• このトピックには1,219件の返信、16人の参加者があり、最後に夕月かかりて(愛知)により8時間、 6分前に更新されました。
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    夕月かかりて様 てんころりん様

    夕月かかりて様
    新作始まりましたね。
    楽しく読ませて頂きます~。

    てんころりん様
    せっかく下さったコメントなのに、
    もし、不快な思いをさせて
    しまったのでしたら、
    すみませんでした。

    色々考えて、”十三夜”の二の姫が
    名乗るシーンは、書き換えました。

    当時の、”姫”が、初見の男性に
    直接名乗る事は無かったかも
    と言うのが、私の結論です。

    ですので、二の姫の”蘇芳”については、
    お忘れくださいね。m(__)m

    どうか、ドラマの人形のイメージを
    大切になさってください。(^_^)v

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    妖怪千年おばばさま

    この写真をご覧になったのですね。
    私はドラマの人形のイメージが強くあり、あの時とは違うと思えるのですが、最初にこちらを見たらどうか、思い至らず申し訳なかったです。

    おばばさんが“蘇芳”の名を付けられた意図は実に納得しました。
    古代色の中でも格式が高い色ということも。
    二の姫のイメージに相応しいと思えました。
    どうか後悔なさらないで下さいね。

    この板で話しますね。
    作者の製作テーマはあるとしても、人形は人の心を映す鏡みたいなもので、見せ方で本当に違って来ると思います。
    ドラマ制作者が人形に与えたかったイメージは、写真とは違ったものだったと思います。
    ドラマの映像では別物でした。
    この世のものならぬ不思議さ、可憐さ、妖艶さ、儚さなど感じ、罪深いのは人間と感じました。
    出演者や監督と一緒に楽屋に置かれた人形は可愛く普通でした。

    ドラマ寄りのイメージで語ってしまった私の失敗ですね。お許し下さいませ。
    夕月さんの新作に気づかず失礼しました。

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    返信
    (新)現代Days(仮)への道1~2019年12月1日日曜8時、出ました!

    2019年12月の満月は、12日です。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    日曜の朝、令和の速川家リビング。尊が二階から下りてきた。

    尊「おはよう」

    美香子「おはよう~」

    覚「おーおはよう。今朝はピザトーストだ。焼き始めるぞ」

    尊「うん…」

    美「まだ寝させろって返事ね」

    尊「規則正しい生活しろって言うから。ゆうべは遅くまで勉強頑張ったんだよ?」

    美「わかってるわよ。でもね、これ見たら眠気が一気に覚めるわよ~?」

    目の前に、今朝の新聞を出された。

    尊「何か重大なニュースが載ってるの?」

    美「中の方のね、地域のニュースというかコラムの辺り」

    尊「へ?一面じゃなくて?」

    怪訝そうに、開いて確かめる尊。

    尊「これ?あ、あ?あーっ!」

    美「何その、驚きの三段活用」

    記事に目を奪われている。

    覚「焼けたぞー。おっ、思った以上に記事に食い付きがいいな」

    トーストを手に取るが、新聞に釘付けのまま。

    美「新聞は逃げていかないから。チーズがトロっとしてる内に食べたら?」

    尊「あ、うん。…熱っ!」

    食後。

    美「これ、書いたの忠清くんよね?」

    尊「うん。間違いなく。すごいな、ちゃんと残ってたんだ」

    記事は、隣の県のとある寺に保管されていた古文書を読み解いたところ、どうやら当時に日記として書いた物らしいと判明した、現代語訳には地元の高校教諭も関わっているという内容だった。

    尊「このお寺の場所、昔の地名は緑合だし」

    美「なーんか、感慨深いわよね」

    覚「忠清くんはホントに、歴史上の人物なんだな」

    尊「さっきの三段活用だけどさ」

    美「うん?」

    尊「僕、この写真の先生に会った事あるんだ。それでびっくりして」

    美「そうなの?!」

    覚「え、知り合いなのか?」

    尊「知り合いじゃないけど」

    覚「はぁ?じゃあ何だ」

    尊「兄さんを初めて黒羽城跡に連れて行った時にさ、途中で不良達を成敗した話したの覚えてる?」

    美「覚えてる。さすが忠清くん、正義感の強さはピカイチね、と思ったもの」

    尊「その時助けたおじさんが、この木村先生」

    記事内、複数人写る中の一人を指差した。

    美「そうなの?!ん~言われてみれば、いかにもオヤジ狩りに逢いそうな風貌よね」

    覚「おいおい。でもそんな繋がりがあったとはな。それに黒羽東高校教諭って書いてある。唯の母校だ」

    尊「これまたびっくりだよね」

    覚「これもまた繋がってる」

    美「唯もこの木村先生に歴史を教わっていたのかしらね」

    尊「…先生、僕の事覚えてるかな」

    美「助けてもらったのは覚えてるでしょ」

    尊「助けたのは、九割方兄さんだけど」

    覚「覚えてたら、何なんだ?」

    尊「中身を詳しく教えてもらえないかなって」

    覚「え?貴重な物だろ、簡単には無理じゃないか?」

    尊「でも記事にさ、歴史的資料になるかは全訳出来次第ってあるもん、今の内なら聞けるかも」

    覚「そう上手くいくか~?」

    美「それにしたって、どうアポイントメントを取るのよ?尊の高校じゃないのに」

    尊「夕方、通勤経路で待ってみようかなって。その成敗した現場、駅に近いから、今でもそこ通ってるんじゃないかな」

    美「そんな当てずっぽうな~」

    尊「二三日張ってみて、会えなかったら他の方法を考えるよ」

    尊 心の声(兄さんに、日記の話聞いてから四か月。もう資料として出てくるなんて、これも運命かな。あー、楽しげな予感。何か久々にワクワクしてきた!)

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    1日のお話は、ここまでです。

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    返信
    お三方へ

    妖怪千年おばばさんへ。

    蘇芳のお話の途中にすみません。

    若い男性二人がなまめかしく…違いますが、そんな出来事もあったなあと、唯&若君、源トヨの二組の夫婦が笑い合う日がきっと来ると思える、楽しいお話をありがとうございました。

    私は、どうにもこうにも戦国の言葉遣いが苦手で…尊敬しております。

    ┅┅

    カマアイナさんへ。

    平成令和Daysを2周?!1周210話もありますよ!それは本当にありがとうございます。

    私はカマアイナさんに甘やかされている気がします。こんなに盛り立てていただいて、どれだけ気持ちが救われたことか。感謝しております。新作がお気に召すと良いですが。

    ┅┅

    てんころりんさんへ。

    お待ちしてました(^.^)いつも激励ありがとうございます。
    番号案内をこまめにですね。新作が何話になるかは皆目見当がつきませんが、そのように致します。

    私がこのアシカフェを見つけた頃には、創作倶楽部ができあがって随分経っていましたので、いろんな企画物に乗れずじまいでした。また妄想列車走んないかなー。
    PR、ですが。アシカフェの中の他の板に行くという意味でしょうか?すみません、そこが今一つわからなくて。私はいつも「最近の投稿」欄をチェックして、全ての投稿を読ませていただいておりますが、皆さんそうではないから、ですかね?

    この後の新作について

    また、あいも変わらずDaysシリーズのその後を、ゆるーくぬるーく始めます。よろしくお願いします。

    私、令和Daysを描いた時に、自分でかけた枷がありまして。
    「コロナ禍になってから二人を飛ばさない」だから2019年夏のお話となり、138話、尊と若君の秘密会談内で尊が説明する内容も、半年後の状況を見据えた物にしました。だから令和Daysはまだこのご時世、続きは無理だから完結のつもりでした。

    でも、速川家を描きたい。ほのぼのと現代を楽しむ時間をまたあげたいという気持ちが強くなり、枷ははめた状態で無理やり始めてしまおうと決めました。
    よって新作は、コロナ禍ギリギリ前の話となります。なぜそうなったか、からのスタートなので、プロローグが長くなります。

    そしてしばらくは、唯も若君もほとんど登場しません。あしからず。

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    返信
    てんころりん様

    私の妄想小説の、しかも、ほんの一度
    名乗るシーンを覚えていてくださって
    ありがとうございます。
    その事には、感謝しかありません。

    ここから先は、私の私見なので。
    この場に相応しくないですよね。
    でも、受けた衝撃は、少なからず。
    二の姫に、この名を名乗らせたことを、
    今は、後悔しています。

    http://hizuki-doll.jp/suou
    この人形に、蘇芳と名付けた意図を
    私は、作者に、問うてみたい。
    和人形作家であれば、蘇芳色が、
    紫に次ぐ高貴な色であったことを
    知らぬはずはない。
    それをふまえた上で、
    この表現をあえてしたのであれば、
    その意図は何でしょうか?

    私の目には、この人形は
    あまりにも無残な姿にしか
    見えないです。

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    返信
    蘇芳という姫

    おばばさんが書かれた姫のイメージと人形のイメージは違っていましたね。
    それは私にも分かったので、きちんとそこは書いた上でご紹介すべきでした。配慮足らずで、すみませんでした。

    実はネット上の写真は、江戸川乱歩のドラマに登場した時の人形と、かなりイメージが違います。
    ドラマでは神秘的で, 2人の人間の間で 唯一罪のない存在でした。
    人形の妖艶な美しさは心に残り、名前を知って、おばばさんにお話したいと思ったのでした。

    おばばさんが二の姫に “蘇芳”という“色の名”を付けられた理由は気になりました。
    地味な色の花が、染料として鮮やかな色を出す事からイメージしたと聞いて、納得出来ました。
    ありがとうございました。

    ハナズオウの画像見ました。字が花蘇芳と同じなんですね。人形作家の方は、こちらのイメージで付けた名前では?というのは、当たりかもしれませんね。
    花言葉のネガティブな意味は、イエスを裏切ったユダが、西洋ハナズオウの木の下で自ら命を絶った事に由来すると書いてあって驚きました。

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    返信
    御礼

    カマアイナ 様
    メッセージありがとうございます。
    お名前変えたのかな~
    と思ってました。
    ハワイ編、もう少し
    お待ちくださいね。

    桜と薔薇 様
    コメントありがとうございます。
    そうですね。
    ”戦の無き世を!”
    これは、戦乱の世を描く場合の
    不変のテーマにしなければ!

    てんころりん 様
    蘇芳人形、拝見しました。
    最初に見たものに、ショックを受け、
    しばし、絶句。。。
    確かに、妖艶。
    おばばの第一印象は”怨念”
    この人形作家さんは、”ハナズオウ”
    をイメージされたのではないかと。
    ”ハナズオウ”の花ことばは、
    ”裏切り”です。

    おばばの二の姫のイメージは、
    マメ科の薄黄緑色の花をつける
    ”蘇芳”で、こちらの花は、
    大変素朴というか、地味です。
    ただし、染料にして布を染めると、
    深紅になり、古代、飛鳥時代から
    使われています。
    男装し、女子としての色香は、
    あえて見せず、鐘ヶ江家の因果を
    断ち切る為に一生を捧げようとする、
    その二の姫が、小次郎殿の心を
    熱い恋色に染め上げる。
    それを、表現するために、”蘇芳”
    としました。

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    返信
    ・夕月かかりてさん・妖怪千年おばばさん

    ★夕月かかりてさま~**

    遅れ馳せですが、長編脱稿おめでとうございます。🎉😉❤️
    心よりお疲れ様と申し上げたいです。
    こちらにいらした2020年11月からずっと書き続けてらして、尽きることのない想像力と持久力に、本当に感心し、尊敬してます。

    投稿番号案内と振り返りを書いて下さってますが、これ本当に助かります。あのぅ私的には、番号案内の方は もう少し回数を増やして頂けたらとお願いしたいくらいです。最近はまとめて読むことが多く案内は道標になります。今後もどうぞよろしくお願いします。

    早速に新作開始されるとのこと…
    今回は夕月さんの情熱が、どこに どんな風に注がれるのか、楽しみに読ませて頂きます。
    夕月さんが書かれる速川家の皆さんが大好きです。

    ★妖怪千年おばばさま~**

    遅れ馳せながら… 🏃‍♀️💨
    時代小説の雰囲気の中に『どんぎつね』シリーズはユーモラスな現代テイストが入って楽しいです。
    情景描写の巧みさ、同時並行に複数の場面を描いて話を進める手腕に、いつも感心しています。

    ずっとお伝えしたかった事なんですが…
    鐘ケ江ふきの姉上に、蘇芳(すおう)という姫が登場しましたね。二の姫のお名前でしたか?
    陽月(ひづき)さんという人形作家の方が、蘇芳という名の人形を作られています、もしかしてご存知でしたか?
    この人形がBSドラマに登場、なんとも妖艶でした。
    満島ひかりさん 高良健吾さん出演、江戸川乱歩シリーズ『ろくでなしの恋』初回放送2018年、去年、楽屋話付きバージョンが放送され、人形の紹介があり、名前を知りました。映像はFacebookやInstagramしか見つからず貼れません、よろしかったら検索してみて下さいね。

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    返信
    創作倶楽部のこと

    NHK公式掲示板時代に、ドラマの隙間を埋めるプチ創作を始めた方達がいて『妄想脚本』と呼ばれて人気となりました。
    《創作倶楽部》の原点です。

    『妄想ワールド』というのもありました。
    アトラクションの一例…
    〈若君の馬術セミナー〉だった? いつも何百人待ち状態とか(笑)
    〈そこは痛いの絆創膏〉(NHKなのでバンドエイドとは書けず)、ユーモアセンス抜群のグッズも続々と!☝️😄

    ここアシカフェでは〈妄想列車〉が走り、キジトラさんのダイニングあり、唯と若君がゲスト出演…
    アシラバ垂涎の〈妄想景品〉がもらえるクイズとか…
    創作倶楽部で また楽しい企画が出来ないですかねぇ。😅

    話を戻し 公式掲示板の妄想脚本や妄想ワールドの投稿は、決して順風満帆には行きませんでした。
    ある時を境に 載らなくなったのです!
    「アシガールSP」からの新しい参加者のために止めたか?掲示板に相応しくないとご意見があったか?でしょうね。

    『妄想脚本』を愛する人は残念がりましたが、元々公式掲示板に出すべきでないという考えの人もいて、批判が始まりました。続々と詫びる人が出て辛い時期がありました。

    私が遅れてアシカフェに到着した時、ぷくぷくさん、こやつも阿呆じゃさん始め他の方も『妄想脚本』を復活させていて、とても嬉しかったです。
    やっと市民権を得られたように感じて‥(笑)。

    2020年の再放送の時、妄想関係の投稿は初心者を混乱させるかも、メイン掲示板と分けた方が良いかも、梅パさんと私が言い出しっぺでした。
    新しい板の名前は『妄想』より『創作』として、正規のクラブ活動に昇格の願いを込めました。
    新規の方の目に止まりやすくなり、創作を楽しむ方が入って下さってます。

    原作の終了は残念ですが、これから創作はますます期待されますね。
    そこで作家さん達にお願いです。他の板にも行かれてPRの方もよろしくです。

    当初の方達に戻って頂けたら嬉しいけれど、そればかりはご本人次第ですね。
    私も… いつか短編を書くかもしれません、無期限のいつか…ですょ。

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    返信
    妖怪千年おばばさん

    しばらくぶりにこの郷に伺いましたら何と新作が。

    源ちゃんつながりでどんぎつねの登場と理解していますが、桜と薔薇の乏しい想像力ではイマイチついて行かれないところがあります。
    なので、勝手にいろいろ思い浮かべながら読んでいます。

    トヨちゃん、誤解が解けてホントに良かったね。
    源ちゃん、アワアワしちゃうよね!
    小平太、そりゃプリプリだよね。

    さつきも小僧さんも庭師も刺激が強すぎて口チャックは難しすぎ❗️

    天野の爺は流石に慌てず騒がず
    小平太やトヨちゃんに指示して事実確認。百戦錬磨です。

    びっくりしたのは、若君がこの騒ぎを利用して松丸だけでなく全ての縁談よけにしようとしたこと。
    すごい18才‼️

    おおいに笑わせていただきました。笑いすぎて眠うなった😴

    ドラマの第四話の唯の台詞が繰り返し繰り返し蘇る毎日。若君が
    目指した「戰のない世」は理想に過ぎないとは思いたくない。

    海の向こうで起きていることを決して他人事とは思わずに、でもこうしてクスリと笑えることに感謝して毎日を丁寧に暮らしたい。
    そんなことを思いつつ—リクエストした作品も気長に待ってまぁす❣️

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    返信
    夕月かかりてさん

    ヒャッホー!なんて嬉しいニュースでしょう。
    前回と前々回のシリーズも2度読みさせて頂いて、ストーリーも、心に自然と浮かぶ全員のイメージも、想像を膨らませて楽しませて頂きました。
    また続きが読めるなんて、こんなに楽しいことはありません。
    心からありがとうございます。

    投稿フォームへ

    返信
    妖怪千年おばばさん

    妖怪千年おばばさん、大変失礼致しました。下記のnobodyの感想は私からです。
    歳ですねえ。自分の名前を入れたと思ったのに、名無しの権兵衛で送信を押してしまったようです。

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    返信
    朧月夜に寄せて

    ご無沙汰しております。

    帰宅の道すがら、西の空に浮かぶ月を眺めていました。
    心なしか輪郭が滲んでいて、あぁ、朧月夜。と、「夕月かかりて」としてはかなりの喜びでしたので、お知らせを兼ねて久々にお邪魔しました。

    新作、そろそろ出します。またDaysと付きます。また、ですみません。私にはこれしか描けませんので(+д+)

    今週か来週には始める予定です。

    投稿フォームへ

    返信
    妖怪千年おばばさん

    ご丁寧に返信を有難うございました。多少手を加えられたという事で、読み返してみましたが、またクスクス笑ってしまいました。

    次は覚さんのハワイ編ですか。どんな旅になるのか、今から楽しみにしております。
    ハワイにも綺麗に咲く蓮の花はあるのですが、あれでレンコンのはさみ揚げができるのでしょうかね。ハワイの味は覚さんの肥えた舌を満足させられるでしょうか。勿論日本にはない果物なども沢山ありますが、、、。

    未来の尊がよりスマートになって、ハワイ滞在中の速川一家のもとへ、ユイと若君が突如現るな〜んてのもいいなあなんて夢想しちゃいます。
    大変脱線しましたが、次作心待ちにしております。

    投稿フォームへ

    返信
    カマアイナ様

    感想、ありがとうございます!
    コメントを頂けると、
    とても励みになります。
    書いていると、
    時々不安になるんです。
    主要な登場人物は特に。
    キャラの解釈が独りよがりかな?
    このセリフは、このキャラに
    相応しいか?とか。

    見えたとコメントを頂けると、
    本当に、ホッとします。(^_^)v
    しかも今回は、
    笑って頂けたんですね♪
    ロスをうめていただけたなんて、
    感激~!(*^▽^*)

    所々、名前の間違いがあったので、
    少し書き直しました。
    気に入って頂けた、
    ”じいの鯉の汁”ですが、
    実は、若君と小平太の、
    ちょっとした、ボケとツッコミの
    前振りでした。
    初回投稿で、それを書き忘れまして、
    追記しました。笑
    今日も、すこし、書き直す予定ですが、
    ストーリーは変わりません。笑

    今、私の中の覚さんは、
    ハワイに行くプランを練ってます。笑
    文字に出来るまで、
    少しお待ちくださいね。

    投稿フォームへ

    返信
    妖怪千年おばばさん

    久しぶりの楽しいお話、私も腹を抱えて笑わせていただきました。
    いつの世も、早っとちりの勘違い、ぽろっと出てしまった嘘、ボタンのかけ違いは、それは美味しいストーリーを生み出す隠し味なんですね。

    妖怪千年おばばさんの、時代劇そのものの卓越した日本語を前に、私のお粗末な日本語では、感想を書くことすら躊躇われるのですが、感動が新鮮なうちにお礼を申し上げます。それぞれのシーンと慣れ親しんだ登場人物が、私にははっきり見えて、アシガールロスを埋めさせて頂きました。じい考案の鯉汁に、小平太のキョトン顔、いいですねー。ドンぎつねだけはイメージが良く浮かばないのですが、コマーシャルを頼りに適当に想像しています。

    阿湖姫との婚儀が破談になるまでの間とはいえ、おなごとは心など通じなくとも良い振りを迫られるとは、唯を深く思う若君には別れの辛さが増しますね。
    でも、あの時期に若君が暫くでも腹を抱えて笑えてよかった。 本当によかった。

    これで、雨降って地固まるで、源三郎とトヨに可愛い美緒ちゃんが生まれるのは時間の問題ですかね。

    どんな題材であれ、次作を楽しみにしております。ゆっくり練って下さい。

    投稿フォームへ

    返信
    兎角この世は~源三郎編~ ”どんぎつねシリーズこぼれ話”

       
    皆様、ご無沙汰しました。
    ”緑合板”で、突然のお知らせを
    目にしまして、
    内容がそぐわないかと
    ためらっておりました。

    でも、勇気を振り絞って
    投稿いたします。
    原作は、途中までしか
    読んでいないので、
    ”黒羽城炎上”が
    どう回収されたのか、
    大変気になります。

    でもそこは、やはり原作を
    読み込んでからと思い、
    別の意味での”黒羽城炎上”事件
    を書いてみました。
    ちょっぴり笑って、
    ちょっぴり泣いて頂けたら
    嬉しいです。

    桜と薔薇様
    リクエストいただいた作品では
    ありませんが、
    お楽しみいただけましたら
    幸いです。

    夕月かかりて様
    ほのぼの長編、お疲れさまでした。
    次回作、お待ちしてます。

    ・・・・・・・・・・・・・・・

    花園での茶会が終わった翌日。
    つまりは、狐火に囲まれて、
    白狐の元へと戻って行く
    どんぎつねを見送った
    その明くる日でもあるのだが。

    源三郎は、宴の後片付けに
    追われていた。

     “仕事に励んでおれば、
     思い出す事も無い。“

    そう自分に言い聞かせ、
    ひたすら体を動かす。
    だが、しかし、
    当人はそのつもりでも、
    傍目にはそうは映らなかった。

      “源三郎様は、
      如何なされたのか。
      思い詰めた顔で、
      まるで、心ここにあらず
      のご様子。“

    庭師の頭は、さりげなく、
    手下の若い衆を力仕事に当てた。
    おのずと、源三郎には
    簾や簀の子の整理という、
    軽めの作業が回る。

    しかし、帳簿付けは
    源三郎以外、誰もする事ができない。
    何度も、茶道具や緋毛氈を数え直し、
    その数を書き直す様子に、
    庭師の頭は、
    気を揉むばかりだった。

    手間取りながらも記帳を終えた頃、
    ふと辺りを見回すと、
    宴の名残は東屋の周囲に
    新たに敷かれた白い玉砂利
    だけになっていた。

    西の空には、
    夕焼け雲が浮かんでいる。
    その中に、微かに動く
    小さなものがあった。
    目を凝らすと、
    透き通った羽根のカゲロウが
    風に身を任せるかの様に
    ふわふわと飛んでいる。

    源三郎は、いつの間にか、
    その頼りなげなカゲロウに
    誘い出されていた。

    着いた先は、
    月下美人の鉢が並ぶ一角だ。
    水を引き込んでいる樋の中から、
    流れる水音が微かに聞こえる。
    すると、カゲロウは、
    思いがけない早さで樋に向かい、
    その中に落ちて消えた。

     “とうとう、力尽きたか?“

    樋を覗き込む源三郎の胸が、
    チクリと痛む。

    子供の頃は、力強く飛ぶ
    オニヤンマが好きだったのに、
    何故、今は、
    儚げな小さな虫が気になるのか。

    溜息を一つ、つき、
    城に戻ろうと顔を上げると、
    黄昏の中に人の影があった。
    腰の辺りに、ふさふさと
    揺れるものが見える。

       “もしや、どんぎつね殿?“

       「戻ってきたのか?」

    源三郎は駆け寄ると、
    両腕を伸ばした。

    「何をする!」

    源三郎のみぞおちに
    その影の肘が突き刺さる。

       「うう!」

    体をくの字に折り、
    膝をついた源三郎の頭の上から、
    聞きなれた声が降ってきた。

    「源三郎?!」

      「わ、若君様!」

    振り返った若君が慌てて、
    源三郎を起こそうとする。
    すると、背中が棚に当たり、
    その弾みで、若君の体が
    源三郎に覆い被さる様に傾いた。

    源三郎は、若君が顔面を打つのを
    防ごうと、咄嗟に右手を
    若君の頭の後ろに回す。
    そして、自分の頬の横に引き寄せ、
    左腕で腰から背中を抱きかかえた。

    月下美人の鉢の間に
    倒れ込んだ二人は、
    暫くの間、動けなかった。

    源三郎は背中を、若君は腰の右側を、
    地面に強く打ち付けたのだ。

    西の山の稜線が、橙色に輝いていた。

        ・・・・・・・

       「さつき様、いつまで
        ここに、この様に?」

      「え?」

       「早う戻って、
        夕餉の支度にかかりませぬと
        御坊に叱られまする。」

      「さ、左様じゃの。
       私も戻らねば。
       今、見た事は、決して誰にも
       語ってはなりませぬぞ。」

       「承知しました。」

    花園の隅の、生け垣の裏にかがみ、
    息を潜めていたのは、
    奥女中のさつきと、薬師堂の小僧。

    さつきは、昨日の茶会で披露された、
    成之の花の見事さに感じ入り、
    その花材を一枝分けて貰いに、
    花園に出向いたのだ。

      「奥の長廊下の脇に
       飾りますれば、
       皆、喜びましょう。」

    そう言って、奥御殿の総取締役、
    藤尾の許しを貰った。

    奥では昨夜から、若君の腹違いの兄、
    成之の噂で持ち切りだ。
    常に落ち着いた様子で、
    時には冷たくさえ感じる成之だが、
    その胸の内は、あの花が示す様な、
    熱い思いをたぎらせて
    おられるのだと。

    女子が、キャラのギャップに
    魅入られるのは、この世の常らしい。

    東屋で一人、青銅の壺に向かう
    成之のまなざし。
    身の丈を超える古木を、
    立てた際に、額に浮かんだ汗。
    迷わず紅葉の枝を選び、
    古木の枝に埋め込む手さばき。

    見る間に、古木は切り立った崖に、
    紅葉は流れる滝に変わり、
    滝壺は、深紅の葉で
    埋め尽くされた。
    “清流”を、“紅”で表す。
    それは、誰もが息をのむ、
    斬新な芸術作品だった。

    さつきの訪れを気にも留めず、
    庭師たちは、忙しく立ち働いている。
    声を掛けるのもはばかられ、
    戻りかけた所へ、薬師堂の小僧が
    通りかかった。

        「何か、御用で?」

    小僧は、さつきから話を聞くと、
    庭師の頭を見つけ出し、
    伝えに走って行った。
    やっと、さつきに気づいた庭師は、
    その場で深々と頭を下げる。

        「小枝で宜しければ、
         花園の紅葉の下に
         置いてありますものを、
         お持ち下さいませと。」

    戻ってきた小僧は、庭師の
    しわがれた声音をまねる。
    さつきが噴き出すと、
    照れたように頭を掻き、
    庭師から、案内を頼まれたと言う。

        「ここは、私の庭の様な
         ものですから。」

    小僧は、大人びた口調で得意げだ。

       「まあ、左様な事、
        誰ぞに聞かれたら、
        仕置きものじゃ。」

    さつきは顔をしかめてたしなめる。
    が、すぐに笑顔に戻った。
    紅葉を手に入れるのが、
    よほど嬉しいらしい。

    秋の日は瞬く間に過ぎる。
    念願の枝を数本手にし、
    上機嫌で奥御殿へと足を向けた矢先、
    源三郎と若君が、折り重なって
    月下美人の陰に消える様を
    目撃したのだった。

       ・・・・・・

    背中全体に擦り傷を負ったが、
    源三郎は、何よりも先に、
    若君を案じた。

    若君は、腰を抑えたまま、
    声も出せずにいる。

    背中の痛みをこらえ、
    立ち上がり、
    若君を抱き上げると、
    源三郎は、花園の中に
    新たにしつらえられた
    水屋に向かった、

    そう、女子であれば
    誰もが一度は憧れるかもしれない、
    お姫様抱っこで。

    源三郎にとっては、あくまで
    主君の手当の為だったのだが、
    奥女中のさつきと、
    薬師堂の小僧には、
    そうは見えなかった。
    成之の“花”に惹かれながらも、
    日頃から若君贔屓を公言している
    さつきにとっては、衝撃の出来事だ。

    源三郎は、水屋の中に
    若君を運び込み、
    先ほど畳んだ緋毛氈を敷く。

    その上に若君を寝かせると、
    無礼を詫びながら、袴を脱がせ、
    着物の裾をまくる。
    若君の腰が、青紫色になっていた。
    源三郎は、水屋の手桶を掴むと、
    すぐ横の井戸で水を汲み、
    首に巻いていた手拭いで、
    若君のあざを冷やし始めた。

    「世話をかけるの。
     それより、ぬしの腹は如何じゃ?
     肘を強う当ててしもうたが。」

     「は。確かに一時
      息が止まり申した。
      さすが、若君にございます。」

    「すまぬ。源三郎とは思わず。」

     「いえ、私の方こそ、
      大層な見間違いを。」

    「見間違い?」

     「は。その。。。見知った者が、
      そのふさふさとした物と
      良く似た狐の尾を
      付けておりました故。」

    「さようか。それはもしや、
     稲荷の巫女とやらか?
     久殿の絵馬を
     届けてくれたと言う。
     だがの。
     これは、唯之助のものじゃ。」

     「唯之助の?
      確か、生まれ故郷に戻ったと
      伺いましたが。」

    「うむ。
     戻る前、城下の芝居小屋に
     立ち寄った様での。
     その折に、落として行ったらしい。
     よほど、慌てておったのであろう。
     使いの者が、届けたそうじゃ。
     天野の離れ座敷にの。
     わしが持っておった方が、
     唯之助も嬉しかろうと、
     おふくろ殿が申すので、
     譲り受けた。」

    源三郎は、どんぎつねを
    引き合わせるなり、花園を
    走り去った唯之助を思い浮かべた。
    そう言えば、あの時、
    何かが腰の当りに揺れていた
    様な気がしないでもない。

    「ん?源三郎。
     帯に挟んでいる、
     それは何じゃ?」

     「あ・・・これは。そのう。
      稲荷のお守りとか。」

    「貰うたのか?
     その巫女から?」

     「は。あ、いえ、その。」

    どんぎつねから渡された、
    小さな尻尾を指で撫でながら、
    耳まで赤くなっている源三郎
    を見て、若君は、話を変えた。

    「それよりも源三郎、
     背中に血が滲んでおるぞ。」

     「そ、それは、気付きませず、
      申し訳ございませぬ。
      すぐに止血を。」

    源三郎は慌てて、若君の着物を
    脱がせようとする。

    「いや、わしではない。
     ぬしじゃ。
     わしが、手当する故、
     早う着物を脱げ。」

     「滅相もございませぬ。
      かような傷、何程でも。」

    遠慮する源三郎の襟をつかみ、
    胸元をはだけると、
    若君は、半ば無理やり
    源三郎の片袖を引き抜いた。
    まさにその時、
    水屋の戸が開き、庭師の頭が、
    顔をのぞかせた。

    仕事を終え、帰りかけた庭師は、
    水屋から物音がするのを聞きつけ、
    不審に思ったのだ。

    そして、そこで目にしたものは、
    頬を朱に染めた半裸の源三郎と、
    下半身をはだけた若君の姿。

    仰天した庭師は、
    戸を閉めるのもそこそこに、
    叫びながら、走り去る。

      「お、お許し下さいまし~!」

    庭師は思った。

       “源三郎様が上の空で
       あったのは、
       かような訳が。。。“

    実に、間の悪い事は続くもの。
    当人たちは、庭師の誤解には
    とんと思い及ばず、
    こんな言葉を交わす。

    「あの者は、何をあのように、
     慌てておるのじゃ?」

     「はて?」

    こうして、宴の後の一日は
    とっぷりと暮れて行った。

        ・・・・・・・・

    さて、さらにその翌日。
    奥御殿で、若君と源三郎の噂が、
    “成之の花”を超えて
    しまったのは、致し方ない。

    薬師堂の小僧に口止めを
    したものの、己の胸の内に
    納めておくには、
    さつきにとって、
    刺激が強すぎた。

    その噂は、瞬く間に、
    藤尾の耳にも入った。

      “なんじゃと?
      自ら呼ばれたふき様の元に
      若君様がお通いに
      ならなかったのは
      それ故か?! “

    藤尾は血相を変え、
    城表に出向むくと、
    人目もはばからずに叫ぶ。

      「天野殿!
       信茂殿はおられぬか~?」

    一方で、薬師堂の小僧は、
    御坊には語らなかったものの、
    草木染の手習いにやって来た、
    天野家の女中、トヨには
    つい、漏らしてしまった。

    トヨが千原家の家紋ばかりを
    熱心に染めるので、
    その訳を尋ねた所、
    幼馴染の源三郎が、千原の姓を
    賜るのを、念じての事だと言う。

       「それなれば、
        じきに叶いましょう。」

    意味ありげに語る小僧に、
    トヨが聞き返す。

      「???何故に?」

       「若君様は源三郎様を
        格別にご寵愛のご様子。」

      「それは言葉が
       違うておろう?
       確かにお側近くに
       仕えてはおり、
       厚い信頼も頂いては
       おる様じゃが。」

       「私の言葉に誤りなど。
        確かにご寵愛にて。」

      「ご・・・ちょう???」

    トヨが小僧をまじまじと見る。

       “しまった!”

    小僧は、思わず、己の口を押え、
    その場を立ち去る口実を
    探したが、後の祭り。
    トヨに詰め寄られ、
    首根っこを掴まれた猫同然に
    体をすくめたまま、
    花園で目撃した様を、逐一語った。
    しかも、やや盛り気味に。
    いや、実は、大いに盛って。

    トヨは、頭の中が真っ白になり、
    思わずよろめく。

      “そんな!
      まさか、あの源三郎が!“

    やがて、おぼつかない足取りで、
    仕えている天野家へ帰って行った。

    どこをどう歩いたものか。
    気もそぞろで、勝手口に
    たどり着いたトヨに、
    下男が声を掛ける。

      「おお、やっと戻ったか。
       ご隠居様が、お呼びじゃ。
       早う、茶をお持ちしろ。」

    トヨは、何度も茶碗を落としかけ、
    一向に、信茂の茶が整わない。

    見かねた下男が、他の下女に
    手伝わせ、トヨは、今にも、
    つんのめりそうな様子で、
    隠居部屋に向かった。

    信茂は、茶を一口すすると、
    おもむろに切り出す。

    「トヨ。ぬしは確か、
     若君付きの源三郎とは、
     同郷であったの。」

      “げ・・・源三郎?”

    追い打ちをかけられ、
    直ぐにも逃げ出したい
    トヨであったが、
    ぐっと堪えて答えた。

     「は、はい。幼馴染にて。」

    「左様か、ならば尚更、好都合。
     実はの。確かめて欲しい事が
     あるのじゃが。」

    その後、幾晩も、トヨが眠れぬ夜を
    過ごしたのは、言うまでもない。

        ・・・・・・

     「はああああ~~~」

    こだまヶ池の淵で、どんぎつねは、
    手を合わせている。

    大きなため息を聞きつけ、
    白狐が声を掛けた。

    「どうした?」

     「こだまが、
      返って来ないんです。
      どうしちゃったんだろう?」

    白狐は、どんぎつねが
    黒羽城の方向を
    向いていることを見て取ると、
    慰めるように言う。

    「平和な現代でも、色々あるのだ。
     ましてや、源三郎殿が居るのは、
     戦国時代。」

     「言われなくても、
      分かってます!」

    「信じて待つも、忘れるも、
     全てお前次第だ。」

     「分かってますってば!」

    どんぎつねは、恨めしそうに
    白狐を睨むと、
    もう一度、大きく柏手を打った。

    あの日、源三郎は約束したのだ。
    どんぎつねが自分の娘として
    生まれ変わったら、
    “美緒”と名付けると。

    それには、源三郎がめでたく
    誰かと結ばれなければならない。
    その候補に、一番近いのは、
    トヨであったはず。

    伏見稲荷のこだまヶ池では、
    柏手のこだまが返る時間や方向で、
    願いの成就を占うのだが
    暫く待っても、
    やはり、こだまは返らなかった。

    「もう行くぞ!
     修行の時間だ。」

    しぶしぶ、どんぎつねは、
    白狐の後をついていく。
    一人前の、闇払いになるには、
    まだまだ遠いどんぎつねだった。

    さて、そのどんぎつねの
    生まれ変わりに、
    大きな役目を果たすはずの
    トヨはと言えば、ここ数日、
    頭痛、肩こり、腰痛、不眠に
    さいなまれていた。
    おまけに、下痢と便秘も
    繰り返している。
    つまりは、これまで経験のない
    絶不調で、食事もろくに
    喉を通らなかった。

    仕えている家の御隠居様の
    頼みとあらば、断る訳には行かぬ。
    さりとて、当の源三郎に
    面と向かって問いただしても、
    しらを切られれは、それで終わり。
    いや、その逆に、
    幼馴染のお前にならばと、
    噂通りの色恋の嗜好を
    打ち明けられでもしたら、
    その瞬間に、己の恋心は粉々に
    砕け散る。
    しかもその相手が、“わ・・・”

    イヤイヤイヤイヤ。

    トヨは、頭をぶんぶん振って、
    駆け巡る妄想を消そうとする。

    普段なら、考える前に体が動いて、
    テキパキと仕事をこなすのに、
    今は邪念が渦巻いて、
    全く手に付かない。
    トヨは焦った。
    情けない自分に腹が立つ。

    そう、空腹は時に、
    怒りに変わるもの。

    トヨは手にしていた雑巾を、
    廊下にたたきつけると、
    後を年下の下女に頼み、
    たすき掛けのまま、
    天野の屋敷を飛び出した。

     “噂だけでは、埒が明かぬ
     証拠でもつかめば別じゃが。”

    トヨが向かったのは、
    花園の水屋だ。

    薬師堂の小僧が語った、
    “お姫様抱っこ”の姿が、
    目の前に浮かぶ。
    戸を開けようとして、
    一瞬手が止まった。

    すると、いきなり戸が開き、
    出てきたのは庭師の頭だった。

      「うわあああ!」

    庭師はトヨを見て叫び声を上げた。
    その慌てっぷりを見て、
    逆に、落ちつきを取り戻したトヨは、
    庭師が後ろ手に何か隠したのを、
    見逃さなかった。

     「ここで何をしておる?!」

      「お、おぬしこそ!
       んんん?どこぞで、
       見かけた顔じゃの。」

     「天野の者じゃ。
      ぬしは時折、庭木の手入れに
      参るであろう?」

      「おお、雪囲いの折に、
       ふかし芋をくれた、
       お女中か。」

     「覚えておったか。」

      「そのお女中が何故ここに?」

     「ご隠居様から
      頼まれた事があっての。
      それより、ぬしは、
      今、何を隠した?」

      「わしは何も隠してなど。」

     「私の目は、ごまかせぬ。
      出さねば、
      御隠居様にお伝えする。
      庭師の頭は、手癖が悪いとな。
      さすれば、ぬしは、
      出入り禁止じゃ。」

      「それは、ご勘弁を。
       落ちていた物を、
       拾うただけで。
       すぐに、お届けに
       上がろうとした所へ、
       お前様が。。。」

    庭師が恐る恐る差し出したのは、
    なんと、トヨが源三郎に
    渡した手拭いだ。

     「届ける?
      では、これが誰の物か、
      ぬしは存じておるのじゃな?」

      「へえ。茶会の明くる日、
       源三郎様が確かにここに。」

     「他には?」

      「・・・。」

     「他に誰ぞおったのなら、
      その者の物かもしれぬ。」

      「いえ、そのような事は。
       一緒におられたのは、
       そのう。。。」

    言いかけて、庭師は口ごもる。

      「お許しくだされ。
       そのお方は決して、
       千原家の紋を
       お使いになるお方では
       ございませぬ故。」

     「次席家老の紋を
      受けぬ者とあらば、
      筆頭家老の天野家の者か?
      それとも?」

    手を緩めぬトヨの迫力に押され、
    庭師の頭は、致し方なく語った。
    あの日、自分が目にした有様を。

    トヨの目が、鋭く光った。
    これで、状況証拠は十分だ。

     「この手拭いは、私が届けよう。
      千原屋敷への使いもある故。」

      ・・・・・・

    庭師の前では、気を張っていた
    トヨであったが、
    花園の門を抜けた途端、ヘナヘナと
    その場にしゃがみ込んだ。

    手にした手拭を見つめる。
    千原家の紋が、ぼやけた。
    気付かぬうちに、
    涙が込み上げていたのだ。

    トヨの指には、小刀の傷が
    今も残っている。
    渋紙に紋を刻んだ時に
    小刀が滑って切ったのだ。
    滲んだり、掠れたり、
    何度も染め直している内に、
    指の傷も染料の紅に染まった。
    源三郎を思えば、
    それさえ嬉しく思えた。
    それなのに。

    トヨの心の中で、
    二人のトヨが囁き始める。

      「源ちゃん酷い。」
            と、白トヨ。
       「わざと落としたかも。」
            と、黒トヨ。
      「わざと?」と、白トヨ。
       「秘め事の証を残せば、
        若君も後には引けない。」
            と、黒トヨ。
      「それって、まさか。。。」
            と、白トヨ。
       「出世の為なら
        その身も差し出す。」
            と、黒トヨ。

    思わずトヨは、
    拳を振り上げ叫んだ。

     「武士であれば、身を
      差し出すべきは戦場じゃ~!」

    すると、おおらかな声が答えた。

    「まさに、その通り。」

    驚いて振り返れば、
    そこには腕を組み、
    頷きながら立つ源三郎の姿が。

     “い・・・いつの間に。。。”

    振り上げたトヨの拳の下には、
    あの手拭いが揺れている。
    それを見た源三郎は、
    にこやかに言う。

    「ん?トヨ。
     それは、お前がくれた
     手拭いではないか。
     実はの、わしはそれを
     取りに来たのじゃ。
     大切に使わせて
     貰うておるぞ。」

    何とまあ、これは兎に角、
    超絶に間が悪かった。

    源三郎のその一言が、
    くすぶっていた
    トヨのもやもやに
    火をつけたのだ。

     “何を今さら、ぬけぬけと!”

    トヨは手拭いを源三郎の胸に
    投げつけるとこう言い放つ。

     「見損のうたぞ、源三郎!
      色仕掛けで出世を目論むとは!」

    トヨの目から大粒の涙が
    ぼろりとこぼれ落ちた。

    源三郎は、訳も分からず、
    目を白黒させている。
    こんなに取り乱したトヨを
    見るのは、初めてだ。
    まずは落ち着かせようと、近づく。
    ところが、トヨはその源三郎の手を
    振り払い、走り去ってしまった。

    直ぐにも追いかけて行きたかったが、
    宿直の出仕の刻限が迫っている。
    足元に落ちた手拭いを拾い上げると
    枯葉が一枚、はらりと落ちた。
    それはまるで、さっき見た、
    トヨの涙の様だ。

     “解せぬ。
     女子なるものは、全く。”

    源三郎は、手拭いを丁寧に畳むと、
    懐に入れ、城に向かった。

       ・・・・・

       “ちと、遅うなった。”

    足早に若君の居間に向かう源三郎に
    庭から下男が声を掛けた。

       「源三郎様。
        若君様は、一足先に、
        湯殿に向かわれました。
        着替えの手伝いは無用と
        仰せられまして。」

      「承知した。」

    無用と言われても、近くに侍るのが
    お側仕えの勤め。

    湯殿に向かい、着替えの間で、
    若君を待つ。
    何故か寝間着が二着用意されている。
    やがて、湯上りの若君が姿を現した。

      「湯加減は如何で
       ございましたか?」

    「良い加減じゃ。
     ぬしも、浴びると良い。」

      「かたじけのうございまする。
       なれど、恐れ多い事にて。」

    源三郎は、さりげなく辞退すると、
    若君の着替えを手伝う。
    残った寝間着一着の入った盆を
    捧げ持ち、若君の寝所へ向かいつつ、
    心の中でつぶやく。

      “見習いの者が
      整えたのであろうか?
      衣装方には、
      良う言うておかねば。
      寝間着と言えど、上等な絹。
      数を誤るような
      粗相があってはならぬ。“

    寝所近くの廊下で若君が足を止めた。
    ほの暗い廊下に、黒い影がある。
    源三郎は、若君の前に立ち、
    低い声で問う。

      「何者じゃ?」

    影はおもむろに、
    手蠟燭に火をつける。
    ぼうっとその顔が浮かび上がった。

      「小平太殿!」

    「小平太、如何した?
     今宵は非番であろう?」

     「爺・・・いや、若君様の守役の
      指図にて。こちらを。」

    みれば、小平太の膝の前には、
    酒膳が置かれている。

    「鯉の汁か。気が利くの。」

    若君は、安堵した声で
    小平太をねぎらうと寝所に入った。

    小平太の後に続いて、
    控えの間に入った源三郎は、思わず、
    寝間着の盆を落としそうになる。
    閨の几帳の脇から、
    夜具が二組有るのが見て取れた。

    慌てて、横にいる小平太に、
    声を潜めて訊ねる。

     「今宵、若君様は、
      どこぞの姫をお召しに?」

    小平太は答えず、源三郎を睨む。

    閨の外廊下から若君の声がした。

    「小平太、膳をこちらへ。」

     「は、只今。」

    酒膳を持ち上げた小平太が、
    それをそのまま
    源三郎の目の前に突き出す。

     「ぬしがお持ちしろ。」

      「はっ?」

    同じお側仕えとはいえ、
    格上の小平太には逆らえぬ。

    源三郎は、腑に落ちぬ顔で
    膳を運んだ。

    それを見て若君は、
    改めて小平太を呼ぶ。

     「小平太、
      ぬしもこちらに参れ。

    気の進まぬ様子で現れた
    小平太の眉間のしわをみて、
    若君が、あきれたように
    声を掛けた。

    「如何した?
     今宵は常より一本
     多いようじゃが。」

    若君は自分の眉間を
    指でさし、笑う。

     「いえ、何も。
      常と変わりませぬ。」

    「左様か。
     折角の酒じゃ。
     ぬしも飲まぬか?」

     「かたじけのうございます。
      なれど、今宵は。」

    「なれば、まあ、よい。
     それにしても、小平太。
     聞き違えにも程がある。」

     「は?」

    「確かに、茶会の夜、向後は
     手足を伸ばして休みたい
     と申した。
     だが、それは言葉の綾じゃ。
     夜具を増せという事ではない。
     今は、語れぬが、全ては
     兄上次第の事での。」

     「は?成之様?
      いや、しかし・・・。
      では、源三郎は?」

    「源三郎とな?」

       「小平太殿、何故、
        そこで私の名が?」

     「水臭いぞ、源三郎。
      今さら、隠さずとも良い。
      もう、皆、承知の事じゃ。」

      「何を承知と?」

    小平太は、こらえきれず、
    ついに、若君に向かって
    申し述べる。

     「若君様。
      恐れながら、申し上げまする。
      私は、七つの頃よりお仕えし、
      自負して参りました。
      若君様のお心は、誰よりも
      存じ上げておると。
      その私に、何故、真っ先に
      打ち明けて下さらなかったのか。
      この小平太、誠に無念。」

    「打ち明ける?
     何をじゃ?
     先ほども申したが、
     兄上の事は、十分に策を練らぬと、
     語れぬ。」

     「成之様の事ではございませぬ。
      私が申し上げておるのは、
      源三郎との事にて。」

    「源三郎が如何したと言うのじゃ?」

     「もう、知らぬ者はございませぬ。
      こ、こ、こ、
      こい、こい・・・。」

    「鯉?」

    若君は、椀を覗き込む。

    「この汁が濃いと申すか?」

     「その濃いでも、
      この鯉でもございませぬ!」

    「ん?」

     「恋仲であると!
      若君様と源三郎が!」

    部屋の空気が一瞬にして固まる。

    暫くの沈黙の後、
    閨は、爆笑の渦に包まれた。
    誰の?
    そう、もちろん、若君の。

    源三郎は、卒倒寸前。
    小平太は、益々挙動不審に。

    笑い袋と化し、腹を押さえながら、
    悶絶していた若君が、
    ようやくその身を起こした頃、
    小平太が、恐る恐る声を掛けた。

     「若・君・様?」

    「笑いが過ぎて、腹が痛うなった。」

    またしてもこみ上げて来る笑いを
    こらえながら、若君が答える。

    源三郎は、今になってやっと
    トヨの言動が腑に落ち、
    青ざめた顔で、
    小平太に向かった。

      「それは、全く、
       根も葉もない噂に
       ございまする。」

     「いや、しかと逢瀬を見た
      と申す者が居り。
      それはそれで、
      めでたいと。」

       「めでたい?
        いや、その様な
        間柄もあるとは
        存じておるが、
        若君様と私は、
        断じて。。。」

    うろたえる源三郎。
    なだめる若君。

    「まあ、良いではないか。
     わしには、むしろ好都合。」

      「好都合?」

     「好都合とは?」

    「うむ。縁談除けになる故。
     此度の噂が、松丸に届けば、
     自ずと、阿湖姫との婚礼も
     無くなろう。
     阿湖殿は申し分のない姫君じゃ。
     それ故、いかように
     退いて貰うか、
     悩ましく思うておった。」

     「な、なんと!
      しかし、松丸との縁組には、
      乗り気であられたのでは?」

    「確かに。
     以前は、戦ばかりが先立ち、
     浅慮であったのじゃ。
     源三郎、しばし、頼むぞ。」

      「はっ?」

    「不服か?」

      「い、いえ。
       お役目とあらば。。。」

    答えながら、
    源三郎の目が泳ぐ。

      “どんぎつね殿。
      ぬしがくれたお守りは、
      このような折には、
      役に立たぬのか?
      わしは今、この上もない
      窮地に居る。“

    誤解の証拠として、
    源三郎の背中の擦り傷を確かめた
    小平太は、すっかり上機嫌に。
    冷めてしまった鯉の汁を
    若君から分けて貰い、
    勧められるまま、
    酒も飲み干して帰って行った。

    いつになく、深酒をした若君は、
    二つ敷かれた夜具の上に
    大の字になって眠っている。
    寝顔に笑みさえ浮かべて。

    あどけなさの残る、
    その寝顔を見れば、
    いかなる難題でも
    引き受けざるを得なくなる。
    源三郎は、ため息つきつつ、
    若君にそっと夜具を掛けた。

    東の空が、白々と明けて来る。
    冷たい指先に息を吹きかけ、
    伏見稲荷の方角を探す。

      “どんぎつね・・・
      いや、美緒。
      済まぬ。
      しばし、待てるか?
      いつになるかは、
      皆目分からぬが。“

    朝もやが、源三郎に忍び寄る。
    源三郎は、膝を抱えて
    静かに目を閉じた。
    花園で追ったカゲロウの姿が浮かぶ。
    突然、トヨの言葉が蘇った。

       「源三郎。
        カゲロウは、
        子を産むために
        水に身を投げるのじゃ。
        悲しくもあるが、
        生まれ変わると思えば、
        嬉しくも思える。」

    そうなのだ。
    カゲロウが生まれる頃、
    またここに見に来ようと、
    トヨと約束した。
    二人が育ったあの村の小川で。
    あれは、確か、千原の家に
    住み込む事になった前の年。
    まだ、その約束は
    果たしていない。

    忘れていた思い出が、
    源三郎の心をほんのり照らす。

    瞼を開けば、いつの間にか、
    朝もやは消え、青空が
    広がっていた

      “トヨには全て語ろう。
      カゲロウが生まれる頃に。
      例え、信じて貰えずとも。“

    源三郎は、そう心に決め、
    外廊下から空に向かって
    飛び蹴りをする。
    そして、庭に着地し、
    片膝をついて、
    ガッツポーズを決めた。

      ”シャーッ!”

    青空に浮かぶ白い月が
    静かにその姿を見守っていた。

      

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    夕月かかりてさん

    なんてうれしいニュースでしょう。ここは創作倶楽部ですから、いくらでも発想の羽を伸ばして下さい。ストーリーは新しくても、アシガール独特の登場人物達の醸し出す雰囲気は、たっぷり出ていて、飽きません。
    若君と唯のラブラブの今後、どこまでも暖かさと思いやりで包み込んでくれる速川家の面々、続編が遠のいてしまった今は、どんな展開も大歓迎です。
    楽しみにお待ちしております。

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    新作、練り始めました

    前回は、平成Daysが終わる頃には令和Daysを平行して書いておりましたので、インターバルは半月程でした。
    今、ゼロから大まかに組み立て始めたところです。いつ出せるか、そもそも出せるところまで行くのかも未定ですが。お時間をください。

    かなり自由にさせていただいておりますが、創作倶楽部で、いくら「原作にあること以外は許せないという方は閲覧注意!」とマスター様の説明があるにせよ、こんなにかけ離れて良いのだろうか?と自問します。特に私の話は、時系列で流れができているシリーズ物で、既に違う世界が広がっているし。大丈夫でしょうか?

    出てくるキャラクターが皆、楽しんでいる様子が描けたら、とは思います。
    あと、源トヨをもう少し何とかしたいんですが…寸止めしない夕月の毒牙にいよいよかかるのか?!これ如何に。まだ何も書いておりませんので、「止めよ!」の声が聞こえましたらご意見に従います。

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    キャラが語り出す

    梅とパインさん、労いのお言葉をありがとうございます。遅いなんてないです。描いた甲斐があった!と喜んでおります。
    ご質問(違う?)の回答他もろもろは後ほど。まずは、本日投稿する予定でした、物語作成中のこぼれ話から。

    著名な小説家や漫画家の方々が、「物語の中のキャラクターが、時折自分の手を離れ自由に話し出したり動き出したりする」などとおっしゃっているのを耳にした事があります。
    そういうモノなのかー、へーと思っておりましたが、妄想作家の端の端の端くれの私にも、そんな瞬間が訪れて驚きました( ゚Д゚)!しかも2回です。

    まず2回目を先に説明しますが、それが令和Days9話の吉田君でした。
    彼を、美香子先生のファンとしましたので、意外な場所でバッタリ会えればそりゃ嬉しい。ニコニコ顔を想像していたら、「病んでる時にしか会わない人に、元気な時に会えて嬉しい」としゃべり出しました!な、なんてカワイイ奴。なのでセリフに組み込みました。唯に会える方がレアケースと彼が気付く由もなく、ただただ喜ぶ吉田君でした。

    1回目なんですが、今更ながら告白します。平成Days14話(投稿番号no.375、サブタイトル:家族の一員)の若君です。
    尊が作った結婚指輪を戦国に持って行くのか、と聞かれ「我らが去った後、ここに置いて欲しい。父上が、ここに母上の指輪がありいつも傍に居るようだと申された。我らの指輪もそのように、いつもここに居るように思うて欲しいのじゃ」と答えました。
    指輪は作ってあげたかった、だがその後はどうしよう?と話を練っていたら、ふと若君が現れ、話し出したのです。うわっ、すぐに書き留めなきゃ!で。だから私も若君の話に感動した一人でした。発表当時、皆さんに比較的気に入っていただけたエピソードを今更で、本当にすみません。こんな経験二度もあると思っておりませんでしたので(>_<)

    ずっとそのキャラの事を考えているので、ただ妄想が甚だしいだけだとは思いますが、よくぞ現れてくだすった!と、若君と吉田くんには感謝です。

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    お疲れ様でした m(__)m

    夕月かかりて さん、ずいぶんずいぶん遅くなりましたけど… 長編の創作ストーリー & 振り返り を ありがとうございました。 大作でしたね (^^)。
    もう既に、次の物語の草案が出来上がっているのでしょうか?
    他の創作作家さんの作品も、楽しみに待ってます。
    私は……限界 (^o^;)。よっぽど気が向いたら、お邪魔します (^.^)。

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    振り返ります二人の令和Days、140(終)まで

    結局長文になっております。no.798の続きです。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    86、no.708、夢でも嫌!
    87、no.709、ウキウキです
    88、no.710、わかって欲しいのに
    89、no.711、止まらない!
    90、no.712、ゆらーりゆるーり
    91、no.713、甘くていいのです
    92、no.714、温もりも忘れない
    93、no.715、背中で語ります┅┅┅

    以前「唯が待つ元へ必ず帰るという強い決意で、これからも戦に臨む」って話してるんですが(27話)。いろんな方向から物事を考え、軽く口約束なんかしないであろう若君だからこそ、かえって仇になって怒らせたというか。
    友達が出来ても家には呼べないよと話す尊に、真っ先に謝った若君(93話)でしたが、この前の日の夜に実験室での秘密会談が行われ、その際新型タイムマシンに尊の妻女も乗るのかと話しており(138話)、それが軽々とは叶わないと知って、即詫びたのです。
    唯を怒らせたくだりがなくても、デートの帰りに花屋には寄ってたでしょうね。ここで、90話で若君を接客した、花屋の店員の会話をお送りします↓
    店員1「今の客、昨日も来てなかったか?」

    店員2「来てた!超イケメンは毎日でも来て欲しいよ」

    店1「息切らしてたな。急いで来たようだったけど」

    店2「早くしてとかなかったね。ジェントルマンだった」

    店1「動きがなんつーか、優雅でさ」

    店2「花束抱えた時のオーラ、すごかった!王子様現る!だった~」

    店1「500円玉をジャラジャラ出された時は驚いたけどな」

    店2「それさ、もう萌え萌えだったよ~。あんなマンガの世界から抜け出たようなイケメンがさ、貯金箱にコツコツ小銭貯めてたのかしらんなんて想像したらもう」

    店1「ヨダレ出てたんじゃないか?」

    店2「そこは飲み込んで、オマケしますっ!となった訳でして」

    94、no.716、新しい朝が来た
    95、no.717、心通じ合う
    96、no.718、浄化されます
    97、no.719、輝き続けます
    98、no.720、他人のそら似
    99、no.721、気持ちも入ってます
    100、no.722、手に手を取って
    101、no.723、心に響く声
    102、no.724、一途です
    103、no.728、繋がります
    104、no.730、準備はスローに
    105、no.731、盛り上がってます
    106、no.732、ときめき全開です
    107、no.733、打ち明けます
    108、no.735、旅立ちです
    109、no.736、納得できぬ┅┅┅

    若君が言いにくそうだったので、すっかり一人称が「わし」に戻っております。
    94話に、片腹痛いという言葉が出てきます。大変申し訳ありません!恥ずかしいという意味が全くないわけでもないようですが、ほとんどの場合、笑止千万とかちゃんちゃらおかしいといった意味で、私が恥じるという意味のみがあると勘違いし使用しました。本来の意味で読み進めると、若君が唯を滑稽だと思っていたかのようになりますが、決してそうではありません。100話も同様です。これはと苦々しくご覧になっていた方もいらっしゃったと思います。お詫び申し上げます。書き直しに関しては、内容が随分変わるのと、一度世に出た作品には責任もありますので、今のところはこのままにいたします。
    千羽鶴が完成しました。関わった全ての皆さん、芳江さんのお孫さんも、これは平和を願って作ってるんだよと理解して折り上げています。だから大殿に、手掛けた者達の総意だと断言できました(133話)。
    花火大会の動画を撮ってあげてお土産、にするつもりが、両親への置き土産にもなりました。覚さんの「そうか…そうか」は、描いていた私自身、こみ上げるものがありました。
    芳江さんが折り上げた連鶴は、三重県桑名市の伝統工芸です。黒羽城があったと推測されるいなべ市のお隣の市です。看護師さんお二人は、今のお住まいは速川クリニックからそう遠くはないでしょうが、少なくとも芳江さんは、ご実家は程良い距離にあるようです。
    唯ちゃんが若君の母に生まれ変わった世界では、やはり永禄二年に一族は滅びるでしょうか?例えそうであっても、母の愛を知らぬままよりは、ずっとずっと幸せな一生ですよね。

    110、no.737、どの花見ても綺麗だな
    111、no.738、応えて欲しい
    112、no.740、ミッション遂行中┅┅┅

    女子がキャーキャーしゃべりまくる様は描いてても楽しいです。名前が言いにくいってアンタ…本人の耳に入らないのを祈ります。
    千吉さん、さすがの安定感というか、とても描きやすかったんです。これからも唯之助奥方様を、時には諫めつつ手助けしてくれると思います。

    113、no.741、ズバリ正解です┅┅┅

    若君は朝から何を書いてたか(116話、119話も)、それは日記でした(138話)。

    114、no.742、怒らないでください┅┅┅

    115、no.743、じゃれ合います
    116、no.744、待て!
    117、no.745、聞こえないフリ
    118、no.746、月に酔う┅┅┅

    お待たせしました。源トヨようやく登場です。私にしては珍しく、寸止めの美を守っております。でも次回作があり、また登場するならば…どうでしょう。そっか、パラレルワールドだから何でもアリか。いやいやいや。誰か私を止めてください。

    119、no.747、希望の朝だ
    120、no.748、喜びに胸を開け┅┅┅

    ラジオ体操話を引っ張った甲斐がありまして、無事二元中継ができました。これからも実現するかは、唯が早起きできるかにかかります。

    121、no.754、秘めておきます
    122、no.757、セット完了です
    123、no.758、所以が知りたい
    124、no.760、最強の味方┅┅┅

    吉乃様なら、ちょっとのヒントで隠れ屋の謎を解いてしまうと思いました。やはりおふくろ殿には読まれておったか。大したお方じゃ。
    誹謗中傷は勿論ダメです。ただ唯ちゃん自身がちょっとガサツだったり、妻としての修行にあまり身が入っていなかったと推測されますので、恰好の餌食となってしまった。守りはするがやるべき事はきちんとやるように若君に諭されましたので(134話)、これからは変わっていく筈です。

    125、no.762、自覚が足りぬ!
    126、no.763、そっち?
    127、no.767、探り合いです
    128、no.771、先手必勝です
    129、no.772、勇気をください┅┅┅

    感覚が足軽の頃と変わっていないのんきな奥方を、ここでビシッと叱っておかないと、今後どんな危険な目にあうかわかりません。無事で良かった。
    夫婦揃って源トヨの恋路を応援してるのに、遅々として進まず。フーフーからのあーんしては、ちょっとは刺激になったかしら。源三郎が逃げずに自分の気持ちに向き合える日は来るかな?

    130、no.775、優秀な家臣達
    131、no.776、心も彩ります
    132、no.777、推して知るべし
    133、no.778、鶴翼を語る
    134、no.779、出生の陰に
    135、no.780、美しさそのままに
    136、no.781、どんな薬よりも
    137、no.782、氷が解けるように
    138、no.790、答え合わせです
    139、no.791、お見事です
    140(終)、no.792、そして明日へ┅┅┅

    若君の母は既にこの世を去っている。ドラマのこの設定で、若君の淋しさは勿論わかりますが、大殿だってそうじゃなかったの?後添えが居なかったのは何故?と、熟考しまして。私はこう答えを出しました。
    成之が若君を山中に救いに向かった日から、一年数か月経ってますから、仲直りというか成之の心の内のわだかまり自体はない筈ですが、ハイタッチでもいいから、兄弟が向き合い手を取り合える場を作ってあげたかったんです。固く握られた手がほどかれた時、兄の心も完全にほどけ、感極まるものがあったと思いたい。あとは阿湖姫にお任せしました。
    ドラマ8話で、別れ際に若君が悲痛な思いで語ったあのセリフ。少しバージョンアップして、未来を約束しました。消えた後のあんな切ない後ろ姿、もう私達が見る事はないでしょう。
    この令和Days、実は極力「キス」という言葉を使わないよう努めました。他の言葉で表しているから、何が違うんだって話ですが、なんとなくはっきりした表現じゃない方が良いかなと思ったまでです。最後、甘いチョコに甘い時間の小道具になってもらいました。

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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    振り返ります二人の令和Days、37から85まで

    どの回も思い入れがありますので、選り抜きに時間がかかっております。no.797の続きです。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    37、no.641、唯先生の授業
    38、no.642、忠清先生の授業
    39、no.643、視線にご注意
    40、no.644、安心しておやすみ
    41、no.645、アオハルしてます
    42、no.646、効能は
    43、no.647、会話がBGM
    44、no.648、誰もが持つ宝物
    45、no.649、頭をフル回転┅┅┅

    楽しい楽しい海水浴の日。
    何も派手な遊びはしていませんが、両親に温かく見守られながら、夏の海を満喫してもらいました。
    41話、浮き輪でプカプカからの追いかけっこシーンは、若さ溢れる感じで三人に体験して欲しかったので、今回私の一番お気に入り回です。

    46、no.650、時間をプレゼント
    47、no.651、お見通しです
    48、no.652、瞼に浮かぶのは
    49、no.653、だって女子だもん
    50、no.654、君の為に僕は
    51、no.655、山盛りです
    52、no.656、かけがえのない時間┅┅┅

    輝く笑顔、真っ白なワンピースに風をはらませ、浜辺を裸足で駆ける天使のような唯ちゃん自身が、実は海の女神様で、砂に書いた願いを彼女自身が叶えていくに違いないのです。
    今回美香子さんに、娘と二人きりの時間をどこかで作ってあげたかったんですが、結果とても賑やかなドライブ&お買い物になりました。
    男子チームが訪れたのは、滋賀県彦根市にあるお城です。

    53、no.657、人生相談です
    54、no.658、導きます┅┅┅

    吉田君って、名前も呼ばれるしセリフもまあまああるのに、影が薄い。男性キャラで若君以上に目立つ訳にもいかず、仕方ないんですが、もう少し出番をあげようと再登場してもらいました。

    55、no.659、ふんわり守ります
    56、no.660、昵懇の仲です┅┅┅

    この日実は、隠れテーマが「五感を満たすデート」でした。雨に濡れて冷たく、ふと触れた体は温かく、カフェオレはより甘く、愛する人の香りに包まれ癒される。なので、少々生々しいと感じられる部分もあったかと思います。失礼しました。

    57、no.661、男も女もなく
    58、no.662、安全な時代とは
    59、no.663、願い事はなに
    60、no.664、千里の道も一歩から┅┅┅

    今回は、神社のくだりはほぼ創作ですが、愛知県犬山市にあるお城がモチーフです。天守で若君が、黒羽城があった方角を静かに眺めますが、この直前に信長の勢力拡大話を尊に聞いた(132話)ので、その距離の長さに思うところがあったのでしょう。

    61、no.667、コツコツと
    62、no.668、ヒヤヒヤです
    63、no.669、咲き誇ります
    64、no.671、教えてあげたい┅┅┅

    二人にでっかい花火見せてあげたいなぁと、現代に居る頃にどこかで花火大会やってなかったか調べましたら、ちょうどこの日、琵琶湖畔で開催されていました。お話の都合上だけなら土日か水曜開催にすれば良かったですが、実際の日付に合わせたので木曜日でした。私が代わりに?この花火大会の動画をじっくり観賞しましたが、カエルも猫もキノコも、ホントに打ち上がってたんですよ。

    65、no.672、色と香りに包まれて
    66、no.674、成長しあうのです
    67、no.679、恩返しします

    68、no.681、気が利きます
    69、no.686、私のモノ!
    70、no.688、これが目に入らぬか┅┅┅

    コーチ登場。前のシリーズ平成Days51で、デパートでばったり出くわした際「娘も小学生にもなると…」と言っていました。その娘が今回の上の子ですね。一年経って小2になりました。
    自分が娘達に取り合いにされる様子を想像して、デレデレしてた若君ですが、ここで、唯と若君の娘の名について、私の見解を述べさせてください。
    マスター様のブログ「アシガールの世界」内の「御月家の家系図からわかること」にて、「末の女子の名は美香。なぜ最初の女子につけなかったかはわかりません」とあります。私が思うに、覚は覺高に、尊は忠尊にマイナーチェンジして名付けてるけど、美香子は美香で呼び方もそのまんまなんで、畏れ多くて初めは名付けをためらったんじゃないかと。母の名を呼び捨てみたいになりますので。でも7番目に女子が生まれ、やっぱ付けようよと、ようやくリスペクトが勝ったと考えます。
    ただ、末っ子ってそもそも手放しで可愛くないですか?若君が思いっきり、母の名を連呼してる姿が想像されます。

    71、no.689、定番はどっち
    72、no.693、実践中です
    73、no.694、GO!ショッピング
    74、no.695、めざめました
    75、no.696、パワーチャージ!
    76、no.697、計画的に
    77、no.698、地上に瞬く星┅┅┅

    都会への旅行。子供達はあくまでも付き添いで、ずっと親の事を考えて行動し計画まで立ててます。だから夜、両親を早く二人きりにしてあげたのも、親孝行。
    鰻、私は断然ひつまぶし派です。そのままと薬味のせを少しいただいたら、だしを少しずつかけながらちびちび食します。

    78、no.700、リズムに合わせて
    79、no.701、思案します
    80、no.702、可愛くて可愛くて
    81、no.703、月に愛を誓います

    82、no.704、活用します
    83、no.705、夏休みと言えば
    84、no.706、ギュっとね
    85、no.707、発掘は再会だ┅┅┅

    覚さんなら、昔のグッズも大切にとってありそうだったので、この度プレイヤーを提供してもらいました。
    セミハンター、相当やかましそう。虫にキャーとか言う女子じゃなかったので、永禄で夜の草むらに飛ばされようがタフに生き延びたんだと思います。
    結婚20周年のお祝い。こんなイベントを計画してくれた子供達の成長に、両親は20年がより感慨深かった事でしょう。

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    振り返ります二人の令和Days、1から36まで

    通し番号、投稿番号、サブタイトルの順です。 どんな話だったっけ?と遡って投稿を探したい時、サブタイトルを掲示板の記事検索欄(板の下の方にあります)に入力すると、ページを戻っていくより早いと思います。

    今回、なにせ長いので(*_*)、かいつまんでの振り返りとし、描いている日付や内容が連続するお話は、まとめて解説いたします。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    1、no.585、短気は損気?┅┅┅

    子供がすぐ出来ないのは僕のせいだよ、と言ってくれる旦那さんが、どのくらいの比率でいらっしゃるかはわかりませんが。二人にはこの一月、様々なプレッシャーから解放される日々を送ってもらいます。

    2、no.590、急いで検索!
    3、no.592、兄の激励
    4、no.593、時間無制限です┅┅┅

    ドラマの設定からより離れていってますが、尊が受験生という事情もあり、無事一緒の時間が増えました。
    一応申し上げておきますが、これで毎晩同衾、とまでは考えませんでした。私はどこでもすぐ眠れるんです、と言っていた唯。イベントがあった日など特に先に寝てしまう(64話)し、そこまでイチャイチャしてないと思います。

    5、no.594、ほんのり甘く┅┅┅

    マクワウリ、食べた事があったかは覚えがないんですが…一昨年、ホームセンターに苗が売っていまして。購入しまして育て始めたのですが、ダメでした(ノд<)メロンの育て方に近いらしく、ハードル高かったです。昨年は苗が手に入らなかったので、また機会があれば頑張りたいと思います。

    6、no.595、食欲旺盛です
    7、no.596、目白押しです

    8、no.597、静かにパニック
    9、no.598、そっと見てました
    10、no.603、まるで買い物デート
    11、no.604、色っぽいね┅┅┅

    吉田君、クラスでも席近かったし、ただのクラスメートよりは仲良かったんではないかと。ただ彼、ドラマでの一人称は「俺」ではなく「僕」でした。失礼しました。
    美香子先生、妖怪千年おばばさんのお話でも後にコーチになる尾関君に慕われていますが、私も、ドラマのあのキャラならきっとそうだろうと思いました。この9話については、こぼれ話がありますのでそれは後日に。
    男子の水着がグラデーションカラーなのは、永禄のお着物は皆さん絞りをあしらった柄が多く、にじみ具合や色の淡さなどが、見慣れていて手に取りやすかろうと考えたからです。尊も派手好きではないので地味めな黒白でとなったら、あらお揃い、となったと推測しました。

    12、no.605、買い込みます
    13、no.606、ふるまいます

    14、no.607、過ぎたるは…
    15、no.608、幻滅はイヤなの
    16、no.609、レッツトライ!
    17、no.615、結末変えます!
    18、no.618、口どけ優しく
    19、no.619、近う寄りたい┅┅┅

    楽しい楽しいプールの日。
    映画「犬神家の一族」の、犬神佐清の白マスク姿を彷彿とさせる程白かった模様の男子達。1976年公開の映画ですが、この前4Kデジタル修復したとニュースになってました。それまでもちょくちょくリメイクなどされていて、関連グッズも見た事ある気がしまして、唯が知ってる体で進めました。白い若君はイケてないらしい(42話)。
    タピオカですが、カップの底に沈む感じはちょっとカエルの卵っぽくはあり…私は好きですよ。だから唯に止められなくても、若君が実物見たら引いたかもとは思います。
    プールを大満喫した帰り道、名前で呼んでくださいと両親にお願いした若君。若君って呼び名、どこか敬語っぽくありませんか?令和に居る間くらい、総領とか何の肩書もない一人の男の子として過ごせばいい。より家族として絆が深まったと思ってます。

    20、no.620、いっちにーさんし!
    21、no.623、イケメンシェフ再び┅┅┅

    若君がラジオ体操と出逢った朝。永禄でも続く彼の新たな日課の始まりです。
    ハンバーグに高野豆腐を混ぜこむのは私の定番でして。未だ分量など模索中ですが、出来たハンバーグをお箸で割った時に、プチューと肉汁が出る動画を撮って、ほくそ笑んだりしております。

    22、no.624、あの頃の私と僕┅┅┅

    どうせお祭りを描くならと、黒羽城があったと推測される三重県いなべ市のお祭りの日程を調べましたらこの日でしたので、神輿などモチーフの参考にさせていただきました。

    23、no.625、屋根まで飛んだ

    24、no.626、君はプリンセス┅┅┅

    13話の後、エリさんはワンピース2着の仕立てに着手するのですが、久々で腕が鳴ったのでしょう、一週間かからずに出来上がりました。

    25、no.627、もてなします

    26、no.629、労います
    27、no.630、ずしりと重く
    28、no.631、製造中です
    29、no.632、香ってます
    30、no.633、光ほのかに┅┅┅

    戦の後、討ち取った敵の首を大将が確認していたそうですが、戦に寄らぬ和平の道を探りたかった若君には、とても辛い役目ではなかったかと推測します。体を優しくさすってもらって、辛さが少しは和らいだなら良いのですが。

    31、no.634、積年の夢
    32、no.635、社会勉強です┅┅┅

    両親は若君に、現代の仕組みも覚えて帰ってね、労働にはこのような対価があるんだよと教えたかった。親の教えを素直に聞き、よく働き、コツコツと貯め、そのほとんどを唯が喜ぶ品物に支払いました(56話、89話、98話)。

    33、no.636、働き者です
    34、no.637、シエスタです
    35、no.639、どうか醒めないで
    36、no.640、柔らかくて温かい┅┅┅

    「夢の中に出てきた、あなたはとても素敵…」松田聖子さんの「Eighteen」の歌い始めですが、唯の夢を書いている間中、ずっとこの曲が脳内リピートされていました。2019年8月は、唯がまだ誕生日を迎えていなければ、ちょうど18歳。まだまだ夢見てていい年頃だもの。忠清王子も唯姫の望みなら何でも叶えてくれそうだし。と若君に、反対のご意見もあったであろう車の運転をさせました。唯は泣いて喜んでおりましたので…ご容赦ください。

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    今までの二人の令和Days、番号とあらすじ、86から最終話まで

    no.727の続きです。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    86no.708、8/14、悪夢で体が動かない

    87no.709、8/14、デートに誘われご機嫌に

    88no.710、8/14、公園に取り残される唯

    89no.711、8/14、花束に超感動のあまり

    90no.712、8/14、ブランコから見上げる空

    91no.713、8/14、顔に残る証拠。留守番は任せて

    92no.714、8/14、両親に最後のマッサージ

    93no.715、8/14、尊が彼女を家に招く日は来るか。寝る位置の考察

    94no.716、8/15、最後の朝。呼ばれて芳江とエリの元へ

    95no.717、8/15、鶴が集まった。家族の話に感涙

    96no.718、8/15、千羽鶴完成

    97no.719、8/15、薬局でイチャつくカップル

    98no.720、8/15、スーパーの軒先で一休み

    99no.721、8/15、昼ごはんはおにぎり

    100no.722、8/15、写真を眺めながらゆったり過ごす二人

    101no.723、8/15、お目覚めの後花火観賞。荷物をまとめ始める

    102no.724、8/15、両親にメッセージ収録中にハプニング

    103no.728、8/15、芳江とエリにお別れの挨拶。鶴がまた増えた

    104no.730、8/15、はさみ揚げはカレー味

    105no.731、8/15、両親昭和歌謡にノリノリ

    106no.732、8/15、かき氷であーんして

    107no.733、8/15、唯の焦燥感はなぜ

    108no.735、8/15、無事永禄へ。誰か来た

    109no.736、8/15、からかわれる小平太

    110no.737、8/16、花の保管方法は。阿湖に会いに行く唯

    111no.738、8/16、土産を渡す。女子会大盛り上がり

    112no.740、8/16、千吉に頼み事する唯

    113no.741、8/17、成之を訪ねる若君

    114no.742、8/18、呼び名を優しく受けとめた吉乃

    115no.743、8/19、成之源三郎小平太の三者三様

    116no.744、8/19、じゃれ合いながらも何かを思い付く若君

    117no.745、8/19、源トヨを呼んだ若君。トヨにお願いが

    118no.746、8/19、源三郎に恋愛の教示

    119no.747、8/20、じいが体操を催促

    120no.748、8/20、ラジオ体操二元中継

    121no.754、8/21、吉乃が隠れ屋の謎に気付く

    122no.757、8/21、表門前のブランコ完成

    123no.758、8/21、悪丸の名の由来を推理する尊

    二人のもしもDays4no.759、とある年(ほぼ2021年)の12月23日から25日、唯の望みは叶い二人の望みはもうすぐ叶う

    124no.760、8/21、尊の読みは当たった。女中を成敗するトヨ

    125no.762、8/22、唯の無防備な行動に激怒した若君

    126no.763、8/22、トヨの勇気の結果は

    二人のもしもDays5no.764、とある年の大晦日から元日、家族五人で迎えた新年。誕生日を祝う

    127no.767、8/22、サポート体制万全で若君の料理始まる

    128no.771、8/22、もんじゃ焼き完成。トヨが攻め勝つ

    129no.772、8/22、源三郎一人相撲

    130no.775、8/23、庭にブランコ設置。悪丸の告白

    131no.776、8/23、男前のトヨにご褒美を

    132no.777、8/23、有頂天のトヨ。大殿登場

    133no.778、8/23、大殿に千羽鶴の意義を説明する若君

    134no.779、8/23、初めて語られる母の話

    135no.780、8/23、尊手芸男子の扉を開く

    136no.781、8/23、手当ては温かく優しい

    137no.782、8/23、固い絆のハイタッチ

    138no.790、8/23、尊と若君の秘密会談

    139no.791、8/23、速川家の三人が最後の若君手製の料理を堪能。しばし想い出に浸る

    140(終)no.792、8/23、聞きたかった言葉と離れても家族を思う心

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    カマアイナ様

    唯とたーくんの物語を、手放しで喜んでくださっているご様子がとても嬉しく、創作のうえで大変励みになりました。こちらこそ、ありがとうございました。心より感謝いたします。

    ご期待に添えるかはなんとも未定ですが、いつか作れたらいいなと思います。二人のラブストーリーなんていくらでも描けるんですが…私は速川家五人揃ってるのが好きなので、五人一緒がいいし…辻褄のちゃんと合う良さげな理由ないかしら。考えます。

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    夕月かかりてさん

    長期に渡る大作をありがとうございました。思いやりいっぱいで、心温まるストーリーが満載のこの連作、いつも楽しく読ませていただきました。本当に有難うございます。読者の私も暫くはたーくん、唯ロスに落ち入りそうです。寂しいですね。

    暫くは作品から離れても、英気を養って、またいつかストーリーが湧き出てくることを祈っております。尊の、次回は彼が5人乗りのタイムマシーンで永禄に迎えに来るまで待って欲しいとの言葉が、ひょっとして伏線ではないかと、勝手に期待を膨らませております。

    本当に長い間、ご苦労様でした。そして、楽しい作品を有難うございました。

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    140話終えて

    春先から始めた夏のお話、真冬に無事終えられまして、ほっとしております。
    唯と若君に味わわせてあげたかった夏の日々。他にも出来る事はあったかもしれませんが、家族の時間もたっぷり作ってあげたかったので、まあまあ詰め込んだつもりです。
    所々設定や呼び名も変えるし、至らない表現ですとか、気に入らない展開もあったであろうと思いますが、自由に描かせていただけました事、感謝感謝です。皆様、そっと見守ってくださいまして、ありがとうございました。

    今回、速川家へのプレゼントの如く現れた二人。三分後に戻れるならまさしく気楽な里帰り。現代の夏のシーンと家族共に過ごす幸せを堪能して欲しい。また永禄の皆さんの生き生きした姿を私が見たくて、38日間全ての日付を描きました。
    ドラマ7話で若君が「我らも確かに生きておったのだ…食らい、戦い、笑い、嘆き」と語りますが、日本史の教科書に載らない人々の日常こそ現代に続く訳で。令和Daysは、永禄と令和、これからも脈々と続く日々のほんの一部です。一部だからラストも淡々と。明日は何かが起こってしまうかもしれないけれど、それはいつの時代も同じ。おやすみまた明日の挨拶ができる幸せが、長く続くのを願うばかりです。

    終わって今思うのは…うん。淋しいですね。それにルーティンが無くなって、生活習慣が変わるなと(;^_^A
    話のストックを小出しにしてはいましたが、1日おきと決めた投稿ペース、毎日夕方になると、あれ今日投稿日だっけ?と焦りΣ(×_×;)
    休日に、今日は何話か書き進めるぞ!と日がな一日格闘する事も多々ありました。

    とはいえ、しばらくタイムマシンの行き来は無理ですし、モチーフもないし。こういうテーマで!となれば、少し前のパラレルワールド話の如くネタは出せますが…隠居生活に入ると思います。

    ひとまず、86話以降のあらすじの表を出します。あと、振り返りですが、140話全部では、場所ばかりとって申し訳ないので、かいつまんで、これだけは言っておきたい、弁解したい回だけにいたします。

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    二人の令和Days140(終)~23日20時、そして明日へ

    それぞれの場所で。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    若君が懐から、布に包まれた何かを出した。

    唯「あれ?それって、千羽鶴が包んであった風呂敷じゃない?」

    若君「そうじゃ」

    唯「えー、なにー」

    開くと、中身は小さい箱。

    唯「え?アーモンドチョコ!どうしたの?いつの間に買ってた?」

    若「千羽鶴と共に、包まれておったのじゃ」

    唯「そうなの?!そっか、次の日の朝、たーくん早起きだから、先に部屋に風呂敷ごと持ってったんだよね」

    若「あぁ、ほどいたらこれが出て参り驚いた。何も文は入っておらなんだゆえ、多分即座に思い立ち、入れてくださったのであろう」

    唯「お母さんが包んだって言ってたしね。え、でもなんで今まで隠してたの?」

    若「特に意味はないが」

    唯「そう?」

    若「ゆうべはこの時間、もんじゃ焼きで満腹であっただろうが、逆に今日の昼飯」

    唯「ギクッ」

    若「あまり食しておらなんだように見受けたが」

    唯「阿湖が居たから、ちょっとだけ見ならって、おしとやかにしてみた」

    若「ほぅ。で、腹も減っておろうと思い」

    唯「大当たりー!助かるぅ。じゃあ一緒に食べようよ。写真見ながらとかどう?」

    若「良かろう」

    蝋燭で照らしながら、二人で写真集のページをめくっていく。最後に近付いた所で、

    唯「あれ?これって」

    若「おぉ、これは…あの、爪を乾かしていた折の」

    ソファーでうたた寝する、二人の写真が増えていた。

    唯「ラブラブを激写されてるぅ。お父さんかな、尊かな。でもいい写真」

    ガッツリ唯にもたれていた若君。

    若「少し重そうにしておらぬか」

    唯「重かったもん」

    若「それは、済まなんだ」

    唯「ううん。安心して寝てるんだな、って嬉しかったから全然OK」

    若「ハハ、そうか」

    写真集をパタンと閉じた唯。顔を上げると、若君に見つめられていた。

    唯「…チョコもっと食べる?」

    若「あ?いや、唯が食せ」

    唯「要らないの?」

    若「唯がこの世の幸せ、と食す姿が見たい」

    唯「えー。そんなコト言うと、たーくんの分なくなるよ?」

    チョコを頬張る唯。優しく見つめる若君。

    若「図らずも、父上と存念が同じであった」

    唯「あー、今日の話?」

    若「わしも、妻は生涯、唯だけじゃ」

    唯「嬉しい!あっでも私、ずっと生きるから」

    若「…うん」

    唯「だってさ、愛するって、その人を幸せにするために生きる事じゃない?遠くじゃ嫌だよ。もちろんそばにも居たい」

    若「そうじゃな。…その、生きる話じゃが」

    唯「うん?」

    若「わしは唯に謝らねばならぬ」

    唯「謝るって?」

    若「戦へ出ても、必ずや唯の元へ帰る。無論生きての」

    唯「…」

    若「約束する」

    唯「いいの?」

    若「常に前を向いておらねばならぬのに、約束も出来ぬとは、敵に背中を向けるのと同じであった。気付くのが遅く、済まなかった」

    唯「…良かった。私ちょっと、心配してたの。あんなにたーくん、みんなに生きろって言ってたのに」

    若「考えた上で申した事ではあったが、かえって不安にさせてしもうた」

    唯「万が一、のために覚悟はする。でも必ず戻って来るって、強い気持ちで居てくれるだけで嬉しいよ。ありがとう」

    若「共に生きよう」

    唯「はい!」

    唯の肩に手を置いた若君。引き寄せようとすると、

    唯「はい、あーんして」

    口にチョコを入れられた。

    若「…避けておるのか?」

    唯「そんなコトないよぉ。まだチョコもあるし」

    若「今食べ切らずとも」

    唯「まぁそうだね。なんとなく、もうちょっとたーくんと話してたいなって」

    若「そうか。何を話す?」

    唯「あのね、初めて永禄に飛ばされた時、私ここで…って絶望したけど、たーくんに会えたのは奇跡で、今こうして一緒に居られて、ホント良かったなって」

    若「出会っていきなり刃先を向けられても?毒キノコを食せと申しても?」

    唯「あっ…そっそうだよ、まぁ、どうせだったら、たーくんに斬られるならまだいいのかなー。いや、痛いのはヤダな」

    若「ひょうげた小僧など斬らぬ」

    唯「どう見ても、おなごじゃなかったと」

    若「フフッ」

    唯「ちぇー」

    若「ハハハ」

    唯の髪を撫でる若君。見つめ合う二人。

    若「唯」

    唯「はい」

    若「この世に、わしの前に現れた事、心より礼を申す」

    唯「あ、それ…。そっか、私すぐ戻るつもりで、もう一回言ってってリクエストしてたんだった」

    若「お前の事は生涯…」

    唯「…」

    若「離さぬ」

    唯「キャー!」

    若「シッ!声が大きい!」

    唯「ごめぇん。あ~今のセリフ、動画でとっときたかったな~」

    若「幾度でも申すが」

    唯「やーん、それもっといい!嬉しいっ」

    唯が姿勢を正した。若君も正対する。

    唯「えっとね」

    若「うん?」

    唯「たーくんも大殿も優しくしてくれるけど、赤ちゃんが欲しい気持ちは変わってないの。もう、くよくよはしないけど、いつか…いつか会えるといいね」

    若「ゆるりと、待つとしよう」

    唯「うん。でも、子供にデレデレのたーくんも見たいな」

    若「ハハッ。まぁ、身籠れば、唯を戦に出さずには済む」

    唯「前に言ってたな、それ。うん。私は、子供を守って、だから家族を守れて、たーくんも守れるんだね」

    若「そうじゃな…」

    唯「あ」

    若「…」

    唯「ふふっ、チョコの味だ」

    ┅┅

    変わって、令和。速川家リビング。

    美香子「ふぅ。新聞も読み終わったし、そろそろ寝ようかしら。あら、尊」

    覚「喉でも渇いたか。麦茶なら冷蔵庫に」

    尊「あ、ううん、歯磨きに来た。今日はもう寝ようかと思って」

    覚「お?日中から細かい作業で疲れたか?」

    尊「なんか…兄さんの声が聞こえた気がしたんだ。程々にって」

    覚「降臨したか」

    美「忠清くん、静かに見守っててくれそうだもんね」

    ┅┅

    夜も更けてきました。五人、寝支度です。

    唯「さすがに眠くなってきたなぁ。たーくんそろそろ寝る?」

    若「うむ…」

    唯「って、なんか考え事してるし」

    若「尊は、このような夜更けにも、学問に励んでおるのでは?」

    唯「だって一か月遊んでたよ?アイツ」

    若「されど無理はならぬ」

    唯「じゃあさ、そう願ったら?気持ちを送る感じでさ」

    若「心通じ合うようにか」

    唯「そっ」

    若「…尊。体に気を遣い、程々にせよ」

    尊「あっ、…兄さん?」

    唯「たーくん優しいよ。ねぇねぇ、明日の予定は?」

    若「朝から領内の見回りに」

    唯「忙しいね。武士は週休二日とかないからなぁ」

    若「何じゃ、それは」

    唯「完全土日休みとかならいいのに」

    若「土日。そういえば、明日は土曜日じゃ」

    唯「え?よく覚えてたね。そっか、たーくん毎日日記つけてるからわかるんだ」

    若「土曜日なら、院は開いておるではないか」

    唯「半日ね」

    若「お母さんも、忙しゅうされるであろう」

    美「さて、明日あと半日、頑張ろっと」

    覚「そろそろ寝るか」

    唯「そうだね。じゃあ、寝るとしますか」

    若「あぁ」

    尊「おやすみなさーい」

    美「おやすみなさい」

    覚「おやすみ~」

    若「おやすみ、唯」

    唯「おやすみたーくん、また明日ね」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    彼らの日常は、続きます。

    この度も、ご覧いただいた全ての方に感謝いたします。かなり長くお付き合いいただきましたが、なんとか走り切る事ができました。ありがとうございました!

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    二人の令和Days139~23日19時、お見事です

    このブランド、爆売れに違いない。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    引き続き令和。キッチンに覚と尊。

    尊「スパイス、忠清ブレンド使う?」

    覚「今日は使わない」

    尊「って言うか、どれが兄さんのかわかんなくなってるけど」

    覚「へへ。どうせなら、全部貼りたかったからさ。壮観だろ?」

    スパイスの棚に整列した小瓶。ラベルが統一されているのだが、

    尊「全部、忠清って書いてあるし」

    ┅┅回想。8月10日6時、キッチン┅┅

    覚が一階に下りてきた。すると、庭から若君登場。

    若君「おはようございます、お父さん」

    覚「おはよう、忠清くん。え?今朝はもう稽古終わったの?」

    若「今日は、大掃除をすると聞きましたので、早めに体を温めました」

    覚「そうなの!クリニックが昼までだから、本格的にやるのはそれからだけどね。さすが、志が違うなぁ」

    若「然程でもございませぬが」

    覚が、キッチンの棚を眺めていたが、蓋付の瓶を一つ取り出した。

    若「どうされましたか?」

    覚「あのさ、昨日スパイス混ぜてもらったじゃない。忠清ブレンド」

    若「はい。この瓶、ですね」

    覚「僕の字でラベル…あ、この貼ってある紙ね、書いたけどさ、どうせなら忠清くんに書いて欲しいな~なんて」

    若「それはお安い御用ですが、ここに書くのですか?」

    覚「いや、それは書きにくいから。ちょっと待ってね」

    紙と筆ペンを持ってきた。

    覚「ここに、名前だけ書いてくれる?」

    若「忠清、だけで?」

    覚「うん。それで充分だから」

    サラサラと達筆で名が書かれた。

    若「これで良いでしょうか」

    覚「カッコいいな~。ありがとう」

    若「で、どうされるのですか?」

    覚「ペタっと貼れるように、シールにプリントさせて貰うね。あ、えーと、この僕の字から、君の字に貼り替えるよ」

    若「そうですか。それは楽しみです」

    ┅┅回想終わり┅┅

    尊「コピり過ぎだし、肝心のスパイス名は小さくしか書いてないし」

    覚「あまりに美しいから、達筆メインでな」

    尊「それよりこれ、超笑えるんだけど」

    酒やみりんの瓶にも、まるで銘柄のように忠清と大きく貼ってある。

    覚「高級酒みたいだろ?」

    尊「人気ブランドだなぁ」

    19時30分、美香子が顔を出した。

    美香子「8時前には席に着くから。あら、今日はスープがメイン?もしかして」

    覚「金曜だから忠清くんの料理の日。最後のホワイトソースだ」

    美「嫌だわ、最後なんて」

    覚「仕方ないだろ、いくら冷凍でも日持ちの問題はあるからな」

    20時、三人で晩ごはん。

    全員「いただきます」

    美「あ~美味しい。五臓六腑に染み渡るわ~」

    覚「最後の一掬いまで、堪能してくれ」

    尊「おいしいな。あ、そういえばさ、お母さん、花火大会の動画、観てないよね」

    美「観てないわね」

    尊「ご飯済んだら流してあげるよ」

    晩ごはん後のお茶タイム。

    尊「お父さんも座って」

    覚「僕は観たけどな。あ、もしかして、何か足したのか?」

    尊「うん」

    美「えー、何~」

    上映スタート。

    美「綺麗ね。まぁ」

    覚「気付いたか?」

    美「うん。唯と忠清くんの声が聞こえるわ」

    尊「僕、極力静かにしてたから」

    美「なんか嬉しい。ありがとう、尊」

    画面は、実験室の中に切り替わった。

    覚「お?」

    美「あら」

    二人からの感謝のメッセージ、生まれ変わったらの話と続く。

    美「今までで最高の泣きっぷりじゃない?」

    覚「あなたの母になります、なんて、我が娘ながら中々のモンだ」

    美「そうね…。あのさ」

    覚「何だ」

    美「ウチって、彼が帰ってきたい場所になってるかしら」

    覚「なってると思いたい」

    尊「なってるよ。絶対」

    美「うん。じゃあ、いつ来てもいいように」

    尊「すぐは来ないはずだけど」

    美「アクセサリー作り、頑張ろっと」

    覚「細かい作業だぞ~」

    美「顕微鏡で覗きながらやろうかしら」

    覚「なるほど、それいいな」

    尊「どんだけ小さい物作る気なの」

    美「やっぱり?」

    全員「ハハハ~」

    ┅┅

    その頃、永禄。唯の居室。

    唯「たーくん、お疲れ様ぁ」

    若「待たせたの、唯」

    唯「あのね、聞いて!さっきね、小平太パパが妙だったの」

    若「妙とは何じゃ」

    唯「いっつも、会えば小言を言われてたんだけどさ。子はまだか攻撃も」

    若「まぁ、養父としての立場はあるからのう」

    唯「今日は、言いかけて、アッて口をふさいでたの。たーくんが止めてくれたの?」

    若「いや、直には申しておらぬ。吉乃殿には、わしの存念は伝えたが」

    唯「そーだったんだー。さすがたーくん、さすがおふくろさま。小平太パパさー、まぁ一応家族だけどさー、パワハラ気味だし、ちょっとうっとうしかったんだよね」

    若「パワハラ?」

    唯「あ、えーっと、どう説明しよう」

    若「それは」

    唯「ん?」

    若「鹿之原には近いのか」

    唯「…近くないっす」

    若「そうか。まぁ良い。今宵はの、唯が喜ぶ品を持って参った」

    唯「えー!なになに?」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    続きます。

    次回、最終回。

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    二人の令和Days138~23日17時、答え合わせです

    自由に行き来できる未来が早く来ますように。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    令和。食卓に尊。早速買ってきたレジン液を型に流し込み、花を入れ、専用のライトで固めるという作業をしている。

    覚「カーテン開いてて、眩しくないのか?」

    覚が麦茶を運んできた。

    尊「わざと開けてあるんだよ」

    覚「そうなのか」

    まだこの時間は、太陽が燦々と降り注いでいる。

    尊「日にかざした時、どう見えるか確認したいから。だって使うのは日中でしょ、かんざしとか帯留めとか」

    覚「まぁ、そうだな。まだ練習段階か?」

    尊「うん、ひとまずは」

    覚「あまり根を詰めるなよ」

    尊「大丈夫。昼間しかやらないから」

    覚「そうなんだ」

    尊「花がどう日差しに映えるか見たいから、夜よりは明るい内に作業したくて。そのために、紫外線で固まるUVレジンじゃなくて、LEDライトで固まるLEDレジンにしたから」

    覚「色々あるんだな。面白そうだ。お母さんもやりたそうだったぞ」

    尊「今の内にモノにするからさ、土日で作ろうよ」

    覚「いいね~」

    尊「受験勉強は、夜にするから」

    覚「再始動な」

    尊「うん。三倍頑張ってるよ」

    再び作業を続ける尊。

    尊「ふう」

    一呼吸して顔を上げた。窓の外には、夏の庭の景色と、実験室。

    尊 「…」

    尊は、若君と二人、実験室で話し合った日の事を思い出していた。

    ┅┅回想。8月13日20時30分、実験室┅┅

    向かい合って座る尊と若君。

    若君「お父さんには、聞かれとうなかったのか?」

    尊「そんな事はないんですけど、なんとなくサシで話したくて」

    若「そうか」

    尊「それでは…前に、家族全員でお城に行った時の話ですけど」

    若「尊の隠れた存念じゃな」

    尊「はい。僕あの時、令和の現代は安全だと思いますか?って聞きました」

    若「そう思うておる、と答えたのう」

    尊「率直に言います。450年後の現代は、色々わからない分危険です。兄さんは特に」

    若「…聞かせて貰おうか」

    尊「永禄と令和。お互いに今どうしてるかな?と思いを馳せた時、令和に居れば永禄の大まかな状況はわかります。それは、歴史として残っているから。いつ戦があったとか、黒羽城はどうなっているとか」

    若「うむ。語り継がれるからじゃな」

    尊「兄さん、前回帰った後、向こうで日記付け始めたんですよね」

    若「あぁ。少しでも日々の様子が末代に残れば良かろうと思うての、前の日の事柄を、翌朝に」

    尊「翌朝なんですね。さすが兄さん、ちゃんと覚えてて書けるんだ」

    若「無事に朝を迎えられた事に感謝し、書き始めるのじゃ。何より、夜は出来るだけ長く唯と過ごしたい」

    尊「のろけですか?」

    若「ハハハ。朝の唯は居らぬも同然であるし」

    尊「ダラダラ寝てるんですね」

    若「その分、書く時間は取れると」

    尊「はは…。そういうのもあって、令和の僕達は永禄の状況を把握しやすくなってますけど、逆は無理ですから」

    若「そうじゃな」

    尊「いつかすごく改良されたタイムマシンができて、行き来が簡単安全にできるようになったとしても、現代に着いて驚くかもしれません」

    若「それは、例えるならば?」

    尊「家族の誰かが居なくなってるとか。事情は色々考えられますが、家が無くなってるとか。帰る場所としてその時速川家が存在してるかは、永禄ではわかりません」

    若「まぁ、考えとうはないが、わからなくもない話じゃな」

    尊「実験室自体が無くなっていれば、まず飛べませんけど、それはそれで、未来で何があったかと心配になりますよね」

    若「ふむ。あとは?」

    尊「無事着いた。僕も両親も健在。でも、見えない危険があるんです」

    若「どのような?」

    尊「初めて兄さんがここに来た時、感染症にかかったじゃないですか」

    若「うむ」

    尊「あの時の兄さん、矢傷が癒えつつあって万全な体調ではなかったにせよ、兄さんだからかかった気がするんです」

    若「わしだから。弱いとな?」

    尊「いえ、育った時代の違いです。いろんな免疫…病気やバイ菌から身を守る力がやや少ないというか」

    若「尊には、それがあるのか?」

    尊「僕に限らず、両親もです。必要な免疫は、赤ちゃんの頃からつけるような制度にもなってて」

    若「幼子は、病を恐れず育つ事が出来ると」

    尊「はい。で、兄さんにはそれがないけど、お姉ちゃんにはあります」

    若「良いではないか」

    尊「それがもっと危険で」

    若「何ゆえ?」

    尊「お姉ちゃん自身はピンピンしてても、知らずに現代の何かしらの菌などを、永禄に運んでしまうかもしれないんです。そうすると、兄さん始め永禄の皆さんが危ない」

    若「目に見えぬからか」

    尊「はい。今こうしてサシで話してる僕も、兄さんを危険に晒しているかもしれないんですが。前回は飛ぶ前に感染がわかったんで、治してから帰れましたけど…」

    若「それはないと思いたいが」

    尊「また、もし次回があったとして、現代に到着した時、もう空気自体が汚染されているかもしれない。普段からこれ着けていないといけない世界になってるかもしれません。そうすると、降りたった以上、永禄には簡単には戻れなくなります」

    隅に置いてある、防護マスクを指差した尊。

    若「そうか…」

    尊「という訳です。でね、兄さん」

    若「ん?」

    尊「まずは、大学入るための勉強を頑張ります。無事入り、手がつけられるようになったら、タイムマシンの改良をして、起動スイッチも新たに作ります。いつになるかは約束できませんけど」

    若「うん」

    尊「無事完成して、こちらの世界もまぁ安全、となったら、僕から迎えに行きますから、それまで待っていて欲しいんです」

    若「そうか。わかった。今の起動スイッチは、無闇に引き抜かぬ様、わしが預かっておく」

    尊「そうしてください。お願いします。新型の野望としては、一度に5人以上運べるようにしたいです」

    若「家族より多くか。子や…尊の妻女か?」

    尊「えっ?!そっちは…何とも言えません。どっちにしろ、早めに頑張って作ります」

    若「ハハハ。わしの頑張りが早いか、尊が早いか」

    尊「頑張りますか。ははは」

    若「ようわかった。わしばかりでなく、永禄の皆まで案ずるとは、さすが尊じゃ」

    尊「話せて良かったです。じゃあ、戻りましょうか」

    ┅┅回想終わり┅┅

    尊「今日はここまでにするかな」

    覚「お、終わりか?じゃあそろそろテーブルの上片付けてくれ」

    尊「うん。晩ごはん何?」

    覚「今日は例の日だから、ごちそうだぞ」

    尊「例の日?今日は金曜…あ、兄さんの料理の日?まだ残ってるの?やった~!」

    覚「忠清くんは居ないが、手伝ってくれよ」

    尊「はーい!」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    続きます。

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    返信
    ありがとうございます

    早速応えていただき、ありがとうございます♪

    妖怪千年おばばさん

     待ちますとも待ちますとも待ちますとも。大事なことは三回。
    楽しみにしていま〜す。とはいえ桜と薔薇は永遠の命はいただいていませんので、ゆっくり急いでお願いします🤲

    急ぎません❗️って言ったのに、どの口がー。失礼いたしました。

    梅とパインさん

     夜中に大笑い。
    久しぶりの「源ちゃんトヨちゃん」のノリ。ありがとうございます😊中毒性があります。勝手ながら、時々お願いします。
    梅パさんの心の声(なんてずうずうしい💢)???

    夕月かかりてさん

     「源ちゃんトヨちゃん」支社版までありがとうございます😊
    これだからこの郷の住人はやめられません。

    今のお話、終盤なのですね。先にも書きましたがどう納まるのか?どう着地するのか?楽しみです。

    まとめてお詫び

     昨日の桜と薔薇の投稿

      「さん」「さま」が混在。
      ひとえに桜と薔薇の粗忽が為せることにて、平にご容赦くださいm(_ _)m

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    返信
    最終回のお知らせです

    ついノリで、源トヨの投稿を先にしましたが、大事なお知らせをこのままさせていただきます。

    桜と薔薇さま。お読みいただいているのですね。嬉しい限りです。

    でも、そろそろ…なんです。長々とお送りしてきました「二人の令和Days」ですが、全140回となります。

    次が138なので、あと3回です。皆様、もう少しだけ、お付き合いください。

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    返信
    支社版『源・トヨ』

    二人の令和Daysを書き終わっておりまして、余裕があった所に、楽しげな投稿が!ちょっと別の角度から乗っかってみました。
    ┅┅
    トヨ「源ちゃん、パラレルワールドって知ってる?」

    源三郎「何か聞いたことあるような…」

    急に辺りが暗くなる。すぐに明るくなった。

    ト「え?何が起こった?」

    源「おぬし、誰じゃ」

    ト「へ?」

    源「トヨによく似ているが…」

    ト「…って何言ってるの?目の前に居るのはトヨちゃんですよー!」

    源「違うだろう」

    ト「えっ?」

    源「妻のトヨはどこに行ったんだ…」

    ト「つ、妻?!」

    トヨ 心の声(もしかして、もしかすると、あたしホントのパラレルワールドに迷い込んだの?)

    源「おぬし、名は?」

    ト「トヨ、です」

    源「そうか。同じ名なんだな。道に迷うたのか?」

    ト「そんなつもりはないんですけど…」

    源「隣の村境まで、送ってやろう」

    ト「は、はい…」

    ト 心(もう、言う事聞くしかないわね)

    歩きだした二人。

    ト「あのう…」

    源「何だ?」

    ト「トヨさんって、どんな奥方ですか?」

    源「ずっと好きで」

    ト「まあっ」

    源「ようやく射止めたんだ。もうじき子が生まれる」

    ト「そ、そうなんですか」

    ト 心(こっちの世界の方がいいじゃない!)

    草の生い茂る間に、暗くなっている箇所があった。なぜか、体が吸い寄せられるトヨ。

    ト「え!キャー!」

    ト 心(こ、これは、ドラマ1話の冒頭で、若君様を追った唯様がはまった穴?)

    ト「…はっ!」

    源「お前何だ、急に居眠りなんかして」

    目の前に源三郎。

    ト「あたしの知ってる源ちゃん?」

    源「何寝ぼけてるんだ?小さい頃から知った仲だろ」

    ト「良かった…」

    源「で、パラレルワールドが何って?」

    ト「ん?もうその話はいいや」

    源「何だそれ」

    ト 心(一瞬見たあの世界、別にこっちでも、そうなってもいいもんね。頑張ろっと!)

    梅とパインさんのように、なにわ色豊かにはできません。夕月かかりてに、お題「パラレルワールド」を与えるとこうなったと。お邪魔いたしました~。

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    返信
    本社版『源・トヨ』

    【時代なんぞ無視する本社】が お届けします😁。

    トヨ「源ちゃん、パラレルワールドって知ってる?」
    源三郎「あぁアレね。小さい頃好きやったなぁ」
    ト「ん?」
    源「食べよ思って紙剥いたら、ちょいちょい先っちょが折れてんのよね~」
    ト「何の話?」
    源「パラソルチョコレートやろ?」
    ト「ちゃうちゃう」
    源「え?犬の話やったん?」
    ト「いや、チャウチャウちゃう」
    源「何言うてんの?」
    ト「こっちのセリフやわ。ベタなネタやし…。私が言うてるのは パラレルワールドよ」
    源「何か聞いたことあるような…」
    ト「うん、何かね 今のこの世界と別に 同じような世界があるらしいよ」
    源「どういうこと?」
    ト「今 私はこうして源ちゃんと話しているけど、もう1つの世界でも 私と源ちゃんが居て 違う話をしている…みたいな感じ?」
    源「何か ややこしいなぁ」
    ト「どうする源ちゃん、もし そっちの世界で私と源ちゃんのことが 若君様や唯様にバレてたら?」
    源「どうもせんでも ええんと ちゃう? 隠すほどのことも無いやろ」
    ト「そしたら こっちでも 堂々として ええの?」
    源「こっちはこっち、よそはよそ!」
    ト「ええ~~」
    源「そやけど別の世界では 別の展開があるってことか…」
    ト「そうなるかな?」
    源 (心の中) ってことは、トヨと あんなことや こんなことや ああなったり こうなったり っちゅう展開しているかも知れんのか… (ニヤニヤ)
    ト「源ちゃん?」
    源 (ニヤニヤニヤニヤ…)
    ト「源ちゃんって!」
    源 (ムフフフフ…)
    ト「源三郎!」
    源「太刀を持て!」
    二人「えっ?」
    源「あ、いやいや これ俺が言うやつと違う。言われる方やった。つい言うてしもたわ。いや 俺が言うて どないするねん、なぁ」
    ト「知らんがな。それより今 何か変な想像してたよね?」
    源「え、いや、して…へん」
    ト「ふ~~~ん」
    源「あ!もう休憩時間終わるよ。戻らんとアカン」
    ト「はいはい、いつものんですね。そろそろ皆さん飽きてはるで」
    源「しょうがないんよ。作者の限界や」
    ト「こっちの作者、情けないなぁ。まぁそれなら、パラレルワールドの作者さんに 期待すると しましょかね」
    源「そうしましょ♪」
    二人「それでは皆さま、またいつかね~ (^-^)/」

    ◎ 桜と薔薇さん、こんなので すみません (^o^;)。
    夕月かかりて さん、今後ともよろしく~ (^.^)。

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    返信
    リクエストありがとうございます!

    桜と薔薇様

    「SP(スペシャル)は
       52分で小休止
          黒羽の守護神
            瞼に再生」

    あ・・・いやその💦

    ホントですか?

    だとしたら、
    妄想作家冥利に尽きまする。
    ありがとうございます!
    m(__)m

    続編・・・書いてみたいですが。
    (;^_^A
    実は、数々の難題が。

    その一例を挙げますと、
    このサイトの記事にも
    取り上げられておりますが、
    志津姫と若君の婚礼を
    知らせる手紙。

    相賀殿は、大殿他、
    城から”消えた”はずの
    足軽を含めた羽木の面々の
    居所を知っておられる。

    唯の狙いは、
    ”消える”
    事だったはず。

    つまりは、”行方知れず”
    にさせる事で、
    一族を守ろうとしたわけで、
    手紙が届いた時点で、
    その目論見は崩されている。

    では、いったい、誰が、何時、
    大殿たちの居所を明かしたのか?

    間者?
    身内が内通?
    もしや、野上の裏切り?
    まさかの若君?
    よもや、
    じいではあるまいな?

    うーーーーん。

    おばばの悩み所、山積で、
    妄想が追い付かないのです。

    おばばにとっての、
    別の”謎”の一つを
    今、ふきちゃんの物語を
    完結させることで、
    おばばなりに解き明かす
    つもりですので、
    気長にお待ちくださいね~。

    よろしくお願いいたします。
    m(__)m

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    ごめんなさい🙏

    夕月かかりてさま

    平成❌令和⭕️でした。

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    厚かましくもリクエスト

    昨年暮れ

    再び〝流浪の民〟になってしまった😰焦りました。

    管理人さまが大変なご苦労の末にこの郷が回復した時は、心底ホッとしました。

    管理人さまのご厚意に甘えているという事を実感したものです。
    本当にありがとうございます。

    唯の台詞風にいえば

    いつ無くなってしまうかもしれない—

    で、厚かましくリクエストすることにしました。

    妖怪千年おばばさん

    「黒羽の守護神」の続編をお願いします🤲

      SP(スペシャル)は

        52分で小休止

          黒羽の守護神
            瞼に再生

    ですが
    その後、志津姫との(婚礼)までを物語っていただきたいのです。

    急ぎません。ゆるりとお願いします。できれば「城代 疾風」ことスピン号へのオマージュと共に。

    ぷくぷくさん

    公式掲示板を読み込んでいない
    桜と薔薇のギモンを解決してください。

    若君が矢傷で平成に送られて来た時のこと。

    よしえさんとえりさんがなぜ平然と若君を受け入れているのか?
    イケメンを前にハイテンションではあるけれど、どのように納得しているのでしょう。
    そのスキマをお願いします。

    よしえさんこと上村依子さんへの哀悼を捧げます。

    もちろん新作もお待ちしています。

    梅とパインさま

    昨年来「源ちゃんトヨちゃん」出張が忙しかった(今もかな?)ようですが、本社からも新作お願いします。

    夕月かかりてさま

    永禄と平成を行ったり来たりの物語、桜と薔薇のアタマでは時々絡まりますが、どんなふうに帰結するのか楽しみにしています。

    とっても厚かましいお願いばかりで我ながら呆れます。ゆっくりゆったりお待ちしています。

    とはいえ、病禍をなんとかやりすごして概ね健康で暮らせますよう。ご本人やご家族、縁の方々が感染なさった方、ご快復を心よりお祈りしております。

    投稿フォームへ

    返信
    二人の令和Days137~23日15時、氷が解けるように

    スピンも逝きましたか。名脇役でした。ドラマアシガールを彩ってくれて、ありがとうございました。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    もう心配ない。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    若君の手ほどきで鶴を折る、成之と阿湖。

    成之「なるほど」

    阿湖「ここを折るのですね」

    若君「はい」

    阿「あら、唯は違う紙ね。鶴ではないお品を作ってるの?」

    唯「鶴だよ。バージョンアップした」

    阿「え?」

    若「より、折るのに技が要る物じゃな」

    唯「えーっと、ここ折ると…違う!これじゃ翼に噛みついてるみたいだから…」

    ブツブツ言いながら、連鶴に挑戦していた。

    唯「できた。けどなんか、クチャってしてるなー」

    クチバシで繋がる二羽の鶴。そのクチバシがヨレっとしていた。

    阿「まあ!この二羽…いい、すごくいいわ」

    唯「ごめん、肝心のチューしてる部分がイマイチだった」

    阿「いえ、この、この感じがいいの。ねじれて重なり合うクチバシがなんか…狂おしくて」

    唯「え?激しいのがお好みなの?意外~。阿湖ってさぁ、現代に居たら、ドロドロ恋愛関係のドラマとか観まくるタイプで、私とは話合わなかったんだろーなーって思う」

    阿「所々わからない言葉があるわね…でも、唯と合わないなんてないと思うわよ?」

    唯「ありがと。今が永禄で良かったよ。じゃ、これ阿湖にあげる」

    阿「まぁ!嬉しい!」

    仲良く四人で折り進めている。

    唯「なんかさ」

    若「なんじゃ?」

    唯「せがれ達が二人、仲良くしてるのって、イイ」

    阿「あら、さっきは母は嫌って言ってたのに」

    唯「なんとなく、ノリで」

    成「調子の良い事を申しておるのう」

    唯「いいじゃん、たーくんと兄上さんは、仲良くしてて欲しいってみんな思ってるよ」

    阿「そうね…」

    若「そう、じゃな…」

    成「…済まない」

    唯「やだ、なに謝ってんの?カンペキに仲直りしたでしょ」

    成「あぁ」

    若「うむ」

    唯 心の声(うわぁ、言葉少なっ。ヤバい、私が微妙な空気にしちゃった?どうしよう…うーん。そうだ!)

    唯「ねぇねぇ、心通じ合いました記念でさ、ここらでちょいと、アレやってみない?」

    若「アレとは?」

    唯「ハイタッチ」

    若「おぉ、なるほど。そうじゃな」

    成「今、何と?」

    阿「はい?」

    唯「やってみてあげるね」

    成之と阿湖が見やすいように移動し、向かい合って座った唯と若君。

    唯「では、座ったままバージョンで。いきまーす」

    若「うむ」

    唯「イェーイ!」

    若「イェーイ!」

    右手を高く挙げ、パシッといい音でハイタッチした。

    成「なんと」

    阿「まぁ」

    唯「はい、次は仲良し兄弟でどーぞ!」

    若君が、成之の前に座った。

    若「宜しいか?」

    成「あぁ」

    右手を高く挙げた二人。

    若「イェーイ!」

    成「イ、イェーイ!」

    パン!と大きな音でハイタッチ。すると、成之が合わせた手をすかさず握った。固く握られたまま、腕が下ろされる。

    若「兄上…」

    成「末永く、宜しく頼む」

    頷いた若君。手はゆっくりとほどかれた。

    阿「素敵…」

    唯「うん」

    成「阿湖」

    阿「はい」

    成「そろそろ、参るか」

    阿「あっ、はい。ねぇ唯、この折り紙、少しいただいてもいいかしら?もうちょっと作ってみたくて」

    唯「どーぞぉ」

    阿「出来上がったら、お持ちするわ」

    若「忝ない」

    成「では、これにて」

    若「では」

    成之が去っていく。阿湖が、唯に耳打ちした。

    阿「ごめんなさいね、そそくさと。なあさま、きっと涙を堪えてると思うの」

    唯「いいよん。早く行ってあげて」

    二人に会釈して、阿湖も出ていった。

    唯「たーくん偉いよ」

    若「ん?」

    唯「矢の傷とか、マジ辛かったでしょ」

    若「済んだ事じゃ」

    唯「大人だねぇ」

    若「…そうじゃ」

    唯「なぁに?」

    若「結果オーライ、とは、このような折に使うのではあるまいか?」

    唯「…はあ?!」

    若「違うたか?」

    唯「ううん、合ってる」

    若「そうか」

    唯「めっちゃゴキゲンな顔してるし」

    若「ハハハ」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    続きます。が、

    次回は令和の尊からスタートです。

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    二人の令和Days136~23日13時30分、どんな薬よりも

    効果抜群。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    永禄は、もうすぐ昼ごはんタイム。若君の居室に、唯と若君。

    唯「いらっしゃーい!」

    成之「これは、賑やかな出迎えじゃの」

    阿湖「唯~」

    若君「ようこそ、おいでくださった」

    成「これが、千羽鶴。ほほぅ」

    阿「色合いがとても綺麗ね」

    唯「でしょ~。後で作ってみようね!」

    二組のカップルが集結。程なく、四人分の膳が運ばれて来た。

    唯「あ、トヨだ」

    軽く会釈をするトヨ。唯は立ち上がり、膳を置いて部屋を出るトヨを捕まえた。

    唯「ねっねっ、デートどうだった?」

    トヨ「フフフ」

    唯「えー、気になる!」

    ト「何もございませぬ」

    唯「ホントに~?聞きたいけど、またねっ。じゃ!」

    唯が座り、食事スタート。

    阿「唯は、女中とも仲がよろしいのね」

    唯「トヨには、世話になってるから」

    阿「まぁ。懇意にしているにしても、唯って誰に対しても分け隔てなく、優しいわね」

    唯「いろいろ助けてもらってるからさ」

    成「何でもやってのけそうな唯殿でも?」

    唯「阿湖みたいにさー、いかにも儚げだとみんな守ってくれるけど」

    阿「それは…例えるなら、風を知らぬ姫、かしら?」

    成之に目をやる阿湖。何かに気付き、ギョっとした顔をした成之。

    若「兄上の顔色が変わっておる」

    唯「あー、さては兄上さん、阿湖にまたひどいコト言ったんじゃない?」

    成「その…」

    阿「初めて成之様にお会いした時、ちょうど忠清様が行方知れずの頃で」

    唯「そんな頃かー」

    阿「風を知らぬ姫は、さっさと親元に戻れと」

    成「風を知らぬ愛らしい姫、と申した」

    唯「そんなん言い訳だよね。兄上さん、そんな前から意地悪してたんだ。ひっどーい」

    成「なっ」

    唯「その頃は、ただのひねくれ者だったもんね。まっ、今じゃ二人超ラブラブだけどさー」

    阿「なあさまが動揺するのが可愛らしくて、つい昔話を蒸し返して意地悪しちゃうの」

    唯「はいはい。またのろけだよ。ヒューヒュー!」

    若「ハハハ」

    食事が終わり、いよいよ鶴の折り方の説明。

    成「この小さく薄い紙で作ると」

    若「一つ一つは小さき鶴なれど」

    唯「戦なき世を願いながら、折るのでありまーす」

    阿「強い思いの集まりなのね。素晴らしいわ」

    成「それにしても、実に彩り豊かじゃ」

    一枚取ろうとした成之。サッと指を滑らせた所、

    成「痛っ」

    阿「えっ、いかがなされました?」

    成「指が少し切れた。されど刃物などないが」

    若「それは、紙で切れたのでありましょう」

    唯「あー、ありがちなんだよね。でもって割と痛いし」

    成「油断ならぬ物であるのう」

    阿「でも、血が滲んで。どうしましょう!」

    成「大事ない」

    若「今、手当てを」

    唯「はいはーい、もう用意してまーす」

    唯の手には、消毒液と絆創膏。

    唯「ちょっとしみるけど、我慢してね」

    成「確かにこの、水か?しみるのう」

    唯「すぐ終わるから。痛いの痛いの飛んでけー!はい、これで良し」

    絆創膏をくるりと指に巻き、手当て終了。

    成「忝ない、唯殿」

    唯「いーえー」

    成「この貼り付いておるのはなんじゃ?布か?ふむ…。あと今、何か叫んでおったの。まじないか?」

    唯「うん、そうだね。傷が治るおまじないだよ。もう痛くないっしょ?」

    成「まぁ、そうじゃな」

    阿「なんか、母が子をあやすみたいだったわ。微笑ましかった」

    唯「えー?兄上さんがせがれ?それは、お断りしまーす」

    成「それは、こちらからも願い下げじゃ」

    阿「あら。ふふっ。そこまで二人して嫌がらなくても良いのに」

    このやり取りを眺めながら、若君は令和に居た頃を思い出していた。

    ┅┅回想。8月13日7時15分、キッチン┅┅

    両親がそろそろ朝ごはんの支度を始める。若君も一緒だ。尊が、ラジオ体操を録音し終わり、プレイヤーを持って実験室から戻った所。

    覚「えーっと、両手鍋どこに入れたっけかな」

    美香子「上の棚じゃない?」

    覚「上か…」

    若「お父さん、取りましょう」

    覚「おー、済まないね」

    頭上の棚の扉を開け、鍋を取り出す若君。しかし、竹ザルが引っ掛かっているのに気付かず、鍋が出たと同時に、ザルが降ってきた。

    美「あっ、危ない!」

    若「あっ」

    ザルは、若君の頭をかすめて、床に落ちた。

    覚「大丈夫か?!」

    若「はい、軽い物ゆえ、大事ないです」

    美「それにしたって…」

    尊「ケガはない?」

    美「一応、当たった所見せて。しゃがんでくれる?」

    当たった位置を確かめる美香子。

    美「大丈夫そうね。まだ竹ザルで良かったわ~」

    覚「そうだな」

    その箇所に、美香子がそっと手を当てた。

    美「痛いの痛いの飛んでけー!」

    若「…えっ?」

    尊「お母さん、兄さんはそんな小さい子供じゃないよ~」

    美「可愛いい息子の一大事だから、おまじないよ。あらっ」

    若君が、赤くなっている。

    尊「あーあ」

    覚「無闇に触るからだろ」

    美「あら、ごめんあそばせ」

    若「いえ…よう効くまじないでした」

    ┅┅回想終わり┅┅

    唯「たーくん?なにボーっとしてんの」

    若「あ、あぁ。では始めるとするかの」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    続きます。

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    二人の令和Days135~23日11時、美しさそのままに

    どーんと配れる程、出来上がりそうな勢い。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    令和。リビングに尊と覚。

    尊「さてと、上手く出来てるかな~」

    シリカゲルが詰まった大量のタッパーが目の前に。蓋に、色々な花の名前が書いてある。

    覚「中には失敗したのもあるかもな。その為の保険で、この量なんだろ?」

    尊「うん。全滅だけは避けたいけど」

    タッパーを開けた。そっと粉を払う。

    尊「あ、バラはいい感じかも」

    覚「へー」

    一つ一つ開けて確かめていく。

    尊「うわ、花びら取れちゃった!」

    覚「それだけしっかり乾燥したんだよ。色はみんな綺麗に残ってるな」

    粗方取り出したところ、食卓が花で一杯に。

    覚「綺麗だけどさ、これどうするんだ?」

    尊「それが、考えてないんだよ」

    覚「はあ?」

    尊「こんなに成功すると思ってなくって」

    覚「んー、どっちにしろそろそろ昼ごはんだ。一旦タッパーに戻して床に並べとけ」

    尊「うん」

    12時30分、美香子が昼休憩にやって来た。

    美香子「あら、こんなに沢山!すごいわね~。私達が貰った方も、こうすれば良かったかしら」

    尊「色は綺麗なんだけど、薄い花びらのは取れてたりするんだ」

    美「あらま。せっかくだから何とか生かしたいわよね。で、どうすんの?」

    尊「どうしようかと。ご飯食べたら調べようかなって」

    美「ふーん。あ!それなら今、手仕事のお師匠さん達に聞いてみるわ」

    尊「師匠?」

    リビングを出て行った美香子。

    覚「なるほど、エリさん達だな」

    尊「あ、そっか」

    すぐに戻ってきた。

    美「二人共、食事終わったらこっちに顔出してくれるって」

    覚「わかった。コーヒーの準備もしておくよ」

    1時過ぎ、エリと芳江が登場。

    美「ごめんなさいね、貴重な休憩時間に」

    エリ「いえいえ。あら、綺麗~」

    芳江「まぁ~。思った以上に大量ですね」

    エ「頑張ったわね、尊くん」

    尊「お父さんと二人でやったんで、そんなには大変じゃなかったです」

    覚「なかなか楽しかったですよ。はい、コーヒーどうぞ」

    芳「ありがとうございます。こんなに沢山あったら、アレンジは無限大ですよ」

    尊「そうなんですか!僕、色が褪せない内に何とかしようとばかり考えて、後始末をどうするとかすっかり抜けてて」

    芳「大きいのは、箱に詰めてギフトボックスみたいにしたり」

    尊「メモります。ギフトボックス、と」

    エ「ガラスの瓶に詰めて、飾るってのもいいわね」

    尊「あのう」

    芳「はい?」

    尊「お姉ちゃん達が、永禄で使えるようなグッズって、作れそうですか?」

    美「え、いつ渡すのよ」

    尊「それは未定。今後の展望としてだよ」

    覚「まあ、忠清くんから唯へのプレゼントだから、手元で使ってもらえる物の方がいいよな」

    エ「小さいお花もあるんですね。なら、まとめて固めたらいかがかしら」

    芳「そうね、レジンとかで」

    尊「レジン。樹脂ですか」

    美「あ、なんか光で固めて、アクセサリー作れるとかってヤツ?」

    尊「中に花を閉じ込めるって事ですか。へー」

    覚「実験みたいだな」

    芳「尊くん得意そう」

    尊「知らなかった」

    エ「あら、そうなの?」

    尊「手芸の世界に、科学が入り込んでいたなんて。ふーん。お父さん、早速昼から材料買いに行きたいから、車で乗せてってくれない?」

    覚「大量買いか?ま、いいだろう」

    美「でも、具体的に何作るつもり?」

    尊「えーっと…」

    エ「トンボ玉とかはどうかしら?」

    美「あら、それいいわねぇ」

    尊「トンボ玉って何?」

    美「基本は、柄の入ったガラスの小さい玉を言うけど。それを、レジンでお花入れて作るって事ね?」

    エ「ええ。ある程度形作ったら…そうね、帯留めにしたり」

    尊「へー」

    芳「かんざしの先に付けたりしたら、可愛いいわよね」

    覚「さすが師匠、アイデアが湯水の如くだな」

    尊「なんか、見えてきました。エリさん、芳江さん、ありがとうございました」

    エ「出来上がり、楽しみにしてますね」

    芳「これで尊くんも、手芸男子の仲間入りかもね」

    全員「ハハハ~」

    ランチ後のコーヒータイムは和やかでした。

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    続きます。が、

    次回は永禄に戻ります。

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    二人の令和Days134~23日10時30分、出生の陰に

    生まれて来てくれて、ありがとう。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    大殿「おぬしの母は」

    若君「はい」

    大「公家の出であるが、それは美しいおなごであった。また品も教養もあり、気立ても良く申し分なかった。あれ程のおなごには、もう出逢わぬと思う」

    唯 心の声(大殿も、若い頃はかなりイケてただろうし、お母さんがそんなに美人だったから、たーくんが超イケメンなんだな)

    若「そうですか」

    大「是非にと正室に迎えたが、生来体が弱く、子は難しかろうと思うておった。側室はその前から居ったしのう」

    若「久殿ですか」

    大「あぁ」

    唯 心(兄上さんのお母さんか)

    大「だが次第に、たとえ我が命に代えてでも、わしの子を産みたいと申し始めてのう」

    若「…」

    大「それはならぬ、と一旦は諌めた。忠清に申すのも何だが、世継ぎは側室との子で良い。愛する妻を危険に晒しとうなかった」

    若「それは…わかります。もし、唯がそのような体であったならば、わしも止めます」

    大「少しでも体力をつけ、備えれば産んでも良いかと詰め寄られた。今にして思えば、産む産まずに拘わらず、自分は長くは生きられぬと思うておったのやもしれぬ」

    唯「…」

    大「食が細かったのだが、よう食べるよう努め始めると、辛そうな顔は見せぬようになった。わしも安堵し、程なく身籠った。忠清だ」

    唯「良かった…」

    大「だが、時を同じゅうして久も身籠っておったのだ。成之だ。わしは、忠清が無事産まれるまで、その事を妻には知られとうなかった」

    唯 心(そっか。兄と弟なんだけど、実は何日か違いなだけで、タメだって話だったな)

    若「それは、何かと競べかねず、重荷に感じぬよう案じたが故ですか」

    大「そうじゃ。周りの者に口止めはしたのだが、やがて妻の耳に入ってしまい、そこからは…まるで人が変わってしもうて」

    唯 心(マタニティーブルーかな…)

    大「必ずや丈夫な子を産むと躍起になったかと思えば、久が男子で自分が女子を産んでしもうたらと泣かれたり。母になる者がそのような心持ちではならぬ、正室はそなたである、気を大きく持てと言い続けた。それだけ決死の覚悟であったのだろうと今ならわかるが、若造のわしはそれ以上どうしてやる事も出来なんだ。穏やかな時もあったが、どうしても波があり…成之が産まれたのは伝えてはおらぬ。だが、心も体も無理が祟ったのであろう」

    唯&若「…」

    大「忠清を無事産み落とすと、程なく天に旅立った。無念であった」

    唯が、泣きそうになっている。

    大「あれほど心労がかさんでおった割には、玉のような男子が産まれておる。忠清は、幼き頃から病一つなかった。まさしく命に代えて産んだのであろう」

    唯「これが、母の愛なんだな…」

    若君も、涙ぐんでいる。

    若「その後も妻を娶らなかったのは、そのような所以があったのですね」

    大「妻は生涯、お前の母一人じゃ」

    若「父上…。兄上は、城から出された後、何者かに毒を盛られたと聞きました。わしは、家臣の内の誰かが仕組んだと思うておりましたが」

    大「そうじゃな。逆恨みした、妻側の者の仕業であったやも知れぬ。今となっては分からぬが。だが、城から追ったのはわしじゃ。様々な訳はあったが、母子揃った姿を見るのが辛かったのは、否めぬ」

    唯「うっ、うっ…」

    大「泣き出してしもうたか」

    若君は少し下がり、そっと唯に寄り添った。

    若「いかがした?」

    唯「だって、どっかから違っちゃったって言うか、みんながみんな、幸せになれる方法があったはずなのに」

    若「わしは今、幸せに感じておるぞ?」

    大「唯。それはわしもじゃ。悲しい別れではあったが、母の面影そのままの忠清を残してくれた。今は何も憂いてはおらぬ」

    唯「はい…」

    大「子の、話だが」

    若「はっ」

    大「わし自身が、努めて子を成そうとはせなんだ。いきさつはわかったであろう」

    若「はい」

    大「世継ぎは居るに越した事はない。だが成之も居る。そもそも相賀に囚われていた折に、腹は括っておった」

    若「その言葉、有り難く頂きます」

    大「唯」

    唯「はい」

    大「色々申す者も居ろうが」

    唯「え、なんでそれを」

    大「奥の院を出た後、わしの居室の近くでべそをかいておったではないか」

    唯「うわっ、バレてたか」

    若「まだ敵が居るのか…」

    大「息災であるのが一番。いずれは、位に思うておれば良い。思い悩む姿は、そなたらしくない」

    首を傾げる唯。

    大「どうした?」

    唯「大殿は、味方なんですか?」

    大「味方。そうじゃ。子の事で思い煩う姿は、誰であれ見とうはない」

    唯「そうなんだ…」

    大「わしは何も指図はしておらぬが、しばしば恨まれて矢面に立っておるようじゃが」

    唯「ごめんなさい、ちょっと疑ってましたっ」

    大「ハハハ、やはり。まぁ良い。いつもの唯に戻った様であるし」

    唯「はい!」

    大「今日は此処までに致す。長居した」

    若「父上の存念がようわかりました」

    大「うむ。では」

    唯「ありがとうございました!」

    大殿を見送った二人。

    若「唯」

    唯「はい」

    若「わしはあと、どれだけ敵陣に切り込めば良いのじゃ」

    唯「だいぶ減ってきてるから大丈夫だよ」

    若「奥は、何とかする。が、身に付けるべき読み書きや所作は、此迄よりもしかと学ぶように。唯を思うての進言もあろう。耳を塞ぐばかりではならぬぞ」

    唯「嫌がってばっかじゃダメって?」

    若「そうじゃ」

    唯「はい。わかりました」

    若「周りは味方ばかりじゃ。じきに参る者達もな」

    唯「うん、もうちょっとしたら、阿湖と兄上さん来るもんね。楽しみ!」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    続きます。が、

    次回は令和からスタートします。

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    二人の令和Days133~23日10時、鶴翼を語る

    戦を避けたい気持ち、わかってもらえたかな。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    自室へ向かう若君。大殿も一緒だ。

    若君 心の声(唯が居るやもしれぬな…)

    案の定、予感は当たった。既に机に折り紙を広げ、歌を口ずさみながら鶴を折っている。

    唯「こーの香~る風~に開け~よ。あー、こっちで聴く歌はこれくらいだから、頭ん中鬼リピだよぉ」

    人の気配に気付いた唯。

    唯「あっ、お疲れ様…えぇっ!」

    大殿「何をしておる」

    唯「うそっ、わわ、すぐ片付けます!」

    若君「待て、唯」

    唯「え」

    若「隠さずとも良い」

    唯「いいの?」

    若「そのままにせよ」

    唯「はい…」

    机の横にちょこんと座った唯。それを気にも留めず、大殿は飾られた千羽鶴を見ていた。

    大「幾分派手派手しいが」

    若「はっ」

    大「美しい」

    唯「良かった。褒められた」

    若「忝のう存じます」

    大「一度、此処の前を通った折に目に入り」

    若「左様でございましたか」

    大「よう見てみたいと思うておった。実に細かい作りじゃ」

    若「千羽鶴と申します。鶴を模した物が、千羽おります」

    大「それは大仰な。幾人もの手による物か」

    若「はい。これは」

    若君が、意を決した様子で続ける。

    若「戦なき世を願い、皆で作り上げた品にございます」

    大「手掛けた者達の、総意と申すか」

    若「然り。…父上」

    大「何じゃ」

    若「現からの逃げではございませぬ」

    大「ほぅ」

    若「何時でも、戦となれば務めを果たす所存です」

    大「それは…わかっておる」

    大殿が腰を下ろした。若君も前に座る。若君の少し後ろで、ハラハラしながらも、じっとしている唯。

    大「戦は、好んでするつもりはない。だが、攻め入られ、負ければ一家滅亡にも繋がる」

    若「はい。羽木も危機はございました」

    大「いつの時分の話をしておる」

    若「高山に攻め入られましたが、立木山を目前に敵は退散しました」

    大「あぁ。唯之助が、迫る高山を蹴散らしたと評判になった、あれか」

    唯 心の声(21世紀の科学の力ですけど)

    大殿が、唯に微笑みかける。

    唯「?」

    大「こうしてみると、唯はまことに、守り神かもしれぬのう」

    若「守り神、ですか」

    大「じいが申しておった」

    唯 心(じい、たまにはイイ事言うじゃん!)

    若「頷けます」

    大「健脚で、なにより体が丈夫であるし」

    唯 心(もっと、違うトコ褒めてくんないかなー)

    机の上を見る大殿。

    大「唯は、新しい千羽鶴を作っておったのか?」

    唯「はい」

    大「良き妻女じゃ」

    唯「わぁ、嬉しい!だって、願いって、叶うんですよ」

    若「唯…」

    大「言い切ったのう」

    唯「だって、強く強く願えば叶うもん」

    大「おぬしがそう申すと、そうやも知れぬと思えてくる」

    唯「願ったモン勝ちです」

    大「ハッハッハ。忠清の代は安泰になりそうじゃな」

    唯「え?えへへ」

    同じく飾ってある、翼が繋がった連鶴に気付いた大殿。

    大「これはまた見事な…連なっておるのか」

    若「はい。手に手を取り、進む姿です」

    大「成程」

    大殿が、若君に向き直った。

    大「忠清」

    若「はい」

    大「おぬしの母の話をしようと思う」

    若「えっ」

    唯「え、初めて聞くかも」

    大「初めて話す。忠清にもな」

    唯「そうなんだ…」

    若「…」

    姿勢を正した、唯と若君だった。

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    続きます。

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    二人の令和Days132~23日9時、推して知るべし

    こじらせ男子だけど、根が真面目だから。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    トヨの足の爪に、丁寧にネイルカラーを塗った唯。

    唯「でーきたっ。乾くまでじっとしてた方がいいから、そのまま動かないで待っててね」

    トヨ「とても艶々で綺麗…何と礼を申したら良いのでしょう」

    部屋の外に、人の気配がした。唯が気付く。

    唯「いいよぉ~、入って入って」

    源三郎「宜しいのでしょうか」

    ト「あ。源ちゃん」

    源三郎が、申し訳なさそうな顔をしながら入って来た。

    源「奥方様、昨夜は楽しい時を過ごさせて頂きました」

    唯「いーえー。これからトヨにデートのお誘い?」

    源「いや…謝りに参りました」

    ト「フン」

    唯「まだ、ご機嫌ナナメっぽいよ?」

    源「至極ごもっともです」

    唯「源三郎も、ありがとう」

    源「いえ、わしは物を運んだまでで、礼には及びませぬ」

    唯「あ、えっと、ゆうべの話じゃなくて。たーくんに頼まれてたでしょ?」

    源「…そちらですか。奥方様、存じ上げなかった話とはいえ、今までお力になれず申し訳なく思うております」

    唯「いいのいいの。ホント、助かったよぉ」

    源「それはようございました」

    トヨの姿に、源三郎が眉をひそめている。

    源「トヨ、何だそのなりは。奥方様の前で寛ぎ過ぎだろ」

    ト「動いちゃダメって言われてるからよ」

    唯「まあまあ。女中達をシメてくれたお礼にね、ごほうびあげたの。見て見て!」

    源三郎がペディキュアに気付いた。

    源「お、これは。綺麗だな、トヨ」

    ト「えっ」

    唯「お?」

    源「姫君と同じにして頂けるとは、幸せ者だ」

    ト「う、うん…」

    唯「ねぇねぇ、似合ってるよね?」

    源「よう似合うております。トヨは働き者ゆえ、このような褒美を賜って然るべきでありますし」

    唯「めっちゃ褒めてるぅ。あのさぁ源三郎、それ、もう一回ギュギュっとまとめて言ってみない?」

    源「まとめて、でございますか?良かったな、トヨ。綺麗だよ」

    ト「…」

    源「?」

    唯 心の声(源三郎、爪だけ見て言ってんだろうけど)

    ト「綺麗、綺麗って言ってくれた…」

    ずっと反芻して、頬を赤らめているトヨ。それに気付かない源三郎。

    唯 心(トヨかわいい!源三郎も、まんま答えてて超かわいいし。これは、私が一肌脱がないとってヤツ?ん~。よしっ)

    唯「ねぇ、源三郎」

    源「はい、奥方様」

    唯「ちょっとこっち来て~」

    唯が手招きをして、部屋の奥、飾り棚の前に源三郎を呼んだ。

    源「何でございましょうか」

    唯「これ見て。それ以上は、言わな~い」

    指差す先にあったのは、芳江が折った連鶴の、クチバシで繋がっているバージョンの方。コソコソ話す唯と源三郎。

    源「これは…その…」

    唯「私、邪魔はしないから」

    源「奥方様…そのお言葉は心がえぐられます」

    唯「なんなら、この部屋貸してあげるよ?」

    源「いやいやいや!」

    トヨが、体をねじっている。

    ト「後ろで話してると見えない…」

    唯「あ、そろそろ動いていいよ」

    ト「もう良いのですか?わかりました」

    立ち上がったトヨ。

    唯「うん、ばっちりぃ。あまり目立たないトコがいい感じ」

    ト「ありがとうございました!」

    唯「機嫌も直ったね」

    ト「はい!ねぇ源ちゃん」

    源「何だ?」

    ト「せっかくおめかししたから、どこかに出かけたいわ~」

    源「そうか。じゃあ、行くか」

    唯「ふふっ。行ってらっしゃーい」

    唯に深々と礼をして、源トヨは部屋を出た。

    ト「あたしさぁ」

    源「ん?」

    ト「あの棚、何が飾られてるか知ってるから」

    源「ま、まぁそうだよな」

    ト「ムフフフ。あー楽しみだわー」

    源「試練は続く、か…」

    その頃の若君。定例の軍議、と言うよりは申し合わせの最中だった。

    若君「仇や疎かには出来ませぬ」

    成之「裏でどう動いておるかは」

    小平太パパ「間者を増やすか…」

    若君は、尊との会話を思い出しながら、場に臨んでいた。

    ┅┅回想。8月7日10時30分、車中┅┅

    家族全員で城ツアーの日。そろそろ駐車場に入る頃。

    尊「兄さん。今から行く城、永禄8年に信長が侵攻します」

    若「随分と車を走らせておったが」

    尊「元々、拠点はこの辺りなんですよ」

    若「そうなのか…」

    尊「最終的にかなり勢力を伸ばしますが。特に西の方は」

    若「西、か。帰ったら、詳しく教えてくれぬか?」

    尊「了解です」

    ┅┅回想終わり┅┅

    大殿「織田の動きは、引き続き目を光らせよ」

    全員「はっ」

    解散。

    大「忠清」

    若「はっ」

    大「この後、所用はあるか?」

    若「いえ、すぐには有りませぬ」

    大「今からおぬしの居室へ参りたい」

    若「…ははっ」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    続きます。

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    二人の令和Days131~23日8時30分、心も彩ります

    アゲアゲで行こう!
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    トヨ「奥方様、お待たせを致しました」

    唯「お疲れさまー。さっ、座って」

    唯の居室。一仕事終えたトヨと、唯が向かい合って座った。

    唯「トヨ~」

    ト「はい?」

    唯「超超超、嬉しーい!私のために、いろいろありがとう!すっごく助かったよ、マジ感謝してる~!」

    床に手をつき、頭を目一杯下げた唯。

    ト「奥方様、今、ゴンって音しましたけど!大事ございませぬか?」

    唯「ちょいと勢いついちゃった。えへへ」

    額を擦りながら顔を上げた。

    ト「で、何の事でしょうか?」

    唯「女中達を吊し上げたんでしょ」

    ト「あー。あんまり勝手な事言ってたんで、ちょくちょく軽くシメてただけです」

    唯「カッコいいっ」

    ト「いえ、今までわたくし気付いてなくて。まさか奥方様の悪口があんなに蔓延っていたなんて、知らなかったんです。天野から来ていない連中が、あらぬ事をベラベラしゃべりやがり」

    唯「地が出てる?」

    ト「あら失礼をば。源ちゃんに、よく見といてくれって言われるまで野放しにしてたなんて、こちらこそ、申し訳が立ちません!」

    頭を、床に擦る程下げたトヨ。

    唯「顔上げて。トヨががんばってくれたお陰で、だいぶ楽になったの。ありがとう」

    ト「源ちゃんが、若君様が大層気にされておられるから、と。お気遣いが素晴らしくていらっしゃる。素敵過ぎます」

    唯「ありがと。それ聞いたら、たーくんも喜ぶよ」

    ト「周りがね、わかってないんですよ。お二人、釣り合ってないとか思ってる」

    唯「あー、たーくんが超イケメンだから?じゃない、違う言い方…えーっと、び、び」

    ト「眉目秀麗ですか?」

    唯「そう、それ」

    ト「奥方様もこんなに麗しくていらっしゃるのに」

    唯が、トヨの額に手を当てた。

    ト「な、何ですか?」

    唯「いや、妙なコト言ってるから、熱でもあるのかと」

    ト「何をおっしゃってるんですか」

    唯「阿湖は、見ててマジかわいいな~と思うけど、私はそこまではさぁ」

    ト「醸し出す雰囲気は違いますが、お二人共お美しいですよ」

    唯「ホントに?!やーん、褒められちゃった!嬉しい!」

    ト「あまり言われた事、ないんですか?」

    唯「なんせむじな呼ばわりだし」

    ト「はあ」

    唯「ちょっと前まで男子だったし」

    ト「まあ、それはあるでしょうが」

    唯「たーくんは言ってくれるけど」

    ト「あらん。充分、いや十二分ですね。それは若君様を見てればわかります。奥方様を見つめる眼差しがもう、愛情がダダ漏れで」

    唯「そうなの?」

    ト「ご飯三杯はイケます」

    唯「ははは、トヨって面白ーい。あ、それでね、なんでトヨのがんばりを知ったかと言うと」

    ト「はい」

    唯「ちょうど説教してるのを、悪丸が見たんだって」

    ト「そうでしたか。そういえば、疾風を引いていたのを見かけたような」

    唯「悪丸が、私に謝ってきたの」

    ト「何故ですか?」

    唯「悪丸は、陰でコソコソ言ってんのを何回か聞いてたんだって。で、違うと言いたかったけど、それを止める勇気がなくて、ここまできてしまった。で、説教を見て、それができなかった自分は弱かったって。トヨは偉いって言ってた」

    ト「偉くはないです。わたくしは気付いていなかったんですから。そうですか。悪丸は、ずっと心を痛めていたのですね」

    唯「そうだね。もう気にしないでとは言っといたよ」

    ト「奥方様の悪口言うなんて、若君様に楯突いてるのと一緒って、気付かない連中がどうかしてるんですよ」

    唯「カッコいい~」

    ト「いえ、それはもういいですから」

    唯「でね、私からごほうびあげる」

    ト「そのような。いただく筋合いはございません」

    唯「いいからいいから」

    戸棚を開け、マニキュアのセットを出す唯。

    唯「どの色がいい?手だといろいろ問題あるだろうから、足の爪に好きなの塗ってあげる」

    ト「えっ、そんな!でも、お咎めを受けませんか?」

    唯「ごほうびに塗ってあげなさいって言ったのは、たーくんなんだよ」

    ト「ええっ!」

    唯「だから問題なーし」

    ト「若君様、なんて男前なの…」

    唯「なんか言われた時、たーくんの名前出すのはちょっとと思うなら、奥方がふざけてやったって言えばいいよ」

    ト「そんな、わざわざ悪者になる必要はありません」

    唯「じゃあ、仲良しの印で!」

    ト「仲良し…畏れ多いですが、嬉しいです」

    少し紫がかった、あまりキラキラしないピンク色を選んだトヨ。

    唯「大人だね~」

    ト「少し染まるだけでも、心浮き立ちますから」

    唯「アガるよね~」

    ト「あがる…はい!」

    唯「じゃあ、足を前に投げ出して。そうそう。では行きまーす」

    一本一本、塗り上げていく唯。

    ト「お上手ですね」

    唯「たーくんの方が上手だよ」

    ト「え?もしかして」

    唯「うん、手も足も、たーくんがいつも塗ってくれるの」

    ト「まあ…もう何者も、入り込む余地はないですね」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    続きます。

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    二人の令和Days130~23日金曜7時、優秀な家臣達

    アミューズメントパークに変わりつつある?
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    若君が、唯を起こそうと懸命になっている。

    若君「唯、唯」

    唯「ん…」

    若「早く起きねばならぬと、申しておったではないか」

    唯「眠いぃ」

    若「ブランコの取り付けがそろそろ終わるぞ」

    唯「取り、付け…はっ!」

    飛び起きた唯。

    唯「うそっ!もうそんな時間?やだぁ、たーくんなんで起こしてくれなかったの~」

    若「何度も起こそうと試みるも」

    唯「え?そうだった?」

    若「嫌がる奥方に蹴られる始末」

    唯「うげっ」

    若「手強い総大将であった」

    唯「ご、ごめん。すぐ着替えて行きますっ!」

    慌てて若君の居室前に飛んで行った唯。千吉と悪丸が見守る中、若君がブランコの具合を確かめていた。

    若「ぐらつきもない。ようやってくれたの」

    悪丸「はっ」

    千吉「忝のう存じます」

    若「木々の間に隠れておるゆえ、物思いにふけるには丁度良さそうじゃ」

    千「そうでございますか。おや、奥方様」

    唯「ごめんね、遅くなって。あーいい感じだね。表のと違って枝の位置が低いから、うーんと」

    若「何じゃ?」

    唯「大人のための、揺りかご?」

    千「おぉ」

    若「ほぅ。朝から弁が立つのう」

    唯「へへっ」

    若「よう寝たゆえ、冴えておる」

    唯「しれっと反撃したな?」

    千「表の方は、すっかり童達の溜まり場になっておりますな。中々若君様も使えぬのでは?」

    若「構わぬ。賑やかなのは良い。ただ、取り合って喧嘩になどならぬであろうか」

    千「なんとお優しい。それでしたら、城の周りにどんどん取り付け致しましょうか?」

    若「ほぅ。良いのか?」

    千「はい。お任せくだされ。今日も二人で充分作業出来ましたゆえ。なあ、悪丸」

    悪「はっ。すぐ、丈夫な枝をお探し申す」

    唯「すごーい。楽しそう」

    若「それはまた、難儀をかける。時々は、此処も使うてくれ」

    千「あっ、いや、それは」

    若「ハハハ。大儀であった。千吉、悪丸」

    千「はっ。では、これにて」

    悪丸が、なぜか残っている。

    唯「どしたの?悪丸」

    悪「奥方様に、伝えたき話が、ある」

    唯「そうなの?なにかな」

    若「わしは居らぬ方が良いか?」

    悪「いえ」

    悪丸が話し始めた。唯は驚きながら、若君は頷きながら聞いている。

    悪「わしは、何もできなんだ。弱かった」

    悪丸が頭を深く下げる。

    唯「わー、やめてやめて!」

    若「謝らずとも良い。心を痛めておったおぬしも、辛かったであろう?」

    唯「教えてくれてありがとう。よくわかったからさ、もう気にしないでね」

    悪丸は、二人に再び深く礼をして、去って行った。

    唯「たーくんが…仕向けた?」

    若「わしは、源三郎に言付けを頼んだまでじゃ」

    唯「ありがとうたーくん!どおりでここんトコ、あんまり言われないなと思った」

    若「唯を守れたようじゃの。わしの手柄ではない」

    唯「どうしよう…お礼言わなくちゃ。なにかごほうびもあげたいよ」

    若「褒美か」

    唯「身に付ける物とか…でも仕事の邪魔になっちゃダメだよね」

    若「ならばあれはいかがじゃ。物ではないが」

    若君が、身振り手振りで伝える。

    唯「いいの?誰かに咎められても、たーくんのお墨付きだよって?」

    若「働きぶりには、相応しかろう」

    唯「ありがとう!もうすぐ私の部屋に来ると思うから、早速そうするね!」

    そして朝食後。唯の居室。トヨが片付けに来た。

    唯「トヨ、昨日はいろいろありがとう。ごめんね、遅くまで付き合わせちゃって」

    トヨ「いえ、とても楽しゅうございました」

    唯「で…どうだった?その後」

    ト「えっ」

    唯「源三郎は?」

    ト「源ちゃん…源ちゃんは」

    唯「顔、恐いよ?ヤな予感がするなー」

    ト「あいつ、逃げたんです」

    唯「逃げた。えー、私の知ってる源三郎じゃなーい!」

    ト「月が綺麗だななんて、殊勝な事言ってたのにですよ?」

    唯「それ、私も聞いたな。男子の間で流行ってんのかな」

    ト「だから、ちょっと怒ってるんです」

    唯「そっか~。愚痴も聞いてあげたいけど。あのさ、実は話があるんだ。この後時間いいかな」

    ト「はい。お話ですか。わかりました」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    続きます。

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    妖怪千年おばばさん

    なんて嬉しいニュースでしょう。どうぞ、存分に時間をかけて、また傑作を届けて下さい。楽しみにしております。

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    マングースに野ブタ!

    カマアイナ様

    ハワイのお正月情報、
    ありがとうございます~(*^^)v

    マングースに野ブタですか?なんだか、
    ワクワクしてきました。(^_^)v

    実は、”ふきちゃん”の物語を
    なんとか完結させたいと
    思っているのですが、
    戦国時代の侍たちの暮らしぶりを
    どう描くかで悩んでまして。(;^_^A
    なかなか、筆が進まず。(^▽^;)
    一行書いては、削除の繰り返しです。

    でも、あきらめずに、
    ぼちぼち、行きますね。(^_^)v

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    二人の令和Days129~22日19時、勇気をください

    見てるのは月だけなのに。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    もんじゃ焼き、完食。源三郎が、若君に頭を下げている。

    源三郎「今宵は、このような宴にお招きいただき」

    若君「良い」

    源「はっ?」

    若「礼は、要らぬ。まだ此処の後始末も頼まねばならぬゆえ」

    源「それは…」

    トヨ「片付けなど当然でございます」

    唯「ううん、こっちがお礼言わなくちゃだから。ありがとね」

    若「源三郎、トヨ、礼を申す」

    源「そのような。恐悦至極に存じます」

    ト「身に余る光栄でございます」

    若「各々のハガシであるが」

    源&ト「はい」

    若「持ち帰るが良い」

    源「はっ」

    ト「まぁ…宝物にいたします!」

    唯「今日の記念にプレゼント?」

    若「そうじゃな」

    唯「優しーい。いーなー」

    若「その手にある物は何じゃ」

    唯「あ、そっか」

    全員で笑って、お開き。

    若「では、済まぬが」

    ト「かしこまりました」

    源「心得ました」

    唯「じゃーねー、ありがと~」

    客間を去る唯と若君。見送った源トヨ。

    ト「さてと、ササッと洗っちゃおっかな。若君様とても手際がよろしくて、洗い物ほとんどないし」

    源「鉄板は俺が持つ」

    ト「ありがと」

    台所までの道すがら、空を見上げた源三郎。

    源三郎 心の声(月か…)

    明日で半月だが、存在感たっぷりに、宵の空に明るく輝いている。

    源 心(何もかも見透かされておるような…)

    洗い物の後、囲炉裏の火の始末をするトヨ。

    ト「粗方片付いたから、明日の朝、周りを拭き上げるわ」

    源「お疲れさん」

    客間を出る二人。

    ト「んん~」

    庭に向かい、大きく伸びをしたトヨ。

    ト「ふう」

    源「…」

    源 心(今、か!)

    源「月が…」

    ト「え?」

    源「月が、綺麗じゃな」

    ト「あ、そうね。とっても綺麗で手が届きそう」

    源 心(手が届く。届く…それは、俺達はそれほど近い間柄と言う意味合いか?!)

    源三郎、考えを巡らせ過ぎて黙り込んでいる。

    源「…」

    ト「どうしたの?」

    ふと二人、目が合った。そのまま見つめ合う。

    ト「源ちゃん…」

    源「う、うわ~!!」

    ト「え」

    突然、叫びながら頭を抱え、しゃがみこんだ源三郎。

    源「無理だ無理だ無理だ…」

    源 心(どうにも踏み出せない俺は、腰抜けだ…)

    ト「えぇ?」

    トヨ 心の声(なんでよ~!すっごくイイ感じだったのに!)

    すっくと源三郎が立ち上がった。だが、視線はあさっての方向のまま。

    源「こ、これにて」

    ト「へ?!」

    逃げるように走り去ってしまった源三郎。残されて、しばらく呆然とするトヨ。

    ト「…わかった。はいはい。そういう事ね。よーく、わかったわ。この、この意気地なし!」

    トヨの心の内を示すように、ヒュルルと風が吹き抜けていった。

    唯「あー、いい風。涼しーい」

    その頃の唯。寝間着姿で寝所前の縁に座り、足をぶらぶらさせていた。

    唯「夏に囲炉裏は、ちょーっと暑かったなぁ」

    寝間着姿の若君登場。

    若「蚊に刺されるぞ」

    唯「大丈夫。蚊取り線香ついてる」

    夜空を見上げながら返事をする唯。若君も月を見る。

    若君 心の声(そうじゃ)

    若「唯」

    唯「なぁに?」

    若「月が、綺麗じゃの」

    唯「ん?そうだね。でも、たーくんと一緒なら月はいつでもキレイだよ」

    若「…そうか」

    唯「え、なにー?」

    若「何程でもない」

    唯「ふーん。ちょっと早いけど、そろそろ寝た方がいいかなー。明日早起きしなくちゃだから」

    若「何かあるのか?」

    唯「例のブランコ、たーくんの部屋の前に、明日の朝一で付けてくれるって千吉さんが言ってたの」

    若「ほぅ、それは見届けねばの。ならば、起こしてやろう」

    唯「うん。お願いしまーす」

    若「中に入るぞ」

    唯「はーい。もう休む?」

    若「休むかどうかは」

    唯「なんかニヤケてるし」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    22日のお話は、ここまでです。

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    二人の令和Days128~22日18時、先手必勝です

    待ってるだけじゃないおなごがここにも。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    トヨが、鉄板を囲炉裏にセットしている。

    若君「まるで、今宵の為に誂えたかのような…これで拵えられるとは有り難い。鍋だけが懸念であったゆえ」

    唯「確かに。フツーの鍋だと作りにくいしヤケドしそうだし」

    若「トヨ、よう支度してくれた」

    トヨ「いえ、わたくしは何も。若君様ご所望の品が丁度ございましたので、お出ししたまでです。こちらの先代のお屋形様が、狩りがお好きでいらして、猪や鹿やむじなを焼くために特別に作らせたと聞いております」

    唯「むじな?今むじなって言った?食べられるの?!」

    ト「食べられます。前に、信茂様が珍しく手に入ったと持ち帰られ、天野のお屋敷で一度お出ししております」

    唯「へー、びっくりー。たーくんは食べた事ある?」

    若「わしは、食した事はない。源三郎はあるか?」

    源三郎「いえ、ありませぬ」

    唯「じい、私をむじなむじなって。あっぶなーい、とって食われるところだった?」

    若「それはなかろうが」

    唯「とんだ食わせもんだよ~」

    若「ほぅ。上手いの」

    油を薄くひき、よく混ぜた具だけを先に鉄板に乗せ、丸く囲むように土手を作る。

    源三郎&トヨ 心の声(これは、儀式?)

    その中に生地を流し込む。

    源&ト 心(やっぱり儀式?)

    唯「二人とも、すっごい不思議そうな顔して見てる」

    若「初めて見る者はそうなる。わしもそうであった」

    唯「ちゃんと食べる物作ってるから、心配しないで」

    源&ト「わかりました」

    よく混ぜ、一面に広げた。

    唯「今日はお箸で食べる?ヘラないから」

    若「唯。あれはヘラとは申さぬ。ハガシという名だそうじゃ。た…師匠によると」

    唯「あ、調べたんだね。へー。たーくん、ホント作る気満々だったんだね」

    若「で、ハガシなら、ある」

    若君の懐から、小さいハガシが四つ登場。

    ト「まぁ、お小さいこと」

    源「竹でございますか」

    唯「え?もしかして」

    若「わしが今日の為に、削って作った」

    唯「えー!たーくんやっぱりヒ…」

    若「暇ではない」

    唯「そぉ?」

    ハガシをさっと水にくぐらせ、全員に渡した。

    若「そろそろ良かろう」

    唯「そうだね」

    源「え。出来上がり、ですか」

    ト「これは、どのようにいただくのでしょう」

    若「このように端から」

    手ほどきをする若君。

    若「掬い取ったこれを…ん?」

    隣で、唯が口を開けている。

    唯「ちょーだーい!フーフーもして欲しいぃ」

    若「ハハッ。このように掬ってすぐはまだ熱いからの」

    少し冷ましてから、唯の口に。

    若「どうじゃ?」

    唯「美味しい!」

    若「そうか。良かった。という案配じゃが」

    源トヨが、かなり戸惑っている。

    源「あの…恐れながら若君様」

    若「なんじゃ?」

    源「相手の口に入れるまでが、いただき方でございますか?」

    若「あ、いや。各々で食すが良い」

    源「良かった…」

    ト「残念…」

    源「は?」

    ト「あら、つい心の声が」

    唯「食レポ…もとい、食べた感想よろしくね」

    源「それでは、頂戴いたします。緊張する…」

    源三郎が口に運ぶ。

    源「美味い。この、香ばしさで風味が増しておるような。梅も効いております」

    若「そうか」

    ト「いただきます…うん、美味しい。野草はシャキっと、芋や米はトロっとがまたよろしくて」

    唯「二人とも食レポ上手だなぁ」

    若「皆に振る舞えそうかのう」

    ト「これは、皆喜ぶと思います」

    唯「やったぁ。良かったね!」

    若「あぁ」

    唯「たーくんまだ食べてないじゃん。はい、あーんして」

    若「ん…うむ、我ながら会心の出来じゃ」

    ト「いいな。仲睦まじくて羨ましい…」

    唯と若君の様子をじっと見ているトヨ。見て見ぬふりをしている源三郎。

    源「これは、大勢で囲みながらいただけそうで、宜しゅうございますな」

    唯「今、ちゃんと見てた?」

    源「え」

    唯「もー。ねぇ、たーくん」

    若「ハハハ。いつか、城の皆で囲みたいものじゃのう」

    唯「外でとか?」

    若「あぁ。バーベキューの様にの」

    唯「いいねー。って、二人はバーベキューじゃわかんないよ。おっとぉ?」

    トヨが、とうとう仕掛けていた。

    ト「源ちゃん、はい、あーんして」

    源「あーん、ってお前!」

    ト「遠慮するのは、損な気がしてきてさ。攻めてく」

    源「ええっ」

    ト「ちゃんとフーフーしたわよ?」

    源「いや、そういう事でなく…うわっ」

    早く早く、と唯と若君が目で訴えている。

    ト「そろそろ腹決めたら?」

    唯&若「お」

    源「あ、あぁ」

    パクリ。

    唯「かわいい~。ありゃ」

    攻められた方も、攻めた方も、顔がみるみる内に真っ赤になった。

    若「微笑ましいの」

    唯「うん。ふふっ」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    続きます。

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