえー。僕このままお風呂行ってくるよ」

    唯「ありがとね」

    唯のベッドに沿わせて布団を敷いた。

    唯「うー、嬉しいっ!もぉこっちの布団でばっかり寝ちゃうかも」

    若「で、わしが唯のベッドで寝るとな」

    唯「あー、そんな意地悪言う?」

    若「ハハハ」

    若君が何か考え込んでいる。

    唯 心の声(目の前に布団。今二階には二人だけ…キャー!ちょっと待って、い、いま腹を)

    若「…尊とは、歳は一つ違いであったな」

    唯「は?!あ、うん、そうだよ。急になに」

    若「となれば、昨年此処に居た折、唯は、受験生ではなかったのか?」

    唯「え!えーと、受験って、それを目指してるから受験生なんで、私は勉強もしてなかったから…」

    若「違うたか」

    唯「受験は全然考えてなかったよ。どうしてそう思ったの?」

    若「唯の夢ややりたい事の、芽を摘んだかと思うての。尊は、発明家になる為、今受験生だと聞いたゆえ」

    唯「私の夢ややりたい事は、叶ってるよ」

    若「そうなのか?」

    唯「やりたい事は、たーくんを守る事。今回は、急に令和に連れて来ちゃってごめんなさいだけど。夢は、たーくんのお嫁さんになる事」

    若「そうか。ならば良いが」

    唯「うふふ」

    若「喉が乾いたの。下に行くか?」

    唯「あっ、はい」

    若「どうした?」

    唯「ううんなんにも。行こっ」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    残念でした。なのか?

    18日のお話は、ここまでです。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の令和Days3~18日12時、兄の激励

    きっと約束は守られる。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    昼ごはんの時間です。

    覚「お疲れ~」

    美香子「ありがとね。あ~、いいわね、四人って」

    全員「いただきます」

    若君は、今朝唯に頼まれた話をいつ切り出そうか、機会を伺っていた。

    美「あら?若君どうかした?」

    若君「いえ、お気遣いなく」

    美「…そうだ、ゆうべ検査がどうとか言ってた話だけどね」

    唯「あ、そうそう!」

    美「まだ出来ない、なんて嘆かなくていいから」

    唯「ホントに?!私の体がどうかしてるんじゃなくって?」

    美「ないない。2年3年経ってるならだけど。あんまり焦るのは、迎える気持ちとしても良くないから。ね、若君」

    若「案ずるな、と。ありがとうございます…助かります」

    美「ほらー、唯、若君もあんまり言われて、相当堪えてたみたいよ」

    唯「そっか。ごめんねたーくん」

    覚「若君、さっきから何か言いたそうなんだが、それ、晩飯の時でもいいかい?」

    若「えっ?あっ、はい」

    唯「えー」

    覚「唯の指図か」

    唯「ん?なんのコトかなー」

    覚「旅行の話、今の内に母さんと相談したいから」

    唯「えっ!やったぁ!待つ待つ!」

    覚「やっぱり黒幕はお前か」

    晩ごはん。

    唯「わーい、蓮根のはさみ揚げ!」

    尊「二日連続」

    唯「え?そうなの?」

    美「満月の夜は、はさみ揚げって決めててね」

    唯「そうだったんだ」

    若「済みませぬ、父上」

    覚「いいよ~食べたかっただろ?」

    若「はい!」

    全員「いただきまーす」

    久々の家族団欒です。

    覚「ところで、宿、取れたぞ」

    唯&尊「やったー!」

    唯「ん?なによ尊」

    尊「は?」

    唯「一応、受験生なのに」

    尊「旅行なんか行ってる場合じゃないって?」

    唯「心配してあげてるんだよ」

    覚「五人で行くぞ。尊もそうしたいって言ったし」

    唯「大丈夫なの?」

    尊「僕は、決心したんだ」

    唯「え、改まってなに」

    尊「この夏、多分受験勉強三昧なんだろうな、とは、お姉ちゃん達が帰ってくるまでは思ってた」

    唯「うん」

    尊「でも、まるでプレゼントのように二人が現れて」

    美「プレゼント。そうね」

    尊「このひと月は、お姉ちゃんと若君と、がっつり楽しむ事にした。こんな夏休みと同時期なんて機会ないし、できるだけ一緒に居たいし」

    若「尊、それで良いのか?将来に関わるのではないのか?」

    尊「大丈夫です。二人が帰ったら、倍、頑張りますから」

    若「無理はしないで欲しいが」

    尊「家族五人の時間は貴重だから。後で振り返った時、このひと月を言い訳にはしないと、若君に誓います」

    若「そうか」

    若君が、尊に手を差し出す。尊も慌てて手を出した。食卓の上で、二人はがっちり手を組んだ。

    若「ご武運を祈る」

    尊「わー、これで三倍頑張れる!」

    パチパチパチ。

    尊「え?なんで拍手?」

    唯「なんとなく。ねっねっ、で、いつどこに行くの?」

    覚「来月3日4日で、また海の近くに」

    唯「海!海だって、たーくん!」

    若「同じ場所ですか?」

    覚「いや、前回は太平洋側だったんで、今回は日本海側だよ」

    若「?」

    尊「後で、地図見せますね」

    覚「で、何とか取れた宿だから、温泉はあるけれど、今回は部屋に露天風呂はない。あと、五人一部屋だからな」

    美「イチャイチャできなくてごめんね、若君」

    若「あっ、いえ」

    尊「そこ、お姉ちゃんじゃなくて若君なんだ」

    美「だって、今、唯より明らかにがっかりしてたもの」

    唯「えー、かわいい~」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    そろそろ切り出したら?若君。続きます。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の令和Days2~18日木曜8時、急いで検索!

    家から通える距離で、進学でしょうか。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    朝。尊は学校に。若君が玄関で見送る。

    尊「もう若君に見送ってもらう事なんてないと思ってたから、ちょっと感動してる」

    若君「そうか。いくらでも見送るぞ」

    尊「いえ、明日終業式だから、今日入れて二回なんだけど」

    若「学校へ行かぬと?」

    尊「夏休みになるんで、基本ずっと家に居ますよ」

    美香子「普通は、高三の夏なんて忙しい筈なんだけどね~」

    母が通りかかった。

    尊「大学は…まあ行ける所に行くし」

    美「まっ、入れない大学は尊にはないしね」

    若「賢いからですね」

    美「発明家の道をひた走るのよね」

    尊「うん」

    若「医者には、ならぬと?」

    美「やりたい事をやって、極めてくれるならそれでいいと思ってるの」

    尊「若君に、起動装置刀、の注文受けてるしね」

    若「わしの所為で?」

    尊「いえいえ、タイムマシン完成した時から、家は継がないと決めてましたから、ご安心を」

    唯がやって来た。

    唯「あれ?なかなかたーくん戻って来ないと思ったら。まだいいの?」

    尊「あ、そろそろ行かなきゃ」

    美「じゃ、行ってらっしゃい」

    唯「行ってらっしゃーい」

    若「行ってらっしゃい、尊」

    尊「わー、嬉しい!」

    半分泣きそうな顔で、尊は出て行った。

    美「さて、私も準備。あ、二人とも、エリさんと芳江さんに、顔見せてあげて」

    唯「わかったー。帰って来たって言った?」

    美「言ってない。サプライズでよろしく~」

    若「心得ました」

    クリニックに入る。中から、少し間を置いて、歓声が上がった。

    覚「おー、盛り上がってるな」

    キッチンで片付けの終わった、覚の耳にも届いた。

    若「お二方共、腰を抜かさんばかりであったのう」

    唯「化けて出た的な?でもすっごく喜んでくれて、良かったね」

    若「そうじゃな」

    二人、リビングに戻り、ソファーに並んで座った。

    唯「ねぇたーくん、あのね」

    若「なんじゃ?」

    唯「あっ…お父さん来ちゃったから、小さい声で話すね」

    覚は、食卓でタブレットを操作し始めた。

    若「…そうか。うむ…」

    唯「ねぇ、たーくんから、これは解せぬ、って言って~」

    若「されど、家長には従わねば」

    唯「だーってぇ、もう高校生じゃないし、ちゃんと結婚式もしたのにぃ。たーくんだって、その方がいいでしょ?」

    若「それは、叶えば喜ばしいが」

    しきりに説得している。

    覚「おーい、何企んでるか知らんが、ちょいちょい聞こえてるぞー」

    唯「なんでもないよぉ~」

    若「唯、ならば昼に、父上母上に話してみる」

    唯「うん、そうして。お願いします」

    唯はソファーから立ち上がり、覚の元へ。

    唯「ところで、お父さんなにやってるの?」

    覚「せっかく二人が帰って来たから、どこか旅行に行こうと思ってな」

    唯「きゃー!嬉しい!どこ、どこ行くの?」

    覚「今からの予約はかなり厳しいからな。取れる日付、取れる所にだ」

    若「父上、手間をかけ済みませぬ」

    唯「あー、取れるといいなあ。でも珍しい、尊じゃなくてお父さんが探してるなんて」

    覚「尊は今学校だから、早くて夕方しか探せないだろ。電話急げって言うからな」

    唯「…それ、もしかして、善は急げ?」

    覚「おっ、唯でもわかったか」

    唯「あ、ディスってる!もー!」

    若「その言葉はそう使うのじゃな」

    覚「ん?若君、ディスるがわかるのか?」

    若「はい。以前、唯の部屋にあった胡乱な書物に載っておりました」

    覚「…若君、あい変わらず凄いな」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    あまり年長者を驚かせると、体に悪いよ。

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    返信先: 創作倶楽部
    まずはめでたい\(^o^)/

    今日投稿するならこの話題に触れないと!祝復活!皆さんに教えていただけたので、早速NHKオンデマンドのお気に入りに再追加しました!鬼リピします(ToT)

    実は8か月

    前回の令和Days1内で、唯が「もう、7か月も経つんだよ?」と言いますが、永禄四年の月計算としては、この日現在8か月経っています。

    管理人様のブログ記事”戦国時代に使われていた旧暦とは”に、ご説明がありますが、この時代の暦には「閏月」という制度が使われており、一年が13か月ある年が、19年に7回のペースで存在しました。
    永禄四年はこの年に当たります。一月差し込まれたのは、3月の後ろでした。よってこの年は、1月―2月―3月―閏3月―4月―5月―6月―7月…と進んでいました。

    今月は3月で来月は閏3月だと聞かされたであろう唯は、相当驚いてさすがに覚えていたでしょうから、間違えて7か月と言う事はない筈です。平成Daysから続けてお読みくださっている皆様に分かりやすくするために、8か月ではなく7か月と表現しました。

    二人が結ばれたのは平成30年12月15日の深夜でこの日が令和元年7月17日だから、7か月後だよねと考えた方がわかりやすいと思いましたので、唯にも若君にも7で話してもらった次第です。

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    返信先: 創作倶楽部
    (新)二人の令和Days1~2019年7月17日水曜20時、短気は損気?

    唯は強運の持ち主だから。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    ここは戦国。永禄四年、緑合の城。閨に唯と若君。二人、白の寝間着姿で、布団の上に向かいあって座っている。

    唯「…」

    若君「泣くな」

    唯「だって、今月もダメだった」

    若「何を急いておる。何年かかっても良い」

    唯「私が、女の出来損ないなんだよ」

    若「違う」

    唯「早く、若君…たーくんを喜ばせてあげたいのに」

    若「これはその…先の世で、タイミング、と申す物が、少し合わぬだけじゃ。それか、所以はわしにあるのであろう」

    唯「違うよ」

    若「いずれにせよ、子を成す成さぬは、我らがどう憂いても、天に任せるより他ない」

    唯「もう、7か月も経つんだよ?」

    若「まだ七月しか経っておらぬ」

    唯「…検査とかした方がいいのかな」

    若「検、査?」

    唯「お母さんは医者だから」

    若「何を気のふれた事を。此処は永禄じゃ。…まさか、先の世に帰りたいと申すか?」

    唯「家として、跡継ぎが必要でしょ?もっと、ばんばん産んでくれる側室を…」

    若「唯!たわけた事を申すな。この忠清、命を全うするまで、愛するのはそなただけじゃ」

    唯「でも、今はこうして平和な夜だけど、いつまた戦があるかわからないし、早くって気持ち、わかってよ」

    若「だからと言って、戯れ言を申すでない」

    唯「戯れ言って…私、真剣に話してるのに!どうしてわかってくれないの?!ひどい!もういい!」

    唯は立ち上がり、奥で何かを探し始めた。

    若「唯、何をしておる…あっ、それは」

    手に、タイムマシンの起動スイッチ2号。

    若「唯、落ち着くのじゃ、旅立つ折に尊が、二度と使うなと申したではないか!」

    唯「いざとなったら、これで!」

    若「ああっ!」

    唯は、刀を抜いて起動させてしまった。若君は、慌てて唯を掴んで引き寄せ、抱き締める。

    若「唯…」

    唯「えっ?なに?だって若君がわかってくれないから、ちょっとフリしただけだよ。だって今日、満月じゃないし」

    若「…今宵は、満月じゃ」

    唯「えっ?またぁ、嘘でしょ?」

    若「嘘など申さぬ」

    唯「マジで?!え、間違えた?…ちょっと待って今日何日?え、この前の満月っていつだった?思い出せない…そういえば最近いつ月見た?あーどうしよう!どこかとんでもない世界に飛ぶの?それとも生きていられないの?!」

    混乱して暴れる唯を押さえながら、若君は優しく語りかける。

    若「唯。あれほど満月を気にしておったのに、空を見上げていなかったと?」

    事の大きさに呆然としながらも、なんとか若君の問いに答える唯。

    唯「…うん。とてもそんな気分になれなくて…全然見てなかったの」

    優しく唯の髪をなでる若君。

    若「そうであったか…。月も見上げられぬ程、気に病んでおったのか。そこまで辛い思いをしておったのじゃな。わかってやれず、済まなかった」

    唯「ううん、若君が悪いんじゃないのに、当たっちゃってごめんなさい。ホントにごめんなさい!…あっ」

    二人の体が、消えかかっている。

    唯「どうしよう…どうしよう!」

    若「もう良い。一蓮托生じゃ。しっかり、つかまっておるのだぞ」

    唯「はい…ごめんなさい…」

    そして、閨には、誰も居なくなった。

    ┅┅┅

    その頃、現代の尊の実験室。

    尊「あれ、こっちのファイルじゃなかったか」

    パソコンと格闘中。その時、天井が光った。

    尊「え?!タイムマシン、何で動いてるの?!」

    恐る恐る振り向くと、そこには、唯と若君の抱き合う姿が。

    尊「わっ、白いっ、お化け?!えーっ!えーっ!」

    飛び退いて、腰を抜かしている。

    唯「あぁ、尊がいる…帰ってこれたんだ」

    若「良かった、無事戻って参った」

    尊「なんで?なんで?危険だから、使わないでって言ったのに」

    唯「若君が私の気持ちわかってくれないから、つい…」

    尊「なんでだよ、ケンカの小道具じゃないよ?無事に着いたから良かったものの」

    唯「ごめんなさい。反省してます。来ちゃったからにはしょうがないけど、この起動スイッチ2号、一月後に使うと、永禄では一月後の、一日前に着くんだよね?」

    尊「使うならね。そりゃ、帰ってもらわないと困るから、使ってもらうけど」

    唯「って事は、約一月、私達、永禄で行方不明になるよね…ごめんなさい、若君!どうしよう…」

    若「こうなったからには、致し方ないではないか」

    尊「…それ、飛んだ永禄時間の3分後に着けば、丸く収まるよね?」

    唯「そりゃそうだけど、どうするの?」

    尊「えっと、この前永禄に飛んだ時は、敵に囲まれた中に戻るのも危険だったから、翌月の満月の一日前に戻ったんだけど、原理的には、3分後に戻る方が安全なんだ」

    唯「そうなの?」

    尊「んー簡単に言うと、一度作った道を通った方が、改めて道路を作るより楽と言うか」

    若「その説明はわかりやすいの」

    尊「ありがとう若君。だから、今回帰る時は、3分後に戻れるように設定を変えとくよ」

    唯「そんな簡単にできるの?」

    尊「未来の僕だけが頑張るんじゃなくて、今の僕も頑張らないとな、って思ったからさ、研究済み。だから一月後、安全に帰れますから」

    若「尊。我らがおらぬ間にそのような…大儀であったの。さすが師匠じゃ」

    唯「ありがとう~!尊ー!」

    ドアを叩く音。

    覚「尊ー、さっきかなりこの中が光ってたが、大丈夫かー?」

    美香子「怪我とかしてないー?」

    尊「ははは、さすがに、二人が帰って来たとは思ってないね。開けていい?」

    唯&若「はい」

    ドアを開けた。

    覚「爆発はしてないな。あっ!」

    美「まあ…なんてこと」

    唯「お父さん、お母さん、ただいま!」

    若「父上、母上、ただいま戻りました」

    覚「どうしたんだ、体は無事か?」

    唯「うん、大丈夫」

    若「ご心配には及びませぬ」

    美「唯…大分髪が伸びたわね。また、次の満月まで?」

    唯「うん。よろしくね」

    若「よろしくお頼み申します」

    美「そう…。ひとまず、リビングへ移動する?」

    覚「おー、じゃあコーヒーでも淹れるか」

    唯「うん!」

    若「また、平成ライフ、が始まるのですね」

    両親と尊、首を振る。

    若「え?」

    尊「若君、元号が変わって、今は令和って言うんです」

    唯「あ、そんな変わるってニュース、前に聞いたような…」

    若「では、令和ライフの始まりじゃな」

    尊「さすが若君、順応性が高い!」

    覚「じゃあ、行こうか」

    土産話は、夜中まで続きました。

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    二人の夏物語、スタートです。

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    返信先: 創作倶楽部
    新シリーズのご説明と創作の経緯について

    ぷくぷくさんのお話が佳境の所、失礼いたします。

    70話分にもなってしまった、私の創作話「平成Days」は、2018年11月23日から12月23日の、ドラマのSPで、唯と若君が平成に来た時のお話を過大に膨らませた物語です。この平成Daysを描いている時から、私には、どうしても二人に楽しんでもらいたい季節がありました。

    それは、夏です。二人にとって、二年に渡り辛い事が多かった季節です。

    2017年は、当初こそ初デートもありましたが、若君は襲撃され最後には感染症。唯はおたずね者で野宿で高熱。2018年は、若君は戦続き。唯は一人傷心の日々。若い女子が、夏中悶々と過ごすなんて、かわいそ過ぎます。

    そんな二人に、現代の平和な夏をぜひ楽しんでもらいたい!と考え、今回の創作となりました。原作からは当然かけ離れているし、ドラマとも違うし、なにこれ?!と思われるのは承知の上で、お送りしたいと思っております。設定は平成Daysの続きのままで進めます。

    もし、よろしければですが、またお付き合いくださるならば幸いです。

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    返信先: 創作倶楽部
    振り返ります二人の平成Days、69(終)まで

    no.576の続きです。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    51、no.527、守り抜きます┅┅┅

    自分の作品で好きな回ベスト3を挙げるなら、この回が1位です。困っている唯の前に歩み出る所なんか、SPで阿湖姫の前に出た成之のように、ときめく効果音入れたいです。
    夫は医学生です、速川の家を継ぐべく頑張ってますが、子供が出来ました、夫は遠方に住んでいて離ればなれもなんなので、しばらく実家は離れます…なら、近所で姿を見かけなくても辻褄が合います。此度の嘘は誰も傷つけてはおらぬのです。
    なによりも若君の誠実な対応が信憑性を増しました。見えなくなるまで頭を下げられていたら、コーチも、いい青年だったぞ!と太鼓判をおしてくれるでしょう。体が泳ぐ程の唯のセーターも、いい仕事しました。

    52、no.528、まるわかりです┅┅┅

    帰りの電車でいちゃつく姿、とても彼氏が戦国武士とは思えませんが、ここは平和な現代、大目に見てやってください。顔にメロメロと書いてある位なので(46話)。

    53、no.530、新居に届きます┅┅┅

    次に届くDMが待ち遠しい。写真館には、どんどん送ってもらいましょう。
    ここが新居…妄想の妄想ですが、もし、家を訪れてピンポーンと呼鈴を押したら、エプロン姿の若君と、子供を抱っこした唯が、はーいと出てきたら…そりゃあいいでしょう!

    54、no.534、感謝を形に┅┅┅

    クリスマスについて、若君はあまり説明してもらえなくなってます。でも唯はあんなに浮かれていた、わからぬがまあ良い、といった所です。
    急にしゃべってとか書き始めてもすぐ中断するわで、あい変わらず天衣無縫な感じの唯ですが、一方で、今日はお腹鳴らさないように!と小腹を満たしている辺り、やはり花が咲いたのかもしれません。

    55、no.535、お電話お待ちしています┅┅┅

    コントのような会話というか、完全に姉弟でコントやってます。テレビっ子(もう使わないか?)の若君は、理解していました。前回来た時、日本史の教科書は読破していた模様なので、勉強の合間にテレビ、かな?

    56、no.536、優しいハーモニー┅┅┅

    あえて両親のコメントを今聞かない、と決めたのは、最後の夜、家族笑って過ごしたいという気持ちの表れです。子供達三人、目を腫らしてリビングに戻って来たら、どうしてもしんみりしちゃいますので。両親に、また永禄でゆっくり観るねと言う様子が、ストーリー外で展開されたであろうと想像してください。

    57、no.537、普通ってなに┅┅┅

    唯と尊の言葉の応酬は、テンポ早めで読んでいただけるとより生き生きとします。そして、この釘引き抜きにくい的な、この姉侮れない、の早口言葉も生きます。で、唯は意味はわかっているよないないよな。ずっと会話はこんな感じの姉弟だったんだろうな、と推し量りました。
    全ての呼び名を見届けよ、イコール、一生共に居よ、は、さすがに唯も気付きました。

    58、no.540、多数決です┅┅┅

    一緒に風呂だと!!破廉恥な!とお叱りを受けそうですが、その部分はバッサリ抜けてます。風呂上がりのラブラブな様子で察してください。
    洗面所で、きっと大騒ぎしながら、唯は若君に髪を乾かしてもらいました。その時間に風呂に入っていたであろう尊も、なんか洗面所からハートマークが飛んでくる…と、いい迷惑だった事でしょう。でもって、急いで出たら早過ぎると二人に睨まれた。踏んだり蹴ったりです。
    二人の居ない所で、母の本音がちらりと覗きました。まあ、ファンタジーですから、いろんな現実的な話もバッサリ抜けます。
    これを話すとまた長くなるのですが…唯がこの22日23時40分頃「今日が満月かと思うくらいまんまる」と言います。実はそれは正解で、確かに翌日が満月なんですが、その満月になる瞬間は、23日の2時49分。翌日の夜実験室に入る前に見たであろう月より、唯がこの時間見上げた月の方がより丸かったのです。しかもこの22日は冬至だったので、一年で一番高い位置に月が輝いた日でした。

    59、no.544、川の字で┅┅┅

    美香子さんは若君を、息子としてもかわいいし、一人の男の子としてもかわいいと思っているのでしょう。でなきゃ隣の布団で、なんてリクエストはしない。
    家族五人の内、ずっと一人で寝起きしていたのは唯だけです。最後は両親とべったり仲良くおやすみなさい、でした。

    60、no.545、ずっと熱いままです┅┅┅

    自分の作品で好きな回ベスト3の3位です。
    好きとも言わずキスシーンもないのに、色々溢れ出ています。
    この翌朝(25話)で、朝一で唯が「浴衣は着てる…よし」と言っていますので、若君の着付け方が相当丁寧だったのでしょう。しかし、きちんと着付けられてる時点であれ?と思わないか?唯は、気づいていません。まあ、気づいたらまた大騒ぎでしょうが。
    この回のお気に入りは、ついギュっと抱き締めてしまい、唯がちょっと動いたら、あっきつ過ぎた?痛かったか?とちょっとオロオロする所です。

    61、no.546、塗り替えました┅┅┅

    看板がもう換わってるなんて、黒羽市の行政は素早い。それだけ市民の意識の中に浸透しているのでしょう。まだまだ変わりそう、変わって欲しい。
    若君のセーター、ファブる前にクンクンしたかった者は、正直に手を挙げましょう。

    62、no.547、心も支度します┅┅┅

    SPで唯が現代を去る時、両親に今まで育ててくれてありがとうとは言いましたが、悲しい顔はしていませんでした。今生の別れの可能性が高い中、どこかで負の気持ちを整理する瞬間があったのではないか、そうあって欲しいと願い、若君に促してもらいました。
    お願いすれば、いくらでも腕の中で泣かせてくれたでしょうが、唯は強い女の子、一人でカタをつけました。

    63、no.548、似て非なるもの┅┅┅

    ジェンガが出来た当日若君は、唯が欲しゅうなったと二階へ連れて行ってしまった(29話)ため、ちょっとほったらかしになっていた感はありますが、ちゃんと覚さんが入れ物を見繕ってくれていました。
    高野豆腐、私もストックしてありますが、思ったより賞味期限が短く3か月程なので、早めに使い切ってもらいたいです。
    父と息子が酒を酌み交わせるのは、いつになるでしょう。なんせ若君の年齢を証明できる物がないので、家呑み限定になりそうです。

    64、no.549、蜜月┅┅┅

    普段着の時かけてたレイを、最後着物に着替えてもかけてましたので、なぜわざわざそうなったかを考えて、私の話ではこうなりました。
    最後、言葉遊びで会話が成立。仲良し。

    65、no.551、バリアフリーです┅┅┅

    家族総出でパーティーの準備。美香子さんが割とゆる~い感じで会話をしてるのは、いいわね~こんな時間ずっと続くといいのにね~という気持ちの表れです。
    平成Days、唯は終始若君に対してタメ口です。最終話ダイブ!の続きではちゃんと丁寧語だったんですが。尊敬の念が薄れた訳でなく、現代のこのホームグラウンドでなし崩しにこうなっていたと言うか。たーくんと呼んじゃう心配よりも、同じ口調で話さないかが…「は?!何言ってんの?!」(29話)とか、絶対御法度だし。

    66、no.552、パーティー始めます┅┅┅

    やや危ない物と感じ取りましたので、若君は心の準備ができていた模様。音も火縄銃に近いから、戦で敵を惑わせるのに良かろうと思ったかも。

    67、no.557、怒りの矛先は┅┅┅

    今にして思えば、帰りたくないなどと思うてはならぬのじゃ決して、こんな弱くては…と自分に苛立っていたと。弱くはないと思いますが、自分を律し続けてきた若君ゆえの葛藤でした。
    SPのパーティーシーン、実際若君はほとんど笑っていません。クラッカーもケーキ入力も。はさみ揚げをかぶりついた所だけ笑顔。
    若君の来るなオーラ、唯が最初に見たのは、ドラマ4話でふくとなった時の、後ろ姿から放たれていたオーラでは。あの時は、切り崩そうとあれこれ頑張りましたね。今回はじっと観察しました。

    68、no.559、開いてみせて!┅┅┅

    唯の怒涛の勢いに、若君は言葉が出なかった。図星だったからですが、唯は言うだけ言って、それ以上なじる事なく、すぐに気持ちを切りかえています。この優しさに、若君は唯に母性愛を感じているんだと思う(5―2話)。結果、かなり大泣きした模様。すっきりした気持ちで旅立てたのは間違いないです。
    若君の泣き腫らした顔。唯がちょっと嫌味っぽく表現して、若君は当然わかっていませんでしたが、その…SPの旅立つ直前の健太郎くん、そんな風に見えたのは私だけかしら。なんか火照ってる感じでしたので。で、きっと心がからっぽになる程泣いた後なんだろう、と解釈させていただき、このように話を繋げました。

    69(終)、no.560、永遠に名を呼んで!┅┅┅

    唯は、家族の前で泣かないと決めていたので、プレゼントも直接手渡そうとは考えませんでした。
    名残を惜しむように語らう二人。今までは、あの時はこんなだったね~と過去を振り返る話もしていましたが、この回ではほぼ未来の話しかしていません。現実は厳しいかもしれませんが、今は夢いっぱいであって欲しいし、きっと唯なら、願えば叶います。
    唯に瓜二つの娘は嫁に出さない、それを聞いて少し前の唯なら、キャー嬉しい!となったと思いますが、ダメだよ~と諭します。ちょっと大人になったかな?
    最後、部屋を出る所で終わったのは、リビングも、外へ出た時も、言葉はなくアイコンタクトで進んだと考えたからでした。

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    投稿したからにはフォローも必要と思いましたが、長文失礼致しました。最後まで読んでいただきありがとうございます。

    次回作は…近日発表いたします。

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    返信先: 創作倶楽部
    振り返ります二人の平成Days、26から50まで

    no.573の続きです。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    26、no.443、磯の香り漂います┅┅┅

    覚さん、水を得た魚になったり、行いました報告にギャグのように慌てたり。そんな夫をかわいいでしょ?と美香子さん。ラブラブです。

    27、no.449、親子水入らず┅┅┅

    母と娘の時間を作ってあげようとそっと立ち去る、さすがの若君。考え方が大人。
    クラッカーのくだりの尊のセリフ「お姉ちゃんが、楽しみなだけじゃん」ホント、その通り。怒り出したかもしれなかったのにね。

    28、no.456、一つ一つ心をこめて┅┅┅

    いたって平和な日常です。父と息子が一緒に木片のヤスリがけ。微笑ましい。本人の意志に関係なく、巻き込まれてしまう尊も、若君の頼みとあらば別格の模様です。

    29、no.461、妬いちゃう!┅┅┅

    話は軽ーく展開していますが、唯はこの時、若君の子供を産み育て、守る!と決意しています(41話)。
    覚さんが、若君の今までを「諦め続ける人生だったんだな」と言いますが、そんな彼が出逢ったのが、諦めるなんて言葉、辞書にはない唯。惹かれて当然だと思います。
    この回のイチオシは、名を書くと言い出した若君が真っ先に書いたのが、速川の家族の名前だった所。走り書きとはいえ、これも大切に保管してある事でしょう。

    30、no.467、語り合おう┅┅┅

    お互いが尊敬の対象という、美しい兄弟愛です。生まれ変わっても、のくだりで、若君の答えに尊が驚いていましたが、これが唯に言わせると、とんちんかん(28話)なのでしょう。いや、これは心の純粋さゆえなんですが。

    31、no.472、腕が鳴るよ┅┅┅

    前段。一回しか着ない服を買わせるのは、と唯も若君も一旦遠慮します。いい子達です。しかし、二回目はありました(61話)。二人とも、二回目喜んで袖を通した事でしょう。
    後段。ひょんな事で、シェフデビューとなりました。観ていたのは、この日本当に放送されていたきょうの料理(no.491)。少しは、リアルを感じられたでしょうか。しかし鯛もあおさのりも、練習できる程買いこんでいたとは。覚さん、これがなかったら何を作ろうとしてたのでしょうか?

    32、no.476、泣けちゃう!┅┅┅

    しばらく若君は、両親を一人占めです。前回平成に来た時も、三人だけというシチュエーションはあった筈ですが、ここまでべったりではなかったでしょうね。懸命にモノにしようとする姿、そりゃあ頭も撫でたくなります。
    この回のお気に入りは、「微塵に、切る」。まるで刀に持ち替えたかのような、華麗なみじん切りが見られそう。

    33、no.477、笑顔を見せてね┅┅┅

    この日の美香子さん、午前の診察ちゃんと出来たのかと思う程、様子を見に来てます。
    覚さん、親の愛情は一方通行と言いました。実の息子ではない若君にも、惜しみなく注ぎます。

    34、no.481、伏せよ!┅┅┅

    車のドアを開けたら、体を頑張って小さくして潜んでた。びっくりだけどかわいい。
    若君のセーターの試着で、唯が腕まくりに興奮していましたが、腕フェチは間違いなく私です。ドラマの若君なら、5話、布団に横たわる姿を頭の方から足先に向けて映している時の、肩から腕のライン。ぼぉっとロウソクの光に浮かび上がっているのが良いです。あと、Blu-rayまたはDVD、SP版の映像特典の中の、クランクアップ集、美香子役の中島ひろ子さんの時、ちらっと映る、私服らしき白いパーカー姿。首の見え方もグッド。この白パーカーを、赤いセーターに脳内変換すると、私のイメージしたセーター姿に近づきます。

    35、no.484、腕の中で咲く花┅┅┅

    どれだけ唯がそこつ者でも、若君には花の蕾に見えるんだから愛の力はすごい。完璧な男性である若君、感性も豊かであって欲しいと思っております。

    36、no.486、行っちゃえ~┅┅┅

    あの手この手で、早いトコ唯と若君を二階に追いやりたかった三人。薄々怪しさに気づきながらも、理由がわからないので流されるように二階に行った二人。全ては録音のため(43話)でした。無事録れて良かった。

    37、no.489、絶妙な掛け合い┅┅┅

    自分の作品で好きな回ベスト3を挙げるとしたら、この回は2位です。唯と尊の言葉の応酬が大好きで、ずっとエンドレスに書いていられます。
    この中に、後に出てくる内容の伏線をいっぱい散りばめました。唯の願いが少しずつ叶っていきます。
    何かのインタビューで、結菜ちゃんが健太郎くんと、次に共演するなら20年後に倦怠期の夫婦役で、と言ってたのを見た覚えがあったので、関連させて入れ込みました。

    38、no.490、手さばきあざやか!┅┅┅

    無事シェフデビューを果たしました。どれも美味しそうです。来週も、と言えなかった両親がさみしそうですが、いつかきっと叶う筈。

    39、no.492、愛を届けます┅┅┅

    年賀状を書きました。このシステムに、唯よくぞ気付いた!しかし、部屋はそこらじゅう半紙だらけです。
    唯は、書かれた字を見て、読めないけど、素敵~と褒めてます。また書き終えた後、待てない若君が迫りますが、軽くいなしています。それぞれ徐々に大人な対応になってきています。

    40、no.493、時空を超えて┅┅┅

    受け取った年賀状を、喜びながらも読めなくて大騒ぎ。唯の願い通り、尊が気付いてくれました。いや、他に書ける所、あっただろと。←赤ペン瀧川さん風で

    41、no.497、フェードアウト┅┅┅

    高3の2学期終わりでの退学、余程の事情があるのだろうと、学校側は考えたでしょう。唯も覚もさみしそうだったし。若君は、朝父娘で出かけ昼過ぎても帰らない、またこの時持ち帰った唯の荷物など見て、ただならぬ雰囲気、どうやら…と感じ取ったのだと思います(46話)。

    42、no.500、お披露目です┅┅┅

    尊がかわいいのでしょう、やたらとからかわれています。まあ、若君に迫られたら、大抵の女子…男子もかも、は、落ちますよね。

    43、no.504、あの日の空と┅┅┅

    タイムラプス。最近はスマホでも撮れる機能がついていますが、2018年当時はそこまで普及していなかった模様なので、尊にデジカメを持たせました。
    オーディオコメンタリー。Blu-rayまたはDVD、本編版の音声特典で大人気でしたね。しゃべってる健太郎くんのお腹の鳴る音まで聞こえると。聞こえ過ぎて結菜ちゃんも呆れてましたね。私もイヤホン使用で聞こえました。今回、尊が鼻をすする音も、二人仲良くイヤホン使うと聞こえちゃうかも。

    44、no.515、冬に遊ぶ┅┅┅

    鏡の中の美しい若君にキュンキュンする唯。周りのアクセサリーが引き立ててました。だるまや雪だるまは江戸時代に登場したので、いくら唯が「歴史ありそうなのに」と思っても、わからなくて正解。
    彼氏が戦国武士である以外は、いたって普通なデートですが、これこそ唯が望んだ日常で貴重だと思います。

    45、no.516、ピッとね┅┅┅

    ICカードに馴染みのない方には分かりにくかったと思います。母心で名前まで入ってました。母心で言えば、唯に穿かせたいタイツを色々選んでいた時、きっと娘の可愛らしい姿を思い描いて、笑みがこぼれていた筈です。

    46、no.517、扉が開く┅┅┅

    唯のヘアスタイルが変わっていく様子をじっと観察。術だと目を見張っていましたが、綺麗に仕立てられていく様子にデレデレだったに違いないです。
    自動改札を、若君が恐る恐る通過した後に、何程でもないとサッサと通り抜けてくる唯が頼もしく、目立ちませんが守ってます。

    47、no.522、エスコートします┅┅┅

    この前の回もですが、公共の場ではしてはいけない事がある、と若君にちゃんと伝えないと、ラブシーンが展開されるので取り扱い注意です。
    混んだ電車内、「被さるように肘を壁に当てて立つ若君」は、Blu-rayまたはDVD、SP版の映像特典の中の、撮影現場メイキング「壁ドン撮影に密着!」内で、結菜ちゃんが冗談で、(どうせ壁ドンなら)これがいい!とやっていた仕草です。健太郎くんが笑いながら、ちっかー(近い)と言ってましたね。なんせ混み合う電車、あまり幅をとると人波に流されるかもしれないので、極力くっついてもらいました。

    48、no.523、告白します┅┅┅

    二人で写真を撮りながらじゃれあう姿、そっと物陰から見ていたい。
    キスシーンが出てきますが、平成Daysでは実はそんなに回数はありません。いや、多かったですかね?最終話ダイブ!の続き、7話、13話、15話、16話、この48話のみです。旅先で腹を決めた時でさえ、なかったのです実は。見ていない所でどうかは、知りません。

    49、no.524、風を纏って┅┅┅

    また、この世界に二人だけかのような展開です。空港そばですごくうるさいとは思うんですが、その分、より近づいて濃密な時間を過ごしています。
    芝生の話ですが、あれ?冬って枯れてない?と思ったので調べたら、夏芝・冬芝とあって、冬芝は冬でも緑色だそうなので、安心して二人を座らせました。

    50、no.525、手のひらに想い出┅┅┅

    若君は、カタカナは読めてない筈です。でも、これ名前なんだよと言われ、そうかと納得して喜んでいます。後にアルファベットも出てくるし(64話)、この先の世は名前一つでも覚える事が多くて大変、と思ったかもしれません。

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    返信先: 連絡掲示板
    確認致しました

    早速解除いただき、ありがとうございました。
    字数が多い文章ですか(ToT)あと二回、同じような長さの文章を投稿予定です。引っ掛からないのを切に願うしかないですね。もし、またやらかしてしまったら、ご対応はゆっくりで結構です。

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    返信先: 連絡掲示板
    またやってしまったようです

    創作倶楽部に先程投稿しましたが、反映されませんでした。投稿先欄には残っておりませんので、フィルターにかかったと思われます。もし引っ掛かっていましたら、解除をお願いいたします。
    また、NGワード系の話なら、原稿を再考いたします。お世話ばかりおかけしてすみません。

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    返信先: 創作倶楽部
    振り返ります二人の平成Days、25まで

    全70話プラス2話でお送りしてきました二人の平成Days、書きっぱなしもなんですし、1話ずつ簡単に振り返ります。いや、簡単じゃないかも…。私の投稿ばかり幅をとって申し訳ないとは思っております。

    通し番号、投稿番号、サブタイトルの順です。どんな話だったっけ?と遡って投稿を探したい時、サブタイトルとあと通し番号を、掲示板の記事検索欄(板の下の方にあります)に入力すると、ページを戻っていくより早いと思います。

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    ドラマ最終話ダイブ!の続き(通し番号なし)、no.329、~唯篇~&同じく、no.329、~若君篇~┅┅┅

    静かなひととき、ようやく訪れた二人だけの時間、いつまでも未遂では…個人の感想ですが。どうせなら、たっぷり満喫してもらわないとと思った次第です。あ、そういえば二人きりでなく、源三郎とトヨは見てましたね(no.336、梅とパインさんの作品)。
    若君篇の最後、この世界に二人だけかのような、と締めました。実際、頭に浮かんでいたフレーズは「We’re All Alone」です。曲もありますね。名曲です。
    この回の私のお気に入りは、唯篇の中で若君にもたれかかった唯が、若君の声を「声が体越しにも響いて、全身で若君を聴いているよう」と感じてる所です。唯だけに許される贅沢です。

    1、no.330、一日一日を大切に┅┅┅

    この回の肝はやはり、若君の語る「毎日誰かの誕生日、だから毎日大切」に尽きますが、若き人格者の彼だからこそ、生きた言葉になったなと実感しました。

    2、no.333、仲良きことは┅┅┅

    優しい若君は、じいをカートに乗せたいのですが、もし手に入ったとしても…

    じい「もっと早う走らせい!押せ!」

    小平太パパ「あまり早う走らせると、この道では腰にひびきますぞ」

    じ「いいから押せ!」

    小パ「はあ。知りませんよ、はい」

    じ「おっほ~。ん、ギャー!痛たたた!これ!早う止めんかぁぁ…」

    小パ「しまった、この道少し下っておったわ」

    …てな感じでしょう。

    3、no.338、おつかいできたかな┅┅┅

    ケーキ越しに若君なんて眼福もいいところ、店員さん達は超ラッキーです。漫画で背景に薔薇をしょって、でなくケーキをしょって?実際には米をしょって帰りました。

    4、no.346、賑やかな食卓┅┅┅

    もし若君が、エプロン姿で手巻き寿司作ってくれて渡してくれたら?そんなイベントあったら行列できそう。
    平成Days中、若君は唯の手料理を食べる事はありませんでした(48話)が、この時だけ、やたらデカくて具がはみ出まくっている手巻き寿司を食べさせられています。

    5-1、no.347、質問です┅┅┅

    落雁は、唯の甘~い思い出お菓子ですね。眺めていたい気持ちはわかる。そして、ただぼやっと過ごす事なく、何でも吸収しようとする若君に、言葉尻を捕らえられてしまいました。迂闊な事は言えません。真剣に聞いてますから。

    5-2、no.348、慈愛┅┅┅

    ドラマ本編やSPをご覧になっている皆さんに、ここまで事細かに経緯を伝える必要は、ホントはありません。この時点では、くどいなと感じられたと思います。でもこのあと、美香子さんは怒り心頭に発する(19話)ので、なぜそうなったかの伏線的な回でした。

    6、no.353、尊の指南┅┅┅

    尊が言えば若君が言う。オウム返し状態で、いかにも勉強してますといった風情の、かわいらしい相思相愛の兄弟の姿です。愛の囁きの言葉のほとんどを、尊が教えている事実。それこそ「面白い」。

    7、no.357、早起きは三文の徳┅┅┅

    朝からラブラブ過ぎたりして感情の起伏が激しかったので、この日の夜には、唯の体がおかしくなります(15話)。若君の中では、愛してる、は自分の想いを的確にとらえていて、腑に落ちたのでしょう。意味を理解していると言ってますし(16話)。しかし、伝え方が策士。

    8、no.358、速川家の婿殿┅┅┅

    この日、軽く転機を迎えます。若君の苗字を速川と書きました。こうやって、現代の生活に溶け込んでいきます。この時の美香子さんの機転が、後にICカード(50話)やDM(53話)に繋がりました。

    9、no.362、誓います┅┅┅

    SPの小垣城での別れの際の約束は、生き抜く、遠く離れていても、でした。この回で、傍らに居て、共に生き抜くと誓います。平成に飛ぶ直前、櫓の上で唯が「もう二度と離さないで」と呟きましたが、若君は微笑んだだけでした。彼が離さぬとはっきり告げるのはもっとずっと後(46話)ですが、この誓いを聞いて、唯は安心できたと思います。

    10、no.363、降臨!┅┅┅

    女子二名がキャーキャー選んでいます。これが母娘か、と微笑ましく思いながら相手を務める男子一名。一番大人しくて一番大人。

    11、no.364、親しみをこめて┅┅┅

    この日、大きい転機。呼び名が変わります。聞きなじみのない音の響きに、さぞかし戸惑ったでしょう。
    唯の事だから、彼氏っぽくって良くな~い?とか思ったに違いない。お慕いします若君、から一緒に居ようねたーくん!位の大転換。なれなれしいと言えばそうなんですが、現代では若君~と叫ぶ方が周りが驚きますから、たーくんで妥当だと思います。家族としても距離が縮まりました。

    12、no.368、本物だもの┅┅┅

    守ると決めたらトコトン守る。カメラマンに声をかけられても、一切若君に喋らせませんでした。世渡りも上手い唯。

    13、no.371、笑顔で完成┅┅┅

    ドタバタしながらも、順調に撮影。最後に指輪登場。きっとこの日一番の笑顔が撮れたと思います。

    14、no.375、家族の一員┅┅┅

    若君が、結婚指輪の意味や意義をどれだけ理解していたかはわかりません。唯が実際どう思ってたかの補足ですが、実は話の流れの関係で、除いたセリフがあります。

    覚「指輪、持って行きたいんじゃないのか?」

    唯「ううん。失くしたら立ち直れないから、置いてく」

    …ちゃんと納得の上でした。

    15、no.383、溢れるほどの┅┅┅

    一日色々あって、体調を崩したのでしょう。好きな女の子が目の前で大泣きしている。放っておく筈がない、と女の打算が働いたとは思いませんが、ちゃんとわがままを聞いてくれました。

    16、no.385、溢れたあとは┅┅┅

    ラブラブが展開されてる裏で、どこか調子っ外れな両親と、いつもツッコミ役に回らざるを得ない尊のコンビネーション。この対比が好きなので、所々出てきます。若君が頑張ってくれたおかげで、面会時間も一時間延びました。かなり自由度が増したと思います。

    17、no.388、邪魔しないで┅┅┅

    都合良く給湯器が壊れ、大きいお風呂の予行練習となりました。尊は、少しでも岩盤浴行ったのか?汗はかいたのか?行ってない気がします。

    18、no.392、ママ!┅┅┅

    この回で若君が、ありがとう、を使います。礼を申す、が良くない訳ではありませんが、彼なりにこうした方がいいんじゃないかと考えた結果の選択ではないかと。戦国言葉と現代語、二つを使い分ける、バイリンガル若君です。

    19、no.394、大事な息子┅┅┅

    親の心子知らずとしたモノで、ホントにこの子ったら!とかなり叱られてしまいました。唯もほとんど口を挟んでいません。そして口答えもせず素直に聞く。彼が知ったのは、唯が居る幸せプラス、実の子のように接してくれる両親や、慕ってくれる弟が居る幸せでした。

    20、no.395、歩み寄ります┅┅┅

    唯は完全浮かれモード。説明はほとんど、小姓の尊がしてます。with小姓…確かに柚子胡椒と似てる(2話)。呼ばれて返事をする時は、声を揃えると喜ばれるらしいと学習する若君。この回の中で変化していきます。

    21、no.404、願いは叶う┅┅┅

    イルミネーションと、夜の海。相反しますが、どちらの美しさにも感動。優しく見守る父と弟。そして、はしゃぐ女子二名。いくつになっても、女子にしといてあげてくださいな、覚さん。

    22、no.412、ひらめいた!┅┅┅

    ずーっと、考えていたんですねぇ。答えが出て良かった。豪華会席料理、旅行の醍醐味の一つですね。
    お気に入りは、若君が固形燃料が燃え尽きるのをじっと待ってるところ。松明やロウソクとはまた違う、揺らぐ炎。見入っちゃうのはわからなくもない。

    23、no.422、ショック!┅┅┅

    ジェンガ登場。見てる限り、若君は倒してばかりです。戦国の皆さんにお披露目する前に、猛特訓する筈。
    部屋割にグズグズする唯、この後の展開がわかっているから怖かったのかな。避けてひっぱたいてオロオロします。祝言あげたんじゃないのか!とツッコまないと。

    24、no.427、あなたの全て┅┅┅

    やっと、やっと…です。私のお話では無事?こうなりました。
    途中、おいで、と言っています。え、そこは、近う参れじゃないの?と思われたかも。どこで覚えたかですが、多分、覚さんが呼ぶ時に使ってたか、テレビで言ってたか。唯が、キュンとさせる作戦?と思いながらハマってるので、まあ良しとしてください。実際、目の前で言われたらドキッとするでしょうし。
    この回の肝は、唯が話す「言って」です。以前戦国にて、二人のお気に入りの場所で再会した時、唯が心で叫んだ言葉です。その時は、勿論どうしようもなかったけれど、欲しい答えは言ってもらえなかった唯。だから、流れでなんとなくでなく、どうしても若君の口から伝えて欲しかった。思っていた以上に優しく誠実に申し込んでくれて、感動していました。

    25、no.437、特別な朝┅┅┅

    終始、からかわれている唯です。ただ、この前の晩の話(60話)では、若君は好き好きモード爆発してます。唯はそれを知りませんが。愛する唯をとうとう手に入れて、安心した男の余裕、かもしれませんが、どちらかというと、好きな女子についちょっかい出しちゃう男子、に近いかな。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人のもしもDays3、記憶に残るお花見篇

    初めてご覧になる方へ。私が僭越ながら描きました妄想物語、「二人の平成Days」の設定で、唯と若君が、本来現代に居ない時季に居たなら、どう季節のイベントを過ごしたかをお送りしています。

    今年は、桜前線が通り過ぎるのが早いですね。早春の風情を、少しでも感じていただけたら。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    3月下旬のある日、夜8時の実験室。

    若君「…」

    尊「…」

    男子二人は、将棋を指している。

    唯「…」

    唯は、3月4月のカレンダーの拡大コピーに、何やら書き込んでいる。

    尊「お姉ちゃん、さっきから黙って何やってんの?妙に静かで変だし」

    唯「…は?作業中だから、邪魔しないでよ」

    尊「わざわざここでやる意味あんの?」

    唯「いいじゃん、9時まではたーくんのそばに居ても」

    若「傍には居るが、ずっとこのような案配なのじゃ」

    尊「えーっと、この状況を整理しないと訳わかんないな。まず若君は、姉が構ってくれないので僕の所に来た。だけど、なぜか姉はついて来た。ほったらかしなくせに近くには居たいらしい。…いや、そもそもさ、若君がフラれたってどういう事?!前代未聞、空前絶後!どうした姉ちゃん!」

    唯「…」

    尊「聞いてる?」

    唯「え?私?」

    尊「若君がこんな、捨てられた子犬みたいな顔してるのに」

    唯「あー、悩むなー」

    尊「聞いてないな。一体何してんの」

    唯「いつ、花見に行こうかと」

    尊「花見?黒羽城公園だってまあまあ咲くよ?」

    唯「わかってる。せっかくだから、わさわさ~っていっぱい咲く名所に、たーくんを連れてってあげたいの」

    尊「ほー。そんなん、行く場所決めればすぐじゃん。何か所も行くの?」

    唯「たぶん一か所しか行かない」

    尊「じゃあ何でそんなに悩むの」

    唯「名所ってさ、たいてい桜祭りとかやるじゃない」

    尊「やるね。凄い人だよ。僕なら、桜より人が多い所は行きたくない」

    唯「桜は咲いてるけど、お祭りはやってない時に行きたいの」

    尊「へ?出店とかないよ?いいの?」

    唯「超イケメンのたーくんを、そんな人混みに連れてったら…」

    尊「囲まれそうで、守るのが大変?」

    唯「さらわれそうで、守るのが大変」

    尊「まさか、と言いたいところだけど、スカウト的なのは有り得るな」

    唯「だから、最新の開花状況と、いろんな名所のお祭りの日程を書き込んでんの」

    尊「なるほど、それはかなり複雑だ。…じゃあ、僕も考えるよ」

    唯「え、関係ないのにいいの?」

    尊「僕も一緒に行きたくなった。デートの邪魔はしないからさ」

    若「尊も共に?」

    唯「え?それは逆に、二人でたーくん守れるから安心だけど、なんで?」

    尊「人がそこまで居ないから、静かに花見ができそう」

    若「全く以て出るのは苦手、ではないのじゃな」

    尊「はい。若君と遠出もいいかなって」

    唯「私が邪魔みたいじゃない」

    尊「そうかも?ウソウソ、じゃあ将棋の続きはまたという事で。お姉ちゃん、考えとくからさ」

    唯「なに」

    尊「早く子犬拾ってあげて」

    唯「え?あ、お待たせ~たーくん、ごめんね~」

    尊がバイバイと手を振る。

    唯「ん?出てけって?」

    尊「制限時間が迫っていますどうぞお時間を有効にお使いください」

    唯「なによその棒読み~」

    若「ならば唯、部屋へ参ろう。尊、忝ない。また9時に戻るゆえ」

    尊「はい、お待ちしてますね」

    二人を見送る尊。

    尊「子犬かそれとも狼か。まぁ、どのようにでも」

    9時。若君が実験室に戻って来た。

    尊「お帰りなさい。大体、書き込みましたよ」

    表は、パソコンの中に作成済み。

    若「おぉ、さすがに尊、事が早いのう」

    尊「超体育会系の姉が考えるより、超理系の僕が考えた方が、早いは早いですね」

    若「その、超何系とやらは」

    尊「はい?」

    若「わしならば、どのように表す?」

    尊「あー。えっと、何か一つの分野が優れているとそう言うんです。僕だと、こういうのは得意ですけど、運動は全くダメですから。若君は、全てに優れているから、当てはまる物はないです」

    若「弱い分野、はあるぞ」

    尊「何ですか?」

    若「唯じゃ」

    尊「なるほど」

    若「ハハハ」

    ドアを叩く音。

    覚「おーい、また何か作ってるのか?コーヒー持って来たぞ」

    覚が、お盆片手に入って来た。

    尊「お父さん、ありがとう」

    若「痛み入ります」

    覚「将棋か。ん?何だこの、線だらけの紙は?」

    尊「お姉ちゃんが、若君と花見に行きたくて、日程を吟味してた跡」

    覚「花見?黒羽城公園もそろそろ咲くじゃないか」

    尊「やっぱりそう思うよねぇ。若君を、名所に連れて行きたいんだって。でも、お祭りとかやってない時がいいって言うから、どうずらすか日程をパソコンに入れ直してたんだよ」

    覚「どんな桜が見たいんだ?」

    尊「どんな?それは聞いてない。やっぱり満開なんだろうと思うけど」

    覚「オススメの、桜の名所があるんだがな。ただ、満開じゃなく、終わりかけがいいんだ」

    尊「散りかけって事?」

    覚「ああ。風情があるから、若君は気に入ると思うけどな。お前達さえ良ければ、車で乗せてくぞ」

    尊「え、いいの?って、お姉ちゃん居ないのに決められないか」

    若「父上がそう仰せられると、是非にとは思いますが」

    覚「一つだけ条件があるしな」

    尊「何?」

    覚「家を、朝3時頃に出発する」

    尊&若「えっ」

    翌日。

    唯「じゃあ、満開の桜は、いつもの公園で楽しめって?」

    覚「満開だけじゃないぞ。桜は、ちらほら咲き始める様子もいい。近いから頻繁に行って、そういう移り変わりも楽しめばいい」

    唯「そのオススメスポット、わさわさ~っていっぱい咲く?」

    覚「勿論だ。朝早く行くから、人は居ないし」

    唯「わかった。じゃあメインのお花見はそっちにするよ。いつ頃行くの?」

    覚「多分、4月始めのどこかだ。開花状況で変わるから、行くと決めた日の前の晩に言うからな」

    4月になりました。第一週。

    覚「明日、決行だ」

    唯「わかったー。今日は早く寝ないとね」

    尊「面会時間終わったら、すぐ寝ますか」

    若「そうじゃな」

    美香子「今年も行くのね」

    覚「行ける時はな。目測を誤って、シャッターチャンスを逃した年もあったが」

    唯「たーくん、お父さんね、実はカメラが趣味なの。あそこに並んでるでしょ」

    リビング奥の棚に、ずらりとカメラが並ぶ。

    若「あれは、使いもするのじゃな」

    唯「使うって?」

    若「父上が、よく磨いては戻されるので、ただ眺めて愛でる物かと」

    美「あら~。これはお父さん、ぜひいい作品撮影して、若君に見せてあげないと」

    覚「そうだなー」

    翌朝3時。まだ真っ暗。車に乗り込む四人。

    覚「では出発、じゃないな、出立いたす」

    唯&若&尊「ははっ」

    尊「お母さんも行きたかっただろうね」

    覚「平日だからな。渾身の一枚を土産にする。着いたら起こすから、寝てていいぞ」

    唯「おやすみー」

    尊「早っ」

    しばらく車内は静かだったが、

    若「父上」

    覚「え?あ、若君起きてたのか」

    若「父上が運転する中、眠るのは忍びなく」

    覚「そうか~。若君が優しい息子で嬉しいよ」

    若「遠方なのですね」

    覚「車で一時間位かな?あ、最寄り駅からそう遠くないから、電車でも行けるよ」

    若「そうですか」

    覚「もし、また行ける時があったら、な」

    若「はい」

    覚「桜はどう?永禄のとは全然違うだろうけど」

    若「城にも桜はありました」

    覚「そうなんだ」

    若「本数の多さにも驚きましたが、色が違います」

    覚「その当時は山桜かな。確か白いよね。今、主に咲いてるソメイヨシノは、もっと後の時代に生まれた品種だからね」

    若「唯が、これが桜色だと申しておりました。あと、一斉に咲くと聞き、どうしても解せぬのです」

    覚「あぁ、接ぎ木で増やすからね。全部が元の木の分身だから、咲く時期も同じ。クローンってヤツだ」

    若「それがわからぬのです」

    覚「尊には聞いた?」

    若「はい。ただ、詳しく尋ねようとしたら、唯が、そういう物と理解せよと」

    覚「変な横槍が入った?ごめんね、乱暴な娘で。また尊にこっそり聞くといいよ」

    若「ハハハ、はい」

    4時半頃到着。辺りはまだ暗い。現地は、比較的小さな川。川に架かる橋の上で三脚を立てる覚。

    覚「早く出た甲斐あって、いい位置に陣取れたよ。あ?これも戦っぽい言葉だな」

    両岸に、何キロにも渡り桜が植えられている名所。まだ点いている街灯に、所々照らされ、長く続く様が見える。

    唯「すごーい、左を見ても、右を見ても、奥までずーっと桜!」

    枝が競うように伸び、川の中央でクロスする所も多い。

    尊「桜のトンネルだね」

    唯「キレイ~。あっ、川の中見て!」

    若「おおっ」

    尊「わー、花びらで埋まってる。一面ピンク色だ!」

    覚「花筏って言うんだぞ。川面に浮かぶ花びらを、こう表現する」

    若「花筏…実に美しい」

    覚「黒羽城公園は、お堀だから水の流れがないが、ここはゆったりと流れるから、それがまた筏らしくていいんだ。満開過ぎてるからこその風景だな」

    唯「で、これがオススメスポットのオススメ?」

    覚「これもいいんだが、そろそろ日の出だから、もうすぐだ」

    唯「ふーん。充分キレイだけど、なんだろ」

    しばらく待っていると、ようやく日が差してきた。覚がカメラを準備する。

    尊「なんだろ?ワクワクするね、若君」

    若「そうじゃな」

    その時、一瞬、風がそよいだ。

    覚「よし、今だ」

    優しい風に背中を押されるように、大勢の花びら達が枝から一斉に飛び立ち、辺りに舞い降りる。朝の柔らかい光を纏いながら、はらはらと踊り、橋の上にもやってきた。

    唯「わぁ、すごい!待って、待って」

    尊「えいっ、あー、惜しい!」

    桜色の世界を逃さないよう、頻りにシャッターを切る覚。花びらを捕らえようとはしゃぐ唯と尊。

    若「なんと雅な…」

    桜の最後の姿に見惚れる若君。そこへ、

    唯「んん~!」

    花びら一枚くわえた唯が、見てーとばかりに走ってきた。

    若「ほぅ、見事に咥えたのう。手ではなく口、が、いかにも唯らしいが」

    唯の唇から、桜をそっとつまみ取った若君。

    唯「うまく捕まえたでしょ?」

    若「あぁ。ただ…」

    唯「なに?あっ」

    若君の顔が近づく。周りを気にしながらも、そのまま花びら舞う中で口づけた。

    若「…桜に先を越され、ちと気に食わぬがの」

    唯「え、花びらに嫉妬?たーくん、なんてかわいいの~」

    ひとしきり撮影した覚が、デジカメを取り出した。

    覚 心の声(子供達も撮っておこう)

    眩しさを増した朝日を浴びて、桜が煌めく中、三人の姿を遠巻きに撮影。

    覚 心(もう十年以上前になるな)

    唯と尊は忘れてしまっているが、二人が小さい時、家族四人でここには訪れている。

    覚 心(あの頃と同じはしゃぎ方だ)

    カメラを持つ手を下ろし、三人の姿を見つめ微笑む。

    覚 心(若君も…もしその頃一緒に居たら、きっと喜んでくれただろうな)

    小さくも凛々しかったであろう、若君の子供時代を想像し、思いを馳せた。目を閉じると、子供の姿で三人が駆け回る。

    若「父上?」

    覚「…あ、あー若君か。どう?この桜」

    若「はい。儚げな様に趣があり、大変気に入りました」

    覚「良かった。春の風って、昼過ぎると強いだろ?この、落とすか落とさないか、って位の風はやっぱり朝なんだよ。ここは川幅が狭いから、綺麗にカメラのフレームに収まってこれまたいいんだ。って、あっ、つい熱く語っちゃったな」

    若「ハハハ。それゆえ、今、此処、なのですね」

    唯と尊が戻って来た。

    尊「お父さん、時々花筏がボコっと動くんだけど、何か魚いるの?」

    覚「あー、ここは鯉も鮒もいる。あそこに階段見えるだろ、近くまで下りられるぞ」

    唯「行く行くー。たーくん、行こっ」

    川岸近くで魚を見つけ、はしゃぐ三人。

    覚 心(連れてきて良かった。なにより僕が癒される)

    そろそろ帰ります。車に乗り込む。

    尊「お姉ちゃん、黒羽城公園には毎日行ったんでしょ?」

    唯「うん、たーくんと観察した」

    尊「写真、撮ってるよね?」

    唯「撮った。なんで?」

    尊「後でスマホ貸して。パソコンに、この前作ったカレンダーそのまま残ってるから、日付の所に写真貼り付けて、桜カレンダー作ってあげるよ」

    唯「えー、ありがとう~」

    若「唯」

    唯「はい?」

    若「今後、花見に行くならば、祭りがある時分で構わぬ」

    唯「そう?なんで?」

    若「満開になる頃、公園に少しだが店が出ておった。祭りは、そのような店が多く出るのであろう?」

    唯「うん」

    若「片っ端から、全て買うて食しておったじゃろ。唯は、店がある方が良かろうと思うての。己の身は己で守るゆえ」

    尊「あはは~、食い意地を見透かされてるよ」

    唯「やだぁ。じゃあいつか、行こうね!どのお祭りに行こっかな~」

    若「ハハハ。…父上」

    覚「何?若君」

    若「この桜、生涯忘れませぬ」

    覚「ありがとう。連れて来た甲斐があったよ」

    朝8時。ただいま帰りました。

    唯「お母さん、ただいまー。あーお腹空いたぁ」

    美「おかえりなさい。朝ごはん、できてるわよ」

    尊「わー、お母さんのご飯、久しぶりだ」

    若「母上も、作られるのですね」

    美「ちゃーんと、作れるのよ?」

    若「ご無礼致しました」

    覚「ただいま。母さん済まない、クリニックの準備もあるのに」

    美「いいわよ~期せずして若君に、私の腕も披露できたし。じゃあ食べてね。準備しに行くわ」

    覚「ありがとな」

    四人を見届け、クリニックへの廊下を歩く美香子。何かに気付いた。

    美「まぁ~、可愛いお客様が」

    廊下に、体にくっついて来たらしい花びらが、点々と数枚落ちている。

    美「そのままにしときましょ」

    桜、の唄を口ずさみながら、クリニックに入っていった。

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    ずっと、美しい自然でありますように。

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    返信先: 創作倶楽部
    今までの二人の平成Days、番号とあらすじ、51から最終話まで

    no.529の続きです。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    51no.527、12/22、現代語と機転が完璧でコーチも納得

    52no.528、12/22、プレゼント決定。帰りの電車で戯れる

    53no.530、12/22、二人宛のDMが待ち遠しい

    二人のもしもDays2no.533、とある年の2月中旬、お手製雛飾りの前で祝言を再現

    54no.534、12/22、メッセージカード作成

    55no.535、12/22、爆笑テレビショッピング

    56no.536、12/22、涙涙でコメント聞けない

    57no.537、12/22、写真集見ながら姉弟コント

    58no.540、12/22、風呂あがりも超ラブラブ

    59no.544、12/22、布団五組並べて語り合う

    60no.545、12/16、好きが溢れる夜から朝

    61no.546、12/23、公園の案内板換えました

    62no.547、12/23、背中借りて決意の涙

    63no.548、12/23、ジェンガにそっくりなアレ

    64no.549、12/23、荷物確認。ハネムーンのようにレイを

    65no.551、12/23、呼び名戻す問題と餞の丸いケーキ

    66no.552、12/23、クリスマスパーティー。クラッカーに感心する若君

    67no.557、12/23、ケーキ入刀。若君の様子がおかしい

    68no.559、12/23、わかってるから隠さないで

    69(終)no.560、12/23、三人へのプレゼントを部屋のドアに。未来の展望を語る二人

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    返信先: 創作倶楽部
    ありがとうございました

    創作倶楽部が大賑わいでございます。

    梅とパインさん、ぷくぷくさん、てんころりんさん、ありがとうございます。

    全ての方に好まれて納得していただける物語、はそもそも無理です。お気に召さなかった回もあったと思いますが、その中で例え一話でも、心の琴線に触れるお話があったのなら、それだけで万々歳!恐悦至極に存じます。

    てんころりんさん、寸止め派。だと思いました。足早でも、読んでいただけて良かったです。

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    返信先: 創作倶楽部
    25秒の世界

    この度、無事に最終回まで辿り着けましたのも、温かく応援ならびに見守ってくださった皆様のお陰です。誠にありがとうございました。

    ドラマSPの、描かれなかった隙間を埋めたい。改めて結婚の許しを得た後から始めよう、終わりは実験室に五人居る直前に。途中どんな物語があったか、あって欲しいか。既に他の妄想作家様が書かれていたのは承知の上で、自分の解釈でやってみようと描き始めた次第です。なので、他の作家様が使われたモチーフや、連れて行ったデートスポットは極力避けたつもりです。

    SP、尊が若君に頭を下げた後から、パーティーでケーキ入刀終わるまで。これが、25秒でした。これを、長々と70話に伸ばし伸ばし。一話一話は、あえて短めに作ったつもりですが、それでも70回投稿してるんだから…。創作倶楽部があって良かったです。

    さて、これでしばらくお休み…なんて事はありません。今後の投稿予定ですが、まずは、最終回までの番号とあらすじの表を出します。そして、二人のもしもDaysを一つ出します。

    次に、最初から一話ずつ簡単?に振り返ります。番号とあらすじの表と同じに、三回に分けて説明いたします。今読むとなるとこっ恥ずかしいですが、書きっぱなしもなんですので、弁解・補足・込めた思いの説明などいたします。というかさせてください。

    その後は…文章が長くなりました。いずれ、お話ししますね(*^_^*)

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days69(終)~23日23時、永遠に名を呼んで!

    笑って、笑って。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    リビングに下りてきた。三人が立ち上がり出迎える。

    覚「おー、おかえり。今、ホットミルクいれるからな。これでホッと、してくれ」

    美香子「お父さん~」

    唯「ふふっ、お父さんありがと」

    尊「お姉ちゃん、もう写真足しといたから。で、あと」

    唯「ありがとう~、尊~。でなに?」

    尊「葉書、ラミネート加工して入れといたよ。その方がいいと思って」

    唯「えー!超仕事早っ!」

    唯、尊に抱きつき、ギュー。

    尊「わあっ!なんでだよ!」

    唯「嬉しい~!ありがとね!」

    若君が、深く一礼する。

    若君「気を遣わせてしまい、誠に申し訳、ありませんでした」

    覚「いいんだよ。まぁ、良かった良かった」

    美「若君、私からは少し言わせてね。まず、唯の母としては」

    若「はい、母上」

    美「ウチの娘は、たわけたおなごではあるけれど」

    唯「あー」

    若「ハハッ…はい」

    美「ちゃんと若君を理解してますから。もう少し、唯に心を許して、隠し事のないようにしてくださいね」

    若「はい」

    美「忠清くんの母としては…もうこの子ったら、いじらしくって、かわいくって~!くちゃくちゃーってこねくりまわしたいわ~」

    若「こね、くり?」

    尊「ちょっとー、いい場面が変な方向に行ってるよー、台なしじゃん」

    唯「お母さんに揉みくちゃにされてる、たーくんも悪くないけど」

    美「えー?いいのー?」

    覚「そこ、ストーップ!ホットミルク全員分あるから、座って」

    最後の団欒でした。

    唯「そろそろ、着替えるよ」

    美「わかった。じゃ、行きましょ」

    着物の置いてある、両親の部屋へ。

    美「若君は、一人で大丈夫よね。私は、唯に着付けながら逆を向いてるから、気にせず着替えてね」

    若「はい、わかりました」

    唯「って事は、私からは丸見え…」

    美「まだそんな事言ってる。そうよ、若君からも、唯の着替えは丸見え。はい、脱いで脱いで」

    唯「ひぇ~」

    永禄仕様に、着替え完了。

    唯「ありがとう、お母さん」

    美「どういたしまして」

    唯「レイが、私の部屋にあるから取ってくるよ。お母さん、先に下行ってて」

    美「わかったわ。ゆっくりでいいわよ。三人でリビングで待ってるから」

    唯「ありがとう」

    若「ありがとうございます」

    唯達は、部屋を移動。母は、階段を下りていった。

    唯「よし、行ったね。じゃあたーくん、まず」

    ベッドの上のレイをそれぞれ首にかけた。そして、布団をめくる。そこには、プレゼントとメッセージを入れた、靴下型の巾着袋が三つ。

    唯「たーくん、尊の部屋のドアノブに、これ引っ掛けてきて」

    若「あいわかった」

    唯は、両親の部屋のドアノブに、同じく二つぶら下げた。

    唯「よし、完了。三人の驚く顔は、見れないけど」

    若「直々には渡さぬのだな」

    唯「サンタさんは、知らない内に現れて、プレゼント置いてくの」

    若「そうか」

    唯「うん。お父さん、お母さん、尊、一日早いけど…メリークリスマス」

    若「メリー、クリスマス」

    唯「あっ、ありがとう~」

    唯の部屋に戻る。しばらく、沈黙。

    唯「へへ、つい黙っちゃった。あっそうそう、昨日デパートで、コーチに会ったじゃない」

    若「あぁ。あのコーチ殿なら、良い形で唯の事を伝えて貰えるであろうの」

    唯「お母さんに、さっきお風呂でその話をしたの。そしたら、若君最高!って、めっちゃ褒めてたよ」

    若「そうか?」

    唯「周りでそういう話になったら、合わせといてくれるって」

    若「父上母上に、迷惑はかからぬのじゃな?」

    唯「うん、大丈夫。あ~今思い出しても、あの時のたーくん…いや若君は、カッコ良かったあ」

    若「ん?」

    唯「そろそろ戻そうと」

    若「そうか。閨ではそのままで良いぞ」

    唯「いやん。じゃあ、おじいちゃんになっても、たーくんで」

    若「…その歳ならば、お手柔らかに頼む」

    唯「ん?どゆこと?尊には聞…かない方が良さそうな話?」

    若「ハハハ」

    唯「この手もそろそろ終わりだね」

    若「…唯」

    唯「はい」

    若「愛してる」

    唯「えっ?やだ、不意討ちなんて、心の準備が~」

    若「日毎に、想いは募る」

    唯「えー。なんて嬉しいコト言うのぉ」

    若「なぜであろうか」

    唯「え?私に聞く?」

    若「フッ、問うてみただけじゃ」

    唯「なにそれ~また?」

    若「一向にわからぬゆえ、ずっと共に居り、探る」

    唯「えー、それって、答えがわかったらどうなるの?まさか飽きて捨てられる…やだやだ、怖っ!」

    若「それは、天に誓って、永遠にない」

    唯「そう?安心していいのかな」

    若「唯は、誠、面白い。これからも、輝くその姿でずっと、わしの傍で跳ねて欲しい」

    唯「跳ねる?」

    若「雀のようにの」

    唯「雀?んー?まっ、かわいいからいっか。でも、面白いに戻るんだ?」

    若「ハハハ」

    若君が写真立てに目をやった。唯がメダルをくわえる例の写真は、時空の旅を経て、ここに戻って来ている。

    若「平成ライフ、もそろそろ終わりじゃ」

    唯「あーその言い方、あったね~。懐かしい」

    若「これから旅立つが」

    唯「はい」

    若「唯の様々な決意を胸に、必ずや守り抜く」

    唯「ありがとう。これからも、若君を守ります。あっ違った」

    若「違った?」

    唯「若君と子供たちを守るよ」

    若「子供達、か。無論、男子が跡継ぎとして必要じゃが、もし女子が産まれたら」

    唯「うん?」

    若「嫁には出さぬ」

    唯「えぇ?そんなん、戦国武将っつーか、親としてどうなの」

    若「唯に瓜二つの娘など、手離せぬ」

    唯「あらら。今から親バカ…えっと、溺愛でどうするの?」

    若「そうか、ハハッ」

    唯「うふふ」

    若「ハハハ。…それでは、良いか」

    唯「はい」

    若君が唯の手を取った。

    若「唯、参るぞ」

    唯「はいっ!若君さま」

    三人の待つリビングへ、そして、五人で実験室へ入って行きました。

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    二人の未来は、幸しかない。

    ご覧いただいた、全ての方に感謝です。長い間、お付き合いくださいまして、本当にありがとうございました。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days68~23日21時、開いてみせて!

    良き妻じゃよ。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    唯「ちょっとだけ、二人きりになりたい。いい?」

    覚「行ってこい」

    美香子「うん」

    若君「どうした?」

    唯「いいから」

    若君の手を引き、二階へ上がる。

    覚「若君、あのままではな」

    美「やっぱりそう思う?」

    尊「えっ、どうなっちゃうの?時間ないよ?」

    覚「そうだがな」

    尊「さっき、お風呂ですごく楽しそうだったのに。あんなに笑う若君、見たことないよ?」

    覚「だから余計にだろ」

    尊「そういう事か…」

    美「あまり、思い詰めて欲しくないけどね」

    覚「彼の中でどう消化できるかは、唯にかかってるな」

    唯の部屋。ドアを閉めるやいなや、

    唯「たーくん、なんで言わないの!」

    若「何を申せと」

    唯「もうすぐ永禄に帰れる。嬉しい?」

    若「嬉しいのう」

    唯「そうは見えない」

    若「そんな筈はない」

    唯「今から帰る。これは決まってる、変わらない。でも、気持ちとして、帰りたくないと思ってはいけない、なんてない」

    若「それは…ない」

    唯「どうして隠すの?」

    若「隠すなど…」

    唯が大きく息を吸った。怒りをあらわにする。

    唯「この、大たわけっ!!」

    若「どうしたというのじゃ」

    涙目になっている。

    若「なっ、何ゆえ」

    唯「私、たーくんと心が通じあったと思ってた」

    若「それは変わってはおらぬぞ」

    唯「私は、たーくんが何考えてるかわかった。でも、たーくんは私に心を開いてくれない!」

    若「…」

    唯「さみしいとか、離れるのが辛いとか、思ったっていいんだよ!心が揺れたっていいじゃない。ずっと強いたーくんでいなきゃいけないなんてない!でも、でもその気持ちは打ち明けて欲しかった…気持ちを分かち合うって、こんな時必要なんじゃないの?なんにも言ってもらえなくてすっごく悲しい、悔しい!こんなにそばに居るのに…うゎーん!」

    子供のように泣き出した。

    若「唯…」

    困惑し、立ち尽くす若君。

    唯「うっ、うっ…」

    若「済まぬ」

    唯「見抜かれた、って思ってるでしょ」

    若「思うておる。されど」

    唯「あー、いいから。羽木家総領たる者、たとえ妻であろうと弱みを見せてはいけない、違う?」

    若「唯がここまでわしをわかってくれておる事に、心及ばなかった。済まない」

    唯「さっきあんなに怒ったのも、私にじゃなくて自分にだったんじゃないの?もしかして」

    若「そう思われて然るべきじゃ。どう詫びても詫び切れぬ」

    若君が、指で唯の頬を拭った。

    若「泣かせて悪かった」

    唯「たーくんも、泣いとこっか?泣くってね、いろんなモヤモヤも流れていってすっきりするんだよ」

    若「強くは申さぬのじゃな。こんなわしであるのに」

    唯「泣けなんて怒鳴りはしません。優しい妻なので」

    若「そうじゃな。誠、最上級の」

    唯「あっ、嬉しい」

    落ち着きを取り戻し、笑顔を見せる唯。

    若「笑うてくれたの」

    唯「うん。じゃあ、背中貸そか?」

    若「ハハッ、いや、是非正面で頼む」

    唯「ふふっ。じゃあ~ギュ?」

    若「ギュ、じゃな」

    唯「あっ、ちょっと待って」

    首にかけていたレイを取り、そっと二人分ベッドに乗せた。

    唯「これで良しと」

    ふと、ベッド横の壁に掛かっている、襷などの陸上部グッズが目に入った。

    唯「…あ、思い出した」

    若「ん?」

    唯「えっと、手、広げてくれる?」

    若「手?」

    唯「たーくんにゴールしたい」

    若「ゴール?ようわからぬが、こうか?」

    若君が腕を広げて、待ち構える仕草に。

    唯 心の声(あ~、夢に見たたーくんだ…走って走って頑張った私を、ゴールで待っててくれたあの!)

    若「妙に嬉しそうじゃの。何がいつもとどう違う?」

    唯「えへ。違うんだなぁ~これが」

    若「そうなのか。では唯、此処へ」

    唯「はいっ!速川行きまーす!」

    若「おぉっ」

    ぴょーん、とゴール!からのギュー。

    唯「あのね、お父さんもお母さんも、多分気付いてる」

    若「そうか」

    唯「だから、気の済むまで時間かけていいから」

    若「…忝ない」

    静かに抱き合う二人。

    唯 心(私もまだまだ、良き妻には程遠いなぁ。せめて、たーくんがこんな時、プライドを傷つけないようにしてあげたいな)

    若「ズズッ、あー」

    唯「あ?」

    腕を離して、顔を見る。

    唯「えっ!めっちゃ泣いてた!ぐちょぐちょじゃない!」

    慌てて、ティッシュケースを差し出した。鼻をかんでいる。

    若「唯の優しさに、気が緩んでしもうた」

    唯「ちょっと予想外でびっくり」

    若「泣き納めじゃ」

    唯「そっか。でも、これから私には、たーくんの弱い所も見せてね」

    若「そうじゃな」

    唯「約束だよぉ」

    若「肝に銘じる」

    唯「ふふっ、良かろう」

    若「ふう、酷い顔になっておろう?」

    唯「ううん、大丈夫。真夏の撮影で着物なんか着せられちゃって、放送は冬なのに、やたら顔がほてってる俳優さんみたいになってるだけ」

    若「なんじゃ?その言い回しは」

    唯「なんにも。じゃ、みんな待ってるから、一旦下に戻ろうね」

    若「あぁ、謝らねばならぬしの」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    次回、いよいよラストです。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days67~23日19時、怒りの矛先は

    一人何を思う。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    唯が、ナイフに飾りを付けている。

    唯「へっへ~」

    尊「何それ?あー、ウェディングケーキ入刀風にね。いいんじゃない?」

    唯「披露宴するならぁ~、ケーキは全部食べられる大きいのがいいなー」

    美香子「あぁ、入刀する部分だけじゃなくて」

    唯「だっていっぱい食べたいじゃん」

    尊「そんな時まで、食い意地が始動!」

    美「唯、大きく勘違いしてるけど、花嫁はほとんど披露宴の食事は食べられないわよ?お色直しを全くしないとか、誰にもスピーチしてもらわないなら別だけど」

    唯「え!そうなの!やだー。だから教会で二人だけの式とかあるんだ?」

    尊「それは違うと思う」

    唯「ひとまず、この目の前のケーキは食べられる。たーくん、ケーキ切るからね、一緒にナイフ持ってぇ」

    若君「切るのみなら、早々に終わりそうなものじゃが」

    美「若君、全女子の夢を叶えてあげて」

    若「それは随分と大仰な?わかりました」

    入刀します。若君が手を添える。その様子をパチリと撮影。

    尊「あ、この写真も欲しいよね?後でプリントアウトしておくよ」

    唯「わー、ありがと~」

    覚「間に合うのか?」

    尊「余裕。お姉ちゃん達が着替えてる時間にやるよ」

    ケーキ切り分けました。

    若「おぉ、この形なら見覚えがあるのう。ケーキとは、初めは丸い物なのじゃな」

    美「最近はそうでないのもあるけどね」

    尊「若君にとっては、ここ数年なんか全部最近だよ」

    美「そうでした」

    パーティーもそろそろお開きです。

    唯「あー、お腹いっぱい」

    尊「さすがに?」

    唯「今度いつ、満腹になれるかわかんないもん、食べるよー」

    尊「確かに」

    若君が、スッと席を立った。後ろへ歩いていく。

    唯「…」

    奥の棚に歩み寄り、じっと見つめている。指輪もだが、家族五人の記念写真も、既に飾ってある。

    尊「ついて行かないんだ」

    唯「来るなオーラが出てるから」

    尊「そう?なんだ」

    覚「温かいお茶でもいれるか」

    覚がキッチンに向かう。若君の様子を少し覗くが、その顔がかなり驚いている。

    美「お父さん?」

    急須や茶筒を手に小走りに戻り、ひそひそ話し始める覚。

    美「何だったの?」

    覚「若君が、物凄い形相で壁を睨んでいるんだ」

    美「壁?指輪や写真じゃなくて?」

    覚「ああ。あれは、何かに怒っているというよりは」

    唯「何?」

    覚「自分自身に苛立ってる感じだな」

    若君が戻ってきた。いつもの柔和な表情。

    唯「たーくん」

    若「なんじゃ?」

    唯「さっきから、全然笑ってないね」

    若「そんな事はなかろう」

    唯「えーい!」

    若君の頬をむにーと伸ばす。

    美「まぁっ!唯、何するの!」

    若「ハハッ、いえ母上、良いのです」

    静かに微笑む若君。

    唯「…」

    トナカイの角や鼻を外しながら、唯はずっと考え込んでいる。

    覚「はい、お茶どうぞ」

    お茶を飲みながらも、全員の視線が若君に注がれている。

    若「皆、いかがされた?」

    美「若君、なんかさみしそうね」

    唯「さみしそう…さみしそう。たーくん」

    若「なんじゃ?」

    唯「もうすぐ永禄だね」

    若「そうじゃ」

    唯「何か言いたい事、ない?」

    若「言いたい事…月が高い内に行かねばの」

    唯「それだけ?」

    若「それだけ、とは?」

    唯「…わかったよ、たーくんが何考えてるか」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    続きます。

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    返信先: 創作倶楽部
    なかなか探せません

    妖怪千年おばばさん、NGワードを見つけるのはちょっと大変ですよね。
    でもそのお陰で安心して掲示板が使えるので、ありがたいと思います。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days66~23日18時、パーティー始めます

    刻一刻と迫るその時間。あ、クラッカーね。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    男性陣、お風呂出ました。

    尊「あはははー」

    覚「あー、楽しかった。若君、ありがとう」

    若君「ハハハ、いえ」

    美香子「大騒ぎね」

    覚「いやー、いい時間だった。風呂はスーパー銭湯でもホテルでも一緒だったけど、家の風呂はまた一味違ってさ」

    美「どう違った?」

    覚「より親密になれる」

    美「あら~良かったわね。じゃあ私達も続いて入りましょ」

    唯「はーい」

    覚「ちょっと休憩したら、そろそろ揚げ物始めるよ」

    若「はい父上。手伝います、尊と」

    尊「あっ、はい若君」

    お風呂。

    唯「お母さん、私気になる事があって」

    美「どうしたの?」

    唯「たーくん、もうすぐ永禄に帰れるから、もっと嬉しい顔してもいいと思うんだけど」

    美「んー、そんなに気持ちが前面に出る子ではないけど、確かにそれは思うわね」

    唯「帰るまでに何か起きるかも」

    美「一応、気にしておくわね。逆に唯は、朝より心なしか顔がスッキリしてるわ」

    唯「えっ?そっかー。たーくんが、色々気にしてくれて、話もいっぱいしたからかな」

    美「まあ、そうなの。若君はホントに心配りが素晴らしいわね」

    唯「その分、自分の事は後回しにするから心配だよ」

    二人、出ました。

    美「ふぅ、いいお湯でした。あら大変、パーティーの支度が進んでる」

    覚「あと、はさみ揚げだけだ」

    若「他は、運びます」

    美「サラダ盛り付けるわね」

    唯「あー、一気にお腹空いてきたー。尊、何してるの?」

    尊「カーテン閉めたらそこが寂しいなと思って、飾り付けの続きを」

    唯「手伝うよ」

    いよいよ、パーティー始まります。

    唯「ぐふふ。クラッカー登場」

    尊「悪い女だよ。そうやって戦国でも、若君をいたぶるんだな」

    唯「ちょっと反応見たいだけ~」

    尊「それを悪女と言う」

    覚「はい、お待たせ~。じゃあクラッカー持って、若君」

    若「これは?」

    美「パーティーの景気づけというか。せーの、メリークリスマス!でこの紐引いてね。あっ、人には向けちゃダメだから」

    若「景気づけに、やや危ない物を?」

    唯「あっ少し勘づいた」

    尊「だーかーらー」

    覚「はい、では始めるぞ」

    美「せーの!メリークリスマス!」

    パパパ、パンパン!

    若「…」

    若君は、しばらく、手元と天井を交互に見ていた。

    尊「若君、大丈夫ですか?お姉ちゃんがどんな物が説明しないもんだから」

    若「いや、構わぬ。これは戦に使えそうじゃなと思うた」

    美「どうせ余るから、持っていって。早速リュックに入れとくわね」

    若「忝のう存じます」

    尊「お姉ちゃん、若君に言う事ないの?」

    唯「ん?かわいかった」

    尊「やっぱり悪い女だ」

    蓮根のはさみ揚げをくわえて、パチリと撮影。

    若「唯、そのなりは…」

    唯「赤鼻のトナカイ。あ、もう説明はしません。こういう物と理解せよ」

    若「あいわかった」

    尊「言いくるめられてる」

    唯「しっかし、カロリー全部足すとすごいよねぇ。はさみ揚げ、唐揚げ、フライドポテト、ピザ、ケーキ」

    尊「ザ・背徳のメニュー」

    美「サラダも食べなさいよ~」

    唯「少しはね。平成の野菜、味薄いんだよね」

    覚「若君、そうなのか?」

    若「それは、思うておりました」

    覚「そうか。今度来る時は、野菜頼むわ」

    若「ハハハ、承知つかまつりました」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    野菜持ち出す余裕あるかな?

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days65~23日15時、バリアフリーです

    月もケーキも、今日はまんまる。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    まだまだ飾り付け中。ツリーにオーナメントを下げ、サンタグッズをキッチンの作業台に並べる。

    唯「あぁぁぁ~、はぁ」

    尊「うるさいな。なんだよその、口から魂が出そうな溜息は」

    唯「もうすぐ、たーくんって呼べなくなる~」

    尊「なんだ、そんな事」

    若君「名など何でも良い」

    唯「つい、たーくんって呼んじゃったら、たわけたおなごって言われる~」

    若「唯なら有り得るであろうな」

    美香子「さすが、わかってる」

    唯「うっかり呼んでさあ、それを聞かれて」

    尊「お咎めを受ける?」

    唯「真似されたら嫌だし」

    尊「そっち?」

    美「そんな恐れ多い事、周りはしないでしょう?」

    唯「陰でならわかんないよー」

    若「陰ならこちらにわからぬままであるから、放っておけば良いだけの事」

    美「大人ね~」

    若「どう呼ばれても返事はする」

    唯「はぁい」

    美「あい変わらず、優しいわね~」

    若「母上、実の所、唯の声は何故か、どこに居ても耳に入るのです」

    美「あら、そうなの~。若君だけに聞こえるのかしらね」

    尊「愛だな、愛」

    若「いつもどこからか、呼ばれておるような気がしておりました」

    唯「だいたいは、ホントに叫んでたけど」

    若「夜の森とかであるぞ?」

    唯「居た居た」

    若「一人でか?」

    唯「うん、そんな時もあった」

    若「それは物騒じゃ。金輪際、してはならぬ」

    唯「わかったー」

    若「夜、出るならわしと、お洒落してデートじゃ」

    唯「うん!」

    美「いーなー」

    尊「お父さんと行って」

    美「そうするわ」

    覚「仕方なく、みたいに聞こえるぞ」

    美「気のせいよ~。さて、そろそろケーキ受け取りに行かなくちゃね」

    尊「わかった。じゃあお姉ちゃん達、続きよろしく」

    唯「行ってらっしゃーい」

    若「行ってらっしゃい、母上、尊」

    飾り付け、完成。

    唯「いい感じ~」

    若「煌びやかじゃな」

    覚「こっちも、あとは焼いたり揚げてくだけだ」

    唯「お疲れ様~」

    覚「そう言えば、風呂はいつ入る?これだけ腹に詰め込んだら、そうすぐには入れないから、晩飯前がいいんじゃないか?」

    唯「そうだよねぇ」

    若「いくら大飯食らいの唯でものう」

    唯「ちょっとぉ」

    若「ハハハ」

    お風呂、準備中。

    覚「今日も二人で入るか?」

    唯「え」

    若「いえ、昨日、父上母上のお気遣いで、充分堪能しましたゆえ」

    唯「堪能とか言ってる!」

    若「唯は、違うと申すか?」

    唯「うっ。違うと言いたいけど、はい、堪能しましたっ」

    覚「素直じゃないな」

    若「で、父上。もし良ければ父上と尊と、入りとう存じます」

    覚「えっ、いいの?」

    尊「ただいまー」

    唯「あっ、ケーキが帰ってきた!」

    若「それは違う」

    唯「えへ。とうとう、たーくんのツッコミが入るまでに成長」

    若「成長か?」

    尊「飾り付けだいたい完成したね、お疲れ様」

    若君が、箱の中を不思議そうに覗いている。

    若「尊、以前食したケーキと形が違うのう」

    尊「ホールケーキだから。あっ、切り分けずに大きいままだからです」

    若「そうか。餞に相応しい、立派な品なのじゃな」

    美「ただいま。あら、もうお風呂用意してる?」

    覚「あ、そうそう。若君が僕と尊と三人一緒に入りたいって、嬉しい事を言ってくれるんだ」

    美「あら~、じゃあ唯は、私と入る?」

    唯「あ、うん!」

    尊「若君、ありがとう。最…やめとこ」

    唯「たーくん、実はウチのお風呂、普通よりちょっと広めなの」

    若「そうなのか?普通、がわからぬゆえ」

    覚「介護しやすくなってるんだよ」

    美「歳をとっても入りやすい、入れてあげやすい仕様で作ってあるの」

    若「将来を見据えたと」

    美「さっすがウチの息子ね~。だから男性三人でも狭過ぎないのよ。で、唯、それがどうしたの?」

    唯「湯船が大きいから、一緒に入っても色々見えて困るー」

    美「まだ言ってる」

    唯「もっと狭かったら、たーくんとくっついて入れたのに」

    美「広くてもくっつくでしょ?贅沢ね。二人でアパートにでも引っ越しなさい!」

    お風呂、沸きましたよ。

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    お風呂の話題が多いのは、それも日常だからです。

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    返信先: 創作倶楽部
    最終話番号

    二人の平成Days、この後の投稿は、65話です。

    最終話は、69話です。今日入れて、あと5回となりました。

    5話が2つあるので、全70話となります。あと少し、お付き合いください。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days64~23日14時、蜜月

    指差し確認は必須。すぐには戻れないから。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    唯「では、持ち物確認しまーす」

    若君「ジェンガはここに」

    尊「おもナビくんイヤホン付、太陽電池、写真集」

    美香子「それ、機械と付属品、何か袋に入れた方が良くない?ちょうど唯が部活の着替え入れてた巾着、洗ってここにあるし。入れちゃうわよ」

    唯「ありがとお母さん。で、前ポケットに、ICカード二人分、写真館からの葉書」

    若「…そうじゃ、唯、もう一つ良いか?」

    唯「ん?いいよ、何?」

    若「持って参る」

    二階へ上がって行く若君。

    覚「唯、若君が何を取って来るかわからないが、後で蓮根のはさみ揚げ持たせてやるから」

    唯「あー、ありがとー」

    本を手に戻った。

    唯「あ、私の日本史の教科書。うん、こちらではお役御免だし」

    若「何か役に立つやも知れぬ」

    唯「じゃ、後で参考書も入れとこかな」

    尊「重そう~」

    唯「大丈夫、米よりは軽い。リュックはひとまず置いといてと」

    飾り付けの材料、各種。

    尊「折り紙切って、輪っか繋げようか」

    唯「どうやって分担する?」

    尊「若君は、ハサミやカッター使った事ないよね」

    若「初めて見るのう」

    唯「今、切り傷なんか作ったら大変だから、私とたーくんは、糊づけ班にして」

    尊「わかった。じゃあ僕は、切ってく班で」

    唯「たーくんまずはお手本ね。この細長い紙の端に、これ、糊って言うんだけど、このベタベタしてる部分をこすりつけて」

    若「ほぅ」

    尊「スティック糊だから塗りやすいはず」

    唯「端と端を貼りつける。二個目からは、輪っかに紙を通して貼る。ね、これで輪を繋げてくの」

    若「鎖のようじゃ」

    唯「あー、そうそれ。いろんな色あるから、隣同士が違う色になるようにしてね」

    若「センスが問われるのじゃな」

    唯「そう、センスセンス」

    尊「学習してる」

    美「じゃあ、私は同じやり方でレイを作るわ」

    唯「よろしく。名前のシール貼ってね」

    尊「名前?って何」

    唯「アルファベットのシール売ってたから、それで名前作って、私の、尊のって作る」

    尊「ふーん。それ若君に説明してあげないと」

    美「そうよね。じゃあ書きましょ。この文字を並べて、若君の名前ならこうなるのよ。TADAKIYO。唯はYUI」

    若「この文字はよう見かけるが…これも、名前なのですか?」

    美「そうよ」

    若「カードは…」

    美「あれは、カタカナよね。これはアルファベット」

    若「うむ…」

    尊「難しいよね」

    若「母上。その名前の入るレイ、も頂戴して良いですか?」

    美「どうぞ~。まだ出来てないけど」

    唯「私も首にかけてこーっと」

    美「ハワイでハネムーン、みたいに?」

    唯「お母さん…いい、それいい~!もぉ絶対二人して首にかけてく!」

    尊「また説明がいる事しゃべるんだから。若君、ハワイは海の向こうにある異国の島々です。ハネムーンは新婚旅行」

    唯「新婚って私達の事だよぉ。ホヤホヤ、ラブラブな~」

    尊「だーかーら。結婚したばかりでまだアツアツな、って、あー同じような言葉だった、説明がこんがらがる!」

    若「尊、何とかわかる。では、父上母上も新婚か?」

    美「あら残念、私達は違うのよ」

    若「大変仲睦まじいので、そうかと」

    美「いや~ん、若君ったら嬉しい事言うんだから!」

    覚「何?僕らが新婚?そりゃーずっと新婚気分だぞ」

    尊「それは誰が見てもその通り」

    若「父上母上を、見習いとう存じます」

    唯「ずっと新婚みたいにラブラブ?きゃ~!嬉し過ぎるぅ」

    尊「飽きられないように」

    唯「うわっ、励みます」

    若「わしも、励まねばの」

    唯「はいはい、励め」

    尊「おいおい!」

    唯「ついつい~」

    若「良い良い 」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    リュックは相当重い。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days63~23日12時、似て非なるもの

    重要な品なのに、しばらく隠れてました。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    唯「ただいまー、あ~あったかーい」

    若君「ただいま帰りました」

    尊「おかえり、若君、お姉ちゃん」

    美香子「寒かったでしょう」

    唯「ううんそんなには。ご飯なに?」

    覚「こらこら、まずは帰ったら手洗いうがい!」

    お昼ごはんスタート。

    覚「はいお待たせ~、今日の晩ごはんは油分たっぷりだから、昼はさっぱりとな。でも魚介類総動員だぞ」

    唯「わあ、豪華海鮮鍋!」

    全員「いただきまーす!」

    覚「唯のリクエストも入ってるぞ」

    唯「え?私、何言った?」

    覚「つみれ、って」

    唯「そうだったっけ」

    覚「違ったか?元々入れる予定で、冷凍しといたんだけどな」

    唯「なあんだ」

    美「日本酒ひっかけたくなるわね」

    覚「ま、今日はやめとくけどな。いつか、若君と酒を酌み交わしたいなあ。あと一年?二年?」

    若「酒は…永禄では飲んでおりましたが」

    覚「聞かなかった事にする」

    尊「別にその時代は、法律違反じゃないから」

    覚「そうだな。こちらで飲んでいい年齢になったら。楽しみにしてる、と言っておくよ」

    若「父上、ありがとうございます。そんな日が参りましたら、是非、盃を交わしたいです」

    美「唯、何やってるの」

    唯「蟹の身が取れないー、あっ!」

    尊「わっ!飛ばすなよー!」

    美「もっと丁寧に、キレイに食べて~」

    若「ハハハ」

    ごちそうさまでした。お茶タイム。

    美「唯、持って行く荷物、忘れ物がないように確認しときなさいよ」

    唯「はーい」

    若「あっ、父上。以前の話で恐れ多いのですが」

    覚「何だい?」

    若「ジェンガを、結局片付けさせてしまい、すみませんでした」

    覚「あー、いいよいいよ。入れ物見繕っておくよって言ったのは僕の方だからね。で、ぴったりなのがあったんだよ」

    覚が席を立つ。若君もついていく。キッチン作業台の下をゴソゴソ。

    覚「これ、ちょうど良くってさ。入れといた」

    半透明の大きめタッパー。中身が少し透けて見える。

    若「父上、ありがとうございます」

    尊「へー、袋とかよりは個数も分かりやすくていいね」

    若「では、頂戴します。あ?」

    覚「何?」

    若「あの…もう少し重さがあったように思うのですが」

    覚「え?そう?あっ!間違えた、こっちだ!」

    唯「間違えた?」

    同じタッパーがもう一つ出てきた。見た目があまり変わらない。

    覚「ごめんごめん、若君開けて確かめて」

    若「わかりました。…はい、確かに作ったジェンガで、名も入っております」

    美「え?何と間違えたの?」

    全員ぞろぞろやってきた。

    覚「別にしとけば良かったなー。すまんすまん。こっちの中身はこれだ」

    開けると、薄茶色の四角い物体がきちんと収まっている。

    唯「え?なに?巨大ジェンガ?」

    美「あー。もうやだお父さん、これ高野豆腐じゃない」

    尊「高野豆腐!」

    唯「高野豆腐?え、最初はこんな、木みたいなんだー」

    覚「使う時に水で戻すからな」

    若「あの、宿の晩に出た物ですか?」

    美「そうそう。若君は勉強熱心よねー。ちゃんとこれは何か聞いてから食べてたもんね」

    唯「でも危なかった~。もう少しで違う物持ってくトコだった」

    尊「高野豆腐は、それなりに喜ばれるとは思うけど」

    唯「ダメだよ、名前書く計画なんだから」

    美「書く?」

    唯「子供や孫ができたら、まっさらなジェンガに名前書くんだよ。たーくんがそうしたいって。え?言ってなかったっけ?」

    覚「そんな壮大な計画だったとは」

    美「若君…凄いわ。唯、頑張ってね」

    唯「うん、ばんばん産む」

    若「励みます」

    尊「サラっとすごい事言ってるよ。慣れたけど」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    二つ三つ、隙間に高野豆腐入れといたら。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days62~23日9時、心も支度します

    城跡だから、広い公園。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    唯「まだお昼まで全然時間あるから、公園プラプラする?」

    若君「ゆるりと歩くのじゃな」

    一周、ぐるっと巡っている。

    唯「ここで壁ドン、あっちの池でスワンボート。あ~、思い出がいっぱい。この公園には」

    若「よく参った。朝日も眩しかった。おぉ、自転車もここで乗れるようになった」

    唯「あはは、子供みたーい。そうだね、ここは、二人の定番のデートスポット」

    若「と、申すのじゃな」

    若君が、唯の顔を見ていて、何かに気づいた。

    若君 心の声(これは…このまま帰す訳にはゆかぬ!)

    若「唯、こちらへ」

    唯「えっ?」

    腕を掴み、ぐいぐい引っ張っていく。

    唯「えっ、なに」

    人目に付きにくい、公園の隅にやってきた。手を離し、唯の正面に立つ若君。

    若「唯」

    唯「はい…」

    若「ここで、泣いておけ」

    唯「えっ」

    若「先程から、顔つきがうつろじゃ。やはり家族との別れが辛いのであろう?」

    唯「まさか、気のせいだよ。私全然、平気だよ」

    若「まだ昼まで時間はある。今、思いの丈に泣いておけ。我慢をするな」

    唯「なんで?そんな、永禄に戻るの、すっごく楽しみなだけ、だよ」

    若君の視線が鋭く変わった。

    若「なぜ聞かぬ!泣けと申すに!!」

    唯「キャー!」

    その剣幕に、唯は涙目になり震えている。

    唯「ひどい…そんなに怒鳴られたら、泣きたくなくても泣いちゃう」

    若「ここで思い切り泣き、家ではずっと笑うて居て欲しいのじゃ」

    口調はいつもの若君に戻っていた。頭を撫でる。

    若「済まぬ。怖がらせたの」

    唯「ううん、いい。言われた通りだし、私と家族を思って言ってくれてるのはわかるから」

    唯が大きく息を吸った。

    唯「ふぅ。じゃあ、たーくん」

    若「なんじゃ?」

    唯「背中、貸して」

    若「背中?」

    唯「泣くのは我慢するつもりだった。だから見られたくないの」

    若「幾度も、唯の泣く姿は見ておるのに?」

    唯「…決意の涙だから、見ないで欲しい」

    若「…そうか」

    背中を向ける若君。後ろから、抱きついた唯のすすり泣きが聞こえてきた。

    若 心(空は…今日も澄んでおる…)

    しばらくして、背中が静かになった。

    唯「たーくん、ありがとう」

    前に回り、すっきりとした笑顔を見せた。

    若「憑き物が取れたようじゃ。良かった」

    唯「たーくんはなんでもお見通しだね。心配させてごめんなさい」

    若君が唯を抱き締める。

    若「怖かったのは、わしの方じゃ」

    唯「そう…なの?」

    若「唯に背中を向けると、消え去ってしまうのではないかと不安になる」

    唯「あ…」

    若「辛さが甦る」

    唯「私、どこにも行かない、ちゃんとここに居るから」

    お互いの存在を確かめあうように、固く抱き合う二人。

    若「わしと唯が生を受け、今日まで」

    唯「はい」

    若「共に居ない時間の方が長かったのに、とは思う」

    唯「うん。私もそう思う。でもそれって、好きだから、でいいんじゃない?」

    若「超好き、じゃな」

    唯「ふふっ、そうそう。これからは、一緒の時間は長くなってくばっかだよね?」

    若「そうじゃ。嬉しい限りじゃ。ずっとこうしていたいが」

    唯「ん、そろそろ帰らないと、ね」

    公園の出口。さっきの立看板。

    唯「いつか、もっと未来に、またいい方向に書き換わってるといいね」

    若「そうじゃな、切に願う。そういえば」

    唯「なぁに?」

    若「今日のこれは、クリスマスイブイブデートと申すのではないか?」

    唯「あっ!そう、そうですぅ~」

    若「その顔を、三人に見せてやってくれ」

    手をつないで、帰ります。

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    城があった時も、ない今も、残るのは素敵な思い出。

    投稿フォームへ

    返信先: 連絡掲示板
    ご丁寧なお返事ありがとうございました

    投稿原稿を一行目からしらみつぶしに変えては送信を繰り返しましたら、ようやく完了いたしました。ご迷惑をおかけしました。

    掲示板を、安全に楽しく使わせていただけるのも、一重にマスター様のおかげです。できるだけ、お手間はかけないように致しますが、何分投稿数の多い私、以後、文章に気を付けます。ありがとうございました。

    投稿フォームへ

    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days61~23日日曜7時、塗り替えました

    最後の朝です。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    若君、朝稽古中。

    若君「いつもより身を入れて動いたら、冬とはいえど随分と温まるのう」

    唯「たーくんカッコいいっ」

    尊「ふぁ~、ん?あれっ、寝坊のプロがもう起きてる!」

    唯「なによそれ。戦国の朝は早いのじゃ」

    尊「慣らし運転?だったらもっと早い日から始めない?今日だけじゃん」

    唯「昨日も早かった」

    尊「二日だけじゃん」

    唯「最後まで寝坊よりはいいでしょ」

    尊「まあね。若君、おはようございます」

    若「おはよう、尊」

    覚「若君、冷たいお茶にしたよ。どうぞ」

    若「あっ、父上、忝ない」

    二階から母が下りてきた。

    美香子「あ、尊起きたわね。起きた早々で悪いけど、使った布団一式、二階へ持ってって」

    尊「はーい」

    美「じゃ、テーブル戻すわよ」

    若「母上、わしが持ちます」

    元通りにセッティング完了。

    覚「じゃあ、運んでー」

    朝ごはん。

    美「今日の予定は?」

    唯「えっと。たーくん、多分…行きたいよね」

    若「あぁ、墓と城跡には参りたい」

    唯「それ、午前中に行かない?で、昼ごはんからはずっと家に居ようよ」

    若「あいわかった。昼からは?」

    唯「工作する。パーティーの飾り付けとか」

    若「心得た」

    美「ケーキ注文してあるから、夕方に受け取りに行くわ。尊と」

    尊「崩さないよう、抱えて持ち帰るよ」

    覚「僕は、張り切ってごちそうづくり」

    美「お願いします」

    唯「じゃあたーくん、ちょっと休憩したら早速出かけよっか」

    若「そうじゃな」

    二人、着替えました。

    美「え?今日もそれ着てくの?」

    二人とも真っ赤。

    唯「せっかく買ってくれたしー、やっぱお揃いは着たいし。あっ、ゆうべちゃんとファブっといたから」

    美「そう?よっぽど臭わないとは思うけど」

    唯「内緒だけどぉ、たーくんのは、ファブる前に、クンクンしちゃったぁ」

    尊「聞こえてるよ」

    美「あら、呼んで欲しかったわ~」

    尊「おいおい!」

    覚「お前ら、自由過ぎるぞ」

    若「?」

    美「唯」

    唯「なに?」

    美「ありがとう、二回目があって嬉しいわ」

    唯「ううん、えへへ。じゃ、行ってきまーす」

    若「行って参ります」

    お墓に到着。

    唯「これって、私達が永禄に戻ったらどうなるのかな。ずっとあるのかなあ」

    若「生害と伝えられたままであれば」

    唯「その方が安全だよね?」

    若「然り」

    唯「えっ、現れない方がいいとか…」

    若「どう転ぶかはわからぬ」

    城跡。

    若「今宵戻れば、元の姿の筈ではあるが」

    唯「複雑?」

    若「いや、この姿も良い。なにより、この先の世に馴染んでおる」

    唯「そっか。きっとね、石垣も、この時代にまで会いに来てくれてありがとう、って思ってるよ」

    城跡を離れ、歩き出す。

    唯「たーくん、私見せたい物がある。こっち来て」

    若「見せたい物?」

    黒羽城公園の立看板前。

    唯「これなんだけどね。読んでみてくれる?特に最後の方」

    若「羽木家は滅亡したと考えられていたが、近年の発掘調査により、通説が覆りつつあり、現在も調査は続いている」

    唯「これね、私も最近気づいたんだけど、書き換わってるの」

    若「換わっておる?」

    唯「最初見た時は、羽木家は滅亡した、で終わってた」

    若「そうであったか…それは、一重に唯のお陰じゃな」

    唯「私、歴史を変えようなんて全く考えずに行動してたけど、あっ変えたのかもって。あとね」

    若君の正面に立つ。

    唯「実はこの、滅亡した、ってのを見て、たーくんを守らなきゃ!って決意したの」

    若「…」

    唯「その頃は、たーくん…死んじゃうって歴史になってて、絶対嫌、嫌だって」

    若「…わしや羽木の者達は全て、唯に出逢い命を長らえた。それだけではない。わしは、唯の傍で幸せを噛み締めておる」

    唯「私も幸せ。なにが幸せって、こーんなに好きになれるたーくんに出逢えたから!」

    ぴょん、と抱きついた。若君が、しっかりと抱き締め返す。

    若「唯。羽木家総領として、改めて礼を申す。速川忠清としては」

    唯「ん?」

    若「会いに来てくれて、心から、ありがとう」

    唯「えー、感動~」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    続きます。

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    返信先: 連絡掲示板
    NGワードはどのような

    こんばんは。創作倶楽部に投稿しようと、送信ボタンを押すのですが、送信されず、この投稿先欄に残ったままとなります。多分、そちらに届いていない状態だと思うのですが、もし届いていて、フィルターを解除するだけでしたら、解除していただき、投稿完了は可能でしょうか?
    文章中にNGがあるのかと、色々変えてみましたが送信されません。この言葉がダメ、というのは、マスター様でわかる物でしょうか?

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days60~16日日曜4時、ずっと熱いままです

    二人の平成Days24no.427温泉宿で結ばれた

    25no.437露天風呂で始まる朝

    この間、深夜から唯が起きてくるまでの、若君の様子をお送りします。

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    宿の部屋。二人は布団の中、唯は若君の腕に抱かれている。さっきまで話をしていたが、

    唯「もうダメ、眠い、ごめんたーくん」

    と、すとんと眠りに落ちてしまっていた。

    若君 心の声(口が開いたままじゃの。幼子のようじゃ)

    微笑みながら寝顔を眺め、感慨にふける。

    若 心(長かった)

    唯と出逢ってからの様々な出来事が、走馬灯のように頭の中を駆け巡る。

    若 心(…漸く、此処まで)

    唯を抱き寄せ、目を閉じた。

    若 心(この静けさ、鼓動まで聞こえそうな)

    何時かはわからない。周りが静まり返る中、唯の寝息だけがかすかに聞こえる。

    若 心(そうじゃ)

    腕を緩め、唯の浴衣姿を確認し、そっと囁く。

    若君「唯、済まぬが、整えさせて貰う」

    布団をめくり、起こさないようにそっと、浴衣を裾まで真っ直ぐ伸ばし、脚をくるんで前の合わせを整えた。

    若 心(これで、片足だけ飛び出す事はない)

    ┅┅回想。3時、布団の中┅┅

    唯「やだ、なんで中にもぐってるの」

    若「んー?」

    唯「とぼけ方が怪しい。えっ、なに…キャー!」

    若「うっ!」

    唯「あわわ、うわぁっ、またやっちゃった…」

    唯の膝が、若君のみぞおちにクリーンヒット。

    唯「ご、ごめんたーくん」

    慌てて、蹴った所をさする唯。

    若「ゴホッ、あー、見事な膝蹴りじゃったの」

    唯「胡乱な動きなんかするからっ」

    若「胡乱とは、聞き捨てならぬ」

    唯「あっ開き直った!」

    若「近う寄りたいだけじゃ」

    唯「ホントにぃ?ごめんね、痛かったよね」

    若「もっと下を蹴られていたら、相当痛かったであろうが」

    唯「下?…あっ」

    若「まあ、蹴り上げてしまったならば、今と同じく、そっと優しくさすってくれれば良いだけの事」

    唯「…」

    若「何をじりじりと下がっておる?」

    唯「無理無理無理」

    若「申すのは一度で良い」

    唯「大事なコトは、三回言うのっ」

    若「まだ蹴られてはおらぬが」

    唯「いやぁ万が一ってあるしぃ、備えよ常にと申しましてぇ」

    若「今更何をうろたえておる」

    唯「い、いまさらとか言わないっ」

    若「布団から出てしまっておるではないか」

    唯「退陣で」

    若「敵となった覚えはない」

    唯「えー」

    若「近う参れ」

    唯「あー、その言葉は心が揺らぐー」

    若「たわけ。四の五の言わず、早う、此処へ」

    ┅┅回想終わり┅┅

    若 心(乱れを整えておけば、起きた時に慌てる事もなかろう)

    再び布団の中。肩に触れると、浴衣が少しひんやりしている。

    若 心(しまった、時間をかけ過ぎ、体を冷やしたか)

    温めようと、抱き寄せた。

    若 心(眠っておれば、逃げはせぬが)

    つい、腕に力が入り、きつく抱き締める。

    唯「ん…」

    唯がかすかに動いた。

    若「あぁ、痛かったか、済まぬ」

    腕を緩め、ふんわりと包みながら、目を閉じた。

    若 心(ん…雀、か)

    どれだけ経ったか、雀の鳴き声がし始めた。

    若 心(空が白んできたか)

    部屋の中も徐々に明るくなる。

    若 心(よう、眠れておるかの)

    唯の寝顔を覗く。

    若 心(消えてはおらぬ、此処に居る。共に朝を迎えられるのは、この上ない喜びじゃ)

    頬にかかる髪を、そっと払いのけた。

    若 心(そういえば)

    唯を仰向けに寝かせ直し、そっと布団から出た。

    若 心(海の様子は、如何ばかりか)

    外に出た。海を臨む位置に露天風呂がある。

    若 心(あれは、風呂か。そういえば隣にもあったのう)

    露天風呂に近づく。

    若「ん?…なんと!湯が沸いておるではないか」

    手を入れると、いい湯加減。

    若「ほぅ。まさしく、温かい泉じゃな。折角じゃ、入るとするか」

    早速、入浴する。湯船に体を沈めた。

    若「朝方の海もまた、格別じゃ」

    色を差し始めた海を眺め、時が経つのを忘れる。

    若「ふう」

    大分温まったので、湯船に腰掛けた。

    若「雀は、せわしく賑やかじゃの」

    あちらこちらで、チュンチュン、ちょこまかと跳ねる。眺めていると、背後で音がした。

    若「こちらの雀も、お目覚めか」

    振り向くと、ちょこまかと跳ね、表情をくるくると変えながら、唯が覗いていた。

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    若君の傍で跳ね回る姿が、愛らしい。

    いよいよ、次回から最終日のお話です。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days59~22日23時45分、川の字で

    夜が明けちゃうよ。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    美香子「ようやく勢揃いね」

    唯「お待たせしました」

    美「布団並べたけど、どこに誰が寝る?」

    唯「あぁ」

    若君「父上は、一番奥と決まっております」

    覚「え、そうなの?何で?」

    若「家長は上座にて」

    覚「えっ、そうなんだ」

    美「さすが若君ね~。ホント感心しちゃう」

    覚「ありがとう若君。この位置なら、朝ごはんの支度もしやすいし」

    唯「家長って…」

    尊「なにを言い出す?」

    唯「家事全般隊長?」

    尊「えー!また突拍子もない事言って」

    若「…ハッハッハッ!」

    唯「ひどーい、そんなに笑うなんて」

    若「いや、我が父忠高が、掃除機をかけておるのを思い描いての」

    唯「ぷっ。それは愉快じゃ。でもエプロン似合うよ、きっと」

    美「普通お殿様は掃除機かけないけど、ウチのスーパーお殿様は、なんでもこなすわよ」

    覚「戦に出ろ、と言われたら、逃げるけどな」

    尊「ははは、それは僕も。だから若君はすごいって思う」

    若「戦は無いのが一番じゃが」

    美「そうね…。で、残りはどうしよう?」

    尊「お父さんは決まったから、あと奥からお母さん、お姉ちゃん、若君、僕?」

    美「それが妥当かな」

    若「いや」

    尊「あ、若君に発言権を譲ります」

    若「本来は母上が次じゃが、奥から、唯、母上はいかがじゃ。わしと尊はどちらが端でも良いが」

    唯「え?たーくんと離ればなれ?」

    若「大袈裟じゃのう。今宵は、父上母上の傍らで休むが良い」

    美「若君…」

    若「最後、とは申しませぬが」

    覚「いやー、その心持ちに感動だよ」

    美「ありがとう、若君。もう一つお願い。私の隣の布団で寝てくれないかなー」

    尊「それがメインか?」

    美「違うわよ、多分」

    尊「いいよ。じゃあ、お父さん、お姉ちゃん、お母さん、若君、僕だね」

    若「両親と唯が仲良く休むゆえ、わしと尊は」

    尊「なに?」

    若「抱き合うて寝るか?」

    唯「キャー!やめてー!」

    尊「そ、それは勘弁してください、お姉ちゃんが恋のライバルとか、嫌です」

    唯「は?そっちかよ」

    若「ハハハ」

    美「若君に迫られたら、尊だってなびくわよねぇ」

    尊「うん」

    唯「おいおい!」

    覚「それだけ、若君が魅力的って事だ」

    美「ホントに。常識も礼儀もわきまえてて、しかも戦にも強い。安心して唯を託せます」

    若「それは…恐悦至極に存じます」

    唯「あ!私が殿の前でとっちらかったヤツ!」

    覚「そういう言葉が、サラっと言えるのも素晴らしいな」

    唯「思い出した、たーくん、殿の脇でなんとも言えない顔してた!」

    若「妙な事を思い出させてしもうたのう」

    唯「でも、その後助けに来てくれたから、許す」

    美「ふふふ、いい思い出なのね。場所も決まったし、布団入って。電気消すわよ」

    月明かりだけが灯る部屋になりました。

    唯「暗くなったら、あっという間に寝ちゃいそう」

    尊「一緒に寝る意味ないじゃん」

    唯「うっかり寝入っちゃうといけないから、」

    美「何?」

    唯「お父さん、お母さん、手、つないでいい?」

    覚「唯…」

    美「やだ、泣けちゃうわ」

    尊「もらい泣きしそう」

    若「そうじゃな…」

    三人、手つなぎ。

    覚「こんなの、小さい頃、動物園に行った時以来じゃないか?」

    美「そうね、こーんな小さい時。お父さんが尊を抱っこして、三人お手手つないで」

    唯「覚えてないよぅ」

    美「そうよね、でも親って、子供達との一日一日が、とっても大切なの」

    唯「そういえば、前にたーくんが毎日大切って言ってた」

    美「そうなの?」

    尊「誕生日は大切な日だ、って話したら」

    若「毎日誰かの誕生日ゆえ、毎日大切と申しました」

    美「まあ…」

    覚「若君は、どこまで僕らを感動させてくれるんだ?」

    若「そこまで喜ばれるとは」

    覚「また、サラっとカッコいい事言ってー。僕も抱き合って、唯と取り合いしようかな?」

    唯「やだっ、たーくんは誰にも渡さないっ!」

    若「わしも、唯以外は考えられぬ」

    覚&尊「あー、振られちゃったー」

    若「ハハハ」

    夜は、ゆっくり更けてゆきました。

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    次回、最終日が目前ですが、一回日付が戻ります。

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    返信先: 創作倶楽部
    妖怪千年おばばさんへ

    どうぞお気遣いなく。私のお話のクライマックスは、もう少し先です。延びて延びて、4月入ってから、メリークリスマスって言ってる予定です。

    あれだけ名前を連呼するなら、役名知りたかったですよね。確かにコーチ、としか書いてありませんでした。
    ウェディングドレスでオペは、以前のお話と続いてたんですね。今回の美香子さんも、パワフルでした。

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    返信先: 連絡掲示板
    ありがとうございます!

    直した方が復活しておりました。早急の解除の手配、ありがとうございました!

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    返信先: 連絡掲示板
    場所を伝え忘れました

    創作倶楽部no.540と541相当です。もし無理なようでしたら、先のno.540を復活でも結構です。すみません。

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    返信先: 連絡掲示板
    申し訳ありません

    投稿が、消えました。修正の仕方が良くなかったのか?わかりません。できればダブっている後の方を復活していただけると助かります。お世話かけます。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days58~22日23時、多数決です

    逆に恥じらいがないのも困りものですが。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    戻ると、リビングに布団が五つ敷いてある。

    美香子「おかえり~」

    若君「母上、遅くなりました」

    唯「お父さん、はいお盆。ありがとね」

    覚「はいよ~」

    美「尊は?」

    唯「追加で作業頼んじゃった。もうすぐ来るよ」

    美「あーそう。お風呂入って欲しいんだけど。もう遅いし」

    唯「そっか、ごめん遅くなって」

    美「尊がまだなら唯でも若君でも、どっちが先でもいいけど。それか、一緒に入ってもらってもいいわよ~?」

    唯「えぇ?」

    美「どういう風でも。ねっ、お父さん」

    覚「まぁ、お前達の好きなようにでいいぞ」

    唯「…はいっ、私、先に入る!」

    美「なんで?」

    その瞬間、若君が、逃げようとする唯の腕を掴んだ。

    美「あ、捕獲した」

    唯「えーっ!」

    若「…」

    唯「ものすっごく、目が訴えてる!えー、うーん。じゃあ一緒に入る?」

    美「じゃあって何。初めてじゃないでしょう」

    唯「初めてみたいなもんだよ~」

    覚「行ってこい、若君が満面の笑みだ」

    唯「うへぇ」

    美「嫌なの?」

    唯「いや、ビビリなだけっす。じゃあたーくん、着替え取りに行こっか」

    若「父上母上、ありがとうございます」

    唯「私には?」

    若「ん?ハハハ」

    二人が階段を上がっていると、尊が実験室から出てきた。

    美「え、思ったより早い」

    覚「ややこしくなるから、止めるか」

    リビングから、二人で尊に向かって、身振り手振りで大きな✕を出した。

    尊「なになに?来るなって?」

    実験室に戻る尊。ほどなく、唯達が着替えを手に、浴室へ向かった。美香子が尊を呼びに行く。

    美「ごめんね尊」

    リビング。

    尊「何が起こったかと」

    美「ごめんごめん。お風呂にね、二人で入ってもらおうとしてて、唯が尊の顔見ちゃったら、男子二人で!って言いそうだったから」

    尊「また、けしかけたの?変な親」

    美「軽ーく、話振っちゃった」

    覚「振ったからには、ダメとは言えないしな」

    美「あら、ダメだった?」

    覚「いや、もう、どうもこうも言わない」

    美「寛大でよろしい。ウチのお風呂広めだから、二人でも全然余裕だし」

    覚「お前、そんな理由は後付けだろ」

    美「どうかしらね~」

    尊「え、でもお姉ちゃん良かったのかな。旅行の時は、完全に体隠して露天風呂だったらしいよ」

    美「えぇ?そんなややこしい事を。だから、初めてみたいなものって言ったのね。一瞬、嫌そ~な顔したし。結婚した、って自分で言ってるのにね」

    覚「なんかトゲがある言い方だな」

    美「事実、届を出すなんて話じゃないでしょ」

    尊「そんな超現実的な話する?」

    美「しないわよ、ファンタジーだから」

    尊「ファンタジー。確かに」

    覚「まあ、ファンタジーだな。ははは」

    美「ふふふ。まっ、いずれにせよ、今更お風呂になにを反対してるんだかって話よ」

    尊「僕は賛成」

    美「私も賛成」

    覚「僕も賛成だ」

    美「じゃあ、少なくとも8割が賛成なんで」

    尊「まあ、もう入ってるんだから全会一致だけど。ってかなんで多数決?」

    美「尊が言い出したからでしょ」

    お風呂の中は、二人の秘密なので解説はいたしません。お風呂あがりへ飛びます。

    唯「はぁ~。あっつーい」

    美「入る前も真っ赤だったけど、出ても真っ赤じゃない」

    唯「のぼせたー、いろんな意味で。ちょっと涼んでくる」

    外へ出て、ウッドデッキに腰掛けた。

    唯「わあー、今日が満月かと思うくらい、まんまる」

    空高く輝いている。

    唯「いよいよ明日かぁ」

    サッシが開く。

    若「唯、そのままでは風邪を引く」

    若君が、手に毛布を持って出てきた。

    唯「あー。たーくん、ちゃんと髪乾かした?もー、自分がまだびしょびしょなのに、私が先って聞かないんだから」

    若「唯に風を与えた事がなかったからの」

    唯「イケメン美容師だったよ。あ、美容師は髪切る人ね」

    若「そうか」

    隣に座り、毛布を広げ、二人一緒にくるまった。

    唯「私、涼もうと思って外に出たんだけど」

    若「すぐに冷えてしまうぞ」

    唯「また、ほてっちゃうよぉ」

    若「尊が風呂を出たら、中に入る。それまでは、しばし月見じゃ」

    唯「え?もう尊そこに居るよ」

    振り向くと、リビングに風呂上がりの尊。

    若「早いの」

    唯「ホントにー」

    尊、外からの視線に気づく。

    尊 心の声(うわっ、なに?!二人とも、なんでそんなに睨んでくる?)

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    ようやく、五人勢揃いかな。

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    返信先: 創作倶楽部
    遅くなりました

    昨夜は投稿できず、一日おきのペースが崩れてしまい、失礼いたしました。もう遅れる事はないと思いますが、2日後以降になりそうな時は、一度ご連絡いたします。

    てんころりんさんへ

    優しく励ましてくださいまして、心より感謝いたします。

    ひろげ過ぎた大風呂敷、平成Days終了時にちゃんと畳めてるかは、皆さんのご判断におまかせです。ただ、二人には心晴れやかに気持ち良く旅立ってもらいたい、と切に願い、私自身納得がゆくまで、推敲は随時やっております。

    制作秘話なんて大それたものは、持ち合わせておりません(((^^;)。各話ごとに、この回はこれを伝えたかった!とか、このセリフが肝!とかはありますが。でもそれを始めると、またものすごい文章量に…投稿番号遡って読み直す皆様が続出で大変では。
    書く事自体は全く苦ではありませんので、それでよろしければ回を追って振り返らせていただきます。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days57~22日22時15分、普通ってなに

    それぞれが個性的な音を奏でる、三重奏のようです。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    上映会、終了。

    尊「じゃあ、また明日フル充電しとくよ」

    唯「よろしくー。さていよいよ写真集を」

    表紙をめくる。

    唯「いきなりこれからスタート?ほぼ最後じゃん」

    洋装姿でチャペル前のキスシーン。

    尊「せっかくだから、一番喜びそうなのをトップに」

    唯「えへへ~、ありがと」

    尊「あの頃は、許可制だったよね。それが今ではそこらじゅうでイチャイチャして」

    唯「悪い?」

    尊「限度はある」

    唯「え?嫉妬?」

    尊「なんでやねん」

    唯「なんで関西弁やねん」

    尊「お姉ちゃん達見てると、普通の恋愛ができそうにない」

    唯「なんで?」

    尊「ドラマチックじゃないと恋に落ちないかもしれない、どうしてくれる?」

    唯「いちゃもんつけてる!」

    若君「尊。普通、とは何じゃ?」

    尊「え?」

    若「わしはこれが普通じゃ。どう違うのかがわからぬが」

    尊「そう言われればそうかも」

    若「尊は、尊なりの頃合いで、愛しい姫に巡り逢うであろう。一瞬で落ちるかもしれぬ、いつの間にか心を占拠されておるやもしれぬ。始まっておらぬのに、憂う事はない」

    尊「そっか。はい、わかりました」

    唯「たーくんの言う事はすぐ聞くじゃん」

    尊「若君は、恋愛の師匠だから。心がさらわれた、なんて超カッコ良かった」

    唯「あ、それならもう返した」

    尊「は?返した?」

    唯「それは、二人は一つだからぁ」

    尊「さっきから同じ服着てくっついてるから、一つの物体に見えなくはないけど」

    唯「物体なんて、つまんない言い方~」

    若「通じあったのじゃ。心も体も一つにの」

    尊「へぇ、もう心なんてどっちが持ってる持ってないって話じゃないと。なるほど…」

    若「…尊?何か探しておるのか?」

    尊「恋愛の名言が出たら、書かなきゃと思ってメモを」

    若「ハハハ、自ずから出てくる言葉じゃないと、胸に響かぬぞ」

    尊「わっ!本物だ!」

    唯「ほらね、一心同体ですからぁ」

    尊「この姉、侮れない」

    唯「なにその早口言葉。さてはバカにしてたな?」

    若「あー、もう良い良い、全く写真を見ておらぬではないか」

    唯「ごめーん。この辺りは和装だね。たーくん素敵!新郎とか若君というよりすでに殿の風格だけど」

    若「いつまでも、若君、ではないからの」

    唯「え!そんな一気に老けちゃうの?!」

    尊「違うな」

    若「呼び名など変わりゆく」

    唯「そりゃそうだよね」

    若「唯には、全て見届けて貰う」

    唯「え、おじいちゃんおばあちゃんになるまで?」

    若「ハハッ、そうじゃ。良いな」

    唯「はい…」

    尊「キュン、だ」

    唯「キュンだよぉ。さぁ次は洋装。王子様だぁ」

    若「シンデレラの唯も、実に麗しい」

    尊「おっちょこちょいでとんちんかんだけどね」

    唯「とんちんかんなのは二人ともだけどね」

    尊「あ、やっぱそうなんだ」

    唯「そっ」

    若「?」

    見終わりました。

    唯「ねぇ、これって、ページ増やせる?」

    尊「できるよ。リクエストがあれば入れるよ」

    唯「んとね、私のスマホに入ってる写真、入れらんないかな」

    尊「あー、いいよ。え、見るのもはばかられるような、きわどいのとかはこっちが困るけど」

    唯「ないない、ラブラブなだけ。えっとリュックの中に…はいスマホ、お願いしまーす」

    尊「よし、これで、と。どれにする?」

    唯「えっとね~、これと…」

    尊「え、顔が妙な事になってるけどいいの?」

    唯「いいの、これはね~」

    若君 心の声(こんなに仲睦まじい姉弟を、離ればなれにさせるのは辛いのう…)

    尊「あとはプリントするだけだから、先に戻ってて」

    唯「わかったーよろしく。じゃ、たーくん行こっか」

    若「尊、済まぬの。両親も待ちわびておるじゃろうから、先に参る」

    尊「どーぞー」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    夜も大分更けましたが、ようやく家族の時間です。いや、どうかな。

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    返信先: 創作倶楽部
    二人の平成Days56~22日21時30分、優しいハーモニー

    親の気持ちを、ちゃんと受け止めているからこそ、です。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    イルミネーションの映像が流れ始めた。

    唯「綺麗だったよね~」

    若君「そうじゃな」

    唯「もっと、色んな所でデートしたかったなー」

    若「また、遠乗りに参ろう」

    唯「うん。あ、今度はちゃんと乗せてくれる?」

    若「ハハ、乗せる」

    尊「え?乗せなかったってどういう事?」

    唯「疾風の後を走ってくんだよ」

    尊「え、罰ゲーム?ロマンスのかけらもないけど」

    若「唯はその時分、配下の者であったゆえ、そうなったが」

    唯「いや、そうじゃなくても走らされた気がする。だって、もっと早く走れ~って笑ってたもん!」

    若「そうだったかのぅ」

    唯「もー」

    尊「そもそも、もう走っちゃダメなんじゃないの?ジェンガに名前入れるんでしょう?」

    若「おぉ、その通りじゃ。さすが師匠殿」

    唯「お気づかい、痛み入りますぅ」

    海と朝日のタイムラプス。

    唯「すごい技だね。テレビでちょっと見た事はあったけど」

    若「絶景じゃ」

    尊「この映像の辺りで、大騒ぎが聞こえたね」

    唯「もぉーさぁー、脱がそうとするわ見えちゃうわで、大変だったんだから」

    尊「脱がす?風呂に服着て入ってたの?」

    若「完全武装じゃった。残念じゃ」

    唯「なにそれ」

    尊「ははは。お父さんに言っとくね」

    唯「お父さん?なんで」

    覚「一緒にお風呂、って聞いただけで倒れそうだったから」

    若「風呂は父上とも入ったが」

    唯「お父さんとお風呂なんて、もう十何年も入ってないよ?」

    尊「んー、そういうのとは、ちょっと違うんじゃないかなー」

    尊 心の声(僕が煙に巻かれてるのか、二人してとんちんかんなのか、どっちだ?)

    家族写真、スタートです。

    唯「なんか声聞こえるよ?!なになに?」

    尊「両親のコメント入り」

    唯「うっそぉ!いつの間にー」

    若「服を買うた日の夜だそうじゃ」

    唯「あ゛」

    尊「なにその渋い顔」

    唯「あの日は…結局たーくんは全っ然元気で」

    若「ん?確か…唯がどんな花を咲かせるのか、問うた覚えはあるが」

    尊「暗号?」

    唯「もー全然休んでなかった」

    尊「さっきから、そんな話ばっかりだな。ていうか、ちょっと待てぇー!」

    唯「なに」

    若「どうした尊」

    尊「ちゃんとこれ観てる?」

    唯「観てるよ。懐かしいな、たーくんカッコいいなって」

    尊「コメント、聞いてる?」

    唯「それが、聞けないんだよぉ」

    尊「どうして?」

    唯「さっきから、ちらほら会話が聞こえるんだけど、もう泣きそうで」

    尊「やっぱり?」

    唯「やっぱり…ってなに」

    尊「録音中、聞いてた僕も胸がジーンとして何度も泣きそうになって、で、鼻すするのとかマイクが拾ったらマズいと思って」

    若「どう切り抜けたのじゃ」

    尊「タイムマシンの燃料作る時の、防護マスクかぶってた」

    唯「そんな、尊が聞いてて泣けるなら、私なんて絶対まともに聞けないよぉ」

    若「ならば、音を消して観ようではないか」

    尊「若君…」

    若「わしも、心穏やかには聞けそうにない」

    唯「たーくんも?」

    若「然り」

    尊「わかりました。では消音、と」

    若「唯、永禄に戻ってから、共に聞こう」

    唯「うん、そうする。ねぇ、観終わったらこっちの写真集見ようよ」

    若「そうじゃな。わしもまだ見ておらぬゆえ」

    尊「あっ、映像の最後に両親の顔出しコメントがあるから」

    唯「えーダメダメ、号泣しちゃう」

    尊「その前で止めるね」

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    両親のコメントは、きっと私も泣いてしまうから、描きません。

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