• このトピックには1,203件の返信、16人の参加者があり、最後に夕月かかりて(愛知)により1日、 15時間前に更新されました。
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    創作オンパレード

    ほんの暫く書き込みを怠った間に、
    次から次へと、時代も話題もスタイルも、
    千差万別な素晴らしい創作が溢れていました。
    皆様の文才は、読んでいて心底感嘆していますとしか言いようがないです。
    各々への感想を述べていると、創作倶楽部のスペースを取りすぎてしまうのと、
    ボケてどなたかのお名前を書き忘れて、失礼をしてしまう心配もあるので、
    感想は書かなくても、毎回超楽しんでおります。
    皆様にまとめてありがとうございます。

    ただ一言、公式掲示板にたどり着けなかった者としては
    ぷくぷくさんの隙間埋め創作の数々があるのでしたら、
    徐々にこちらに掲載していただけないでしょうか?
    唯は3分後に戻ると信じてにこやかに、若君は2度と会えないことを知りつつ、
    唯を送り出す場面の、あの消えゆく唯に手を伸ばすシーンはYouTubeで見て、
    全部のストーリーを知らなくても、切なくてジーンときました。
    なるほど、なるほどと隙間解説で、感激を2度味あわせていただきました。

    結局、長文になり失礼いたしました。
    創作の場を長い感想で埋めるのは申し訳なくて、
    どなたか、どの掲示板に感想を書くのが最適か、教えていただけますか?

    夕月かかりてさん、妖怪千年おばばさん、梅とパインさん、ぷくぷくさん、
    他にも私の知らない創作作家さん達、今年も多いに楽しい作品で賑わせて下さい。
    楽しみにしております。

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    返信
    ぷくぷくさん.。o○

    すっごい良い考えですね!?
    私は公式掲示板ラバーでコピー保存してますが、オリジナルは2018/4/2, 4/26でしょうか?
    芯になる大事な言葉は残して、物語として生まれ変わってました!??

    そしてアシガール板の旧作も、出し直す方法ありますね❗
    ぷくぷくさんは事情あり登録なさらず編集機能を使えないので、手直ししたい所あるのでは?
    創作が独立してなくてコメントが一緒にあったりします、純粋に物語としてリニューアルされてみては‥ (^^)v
    目次を作っても、探して読んで頂くのはなかなか難しそうですし‥
    お気が向いた時に、一部書き換えた改訂版、 今日の様に再構成した新編集版、 オリジナルのままも何でもあり!
    公式掲示板もアシガール板も、リニューアルバージョン楽しみにしてます!((゚∀゚*))

    ☆妖怪千年おばばさん☆夕月かかりてさん~*
    ご免なさい。お一人ずつのペースに合わせるのは大変で、二週間に一度くらい、皆さん一緒に感想書かせて頂こうと思います。
    ぷくぷくさんは新企画立ち上げなので今回だけ‥

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    【想い】

    満月の下
    何か言いかけた唯の姿が目の前で消えた事に驚きもあり差し出した手をジッと見ていた。そして力強く握り「ふ~」と息を吐きお馬番の方へ歩いて行った。お馬番は二人の様子を見ないように視線を逸らし待っていた。

    「では、参ろう」
    「若君様、あの者は?」
    「里へ戻ったのだ」
    「えっ?」

    こんな場所から一人でと聞きたかったが、月明かりに照らされる若君の寂しげな表情にお馬番は黙った。それから城に着くまで言葉を掛けずに。若君は背に唯の温もりを感じていた。城に戻り、

    「今宵の事は」
    「若君様、承知しております。誰にも申しません」
    「ん・・・ご苦労であった」

    お馬番は若君の肩を落とした後姿に深々と頭を下げ厩に戻った。そこに千吉が居た。

    「十助、若君様のご用とな何だったのだ?」
    「あぁ・・・月が美しいから遠駆けに参られたいと仰せになってな」
    「そうか、ご苦労だったな」

    お馬番は疾風を厩に連れて行った。
    若君は部屋に戻り、文箱から金メダルをかじった唯の写真と、残り少ないアーモンドチョコの箱を持ち、濡れ縁に腰を下ろした。写真を手にして、

    「文を読んだ唯は腹を立てておるであろうの・・・許せ」
     
    そしてチョコを一つ頬張り、

    「甘いの・・・美味いの・・・」

    唯が己の目の前で食べていたあの笑顔を思い出し涙が零れた。『おなごと心など通じ合わなくとも良い』と言っていた自分が、初めて心を通わせたいと想った唯とは二度と会えない。若君が見ている月は真ん丸だが、若君の瞳にはいびつな月が。頬を伝う涙が月明かりで輝いていた。

    「唯」

    床に入り目を閉じ眠りにつこうとしたが、笑顔や泣き顔、怒った顔が浮かんでは消え、また浮かび一睡もすることなく朝を迎えた。唯本人は3分後に戻るつもりでいたから吉乃達には何も言っていないだろうと。若君は唯の事を伝えに天野家へ。吉乃もまた戻らぬ唯を心配して寝付けず起きて待っていた。すると表で足音が聞こえ、今迄どこに行っていたのだと言うつもりで障子を開けたが、そこには唯之助ではなく若君の姿が。

    「若君様?」
    「唯之助が」
    「唯之助にご用でござりまするか?唯之助は昨夜から戻ってはおりませぬ」
    「その事なのだが」
    「此処では。お上がり下さいませ。ただいまお茶を」
    「いや。お袋殿もここに」
    「では」
    「お袋殿・・・唯は生まれ故郷に帰ったのだ」

    吉乃は初めこそ驚きの表情を見せたが、しっかりと若君の顔を見て、

    「さようですか。若君様がそう仰せは、唯之助がわたくしの子ではないとご存知なのですね」
    「ん。だが、お袋殿は驚かぬのか?」
    「はい。あの子がわたくしの元に現れ、共に暮らして居りましたが、心のどこかに、いづれは居なくなるのではと思うておりました」
    「さようか。昨夜、わしが唯之助を見送った」
    「さようでしたか」
    「急な事であったのでな、だが、仔細は」
    「はい。尋ねませぬ」
    「ん・・・お袋殿に言わずに。唯・・・唯之助は気にしておった。わしから申すとな」
    「唯之助の里の父上も母上も喜ばれる事でしょう。唯之助・・・まことの名をご存知でございまするか?」
    「・・・いや、わしは知らぬ・・・尋ねてはおらなんだ・・・のでな」
    「さようですか。ですが唯之助の母上も、父上も唯之助に似て明るいお人なのでしょう」
    「そうじゃの」
    「えっ?」
    「あっ、いや、そうであろうと」
    「はぁ」
    「それにじゃ、唯之助からは文は届かぬでの。すまぬ」
    「若君様が詫びる事ではございませぬ。あの様な文ならば届かなくとも。無事で居ればそれだけで」

    吉乃の寂し気な表情に、二度とは戻らぬ事は黙っていようと。立ち上った若君に、

    「若君様、唯之助は笑っておりましたか?」
    「ん・・・良い笑顔であった」
    「さようですか。その事だけで、わたくしは充分にございます」

    若君の寂しそうな顔に、吉乃は根掘り葉掘り聞く事は酷なような気がしたので、それ以上は何も言わず見送った。吉乃は三之助と孫四郎を呼び、

    「唯之助は生まれ故郷に帰ったのです」
    「かか様、唯之助は戻りますか?」
    「もう戻りません」

    その言葉を聞いた二人は、あの日、唯之助が現れた日、兄の弥之助が戻らないと言われた事を思い出し、大好きな人がまた自分達の前から消えた事に驚き泣き出した。吉乃ももう戻らないと言ってしまった事を悔やんでいた。三之助と孫四郎を抱きしめ、

    「母にも分かりません。ですが、故郷でまことの父、母の元にて幸せに暮らすのです。お前たちが悲しむ事など望んではおりませんよ。さっ、涙を拭いて。良いですか、唯之助が母の子では無い事は誰も知り得ません。里に一人帰ったと申せば子では無いと疑われるでしょう。また間者として疑われ、いつの日にかわたくしたちの前に現れた唯之助が捕らえられてしまうかもしれません。母は、唯之助は修行の旅に出たと周りの者に話します。お前たちも誰かに尋ねられた折にはそう申すのですよ。分りましたね」
    「はい」
    「はい!」
    「では、わたくし達も梅谷村に戻りましょう」
    「かか様、唯之助が戻って来た時、かか様や孫四郎が居らなくては?」

    吉乃は二度と戻らないような気がしていたから、

    「案ずるでない。この場に戻れば私達が梅谷村に居る事も知り得ますから」

    二人にはそう話した。じいが唯之助の姿が見えないと言ってきたので旅に出たと話し、小平太に伝わり、見回りの際に小平太が若君に話した。吉乃の機転に感謝した。小平太は素直に信じていたが、文の一つも来ない事に心配もしていた。そして半年後、唯之助の姿を見て「生きておったのか」と言ったのだった。

    おしまい

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    自画自賛コーナー

    梅とパインさんお声がけありがとうございます(*^_^*)
    今年も作家の一人として頑張ります(^O^)/
    チョイひととき
    今は見る事の出来ないNHK掲示板の中にも自画自賛の話があります。そこで二つの投稿を新たに編集して書かせて頂きます(^_^)
    【第8回 満月よ!もう少しだけ】
    この副題について以前にも書きましたが、若君の気持ちではないかと。唯ならば3分後には戻ってくるから、そこまで〔もう少しだけ〕とは思わないのではないかと考えて、少しでも一緒に居たいと思った若君の気持ちだったのではと。それに何故お馬番を伴にしたのか?若君が己の想いを隠し唯を見送る。だが、帰したくない思いで取り乱してしまうのではないかと考えての事では。

    唯を見送ったのち、吉乃に話し、吉乃も梅谷村へ戻るまでの事を(^_^)
    以前は文字制限がありましたので、今回はめっちゃ思いっきり書かせて頂きます(^_^)
    では(^_^)

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    ありがとう♪

    千絵さんの PR動画と 千年さんのラーメンデートの動画、久しぶりに見ました。懐かしかったです (^.^)。
    ありがとうございました m(__)m。

    そして…
    てんころりん さん・千年さん・千絵さん・夕月さんも、お粗末様ながらの「源ちゃんトヨちゃん」を楽しんで下さったようで嬉しゅうございます。また たま~に気が向いたら、考えてみますね (^^)。

    では、引き続き「傑作・大作」の競演を 楽しませて頂きま~す♪

    ☆ ぷくぷく さんも休憩終わったら、頑張ってね~ p(^^)q。

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    二人の平成Days27~16日14時、親子水入らず

    また、乗せようとしてる。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    ホームセンター。しばらくして、唯が尊の元にやってきた。カゴを覗いている。

    唯「何買うの?」

    尊「こんな感じ」

    唯「…なんにも浮かばない」

    尊「どうせわかんないんだから、聞いてもしょうがなくない?」

    唯「ひどっ。まぁ、パーティーグッズはまかせたまえ~」

    唯、言い残してピュ~っと走り去った。

    若君「また何やら考えておるのか?」

    尊「わっ!兄さんここに居たんだ。置いてかれてるよ?」

    若「良い。お母さんの所じゃろう」

    尊「兄さんもしかして…」

    若「なんじゃ?」

    尊「姉と母、二人だけにしてあげました?」

    若「尊はやはり賢いのう」

    尊「すごいな、兄さん。僕、若君が兄さんでホントに良かったです」

    若「わしも、尊が弟で嬉しいぞ」

    尊「やった~相思相愛。あ、そういえば」

    若「あ。お父さんは、何処じゃろうか」

    覚を捜していると、ペット用の大きいカートに犬を乗せている客とすれ違った。

    若「あれは?」

    尊「ここは、ペット用品売場があるから、愛犬とか連れてくる人達のためのカートです」

    若「…」

    尊「天野のじい、ですか?」

    若「なぜわかった」

    尊「先週の、カート話のインパクト…もとい、衝撃が強くて」

    若「下に何か敷かぬと、乗りにくそうじゃ」

    尊「乗せる気満々だよ」

    覚、DIYコーナーに居ました。

    覚「おーい、ここだ。今、木材切ってもらってるから」

    尊「切るまでやってくれるのは、お手軽だよね」

    若「切らぬと、重いのか?」

    尊「え?えーっと…切らないと重い、切ると軽い、あー!お手軽の意味かー。うーん」

    若「何か、悩ませるような事を申したか?」

    尊「いや、言ってないです。兄さん、切らなくても軽いですから。お手軽って?便利?いや、楽チン?ん?楽チンのチンって何?」

    若「尊?」

    尊「チンって何だよ~!」

    覚「尊~、落ち着け。その言葉は大声では恥ずかしい」

    尊「あ。失礼しました。日本語って難しいー」

    若「唯にそっくりじゃな」

    買い物終わって全員集合。

    唯「バッチリ買えたよぉ~ふっふっ。クラッカーも」

    尊「兄さんに、それ説明しなくていいの?」

    唯「しーっ。いいの、当日のお楽しみで」

    尊「お姉ちゃんが、楽しみなだけじゃん。まあ何とでもして」

    帰路についてます。

    美「三人とも、寝たわよ」

    覚「そうか。じゃあ、小声で話すか」

    美「もうちょっと、運転頑張ってね」

    覚「うん。しかし若君には、恐れ入った」

    美「そう?ゆうべの話?」

    覚「全般的に。まず、さっきホームセンターで唯と買い物しただろ?」

    美「うん。若君は?って聞いたら、尊と一緒って言ってたわよ」

    覚「それな、気を利かせて、お前達二人の時間を作ってくれたんだぞ」

    美「えっ!そうだったの!なんていい子なの~」

    覚「もちろん、期待に応えました話も驚いた」

    美「それ、オープンに話してるというより、主君に何でも報告してる、って感じだったわよ」

    覚「まぁ、ふざけてるとは全く思わなかったけどな」

    美「家長には、従うのよ」

    覚「そうか。あ?結局、僕がけしかけた感じ?」

    美「そうよ~気づくの遅い。生きる時代が違うんだから、父上の言う事は絶対、なのよ」

    覚「失礼しました。いや、反対してるんじゃないから。決断力は彼を見習わないとダメだな」

    美「あと、私達と話す時は、極力現代語だし」

    覚「そうだな。美香子に叱られてた時もな」

    美「普段の口調が、偉そうに聞こえるんじゃないかって、心配になったらしいの。そんな、いいのにね」

    覚「彼自身が、発想が現代的なんだな。だから唯ともうまくいく」

    美「えー、そこは、愛情のなせるわざでしょ」

    覚「初恋同士なんだってな」

    美「なぁに?羨ましいの?」

    覚「いえ、美香子さん、唯一です」

    美「大好きな美香子は、私一人だけって事?」

    覚「そうじゃ」

    美「あら~、かつて若かった君~」

    覚「上手い事言うなあ」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    僕は、君と居る時が、一番幸せなんだ。16日のお話は、ここまでです。

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    新春ですね

    梅とパインさん、幼馴染爆笑漫才は、新年一番にお正月の風情で良いですね!昔の方々は、逢瀬も一苦労だったでしょうし。じりじりと関係が進んで、次の一手は源三郎かトヨか?が楽しみです。

    私も含め、妄想作家の皆様の描く男性陣は、やたらと女性に翻弄されてますよね。普段は、命懸けでキッチリ仕事をこなしてるからこその、ギャップがいいんですが。

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    ありがと~~~う??

    千年おばばさん?
    よくぞ 見つけてくださいました‼️

    超ラブラブな
    唯が若君としたかった
    制服着てラーメンデート‼️

    お丼?交換しちゃってる~‼️
    ご馳走さまで~す

    ※※※※※※※※※※※※※※
    梅Pさん❗
    源ちゃんトヨちゃん
    いいね!?楽しいです❗
    創作板 益々 活性化?

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    返信
    ラーメンデート

    千絵様
    ラーメンデートの動画が見つかりました!
    張りますね~?
    https://www.youtube.com/watch?v=PTdwlNw0BS8

    梅とパイン様
    源ちゃんトヨちゃんコンビは永遠ですね~。
    楽しい掛け合いありがとうございます。(^_^)v

    夕月かかりて様
    家族で温泉旅行、良いですよね~。(*^^)v
    早くコロナ終息して欲しい!

    てんころりん様
    おばばも”鐘”使わせて頂きましたよ~。
    小平太の絶叫に併せて、響く鐘の音。(^_^)v
    ぐお~~~んんんんん
    ちょっと低めがいいかも。

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    返信
    梅パさん、おおきに。

    リクエストに応えてくれはって、ありがとさんどす。
    待ってました!!(^з^)-☆
    源ちゃん、トヨちゃん、夫婦漫才 、可愛おすなぁ (京都弁?)
    源「どんな耳?」ト「こ~んな…」って、
    マギー審司さんの大きな付け耳?が見えましたがな (何弁?)
    カマアイナさん、マギー審司さんが分からないと悪いんで、ダンボの耳も入れときまひょ。
    私のこと、ネタに使ってもろて、おおきに。
    で☝️これほんまですわ。
    私は昔から“効果音オタク”です (楽譜読めないし音楽は語れない)。
    鐘の音, カエルやトンビの声, 風の音‥ 色んな効果音が面白くて、あーだこーだ書きました‥
    ?ヘッドホンして 耳ダンボにして聴いてます。
    キャハ! (*`▽´*) 梅パさんの豊かな想像力のお陰で遊ばせてもらってます。
    源ちゃん、トヨちゃん、鐘の中に入るん?
    安珍・清姫「道成寺」ごっこやな。
    ヨッ!美男美女!絵になるなぁ。
    チャカ チャンリン チャンリン‥♪三味線で引っ込んじゃった。
    なかなか進展しない2人・・
    感想文は改めますね・・

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    小笑いタイム

    チャカ チャンリン チャンリン チャンリン♪
    源三郎「どうも皆さん、源ちゃんで~す♪」
    トヨ「トヨちゃんで~す♪ 二人合わせて」
    二人「源ちゃんトヨちゃんで~す♪」
    源「そのまんまやな」
    ト「源ちゃん 関西弁になってるで。あ、私も うつってしもたわ」
    源「しかしまぁ何ですね~ この創作倶楽部は 傑作・大作揃いですね」
    ト「ねぇ スゴいね~。そやけど源ちゃん、私らは 出して貰われへんみたいやねぇ」
    源「俺は…出てたような…」
    ト「え、ほんま?いつ?」
    源「忘れたけど…」
    ト「なんや 忘れたんかいな」
    源「いや、これ書いてる人が覚えてへんねん」
    ト「あぁ 梅とパインっちゅう人ね」
    源「そうそう、あの 人見知りで 感想文苦手で ふざけた妄想しかせえへん 記憶力無い人」
    ト「ボロカスやな。 ところで源ちゃん、除夜の鐘は聞こえた? 何でも お城の近くのお寺の鐘の音が、時々違って聴こえるらしいよ。私は よく分からないんやけど…」
    源「なんか そうらしいね。聴き分けた人 スゴいなぁ。どんな耳してはんねんやろ?」
    ト「こ~んな…」
    源「形はええねん!」
    ト「ハハハ(笑)。で、お正月は何してました?」
    源「正月は 忙しかったよ~。無礼講ってことで 皆 飲んで騒いでハチャメチャやったから、俺らは 城内・城外の警備や 酔っぱらいのケンカの仲裁やらで、もう大変やったよ。トヨちゃんは何してました?」
    ト「私も ず~っと お仕事ですよ。天野家もお客様が多いのでね。 洗い物する水が冷たそうやな~と眺めたり、ご馳走の味見という名の つまみ食いしたり…」
    源「仕事してないやん!」
    ト「ちゃんと指導もしてたよ~」
    源「休みは もらえた?」
    ト「今から」
    源「俺も今から」
    ト「じゃあ、一緒に遊ぶ? お寺の鐘の陰でイチャコラする?」
    源「ト、トヨ! え?え?ええ~?! ん?ちょっと待って、お寺の鐘の陰って…中で…か? 宙吊りで…か? 時間が来たらゴ~ン!!て打たれるんか? …って言うか、俺ら いつから そんな関係になった?」
    ト「い・ま・か・ら♪」
    源「トヨちゃん…」(デレ~ッ)
    ト「ウソ ウソ!冗談やし! そんなん しません しません!」
    源「ええ~~」(ガッカリ)
    ト「さ、そろそろ終わりましょか」
    源「オチが 無いねんけど?」
    ト「よか よか」
    源「急に九州やな!」
    ト「それでは皆さん、またいつか~」笑顔で手を振りながら 去って行く トヨ。
    源「トヨちゃん! もう~ほんま自由なヤツ。皆さん すみませんね~。トヨちゃ~ん!」追いかける源三郎。

    いやぁ、グダグダですね (^o^;)。
    お後がよろしいようで……
    チャカチャンリン チャンリン チャンリン♪

    皆さま、こんな相変わらずの 梅パではございますが、今年もよろしくお願い申し上げます m(__)m。
    〈 挨拶 遅っ!しかも この板で この時間… f(^^; 〉

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    二人の平成Days26~16日10時、磯の香り漂います

    蓮根のはさみ揚げの中身って、もしかしてお肉じゃなかったの?
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    チェックアウトしました。

    覚「よーし!張り切って行くぞ~!」

    尊「さっきまでとは別人だし」

    美香子「お父さんにとっては、これからが一大イベントだもんね」

    覚「海鮮市場に出発~」

    若君「お父さんが楽しそうじゃ」

    唯「海の幸、いっぱい買い込むんだって。たーくん、多分運ぶのにこき使われるよ」

    覚「忠清くん、多分じゃなくそうなっちゃうけど。尊もな」

    尊「え~」

    若「お父さん、なんなりと仰せ付けくだされ」

    尊「わー、兄さんがそう言うなら、断る訳にいかなくなった」

    車内に、笑い声がこだました。

    唯「ねえねえ、マジすごい量なんだけど」

    市場に到着し、買い物真っ最中。袋やら、発泡スチロールの箱やら、持参したクーラーボックスやらが、どんどん車に積みこまれている。

    若「これで最後か?」

    尊「うん」

    覚「いや~助かった、二人ともありがとな」

    唯「ちょい魚くさい」

    美「まあ、そうなるわね」

    唯「えっ、これから毎日魚介?」

    美「毎日ではないだろうけど。あなた達の為に、張り切ったのよ。かわいいじゃない」

    唯「クリスマスパーティーで、焼き魚?」

    美「それはないと思うけど…多分」

    覚「では出発。ちょっと移動して昼飯にするか」

    高速道路の、サービスエリアで昼食中。

    唯「ふあ~」

    美「口そんなに開けてー。あくびが大き過ぎ」

    唯「はふぅ。やっぱ眠いかも」

    尊「そんな遅くまで起きてたの?」

    唯「遅かったかも。たーくん、何時に寝たっけ?」

    若「時計を見ておらぬゆえ、わからぬ」

    美「仲良く起きてたのね。良かったわね、お父さん」

    覚「今僕に話振らないで。心静かにお茶を飲みたい」

    美「またグダグダしてるわね~、イジメちゃおかな?唯、ずっと話とかしてたの?それか~」

    覚「やめてくれー」

    唯「ご想像」

    尊「におまかせします?」

    唯「どおり」

    覚「ブッ!」

    尊「あちゃー。驚いてお茶吹くなんて、昭和だよ」

    唯「隠してもしょうがないし、この家」

    美「忠清くん、そうなの?」

    若「期待に応えるべく努めました」

    覚「は、ははは~」

    尊「傷口に塩擦りこんでる」

    美「尊はこの話、平気なのね」

    尊「もう慣れた。こんな大恋愛が間近で繰り広げられてるとさ。元々忠清兄さんの味方だし」

    若「ありがとう、尊。尊もいつかはな」

    尊「はい。いつの日か頑張ります」

    車に乗り込む。

    唯「磯臭がスゴ過ぎる」

    覚「まあそう言うな。このまま帰ろうと思ってたんだが、色々材料買いたいし、寄り道するぞ」

    唯「材料?」

    美「ジェンガとか、パーティーの飾り付けとか」

    尊「あ!ホームセンター?」

    覚「そうだ」

    尊「行きたい行きたい!僕もちょっと仕入れたいし」

    唯「何を?」

    尊「色々」

    覚「では、ホームセンターに出立~」

    若&唯&尊「出立~」

    美「まぁ~!かわいい!」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    寄り添おうとする努力で、かわいい。

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    小平太~

    千絵ちゃんさん

    歌詞の続きは、“目をつぶれば君がいる”で、唯達にとっては、ここまでがセットかも。
    その続き、”友達と恋人の境を決めた以上もう泣くのも平気“ですが、唯と若君は、友達だった事は一瞬もなく、配下の者からご寵愛の暴れガッパ(←奥の院、怖ーい)へジャンプアップだったので、さぞかし城は混乱したでしょうね。

    妖怪千年おばばさん

    久々の二の姫登場でしたね。なぜか、私の中の彼女のイメージは、綺麗な富士額で、キリッとした太眉(^_^;)今回も凛々しかったですね。小平太ったら、もう。

    カマアイナさん

    皆さんそれぞれの、若君のイメージから大きく外れないようにはしていますが、ちょっとくらいくだけた感じもいいんじゃないかなーって思ってます。

    投稿フォームへ

    返信
     兎角この世は  ~十三夜こぼれ話 小平太編~

    はじめに
     この物語は、私が以前に投稿した
     ”十三夜 
     (序、早、急、結びの段)”の
     番外編として書きました。
     登場する鐘ヶ江家の”二の姫”は
     私の妄想上の姫で、ドラマにも
     原作にも登場しません。
     鈴鳴神社も同様です。
     二の姫は、家の行く末を案ずる
     武芸に秀でた、”男装の麗人”
     としてお読みいただけましたら
     幸いです。m(__)m

    ~~~~~~~~~~~~~~~ 

    漆黒の東の空に、
    うっすらと薄い橙色の光が、
    山の稜線を描き始めた。
    その上の空の色が、
    濃い紫から明るい薄紫へ、
    更に一気に白へと変わる。
    橙色の線の上を、
    紅の絵の具を乗せた筆で
    なぞったかの様に、
    山が姿を現す。
    放射状に白い光を放ちながら、
    山の麓から陽が昇り始めた。

     「なんと、神々しい!」

    手を合わせながら、小平太は、
    朝日から目を離せずにいる。
    凛とした空気の中、
    初日の光を浴び、
    心も体も引き締まる思いがする。

    空が明け切り、
    たなびく雲の中に
    陽が隠れたのをきっかけに、
    小平太は、馬の向きを変えた。

    ゆっくりと鈴鳴神社へ向かう。
    馬を下り、入手水舎の水で
    心身を清めたあと、本殿の前に立ち、
    鈴を盛大に鳴らす。
    二礼二拍手の後、
    今年一年の安寧を祈願した。
    そして、さらに深々と一礼する。

    ふと、横を見ると、
    巫女がこちらを向いて立っていた。
    手に、竹筒を持っている。

       「鈴の音が聞こえまして。
        御祈祷をなされますか?」

     「いや、後ほど改めて参る。
      家人に言わずに参ったので、
      戻らねば。」

       「それでは、こちらを。
        甘酒にございます。
        温まりますゆえ。」

     「これは、かたじけない。」

    あえて引き止め様とはせず、
    頭を下げて見送ろうとする巫女に、

     「ちと、新月の様子を
      見せて貰おう。」

    そう言い残し、本殿の裏手にある
    厩に向かった。

    新月は、羽木家から鈴鳴神社に
    奉納された馬だ。
    小平太が仕えている若君と同じ年に、
    黒羽城の厩で生まれた。
    若君が袴着の儀を済ませた翌年、
    鈴鳴神社に奉納された。
    袴着の儀は五歳で行われる。
    その一年を無事に過ごした
    祝いの印として、
    納められたのだった。

    新年の神事の為か、
    新月の漆黒の毛並みは、前にも増して
    美しく整えられていた。

    弓を射る音が聞こえてきた。
    厩の横には、的場があり、
    近隣の若武者たちの
    弓の教練場ともなっている。
    誘われるように小平太の足が、
    的場に向かう。
    張り巡らされた板塀の隙間から、
    弓を射る人の姿が見えた。
    矢が、的に吸い込まれるように
    真ん中に当たったのを見届けて、
    小平太は中に入り、
    射手に声をかけた。

    「相も変わらず、見事な腕じゃの。」

    弓を射ていたのは、
    鐘ヶ江家の二の姫だった。
    まるで、小平太の声が
    聞こえぬかのように、二の姫は、
    次の矢をつがえる。
    その矢も、
    見事に的の真ん中を捉えた。

    満足げな笑みを浮かべて、
    二の姫が振り向いた。

     「これは、天野小平太殿。
      如何なされた。」

    「この先で初日の出を拝み、
     立ち寄った。」

     「さようか。」

    「まこと、熱心じゃの。
     寒稽古とは。」

     「年明けの、
      初的神事の為じゃ。
      それに・・・」

    「ん?」

     「先日、信茂殿より、
      小次郎殿からの御文を頂いた。」

    「小次郎の?
     嫁がれる佐々殿ではなく、
     今は亡き我が弟、小次郎の文か?」

     「さよう。
      父から、信茂殿がご覧になった
      という夢の話を伺い、
      しかも、信茂殿が婚礼の
      祝いの品は何が良いかと
      お訊ねとの事で。
      小次郎殿からの御文を
      所望いたした。」

    「ほう。」

     「御文に、この病が癒えたら、
      ぜひ、弓の指南をとあったので、
      益々励まねばと。」

    「さようか。
     小次郎も、今頃、
     雲の上で喜んでおろう。
     佐々殿との婚儀は、
     この春と伺ったが。」

     「さよう。」

    「嫁がれても、佐々殿とお二人で、
     鐘ヶ江家の屋敷内に
     住まわれるそうじゃの。」

     「そのように。」

    「何故、佐々家へすぐに
     入られぬのか?」

      「成さねばならぬ事がある故。」

     「如何様な?」

    二の姫は、小平太の問いには答えず、
    着替えに立ってしまった。

    その姿も心意気も、並みの男は
    太刀打ち出来ぬ男前とは言え、
    二の姫がおなごである事には
    変わり無い。
    おなごで、しかも婚礼を
    控えている身であれば
    なおさら、許嫁ではない男と
    二人だけで居るのは
    控えねばならぬ。

    しかし、先ほど聞いた、
    “成さねばならぬ事”とは何か?
    小平太は気にかかって仕方がない。

    小平太は、出直さずに本殿に戻り、
    玉ぐしを捧げる事にして、
    その後、二の姫の話をもう少し
    聞かせて貰えぬものかと考えた。
    禰宜殿に同席して貰えば、
    話し込んでも障りはなかろう。

    着替えを済ませ、
    戻ってきた二の姫に、
    小平太がその旨を申し出る。
    そして、
    巫女から貰った竹筒を渡した。
    姫は素直にそれを受け取る。
    いつもの、
    挑んでくるような圧が無い。
    いささか戸惑いながら、
    二の姫の様子を窺う。
    断られるかと思いきや、
    二の姫からは意外に
    あっさりと返答があった。

     「承知した。」

       ・・・・・・

    小平太は、本殿でお祓いを
    受けた後、脇の小部屋で、
    禰宜を交え、しばしの間、
    二の姫と向き合った。

    「ところで、二の姫殿の
     “成さねばならぬ事”とは、
     如何様なものであろう?
     姫は、我が弟が幼心にも
     お慕い申し上げた御方、
     存命であれば、義妹と
     お呼びしたやもしれぬ。
     何か、お力添えできる事が
     あればと。」

      「ありがたきお言葉、
       痛み入りまする。
       それは、この鈴鳴神社の
       縁起にも深くかかわる事
       でも有り、禰宜殿のお許し
       を頂かねば、私の一存では
       お話しいたしかねまする。」

    「それでは、この鈴鳴神社の
     縁起は私から。」

    そうして、禰宜が語り始めた。

       ・・・・・

    今ではこのように、
    羽木家の御加護のもと、
    荘厳な社殿を誇っておりまするが、
    当初は、小垣の森の片隅に、
    人知れずひっそりと佇む
    小さな祠でありました。
    それを、小垣の領主となられた
    鐘ヶ江家の、当時のご当主が、
    領内の見回りの際に、
    見つけられたのです。
    埋もれていた石碑を
    掘り起こしてみれば、わずかに
    八幡大神の名が読み取れました。

    これは、武家なれば、
    丁重にお祭りせねばならぬ。

    当主は、新たに社をその場に建立し、
    氏神として崇め奉りました。

    ここからは、鐘ヶ江家に伝わる
    昔語りになりますので、二の姫様から
    語られた方がよろしいかと。

    二の姫が、禰宜の言葉を継ぐ。

    鈴鳴神社の八幡大神が、
    鳶に姿を変えられて、小垣の空に
    羽を広げておられた時、
    村の童の仕掛けた罠の近くを、
    野兎が飛んでいるのが見えた。
    逃がそうとして野原に舞い降り、
    その野兎に近づいた。
    驚いた野兎は、逃げるどころか、
    鳶に向かってぴょんとはねる。
    慌てて後ずさった拍子に、
    鳶は不覚にも罠にかかった。
    隠れて見ていた童たちが、
    鳶に石を投げつける。
    野兎を取り損ね、
    その憂さ晴らしを始めたのだ。

    童の声を聞きつけ、娘がやって来た。
    摘んだ若菜を分けてやり、
    童たちを村に帰すと、
    罠を外し、鳶の手当てをした。
    やがて鳶は、黄昏の中、
    鈴鳴神社の森に向かって
    飛び去った。

    娘は、小垣の領主、
    鐘ヶ江家の娘であった。
    ある日、娘が部屋から夕焼けを
    眺めていると、一羽の鳶が
    庭先に舞い降りた。
    あの折の鳶かと、
    娘が思い至った時、
    夕日が、西の山の端に沈んだ。
    すると、鳶は瞬く間に、
    若武者の姿に変わった。
    娘は驚いたが、その場から
    動く事が出来なかった。

    それから、一月ほど、
    その若武者は黄昏時に現れ、
    娘と語らい、夜を過ごした。
    幾日も夕餉に姿を見せない
    娘を当主は案じていた。
    間もなく夜も明けようとする頃、
    娘の部屋から物音が聞こえた。
    そっと部屋を覗くと、
    娘が若武者と手を取り合っている。
    当主は部屋に入り、声を上げた。
     「何者じゃ!」
    その時、朝日が昇った。
    若武者は、鳶に姿を変え、
    朝焼けの空に消えてしまった。

    当主は、妖かと慌てふためき、
    娘の部屋を移し、夕刻が近づくと、
    日の落ちる前から板戸を下し、
    娘を閉じ込める夜が続いた。
    そして、すぐに娘の縁談を整え、
    嫁がせてしまった。

    若武者と引き裂かれた娘の
    嘆きは深く、まもなく病を得て
    とうとう息を引き取った。
    その日は、まさに、鈴鳴八幡の
    例大祭の日であった。
    娘が息を引き取った直後、
    鳶がその家から飛び立った。
    その鳶は、鈴鳴の社の上で
    姿を消したと言う。

    あれは、鈴鳴神社の
    八幡大神であったかと
    悟った当主は、祟りを恐れ、
    神社に籠り、祈りを捧げた。
    すると、夢の中でお告げを得た。
    例大祭には、鐘ヶ江の娘を斎王とし、
    舞を奉納せよと。

    以来、鐘ヶ江家には男子は生まれず、
    生まれたとしても、病弱で短命。

    私は、弟が幼くしてみまかった際に、
    その因果を断ち切る為の願を掛けた。
    一心に武芸に励み、成人した後には
    鈴鳴神社の守り人となる故、
    鐘ヶ江家に男子を授けて欲しいとな。
    その証として、
    いつか流鏑馬奉納にて、
    見事すべての的を射抜くと。

          ・・・・・

    「そのような事が。」

      「佐々殿との婚儀も一度はお断り
       したのですが、佐々殿が、
       私の願掛けを知り、
       御自身も願をかけられて。」

    「如何様な願を?」

    二の姫の代わりに、禰宜が答えた。

    「百度の祈祷の後、
     奥の院と本殿を繋ぐ回廊と、
     更にその先の、脇の鳥居までの
     通し矢を奉納されるという
     ものでありました。
     それを果たした暁には、
     二の姫との婚儀を
     お許し願いたいと。」

     「佐々殿は、それをすべて
      果たされたのか。」

    二の姫が、恥じらいながらも
    小さく頷く。

     「なれば、
      佐々家にお入りになるのも、
      何の障りもなかろう?」

      「私は、一度は八幡大神の
       守り人となる事を決めた者。
       それを覆すは神への裏切り。
       やはりお断りしようと
       したのですが。」

    「なれば、
     二人で守り人を務めようと、
     佐々殿が申されまして。
     私も、そのようにお勧めを。
     お二人のお心が神に届き、
     晴れて男子を授かれれば、
     因果が断ち切れた証とも
     なりましょう。」

    その後、小平太は、二の姫を
    屋敷の前まで送り届ける事にした。
    幼き日の思い出が蘇る。

     「随分と、
      精進してこられたのだな。」

    二の姫は、それに答えず、
    馬の歩みに身を、任せている。
    婚儀を控えているというのに、
    相変わらずの若武者姿だ。

      「小平太殿には、
       思うお方はおられぬのか。」

     「今は、若君にお仕えする事が
      第一じゃ。」

      「小平太殿は、あの頃と
       少しも変わらぬのじゃな。」

     「あの頃とな?」

      「鼻の上に蛙が乗って、
       泣きべそをかいて
       おった頃じゃ。」

    二の姫は、独り言の様に語る。

      「あの頃の私は、
       己がおなごであることが
       悔しくてたまらなかった。
       家老の家柄とはいえ、
       ぬしが若君付きに
       取り立てられた事が
       妬ましかった。」

    「それ故、まるで仇を取るかの様に、
     わしを打ち込んだと?」

     「許せ。幼かったのだ。
      その代わり、私はその日から、
      黒羽城の剣術の教練場には
      出入り禁止となった。」

    小平太は、何故、教練場から
    二の姫が姿を消したのか、
    やっと飲み込む事ができた。
    今までのわだかまりが消えて行く。

    気が付けば、そこは、
    鐘ヶ江家の門の前だった。
    二の姫が、小平太に言う。

     「見送り、かたじけない。
      では、これにて。」

    「おなご故に、その力量が
     認められぬのも辛い事じゃの。」

    門の中に入りかけた二の姫が、
    振り向く。

     「それは、まだ、ましやもしれぬ。
      己の気持ちが全く通じぬ
      鈍いおのこに、出会うよりもな。
      この文の送り手が、
      ぬしであればと
      思わぬでも無かった。」

    「ん?・・・
     それは、ど、どの様な・・・。」

    ちらりと、懐から取り出して見せた
    文を懐に戻すと、二の姫は、
    艶やかな微笑みを残し、
    門の中へ入って行った。

    「は?」

    小平太は、その後姿を
    ぼんやりと見送ったが、
    やがて我に返って絶叫した。

    「え、えええええ???!!!」

    新たな年の、空いっぱいに、
    小垣の鐘の音が響いていた。

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    返信
    今年もよろしくです!

    夕月かかりて様
     私の年末最後の投稿が消えてしまって、
     ご迷惑をおかけしました。
     遠慮なくご自身のタイミングで
     投稿してくださいね。
     読んだだけで、のぼせてしまいそうなシーン、
     有難うございます!(^_^)v

    カマアイナ様
     お読みいただき、お褒め頂き
     有難うございます。m(__)m
     しばらく前のラフなプランの
     段階で、オニズカ氏の
     エピソードは書こうと決めて
     いました。
     その後、カマアイナ様の
     初書き込みを拝見し、
     これは、すぐに書き上げねばと
     筆が進みました。
     まさか、あの日にコロラドに
     いらっしゃったとは!
     コナコーヒー、初めて知ったのは、
     元の職場の先輩からでした。
     ブラックで一口飲んでから、
     ミルクを入れると劇的に
     風味が変わって、
     二度おいしいよ~。
     と教えてもらい、すっかり虜に。
     でも、日本では
     なかなか手に入らず。
     その後、デパ地下で見つけた時は
     舞い上がりました。
     実は、知り合いのギタリスト氏に
     誘われて、数年前にハワイに行く
     チャンスがあったのですが、
     とある事情で見送りました。
     今は、かなり後悔してます。
     いつか、いけるかな~。

    千絵様
     感想有難うございます!
     そうですね。
     この板の皆様の作品の内、
     どれか一つでも関係者の
     目に留まって、ドラマ化
     されたら、嬉しいですよね。
     励みます!

    皆様
     ”竜の泪”につきましては、
     覚と美香子の初デートの日を、
     よりドラマチックにしたくて、
     当初、2003年の”ハヤブサ”打ち上げの日
     としたのですが、すぐに、
     それでは唯と尊の年齢に合わないと気づき、
     その前の火星探査機”のぞみ”の
     打ち上げの日に変更させて頂きました。
     ”のぞみ”は、成果が芳しくなく、
     ドラマチックさが、やや薄い感じ
     ですが、その後の”はやぶさ”に
     つながる事には違いがありませんので、
     お許し下さい。
     ”のぞみ”の打ち上げとした方が、
     覚氏の実直な感じが出るかもしれないと、
     今は思っています。m(__)m

    では、これより、新年の初投稿を!
    ちょっと残念で笑える愛すべき小平太氏が
    描けていたら良いなと思います。

     

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    返信
    夕月かかりてさん

    夕月かかりてさん
    この回はほのぼの感満載で、微笑ましくなってしまいました。
    若君のユーモアのセンスにまたまたクスッです。
    ーーーーーーーーーーーーーーーー
    若「腹決める?ここで?大胆じゃの」

    唯「しゃっ!」
    若「ハハハ、風呂の中は敵陣らしいのう」
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    ああ、もうすぐ永禄に出立ですね。
    織田信長の権力の増大を思うと、
    タイムマシーンをたっぷりリチャージして行きますように。

    投稿フォームへ

    返信
    本当に妄想ですか?

    『竜の泪』壮大でした~‼️
    そういえば唯パパ 覚さんの
    前職が何だったかと
    深く考えたことが
    ありませんでした
    それがスペースシャトル迄
    繋がっていくとは
    最早、ドキュメンタリーかと
    思ってしまいます
    カマアイナさんの体験とも
    リンクしていますものね
    「アシガール・スピンオフ」として
    映像で見られたらいいのに‼️

    千年おばばさん!
    版権しっかり握っていてくださいね✊
    【追伸】「ビリギャル」
    家族愛に感動します❗
    ご覧になられていない方
    機会があれば是非!

    ※※※※※※※※※※※※※※
    「逢えない時間が
    愛育てるのさ?」
    なんて切ない歌詞でしょう
    私は中学から ずっと
    「郷ひろみさん」のファンです
    作詞は安井かずみ先生
    作曲は筒美京平先生の
    【よろしく哀愁】
    傑作・秀逸ですよね♪

    「アシガール」は
    ラブコメ時代劇ですが
    二人が揃うシーンは
    思っている程多くなく
    「逢えない時間」ばかりです
    そしてその方が想いは募りますね?

    夕月かかりてさん!
    入浴シーンで脳内チカチカで~す

    投稿フォームへ

    返信
    二人の平成Days25~16日日曜7時、特別な朝

    その姿、朝から射抜かれる。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    唯が目覚めた。

    唯「朝だ。あれ?私一人?」

    スマホを見る。6時30分。

    唯「えっ?えーっと、浴衣は着てる…よし。たーくんどこ?」

    露天風呂に気配。

    唯「居たっ。は、いいけど~、えーお風呂~?しかも入ってない。そんなん見れない~でも見たい、どうしよう」

    若君は、湯船に腰をかけ海側を向いていた。朝の澄んだ光が、体に纏う水滴を輝かせる。姿勢良く均整の取れた大きな背中。程よく鍛えられた腕、引き締まった腰。

    唯 心の声(う、美しい~。見とれちゃう~。あ、もしかして私ヤバい人じゃない?)

    唯に気付き、振り向いた。

    若君「おはよう、唯。ん?いかがした」

    引き戸の隙間から、半身だけ出して覗いているので、確かにかなりヤバい。

    唯「おはよう、たーくん。だって~、裸」

    若「この風呂は裸で入るものじゃろう」

    唯「そうだけどー、み、見えちゃう」

    若「何が」

    唯「えっ?!えーと、下」

    若「下。今更か?」

    唯「い、いまさらって言った…!」

    若「そうか、昨晩は暗がりでよく見…」

    唯「わーわー!聞こえない聞こえない!」

    若「唯は面白いのう」

    唯「えっ?尊に、戦国での面白いの意味聞いたけど、なんか今違う意味が入ってた気が」

    若「兼ねておる。かわいい、しかも滑稽じゃ」

    唯「ひどーい」

    若「ところで、眠れたか?」

    唯「うん、たぶん」

    若「そうか」

    海側に向き直り、湯船に体を沈める。

    若「海が刻々と変化するので、眺めておった。美しい」

    唯 心(いやいや~、たーくんの横顔の方がずっと綺麗だし)

    若君が振り向く。

    若「ふく」

    唯「え?」

    若「ふくも来るか?」

    唯「えー、なに~その懐かしいフレーズ」

    唯 心(逃げちゃったあの頃が懐かしいな。ん?そんな事より、一緒に風呂に入るかって言ってる?えー、めっちゃ丸見えじゃーん!恥ずかしいし刺激が強いというかなんというか)

    若「唯」

    唯「は、はい」

    若「おいで」

    唯「え~。また反則使った~。うーん。よし、腹決める」

    若「腹決める?ここで?大胆じゃの」

    唯「違ーう!この、入る話で!わかりました、少々お待ちを」

    体にバスタオルを巻いて登場。

    唯「しゃっ!」

    若「ハハハ、風呂の中は敵陣らしいのう」

    海が明るくなってきた。二人並んで。

    唯「お母さんがね」

    若「ん?」

    唯「会えない時間が愛を育てる、って言ってた。なんか歌の歌詞なんだって」

    若「そうか。同感じゃ」

    唯「そう?ふくって久しぶりに呼ばれて、あの時は全然会えなくて切なかったなぁって。でも今は…まさか一緒にお風呂入りながら海眺めてるなんて。会えない時間に頑張ったごほうびかな」

    若「そうじゃな。わしも褒美を貰ったようじゃ。頑張ったかはわからぬが」

    唯の後ろに回り、そっと抱きかかえる。

    唯「あ…あっ、でもたーくんはいつも頑張ってるよ。で、ごほうびは私?なーんて」

    若「そうじゃ。しかも、如何様にもできる」

    唯「如何様?なんとでもって意味だっけ」

    若君がバスタオルに手を掛けた。

    唯「えー!なんとでもできるってそういう事?!ちょっと待っ…」

    若「さて、わしは出る」

    唯「は?」

    若「温まってから出るのだぞ」

    唯「あーっ、またからかわれたぁ~」

    若「では」

    唯「きゃー!!目の前で立ち上がらないで!もー怒った!奇襲攻撃じゃ!」

    風呂の湯を、若君めがけてバシャバシャかけ始めた。笑いながら逃げる若君。一瞬、振り返るが、

    唯「やだー!だから体はこっち向いちゃダメだって!」

    若「お、おっと、ハハハ」

    唯「あはは~」

    隣の尊部屋。尊が露天風呂から出た。

    尊「あー朝風呂は気持ちいい。お姉ちゃん達、もう起きてるよ」

    美香子「あら、そう?」

    尊「一緒にお風呂入ってた。若君の笑い声も聞こえたよ」

    美「あらー、良かったわ~」

    覚「一緒に風呂…そういう事か。そういう事か!」

    美「お父さん」

    覚「はい、取り乱しました、すいません」

    7時50分。部屋の前に集合。

    唯「おはよ~」

    若「おはようございます。お父さんお母さん、尊」

    覚「お、おはよう」

    尊「ん?まだ動揺してる。おはようお姉ちゃん、おはようございます、兄さん」

    美「二人共おはよう。よく眠れた?」

    唯「うん」

    尊「さっき、外風呂で騒がしかったね」

    覚「えっ?聞いちゃうの?」

    唯「あー、あれは」

    唯&若「興が乗ったまでの事」

    尊「うわっ、一心同体。えっ?ゆうべはそんな練習してたの?」

    唯「してない。仕込みは成功。まっ、深い絆って事で」

    美「絆が深まったのね。じゃ、朝ごはんに行きましょ」

    覚「絆、絆か~」

    尊「お父さん、まっすぐ歩いて」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    後ろ姿ならセーフらしい。曲名、わかりました?

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    す、すみません…

    カマアイナさん、わかりにくい投稿で惑わせてしまい、反省しております。

    妖怪千年おばばさんに、SPの説明をしていただきましたが、その中で、唯と若君が平成に居た日付は、ドラマ内ではっきりカレンダーが出た訳ではありませんが、確定しています。

    若君が唯を抱き上げて平成に到着したのは、2018年11月23日の夜、早めのクリスマスパーティーが行われ、永禄に帰っていったのが2018年12月23日の夜です。タイムマシンの起動スイッチは満月に作動しますので、必然的に満月から満月の間となります。

    私のno.433の投稿は、2019年1月1日のお話です。唯達は残念ながら永禄に戻っており、平成には居ません。
    no.427、その「がった~い」←かわいい表現ありがとうございます、は2018年12月15日のお話です。その後に急に日付が飛んで、居ない話は戸惑われましたよね。失礼しました。

    そのため、表題も番号が入っていません。いずれ唯が年賀状を書く日付に到達したら、番号を入れて加筆して再投稿致します。私のお話は、番号と日付が時々時系列から外れるので混乱の素なんですが(>д<)

    要は、まだまだ終わりませんからご心配なく!です。カマアイナさんに、できるだけ引き伸ばしてと心からお願いされたのを、忘れておりませんので、粛々と遂行しております。

    この後また、no.427「がった~い」の続きのお話に戻します。ちゃんと二人とも出てきますのでご安心くださいね。

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    返信
    妖怪千年おばばさん

    これだけで、ゆうにテレビドラマ一作はできるでしょう。
    着想の豊かさと、目に見えるようなストーリーの展開に、
    ぐんぐん引き込まれてしまいました。
    覚と美香子の馴れ初めから結婚までも、
    あまりにも説得力があって、千年おばばさんはひょっとしたら、
    美香子さんのお母さんでは、なんて勘ぐりたくなります。
    共同作業のさわりでは、笑わせ方も上手だなーとパチパチ。

    ’ビリギャル’とか’ヤマンバ’とかこのおばばの知らない
    新種族の日本語も勉強させて頂きました。
    私の知っていた日本は竹の子族どまりです。
    日本は略語発明の一大文化で、浦島花子は、よく難儀いたします。

    エリソン・ジョージ・オニヅカが予告のあった日系人ですね。
    ハワイ島のコナの空港には、長いこと彼に敬意を評して、
    小さな展示館がありましたし、
    彼の生家はコナコーヒー生産地の真っ只中にあります。

    なんとあのとんでもないチャレンジャーの事故があった時、
    私はコロラドに滞在中でした。
    大勢で壁の大型テレビで中継中の打ち上げを見守る中、
    あの竜の泪の映像が飛び込んできたのです。
    皆さん、’Oh, my God!’と叫んだっきり、シーンとしてしまったショックは
    今でもはっきり心に焼き付いています。

    このお話を読んであらためて、私の憶測は当たらずとも遠からずなのではと、
    確信を深めてしまいました。本物のプロの脚本家では???
    まさかネットの掲示板で、こんなに面白い創作群に出会えるとは、
    思ってもいませんでした。ありがとうございます。

    今後の続投を楽しみにしております。

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    返信
    夕月かかりて(愛知)さん

    前作でやっとこさ「がったーい」しましたか、
    と思ったらもう永禄に帰られたんですか?
    なんだかシュンとしてしまいます。
    心のどこかで、できるだけ長く永禄に帰らないで欲しいと
    思ってたんでしょうね。でも若君にとっては、、、、
    複雑でやるせない心境になります。

    今日、私も妖怪千年おばばさんの大作を読んで、
    雄大な着想にうなってしまいました。
    ドラマでは出てこなかった(ですか?)覚と美香子の結ばれるまでのお話など、
    絶対そうだったに違いないとこの単細胞は信じてしまうぐらい、説得力がありました。

    夕月かかりてさんのお話は若君が現代にポーンと放り込まれて、
    色々な体験をする所が、ちょっとした所で若君が見せる現代への反応が、
    クスッと笑ってしまいます。
    速川家にもこの上なく絶大な信頼を持って受け入れられ、
    ほんわか心が温まります。 ありがとうございます。

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    返信
    二人の平成Days番号未定~2019年1月1日9時、時空を超えて

    皆さんに、ほんのお年玉代わりの、短いお話。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    元旦の速川家。届いた年賀状の仕分けをしている。

    美香子「えっ、えー!」

    覚「何?」

    美「唯達から、年賀状が届いてる!」

    覚「えぇ?!あー、まぁ配達のシステムからすると、こちらに居る内に投函すれば今届くからなあ。中々の嬉しいアイデアだ。で、なんて?」

    裏を見る。若君が書いたと思われる達筆。

    覚&美「読めない」

    尊が起きてきた。

    尊「…読めない。訳文付けといてくれないとー」

    美「時間かけて、解読するしかないわね」

    覚「年賀状というより…いや、嬉しいんだぞ?」

    美「で、何」

    覚「挑戦状?なんじゃ」

    尊「縁起の悪い事は書いてないと思うけどさ、正月中、解読して楽しめって事じゃない?」

    美「正月の新聞見開きで、まちがいさがしとか数独とか載ってるのみたいに?」

    尊「少なくとも、若君はそんなつもりはなかっただろうから、これはお姉ちゃんが悪いよ」

    覚「まあ、優しい気持ちが配達されました、と」

    美「そうね」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    唯達の作成過程は、通常の平成Daysで後日出てきます。
    番号が確定しましたら、加筆して、再投稿しますね。
    元旦の話は元旦に(^3^)v

    素敵な話の後にすみません。私がこの話を投稿したのは、できれば時間を合わせたくて、おばばさんの投稿が行方不明中の時だったので…。

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    竜の泪 ~覚と美香子の物語~

    少し早い速川家の
    クリスマスパーティーの最中、
    唯の思いがけない
    ウエディングドレス姿を見て、
    美香子は号泣した、

    “分からぬ時は、
    分かった顔で何も言わぬ。”

    それが信条の忠清も、流石に
    この事態にはうろたえた。

    “確かに、唯の見慣れぬ装束には
    驚いたが、母上は何故このように
    泣き続けるのであろうか?“

    「母上、如何されましたか?」

    忠清が恐る恐る訊ねる。
    唯の母、美香子は、
    答えようとするが、
    嗚咽がこみ上げて言葉にならない。
    その代わりに、
    夫である覚が答える。

    「いや、僕たちも色々あってね。」

    覚が、美香子の肩を抱き、
    なだめる様に言う。

    「母さん、若君が、
     心配するじゃないか。」

    美香子は頷きながら、目頭を抑える。

    尊が、若君の視線を
    そらすように言う。

        「そう言えば、
         父さんたちの結婚式の写真、
         見た事ないよね。」

    覚が困ったような顔をして答えた。

    「ええ?そうだったかな。」

       「無い、無い、
        見た事無い。見せて!」

    唯にせがまれ、覚は、二階に上がると、
    古いアルバムを持って降りてきた。
    そこには、若かりし頃の父が、
    モーニングコート姿で映っていた。
    唯が、ケーキカットの写真を
    指さして言う。

       「これって、なぜ、
        おばあちゃんなの?」

    尊と若君がその写真をのぞき込む。

        「ホントだ!
         おばあちゃんが
         写ってる!」

    「何事?」

    若君は、訳も分からず尊に訊ねる。
    尊が答えた。

       「先ほど若君は、
        お姉ちゃんと
        二人でナイフを持って、
        ケーキを切りましたね?
        実はあれは、現代の
        結婚式の披露宴で、
        新郎と新婦が行う
        ものなのです。
        本来のクリスマスでは、
        その家の主、
        この家の場合はお父さんが、
        切り分けて皆に
        配るのです。」

    「さようであったか。
     父上、申し訳ない事を。」

     「いやいや。
      僕たちがそうして
      欲しかったんだから。
      少しでも、こちらでの
      結婚式の雰囲気を味わって
      貰いたくてね。」

    「では何故、この写真では、
     母上の母御が父上と
     手を携えられておられる
     のであろうか?」

     「実は、この日、美香子の
      患者が急変しましてね。」

    覚は、遠い目をして、
    でも、微笑みを浮かべながら
    語り始めた。

     「当時、美香子は大きな総合病院に
      勤めていまして。
      あの日、式場で
      ウエディングドレスは着た
      ものの、そのまま病院に
      向かったんです。」

        ・・・・・・

    その頃の覚は、
    美香子を妻にする上で、
    とても祝福してもらえる様な
    立場ではなかった。
    なにしろ、闘病中で無職のオヤジ。
    美香子より6才も年上。
    反対されながらも、
    結婚式を上げたのは、
    どちらかというと、覚の、つまりは
    “ケジメを付けたい。“という
    希望からだった。
    美香子のお腹の中に、
    新たな命が宿っていたのだ。

    美香子がやっと取れた休暇に合わせ、
    ささやかな披露宴を開いた。
    覚の家族とお互いの友人たち数人。
    美香子の方は、
    親戚や祖父に猛反対されていたので、
    出席した家族は、彼女の母親だけ。

    それでも、美香子は嬉しそうだった。
    選んだウエディングドレスは、
    シンプルすぎるくらいだったけど、
    美香子の笑顔は、本当に綺麗だった。
    ベールがその笑顔を包んだ時、
    花嫁の控室に置いたバッグの
    中の携帯が鳴り響いた。

      「先生!すぐ来てください!
       患者さんが!」

    美香子は着替えもせず、
    そのままの姿でタクシーに飛び乗ると
    勤務先へ。

    ベールを翻し、病院のロビーを走る。
    外来の患者や受付の職員が驚く中、
    止めようとした守衛の手を
    振り切って、叫んだ。

     「外科の速川よ!
      これから緊急オペ開始!」

      「先生!お待ちしてました!
       早くこちらへ。」

    待ち構えていた看護師の前で
    ベールを脱ぎ捨て、
    美香子は猛然と手術棟に入った。

    数日後、病院のベッドにいたのは
    美香子の方だった。
    緊急手術は10数時間にも及び、
    終了直後、美香子は気を失って
    倒れたのだ。
    そして、そのまま産婦人科病棟へ。
    流産の危機が迫っていた。

    覚は病院に到着したものの、
    美香子のベッドは看護師に囲まれ、
    なかなか近づけなかった。

    うっすら、涙を浮かべて謝る
    美香子の手を取り覚は言った。

    「謝る事なんかないさ。
     君は本当に立派だった。
     今は、とにかく安静が
     一番だそうだ。」

    「美香子、安心して。
     あなたの代理は、お母さんが
     ちゃんと務めましたから。
     本当に、良い披露宴だったのよ。
     お母さん、感動しちゃった。
     覚さんとケーキカット
     させて貰って。
     お父さんともした事
     なかったしねえ。」

       「えええええ?!
        ケーキカット?!
        二人の初めての
        共同作業のはずなのに
        ???!!!」

     「何言ってんの!あなた達、
      共同作業はとうに済ませて・・」

      「す、すみません。。。」

    覚は、ただ頭を搔くしかなかった。

       ・・・・・・・・

    「そのような事が。」
     
     「退院した後、改めて、
      婚礼写真を撮ろうかって
      言ったんだけどさ。」

      「私が、遠慮したの。
       一度は着たんだし、
       その思い出で十分。
       ごめんね。
       その頃の事、色々
       思い出しちゃって。」

       「じゃあ、今、写真撮ったら?
        このドレス着て。」

      「遠慮しとく。
       それは、唯への大切な
       プレゼントだし。
       ただ・・・、
       唯の白拍子の衣装なら、
       着てみたいかな。」

    「では、父上はわしの衣装を
     召されては如何?
     戦国に行ってみたいと
     仰せであったし。」

       「え、良いの?」

    美香子の弾んだ声に忠清がうなずく。

    その後は、
    まるで写真撮影会の様。
    美香子は華やかな衣装を身に着けると
    すっかりはしゃいで踊る真似をした。

     しずやしず 
     しずのおだまき くりかえし
     むかしをいまに なすよしもがな
     いっしゃくのぬの なおぬうべし
     いわんやこれ そうしゃ 
     ひゃくしゃくのいと
     よしのやま みねのしらゆき
     ふみわけて
     いりにしひとの あとぞこいしき

    若君は驚き、そして絶賛した。

    「母上、見事な歌じゃの!」

    皆があっけにとられて見つめる中、
    忠清に真顔で褒められて、
    美香子は恥ずかしそうに言った。

       「これしか、知らないのよ。
        妊娠に気づいた時、
        たまたま、静御前の
        この歌と出会ってね。
        それで、決心したの。
        覚さんと結婚しようって。
        どんなに反対されてもね。」

     「若君ったら。
      私の舞とどっちが素敵?」

    唯が頬を膨らませて忠清に詰め寄る。

    「い、いや、それは・・・。
     唯は唯じゃ。
     比べる事は出来ぬ。」

    唯は忠清をちょっと睨んだが、
    すぐに話を変えた。

      「そう言えば、
       お父さんとお母さんの出会い、
       聞いて無かったよね。」

     「こ、今度はそっち?」

       「うん。聞きたい。
        今、聞きたい!」

    「父上、わしもじゃ。
     先ほどの母上の歌から察するに、
     かなりの困難があったようじゃ。
     それをどのように
     おさめられたのか、
     まこと、興味深い。」

     「話すと、長くなるけど。」

    「遠慮は御無用。
     長い話は、爺で慣れておる。」

    忠清のその一言で、皆が笑った。

     「美香子と出会ったのは、
      実は、予備校の講師と
      生徒としてだったんだ。」

      ・・・・・

    美香子が高校2年生だった頃の事。
    覚は大学院2年目。
    憧れのコロラド大学の
    航空宇宙工学科への留学を夢見て、
    細々と資金をためている頃だった。

    当時は、宇宙開発において
    旧ソ連より、米国が一歩先んじて、
    着々と成果を上げていた。
    覚がコロラド大学を目指したのは、
    そこが、憧れの人の出身校
    だったからだ。

    エリソン・ショージ・オニヅカ氏
    ハワイ出身の日系三世。
    1978年、スペースシャトル計画
    第一期飛行士として選出される。
    1983年6月来日。
    スペースシャトルについて、
    東京で記念スピーチを行う。

    その時、覚は、23才。
    大学院の研究室と
    バイト先の予備校を往復する毎日。
    航空工学を専攻していた覚は、
    もちろんその会場に駆け付け、
    オニヅカ氏のスピーチを、一言も
    聞き漏らすまいと熱心に耳を傾けた。
    大学の教授の紹介もあり、
    少しの間、面会することができた。
    その後は、何度も手紙を送り、
    オニズカ氏もまた、
    丁寧な返事をくれた。
    今でも、それは覚の宝物だ。

    その頃の美香子は、
    いわゆる、“ビリギャル”。
    髪は茶髪。メイクは濃いめ。
    制服のスカート丈は短め。
    少し前の“ツッパリ”と、
    その後の“ヤマンバ”の間の、
    なんともビミョーな服装で、
    たまに友人の家に“プチ家出”する
    高校生活を送っていた。

    そんなある日、
    夏季講習の説明を受けに、美香子が
    覚のバイト先の予備校にやって来た。
    覚は、美香子を一目見るなり、
    その母親に言った。

     「お母さん。
      今回の夏期講習は、
      難関校を目指すクラスで、
      補修指導はしないんです。
      お嬢さんには、
      個別指導をお勧めしますが。」

    「さようでございますか。
     では早速、個別で。」

    言うなり、母親は、
    入室手続きを済ませると、
    さっさと一人で帰ってしまった。

    覚はあっけに取られて、
    しばし立ち尽くす。

    「君のお母さんって、
     いつもあんな調子?」

     「変わってますよね~。
      私が言うのもなんですけど。」

    「あ、いや。まあ、ともかく、
     一学期の成績表を見せて貰おうか。
     持って来た?」

    美香子は、悪びれもせず、
    それを差し出す。
    覚は予想をはるかに上回る事態を
    突き付けられ、言葉が出ない。

    美香子は、教室を眺めまわすと、
    併設されている英語教室の
    出席カードに目を止めた。

    「ねえ、先生。
     私もここに通ったら、
     このシール貰えるの?」

    そこには、女子に大人気のネコの
    キャラクターシールが並んでいた。
    カードの出席した日付け欄に、
    一枚ずつ張って行く。
    お気に入りのシールが増えていくのは
    励みになるらしい。

    「ああ、それ。小学生用だけどね。
     まあ、どうしてもって言うなら、
     どうぞ。」

     「ラッキー!じゃあ、遠慮なく~。」

    美香子は、シールを一枚はがすと、
    右頬に張り付けた。

    「ところで、志望校は?」

     「聞いてどうすんの?
      今、成績表、見たでしょ?」

    「分かっては、いるんだね。
     今の状況。」

    美香子はおおらかに笑った。

     「自分の事は自分が一番、
      よおっく分かってますよ!
      でも、一応、家族の希望を
      言っとくね。」

    「うん。」

     「女子医大!」

    大きな声でそう言い残し、
    彼女は颯爽と帰って行った。

    「女子・・・医???!!!」

    覚は、あんぐりと口を開けたまま、
    その場に崩れ落ちた。

    シール欲しさに、美香子は暫くの間、
    毎日通ってきていたが、
    10日目から、ぷっつりと
    姿を見せなくなった。

    自宅の電話は留守電のまま。
    当然、母親とも連絡が取れない。

    退室手続きを郵送しようと、
    書類を持って郵便局に向かった
    覚の前に、いきなり美香子が
    姿を現した。

    すっかりやつれた様子で、
    まるで別人だ。

    「兄と父が亡くなりました。」

    そのまま放っておいたら、
    消えてしまいそうだ。
    覚は、美香子を連れて
    予備校に戻った。

    美香子はうつろな様子で、
    絞り出すように話し出す。

    彼女の兄は、日本屈指の医大の、
    優秀な学生だった。
    今年、教授の推薦を受けて、
    ドイツで開かれた若手医学研究者向けの
    研究会に派遣された。
    セレモニーや論文発表、
    地元の病院の視察も含めて
    5日間の日程を終え、
    帰国したのが、1週間前の夜。

    父親が車で迎えに行ったが、
    深夜の高速道路で事故に巻き込まれ、
    救急車が到着した時には、二人とも
    もう、心肺停止の状態だったという。

    「とにかく、予備校の席は
     空けとくから。
     落ち着いたら、連絡して。」

    夏なのに、入口の自販機で買った
    ホットココアの缶を、
    美香子は両手で握りしめ、
    放そうとしなかった。

    やがて、2学期が始まり、
    美香子が予備校にやって来た。
    覚は、思わず彼女を
    二度見してしまった。

    黒髪のショートカットにノーメィク。
    制服のスカートは、
    両膝を隠している。

    それからの彼女は、
    指導の無い日でも自習室にこもり、
    参考書と問題集に向かった。
    そして、予備校の出席カードの
    ネコキャラシールが増えて行くのに
    比例して、成績も見事に
    上がって行った。

    それから、1年半後。
    覚は念願の米国留学へ。
    美香子は、
    現役合格は果たせなかったものの、
    上位の成績で高校を卒業し
    一浪の末、見事、
    医大合格を勝ち取った。

    2年間の米国留学も終わりが近づき、
    日本の企業への就職活動と
    帰国準備に追われていたある日、
    覚の電話が鳴った。
    すっかり親しくなったオニヅカ氏の
    明るい声が響く。

    オニズカ氏は、昨年の1月に
    “ディスカバリー号”に搭乗し成果を上げた。
    今度は、“チャレンジャー号”に搭乗すると言う。

    覚は迷わず、打ち上げ基地のある
    フロリダに行くことにした。
    搭乗前に会う事は叶わなかったが、
    覚は、なんとか発射の様子が
    見られる場所を確保した。
    忘れもしない1986年1月28日。
    轟音と共に、ロケットが発射された。
    打ち上げは成功したかに思えた。
    皆が歓声を上げる。
    それが次の瞬間、悲鳴に変わった。
    歓喜からわずか73秒後、
    オニヅカ氏は青い空に散った。

    “竜の泪”
    ロケットが爆発した後の白煙を、
    誰かがそう表した。

    フロリダの陽差しが、
    覚の心に悲しく重く刻まれた。

    その後、覚は日本に帰国した。
    念願の企業に就職し、
    ロケット部品の開発に携わった。
    その後のNASAの
    ロケット打ち上げ計画は、
    当然の事だが中断され、
    事故原因の徹底解明がなされた。

    勤務先のロケット部品製造チーム
    への対応も厳しくなった。
    開発予算は縮小、
    配置転換の検討も進み、
    覚も、その対象になった。
    覚の能力を惜しんだ大学教授の
    勧めに従い、覚は転職した。
    惑星探査用エンジンの開発が
    新たな仕事になった。

    激務が続いた。
    少ない人員の上、研究費は削られる。
    その一方で、
    最大限の成果を求められた。
    覚の体は、とっくに悲鳴を
    上げているにも関わらず、
    覚自身は、自分の体の変調に
    気づく余裕すらなかった。
    そして、とうとう血を吐いて倒れた。

    覚の胃には、特大の穴が開いていた。

    美香子はその頃、とある病院の、
    救急センターに勤務していた。
    父と兄の突然の死が、
    彼女に救急医療の道を選ばせた。

    当直の日、
    仮眠をとろうとしていた所へ、
    急患が運び込まれて来た。
    緊急手術となり、
    美香子が執刀する事に。

    患者の名前を見て驚いた。

     「覚・・・先生?!」

      ・・・・・・

    そうして、僕と美香子は再会した。
    胃潰瘍が落ち着いたにも関わらず、
    体の不調は続いた。

    ある日、美香子が病室に来て、
    心療内科のカウンセリングを勧めた。
    その頃は、まだ、“心療内科”についての
    認知度が低い頃だったから、
    僕はなかなか踏み切れなかった。

    それでも、毎日、熱心に
    美香子が勧めるので、
    受診することにしたんだ。

    それから、暫くして、
    僕はようやく退院することができた。
    暫くは通院が続いたけど。
    でも、正直に言うと、
    その頃の僕には、それが
    たったひとつの楽しみだった。
    医師と患者としてではあっても、
    美香子に会える事が嬉しかった。

    1998年7月、
    僕は美香子を、ダメ元で誘った。
    せめて、手料理で感謝の意を伝えたかった。
    失業中のおじさんの誘いに乗るとは思えず、
    あきらめかけた時、
    僕のおんぼろアパートのチャイムが鳴った。

    「ごめんなさい。遅くなって。
     また、急患が入って。」

    テーブルの上に山盛にした
    レンコンのはさみ揚げを見つけると、
    美香子は嬉しそうに、指でつまみ、
    口に放り込んだ。
    そして、屈託なく笑いながら言う。

     「先生、私もここに通ったら、
      このはさみ揚げ、貰えるの?」

    その日はまさに、日本初の火星探査機
    “のぞみ”の打ち上げの日だった。
    僕は美香子と、元の同僚がパソコンに
    送信してくれる動画で、
    その様子を見守った。
    会社は辞めていたけど、
    自分がかかわった仕事の成果を、
    美香子に見て欲しかった。

    打ち上げが成功し、
    僕と美香子は、歓声を上げながら、
    お互いを抱きしめた。
    僕にとっては、また、
    一生忘れられない日が出来た。
    今度こそ、最高に嬉しい日として。

    なあ、尊。
    僕も、戻れるものなら、
    あの日に戻りたい。
    オニヅカさんが電話をくれた日に。
    でも、無理なのはわかってる。
    たとえ戻れたとしても、
    国家規模のミッションを、
    僕が止められるとは思わないしな。

        ・・・・・

    父が語り終えると、
    母はお茶を入れに行った。

    この速川クリニックは、
    母の祖父、つまりは僕の
    曾祖父が開業したものだ。
    曾祖父は、母の兄を溺愛していて、
    母には素気なかったらしい。
    母の兄、つまりは僕の伯父が
    亡くなった後、
    母が医大に合格しても無関心で、
    母と父の結婚は反対だった。

    曾祖父にアルツハイマーの症状が
    出始め、世話をする人が必要になり、
    父がその役をかって出た。
    曾祖父は、最初は父を
    疎ましく思っていた様だが、
    覚の不器用な優しさに触れるにつれ、
    娘や孫に世話をされるより、
    男同士の方が、気楽な事に
    気づいたそうだ。
    そして、母はこのクリニックを
    継ぐことになった。

    「そのような事が。
     父上も母上も、
     大切な者を失うた心の痛みを、
     生きる力に変えてこられたのだな。
     どの様な困難にも誠実に
     向かわれた故の、今という事か。」

     いっしゃくのぬの なおぬうべし
     いわんやこれ そうしゃ 
     ひゃくしゃくのいと

    忠清は、義母の美香子が歌った詩を
    小さくつぶやいた。

    父の話を聞きながら、
    今度は姉が涙ぐんでいた。

      「お父さんも、お母さんも、
       凄すぎ。
       私も、そうなれるかな。」

    忠清は、優しく唯の涙を指で拭うと、
    力強く頷いた。

    夜空には、
    大きな満月が浮かんでいる。
    二人が戦国に飛ぶ時間が
    迫っていた。

     「向こうに着いたら、
      何とか知らせる。
      必ず、知らせるから。」

    姉が名残惜しそうに言う。

    知らせる方法・・・。
    そんなに簡単に見つかる
    はずもない。
    いつも僕に丸投げの姉の事だし。

    尊は、ため息をつく。

    ”戦国と、平成を繋ぐ物なんて、
    あるんだろうか?”

    その時だった、
    尊の記憶の中で、とある場面が蘇った。
    ”オヤジ狩り”にあった木村先生を助けたあの日、
    若君は木村先生を見て驚いて言った。

    「木村?!」

    若君が驚くくらいだ。
    木村先生は、本当に、
    小垣城代の末裔かもしれない。

    姉の話では、確か、学校の
    歴史の資料室に鎧があったはず。
    あの鎧が、正真正銘、
    木村正秀の物だったら・・・。

    消えかけた姉に向かって僕は叫んだ。

        「お姉ちゃん!
         鎧だ!!
         木村先生の鎧!」

    姉の口元が、“え?”
    の形のまま固まる。
    そして、姉は
    完全に見えなくなった。

     ”頼む、気づいてくれ!
      そして、確かめて。
      木村正秀の鎧を。”

    尊は、身震いしながら外に出ると、
    満月に向かい、
    いつまでも祈り続けた。

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    返信
    年内最後の

    皆様。
    今年に入りましてから、こちらにお邪魔させて頂くようになり、
    皆様の温かい歓迎を受け、感謝の毎日です。
    来年もよろしくお願いいたします!
    では、これより本年最後の投稿を。
    編集作業で年を越してしまったら、
    笑ってやってください。

    てんころりん様
    感想有難うございます!
    来年も励みます。

    投稿フォームへ

    返信
    今年を振り返って

    まずは、てんころりんさん、ご感想ありがとうございます。

    幸せ。そうですね、元々こうあって欲しい!という願望ありきなので、幸せで楽しいです。ただ、話を考えていると、唯と若君が目の前でずっとイチャイチャしてる状態なので、あまりのラブラブさに、私がノックアウト寸前でフラフラです(;^_^A

    少しでも、読んでくださる皆様の心に残るお話が書けて、嬉しく思っております。そんな神回はもうないんじゃないかな。それは今後、皆様でご判断ください。

    若君の現代語、違和感ありありですよねぇ。彼は彼なりに考えて行動しているんだ、とご容赦ください。品の良さを保つよう、努力しておりますゆえ。

    両親公認で、唯も許してくれたし…若君を躊躇させるものは何もない(^_^;)私は、平和で安全な今の内にどうぞ、と思っています。行き過ぎた表現がありましたら、ごめんなさい。これも私のアシガール愛あればこそ、なんです。「寸止めが美」の方はご覧になってない筈ではありますが。

    さて、前置きが長くなりましたが、振り返ります。今年、大変ではなかった方はいらっしゃらなかったのではないでしょうか。もちろん全人類が、現在進行形で闘っている状態で。

    そんな中、奇跡的にアシガールと遭遇。生活が華やぎました。そしてこの地むじなランド。ますます生活が彩られ。

    私、投稿し始めてまだ一月半も経ってないんですよね。大きい顔してのさばってすみません。まだまだ平成Daysは続きますので、よろしくお付き合いくださいませ。

    大晦日、ご新規さんも参加で、嬉しいですね。

    それでは皆様、よいお年を。

    投稿フォームへ

    返信
    照れますが、嬉しいです。

    てんころりんさん
    お誉め頂きありがとうございました(^○^)
    もっと考えてみようと思いました(^_^)
    また、過去の自画自賛の投稿をNo.と共に書かせて頂きます(^○^)

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    返信
    夕月かかりてさん『二人の平成Days 13~24』

    現代にいる間に二人に体験させてあげたい事を次々実現させてますね。
    夕月さん書いてらして、あれこれ苦心はあっても、きっと幸せですよね?
    読む方も分けて頂いてます。(^^)v
    ウェディングの記念撮影で、若君は尊の協力で指輪を用意‥ いつもリビングにあるお母さんの指輪と一緒に現代に残す‥ グッとくる感動エピソードでした❗

    岩盤浴や温泉旅行、こういう時間があって良かったと思わせてくれます。
    唯は現代に残った方が幸せでは?若君が迷い、母·美香子が叱り諭し、父·覚が然り気無くフォロー‥ 良かったです。(つд;)
    若君の現代語は最初違和感あり‥ 努力する素直なキャラクターに だんだん好感度アップ❗
    いつも冷静で若君贔屓の尊くんも なかなか良いです!

    若君が唯を戦場に出させない唯一の方法は、子供をたくさん産んでもらうこと‥ 確かに。
    勿論 愛あってこそ、命を繋ぎ 家を残す事になりますね。(*^^*)
    色々心配な両親に質問されて、若君が気づくと言うか、後押しされたと言いますか、その辺り微笑ましいです。

    妖怪千年おばばさん『黒羽の守護神』

    ドラマで小垣城に相賀一成が現れる場面は、始めから赤い房飾りを付けた馬がいます。
    相賀は若君の背を踏み台にして乗りますが、あの馬を若君の“颯”とされたんですね。
    私は相賀の馬かと‥でもそれだと馬だけ先にいるのも変なんです。(^^;
    勝者の相賀が颯を奪おうとしたと考えると、なるほどです。(^^)d

    物語のユニークな構想に度胆を抜かれ、アシガールのフィクションとして楽しみました。
    あ、アシガールもフィクションですが 今ではすっかり日常化しちゃいました(笑)
    勇猛果敢な颯、馬上に武者の姿が見えるところ、“戦で命を落とした者の念が宿る”と言われる黒い大鳥、忠義と城を愛する心の化身の様です。
    神話的世界にちょっと怖い映像が見えました。
    パーフェクトな若君像ですね。

    ぷくぷくさん『アシガール掲示板の旧作』

    アシガール掲示板の6作品紹介されましたね。
    すごく良いアイデアですね❗
    これからも休憩中に(笑)、こんな風に小分けにして紹介お願いします。

    ★新しい皆さまへ~*
    ぷくぷくさんは創作倶楽部ができる前に、アシガール掲示板に創作投稿を沢山されています。
    一話完結《山椒は小粒でピリリと辛い》名作が多いです。
    普通の投稿と一緒なので、前置きに他の方へのコメントがあったり、タイトルが「物語の題」でないものがあり、見つけ難いです。
    ご本人から紹介して頂くのが一番❗
    アシガール掲示板は、1~1000, 1001~2000, 2001~ に分かれています。
    ご案内[no.425]の投稿Noと投稿タイトルで見つかりますょ。

    ⭐皆さま、今年もお世話になりました。
     ではではまた来年に。

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    返信
    二人の平成Days24~15日23時、あなたの全て

    ひとまず、助け舟を出します。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    唯 心の声(どうしよう、 たーくん固まってる)

    若君 心(済まぬ事をした)

    唯「ごめんなさい」

    若君「いや、謝るのはわしの方じゃ」

    唯&若 心(気まずい…)

    ……若君、若君。

    若「ん?誰じゃ」

    唯「へ?」

    天の声です。お取り込み中すみません。

    若「いつも解説や、 話の最初と最後に出てくる者だな。許す。申してみよ」

    唯「え!なにそれ!なんで、すんなり受け入れるの?!」

    若「むやみに騒ぐは、 愚かな事じゃ」

    唯「え~?!超ウケるんですけど」

    先程、話しながらでもできるというお話だったんですが、それを事細かに解説…はちょっとこちらも困りますので、馳せ参じました。

    若「なるほど」

    そうされるなら、いっそ会話のみで解説はなしはいかがでしょう。 実際二人が何してるかは、わかりにくくなりますが。

    若「ハハハ、そんな話か。そちも大変じゃのう」

    若 心(唯の表情が緩んでおるな、助かった、よし)

    若「悪くない。ただ、それはかえって…」

    あー。かえって、エロい。ですか。

    若「そう、それじゃ」

    唯「うっそぉ!え~!解説ありに一票~」

    …と、言ってますが。

    若「では所々で頼む」

    わかりました。では所々、かいつまんで解説します。それで、唯、

    唯「なに?」

    これは、ひっくるめてファンタジーです。軽く流しましょう。

    唯「はあ」

    それでは失礼します。……

    若「ファンタジーじゃ」

    唯「なにそれ。んもぅ、意味わかってないでしょ?」

    若「ん?わかったような?ハハハー」

    唯「え~?あはは~はぁ。たーくんごめんね。痛かったでしょ」

    若「心が、な」

    唯「あれ?そこにはないんじゃなかった?」

    若「さらっていった唯が、痛かったじゃろ」

    唯「あちゃー、一本取られた。その通りです」

    尊部屋。覚も美香子もビールを次々空け、尊もコーラをがぶ飲みしている。

    覚「酔いが冷めると、現実を受け入れられなくなる」

    美香子「なにそれ~?弱い弱い!頑張って物わかりのいい父親になりきらないと~。じゃあ、部屋は別、子作りはここではするな、って言えば良かったじゃない」

    尊「お母さん、直接的過ぎ」

    美「さっきまで、ノリノリだったじゃない」

    尊「僕は若君の味方だから、話に乗るよ。お姉ちゃんさー、他の事は突っ走るのに、この件だけグズグズしてて、若君可哀想だと思わない?」

    覚「思う。思うが~今イチ踏み切れない自分がいる」

    美「お父さん、そんな分かりやすくしょんぼりしない!武士に二言なし!」

    覚「武士には一生なれそうもない」

    尊「若君、頑張れー、僕は応援するー!」

    美「それホントにコーラ?尊が一番酔ってるじゃない」

    唯部屋です。

    唯「えっと、実は、前からたーくんにして欲しい事があって」

    若「なんじゃ?」

    唯「腕枕…」

    若「お安い御用じゃ。おいで」

    唯「あっ…何、キュンとさせる作戦?」

    掛布団の上に寝そべり、右腕を横に出している。

    唯「お邪魔します」

    腕に頭を乗せ、若君の方を向いた。

    唯 心(ごめんね、避けてるんじゃないの。ただ…)

    若「唯」

    唯「あっ」

    若君が抱き寄せ、あっという間に胸元に。

    若「やっと、捕まえた」

    両手で、しっかり抱き締めている。

    若「唯。大好きな唯は、一人しかおらぬ」

    唯「はい」

    若「逃げないで欲しい、受け入れて欲しい」

    唯「ごめんなさい」

    若「謝る必要はない。唯を失うたら生きてゆけぬのは、わしの方じゃから」

    唯「うん」

    若「という訳で、支度」

    唯「へ?」

    唯を抱き上げ、隣の布団に降ろし、掛布団をめくって、唯を元の位置に戻し、布団に入った。この間、数秒。

    唯「えー!はやいはやいはやい!」

    若「布団を掛けぬと、寒かろう」

    唯「そりゃそうだけど」

    若「脱ぐと冷えるし」

    唯「脱ぐって言った!」

    若「あー、わしが掛布団になれば良いか。このように」

    布団の中で、唯に覆い被さった。

    唯「ちかいちかいちかい!」

    若「どうしたら、わかってくれる?」

    唯「あ…かわいい。あのね、たーくん」

    若「ん?」

    唯「私、嫌とかやめてとか一言も言ってないんだけど…」

    若「そうか?そうじゃな」

    唯「たーくん、優しいから。超グイグイ迫るけど」

    若「随分待ったからの。唯と二人きりでは、平常心ではおられぬ」

    唯「そっか。ごめんね。あの」

    若「なんじゃ?」

    唯「あのね、嫌なんじゃないの。義務とか、使命とか、なんか…それだけだとさみしいなって思っちゃって」

    若「そんな事はない、全くない。済まぬ、気にしておったんじゃな」

    唯「好きだから、でいい?」

    若「好きだ、愛してる。総領として、ではなく一人の男忠清として…唯が欲しくて堪らない」

    唯 心(きゃー!!溶けちゃいそう~。このまま流れに乗っちゃいたい~、でも、やっぱりちゃんと言って欲しい)

    唯「じゃあ、申し込んでください」

    若「え?腹は?」

    唯「うん。今までごめんね。グズグズしてた私は、やっぱり子供だったなぁって」

    若「許してくれるのか?」

    唯「ちゃんとお願いしてくれたら。たーくんの言葉で」

    若「そうか」

    唯「言って」

    若「…わかった」

    布団をのけて、唯を起こして座らせ、前にかがんで片膝をつき、手を取った。

    若「唯。愛してる。狂おしい程じゃ」

    唯「…うん」

    若「唯も同じく思うてくれておるなら、わしの気持ちに応えて欲しい」

    唯「…うん」

    若「唯と結ばれたい。一つになりたい」

    唯「…うん」

    若「この忠清に、唯の全てをゆだねてくれ。…いや、違うな」

    唯「え?」

    若「済まぬ。もう一度」

    唯「?」

    若「この忠清に、唯の全てを、ゆだねてもらえませんか?」

    唯「…はい。ありがとう。優しいね。私も、負けないくらい愛してるから、全てたーくんに捧げます。受け取ってください」

    16日1時。尊部屋…は、さすがにもう三人とも寝てました。唯部屋に戻ります。

    若「明るい所で見たかった」

    唯「えっ?!何を?!」

    若「ん?かわいい、あんな、こんな顔」

    唯「か、顔ね」

    2時。まだ起きてます。

    唯「おやすみ、たーくん」

    若「いや、まだ休まぬ」

    唯「えー」

    若「いたって元気じゃ」

    唯「…そのようで」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    先程は、失礼しました。所々だけで、充分溢れてましたね。

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    返信
    動画が・・・

    千絵様
    若君と唯のラーメンデートの動画、
    探したのですが見つからず。
    削除されたのかもしれません。
    ごめんなさい。m(__)m
    また、どなたかがアップして
    下さるのを待つばかりです。

    投稿フォームへ

    返信
    すごい!

    創作(妄想)作家の皆様、精力的の創作活動凄いです(^_^)
    私は今は、馬小屋で藁にうずもれている唯の言葉「休憩中で~す」(^_^)
    NHK掲示板では文字数制限がありましたので書きたい事も省くとかしていましたが、マスターさんのこの場はマスターさんの計らいで文字数もい~っぱい書く事ができますのでありがたいです。
    この場に来てからも沢山書かせて頂きました。振り返ってみて自画自賛でいっぱいです(^_^)
    その中でもいくつかの話は自分でもウルッやジ―ンって来たりします。めっちゃ自画自賛だぁ(^O^)/
    で、此処で改めて紹介させて頂きます(^O^)/
    アシガール掲示板内
    ●本編:久様が天野家にやって来てから心を開くまでの話
    (№759・投稿:目出度い日なのでお許しを・・・その2)
    ●本編:唯が指名手配になって山へ逃げ、その後に山の中で阿湖姫と出会うまでの話
    (№1335・投稿:今日もひとつ)
    ●SP:小垣城にて、唯が閨で泣きながら眠った後の事(短い文章です)
    (№748・投稿:すみませんが妄想しちゃいました)
    ●SP:小垣城から唯を平成に逃がした後の、若君の行動
    (№885・投稿:SPのあの日の事)
    ●妄想:成之と如古坊の出会い
    (№757・投稿:目出度い日なのでお許しを・・・その1)
    ●妄想:吉乃が孫兵衛と夫婦になった頃の話
    (№660・投稿:「大したことは無い」)
    他の作品も自分で書いておきながらですが好きです(*^_^*)
    考える事は本当に楽しいですね(*^_^*)

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    返信
    鈴守でした❗

    簡単に「鈴」としてしまいましたが
    烏森神社の御守りの
    1つですね
    天照大神(あまてらすおおみかみ)が
    天岩戸(あまのいわと)へ
    お隠れになってしまい
    なんとかお戻りいただくよう
    天鈿女命(あめのうずめのみこと)が
    岩戸の前で舞踊った際に
    持っていらしたであろう鈴の
    (今風に云えば)縮小レプリカでしょうか
    神楽鈴の原型とも❓

    ラララ会でもお持ちの方は
    皆さん月光舞に
    合わせてシャンシャンと?

    千年おばばさんの仰るように
    「コロナ退散‼️」と鳴らしたいですね
    シャンシャン❗

    投稿フォームへ

    返信

    千絵様
    アシガールは、ほぼ、お笑い担当はゆいなちゃんでしたよね。
    本来のお笑い芸人さんは、超生まじめな小平太役に撤してましたしね。
    鈴、羨ましい~。
    私も欲しいよ~。笑
    その鈴で、コロナ退散の舞とか踊りたいですね。

    尊と若君の“平成の小姓“、もっと見たかったですよね。(o^・^o)
    シリーズ化して欲しかったな~。

    唯と若君がラーメンを食べる動画が何処かにあったはず。
    探してみますね。
    尊と若君が行ったお店と同じでしたよ。
    割箸を尊が割るのをみて、“術か?“と
    驚く若君が可愛かったですね。

    投稿フォームへ

    返信
    二人の平成Days23~15日22時、ショック!

    ゲームから。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    ジェンガです。

    尊「兄さん、遊び方ですが、ブロックをこう三個ずつ並べて井桁に重ねて」

    若君「こうか?それで?」

    尊「交代で、片手だけ使ってブロックを一つずつ抜いていきます。抜けたら一番上に置きます。倒してしまった人が負けです」

    若「ほぅ。単純だが、奥が深い」

    唯「戦国に持っていっても、流行りそうだよね」

    若「そうじゃな。あー、倒れた。これは戦法を熟考せぬと」

    美香子「忠清くんは勉強家ね」

    唯「戦国で役に立つかなー?」

    覚「持っていくか?これは借り物だから、別のを」

    美「買って持たせる?」

    覚「いや、木材を切って加工すればいいから、来週一緒に作るか?忠清くん」

    若「はい、お願いします!あっ、倒れた」

    ジェンガを堪能し、お茶をすする五人。

    覚「さて、部屋割りだが」

    尊「おっ、佳境に入った」

    覚「茶化すな、尊。唯と忠清くんに、一部屋与える事にする」

    唯「え?」

    若「わかりました、お父さん」

    唯「えー!即答?!」

    若「家長には従うのみじゃ」

    唯「わー、こんな所にまで縦社会」

    美「まさか、嫌なの?」

    唯「嬉しいけどー、なんかさっきの話で、みんなに見張られてるみたいで」

    尊「わかった!まだ腹が決まってないんだ?」

    唯「いや、先週一度決まったんだけど…」

    美「あ、あのぐずった時ね。抱いて~って顔してたもの」

    尊「あー、夜が更けてきて、発言がみんな深夜向きになってる」

    覚「じゃ、そういう事で。移動開始して」

    若「はい。では唯、参ろう」

    唯「はぁい」

    美「もっと喜びなさい~」

    隣の部屋に入る。誰も居なかったので少しひんやりするが、

    唯「二人部屋だから、布団二つ敷いてあるね」

    若「一つでいいじゃろ」

    唯「いえ二つで。お茶入れてあげる」

    若「また?」

    唯「何杯でも飲んで」

    素直に、お茶をすする若君。

    若「唯、さっき答えが出た」

    唯「あ、そうそう。それは気になってた。何だったの?」

    若「そなたは共に戦に出ると申したが、ずっと、行かせずにすむ方法を考えていた」

    唯「それって、えーっと…あっ!初キスの時」

    若「そうじゃ。子ができたら、子を一番に考えて欲しい」

    唯「それは、もちろん」

    若「そして、戦には出なくなる」

    唯「あー、そうなるね。え~?ずっと妊娠してろって事?」

    若「そこまでは言わぬ。戦も大事じゃが、体を労り、子の母としても、わしを支えて欲しい」

    唯「それも、たーくんを守れる?」

    若「勿論じゃ。わしも、守る者が増えれば励みになる」

    唯「わかりました。じゃ、どんどんお茶飲んで」

    若「まだ?」

    隣の、尊達の部屋。尊が、煎餅をバリバリ食べている。

    尊「二人からそれぞれ聞いた話をまとめると」

    覚「うん」

    尊「若君は、お姉ちゃんをかわいい、好きだと思った時から、ずっとお預け状態なんだ」

    美「え~?そうなの?」

    尊「他の姫になりすまし、若君の閨に入った。が、逃げた。まっ、逃げたのはそこに行くのを助けてくれた人の安全も考えた上だったみたいだけど、若君にとっては、あー行っちゃった~って感じ」

    美「いつ頃の話?」

    尊「若君が、初めてウチに来た時よりも前」

    美「あらら~随分たつわよ。ホントに祝言あげたのかしら」

    覚「そうかー。若君は紳士だなあ」

    美「ずっと待たせてるなんて、罪な女ね」

    尊「似合わねー」

    唯部屋。

    若「わしの事が、嫌いになったのか?」

    唯「そんな訳ないでしょ、好き、超好き」

    若「では何ゆえ、避ける」

    唯「私の気持ちを置いてけぼりにして、勝手に話を進めるから」

    若「そうか。済まぬ。わしも、戦に出さぬ方法が見つかり、少し浮かれておった」

    唯「いいよ。たーくんが誠実なのはわかってるから」

    若「ひとまず、朝までずっと一緒じゃ」

    唯「うん、それは超嬉しい」

    若「話をするかの」

    唯「ずっとしゃべってる?眠くならないの?」

    若「唯が傍に居て、眠るのは勿体ない」

    唯「そうなの?ふふっ」

    若「それに」

    唯「え?」

    若「話しながら、できなくもない」

    唯「話しながら…えっ?やっぱり狙ってた?えー!だってこちらの世ではしないって」

    若「父上母上の気を揉ませてはならぬと思うていたが、逆であったからの」

    唯「うっ、そうなるとは気づいてたけど」

    若「唯」

    若君が少し近づいた。

    唯「えー!待って、そんな!」

    気が動転した唯。反射的に手が動き、なんと若君の頬へ。

    若「痛っ!」

    唯「あっ!」

    若君は、頬を押さえ、呆然としている。唯も、自分のした事に驚いている。

    唯 心の声(やだっ!どっ、どうしよう!思いっきりひっぱたいちゃった!!)

    若 心(しまった!怖がらせてしもうた…唯、済まぬ)

    若「…」

    唯「…」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    あら大変そう。次回、なんとかしますね。初キスと若君の思案の様子は、no.329若君篇をご参照ください。

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    返信
    SP 再び?

    千年おばばさん
    SP再現 ありがとうございました
    唯のお腹のグ~までも❗
    夕月かかりてさんの
    平成での生活へと
    続くのですよね

    月光舞の鈴持っています?
    なんちゃって本当は
    新橋駅そばの烏森神社の
    鈴が似ていると話題になり
    ゲットしました
    こちらのアシラバの皆さんも
    入手されてる方いらっしゃいます

    NHK公式HPのSPの方に
    (今は残念ながら見られませぬ)
    矢傷を負った若君が
    平成で治療後、制服を着て
    尊とラーメン屋へ行ったり
    城址を散歩したり
    自転車に乗ったりする
    動画があったのに
    カマアイナさんや
    最近アシラバになられて
    またご覧になっていない皆さんに見ていただけず残念です
    YouTubeなどにあるかどうか
    探したことはないのですが…

    投稿フォームへ

    返信
    月光舞

    妖怪千年おばばさん

    またご親切に後半の解説、本当にありがとうございます。
    このYouTubeの映像で、二人揃って平成にたどり着いた展開が、
    よりよく分かりました。
    この後半は劇的でしたね。羽木一族を追っ手から救うために、
    月に帰ったのですね。なんとも粋な計らい、微笑んじゃいます。

    YouTubeでReturn to the Moonというヴイデオも見つけました。
    画面の一部ですが、相賀の兵に追われて櫓の上から、
    唯を抱き、月に消えるシーンも見れました。

    平成にジャンプした若君と唯は、結局最後は永禄に戻るのですね。
    尊君の二人用タイムスイッチ、
    いや、出来れば家族用のスイッチ持参でタイムスリップしたことを
    心から祈っています。

    他にも色々展開はあったのでしょうが、
    核心の部分だけでも映像で見ることができました。
    感謝いたします。

    投稿フォームへ

    返信
    妖怪千年おばばさん

    SP後半の素晴らしい解説も、ほんとうにありがとうございました。
    YouTubeの映像も相まって、心の中で大分可視化できました。

    今後の作品には日系人のヒーローも登場するそうで、
    世界的なスケールになってきたアシガール創作の世界の展開からは、
    目が離せません。楽しみにお待ちしています。

    投稿フォームへ

    返信
    月光舞

    カマアイナ様
    何故か、前の板の編集ができないので
    (パソコンが固まってしまいます、)
    こちらに張りますね。
    https://www.youtube.com/watch?v=NtXuHPNX8gI

    投稿フォームへ

    返信
    SP後半

    カマアイナ様

    後半、行きますね~、(*^^)v
    ・・・・・・・
    後半 ~若君奪還、
        そして新天地へ(再会)~

    ・唯が平成に戻って
     5か月がたったある日、
     唯は木村先生につれられて、
     忠清の墓を見に行った。
     とある寺の古文書が解読され、
     墓の発見に至ったという。
     唯は墓にすがり、小垣城で
     忠清と別れたことを悔やむ。

    ・食事もせずに部屋にこもった娘を
     心配した唯の両親は、尊に
     新しい起動スイッチの
     アイデアメモを渡す。
     二人用。そして、永禄到着は
     満月の一日前。
     行って危ない状況だったら
     すぐに帰って来られるようにという
     親心が溢れたものだ。

    ・唯はひどく落ち込んでいたが、
     ふとある事に気づく。
     別れたのは小垣城。
     でも、忠清の墓には、黒羽城で
     自害したと刻まれていた。
     木村先生から貰った古文書の
     コピーを、唯は尊に見せて頼む。
     “別れてから、黒羽で自害するまで
     半年たっている。(自害は11月)
     その間に何かがあったはず。
     一日で良い、
     忠清が自害する前の
     永禄に戻りたい。“
     尊は、無理だと拒むが、
     唯の必死な一言でひらめく。
     “私は戦国で命をかけて来た。
     あんたは、未来で仕事しろ!”
     “未来の僕?!”

    ・実験室に家族を集め、
     尊は説明を始める。
     “僕は、新しい起動スイッチの
     アイデアメモをこれからもずっと
     持っている。
     そして、未来でそれを
     完成させる。“
     尊は、そのメモに、
     “今日の日付と到着時刻”、そして、
     ”平成の自分に送る”と書き込む。
     家族全員で、目覚まし時計を
     見つめ固唾を飲む。
     カウントダウンするお父さん。
     “ゼロ”になった瞬間、
     “新しい起動スイッチ”が
     目の前に現れた。
     尊の実験室は歓喜の渦。
     そして、唯はまた、戦国へ。
     お父さんが、
     レンコンのはさみ揚げを
     渡す間すらなかった。

    ・着いたのは、黒羽から逃れた
     羽木一族が暮らす、
     野上領内の山の中。
     舞い戻った唯に対し、悪丸を含め
     足軽たちの態度は冷たい。
     粗末な建屋の中で、唯は、
     殿を始め、家老たちと対面する。
     (詮議を受ける。)
     唯は、殿に挨拶した後、
     忠清の消息を訊ねる。
     黒羽城にいるが、休む間もなく
     戦に駆り出されている事や、
     小垣城開城の様子を聞く。
     忠清が生きていると、
     一瞬は喜んだものの、
     おふくろ様から、
     心得違いも甚だしいと
     厳しく叱責され、悩む。

    ・翌朝、殿が、唯を含む一同を集め、
     殿の大叔父が治める緑合の地に
     向かう事を宣言する。
     若君を残して行くなら自害すると、
     小平太と源三郎が申し出る。
     唯がそれを止める。
     成之が相賀からの手紙を広げ、
     忠清が相賀の娘と今夜祝言をあげ、
     “相賀忠清”となる事を告げる。
     家臣たちに動揺が広がる。
     唯は一旦は諦めかけるが、
     “若君が私たちを裏切るはずがない。
     相賀の言うままになっている若君は
     若君じゃない。
     私がここに、皆の元に取り戻す。“
     と、言う。
     庭に座っていた三之助と孫四郎が
     立ち上がり、“行け!”と叫ぶ。
     “若君を我らに取り戻すのは
      お前しかおらん。”と木村、
     “さっさと走れ!”と小平太。
     “シャー!”と一声気合を入れ、
     唯は走り出す。
     悪丸や千吉たちが、
     “頼んだぞ!”と見送る。

    ・忠清は、黒羽城で
     婚礼の装束を整え、
     爺と向き合っている。
     自分が相賀の婿となり
     織田に組する事で、羽木を
     守ろうと考えているのだ。
     やがて迎えが来て、
     式場に着座すると、
     宗熊が月光舞を披露すると言い、
     ニューカマーの
     “あやめ姐さん”率いる一座を
     式場に呼び入れる。
     舞が始まり、相賀が喜んでいると、
     あやめ姐さんと入れ替わった唯が、
     白拍子姿で現れる。
     不審に思った相賀の家臣が、
     唯に切りかかろうとする。
     それを若君が止め、
     一発触発の雰囲気になる。
     爺が取り成し、
     相賀の家臣が着座した隙に、
     他の舞手に囲んでもらい、
     大きな布で若君を隠し、
     婚礼の場から連れ去る。

    ・忠清は、再会を喜ぶが、
     唯だけを逃がそうとする。
     “自分が逃げれば、織田は
     どこまでも追ってきて、
     二度と羽木を許すまい。”
     それを聞いた唯は、新しい
     起動スイッチが二人用である事、
     羽木一族は緑合の御月家へ
     向かっている事、
     相賀の目の前で、
     できるだけ派手に消えれば、
     誰も月までは追ってこない
     と説得する。
     やがて相賀の追手が近づき、
     忠清は唯の手を取り逃げようと
     するが、取り囲まれる。
     刀を振りかざし迫ってくる
     相賀の手先たちを刀の鞘で
     払って応戦する。
     唯も、でんでん丸を使って
     戦おうとするが、
     でんでん丸は壊れたままで
     使えない。
     切りかかられ、
     よけたはずみで転び、
     相賀に刀を突き付けられ
     唯は身動きできなくなる。
     相賀が唯に刀を振り上げる。
     それを鞘で払い、忠清はついに、
     相賀に向かって刀を抜く。

    ・忠清は、唯に平成へ逃げよと
     言うが唯は聞き入れない。
     いっそのこと、忠清の手で切って
     と叫ぶ。
     覚悟を決めて固く目をつぶる唯。
     すると、朝から何も食べて
     いなかった唯のお腹が、
     大きな音を立てる。
     思わず、忠清が笑う。
     “お前は、まこと、面白い。”
     忠清は、抜いた刀で、
     相賀とその家臣の“髷”を
     切り落とす。
     慌てた相賀たちの隙をつき、
     唯の手を引き、
     追手を振り払いながら、
     櫓に上がる。
     そして下から見上げる相賀に告げる。
     “妻が迎えに来たゆえ、
     月に戻らねばならぬ。”
     自分の刀を月に向かって
     投げ上げると、唯を抱き、言う。
     “唯、参るぞ”
     唯は起動スイッチを抜き、
     二人は平成へ。

    ・平成では、唯の夢だった
     “制服デート”を楽しむ。
     しばらくの間、
     平穏な生活を送るが、
     尊から、タイムマシンを
     もう一度使えば、確実に時空に
     亀裂が入ると告げられる。
     どちらで生きるか
     選択しなければならない。
     学校帰りに、黒羽城公園で
     唯は忠清を見かける。
     忠清は、唯に己の墓を
     見てきたことを告げる。
     唯は、忠清を後ろから
     抱きしめる。
     “案ずるな。
     わしはどこにも行かぬ。”
     忠清の言葉に、唯は
     “戦国に戻りましょう。”
     という。
     唯の覚悟を聞いた忠清は、
     急いで速川家に向かい、
     両親と尊の前に手をつき、
     “唯を伴い、永禄に戻りたい”と
     申し出る。

    ・満月の日、速川家では早めの
     クリスマスパーティーが開かれる。
     そして、二人は、再び永禄へ。

    ・緑の美しい山道。
     颯の前で忠清が微笑んでいる。
     唯は走り寄り、ジャンプして
     忠清の腕の中に飛び込み、
     二人は幸せを噛みしめる。

    ・・・・・

    唯が若君を取り戻す”月光舞”のURLを張りますね。

    次回か、その次の作品では、
    ハワイの日系の方のヒーローが
    登場する予定です~(*^^)v

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    返信
    強い絆で結ばれた二人を、

    夕月かかりてさん、

    強い絆で結ばれた二人を、もう一歩でも二歩でも進ませてあげて下さい。
    特に現代で二人がどう歩んでいくかは、完全に創作の世界ですから、
    どうぞイマジネーションを自由に羽ばたかせてください。
    私が、全ストーリーを把握していないことは、どうぞお気遣いなく。
    それなりに充分楽しませていただいています。

    投稿フォームへ

    返信
    SPの前半

    妖怪千年おばばさん

    まずはMele kalikimaka=メリークリスマス!
    今日は日本より1日遅れでクリスマスでした。
    暫く前にやっと帰宅し、早速アシガール掲示板を開いたら、
    懇切丁寧なSP前半の解説、本当にありがとうございます。
    前半だけでもなんともはや盛り沢山な展開ですね。
    数度読み込んで、ようやく大筋が掴めました。
    さぞかしお時間がかかったでしょうに、
    ご親切に感謝です。

    それにSometimesの音楽、柔らかく心に染み入るようなメロディーで、
    何度かYou Tubeで見ていましたが、この解説を聞いて初めて
    映像の意味が少し分かってきました。
    SPの予告映像の中の唯の倒立前転も、ようやく背景が分かりました。
    その後、一度唯を一人で平成に帰すのですね。
    そして、礼装で唯を抱いて二人で帰るのは、
    多分後半の解説をお聞きできれば合点がいくのでしょう。
    でも、また大変なご足労をかけるかと思うと、申し訳ないです。

    それにしても、原作漫画は別として(読んでいませんが)SPの展開では
    羽木家の行く末に暗雲が立ち込めていて、「おーい、尊君出番ですよー!」って、
    呼びに行きたくなりそうです。

    解説も大変ありがたいと同時に、妖怪千年おばばさんさんの創作も傑作づくしです。
    遅ればせながら、”満月はイブの前”、読ませていただきました。
    こちらも大変味があって、永禄、現代と完全な両刀使いですね。
    両方とも、是非続編をお願いします。心待ちにしています。
    重ね重ね、ありがとうございました。

    投稿フォームへ

    返信
    千絵ちゃん(静岡県)さん

    千絵ちゃん(静岡県)さん

    相賀役の俳優名を教えて下さってありがとうございます。
    私は日本の俳優の名前に疎くて、余程全国に知れ渡っている方の名前ぐらいしか
    分かりません。
    明智光秀の叔父役が同じ方とは、全然気付きませんでした。
    俳優ってすごいものですね。まるでイメージが違いました。

    投稿フォームへ

    返信
    ドラマ・アシガールSPの

    千絵様
    相賀役の西村さん。
    憎々しい中にも、
    とぼけた味のある演技で
    面白かったですよね。
    若君に武士の誇りの
    ”まげ”を落とされ、
    唯と忠清が消えた櫓門を、
    ”まさか、本当に月に”
    と見上げるシーンが最高でした。

    カマアイナ様
    SPの要約を書いてみました。
    沢山のエピソードが
    盛り込まれているので、
    長くなります。
    ひとまず前半部分を投稿しますね。

    おばばが、書いた”黒羽の守護神”では、
    唯は野上領内にある羽木の仮の館に、
    若君は黒羽城で相賀の囚われの身、
    しかも、翌日は、相賀の養女との
    祝言を控えている状況なので、
    残念ながら、
    再会は果たしていないんです。

    若君と唯の心が一つになって、
    お互いを”ぎゅっ”とするシーンは、
    SPの最後になります。
    このシーンは、
    唯役のゆいなちゃんの
    アイデアが取り入れられたそうで、
    名シーンです。
    演技している二人の笑顔が、
    幸せに満ち溢れていて、
    本当に素敵でした。
    ・・・・・・・・・・・・・
    アシガールSP あらすじ

    前半 ~高山の裏切りと、
        小垣城最後の夜
     (永禄での忠清と唯の別れ)~

    ・唯と忠清の祝言の五日前。
     忠清は、高山宗熊からの密書で、
     織田が高山をそそのかし、
     羽木に攻め入ろうとしている
     ことを知る。
     小垣城代、木村正秀の開戦を
     止める為、源三郎を伴い、
     小垣城へ馬を走らせる。

    ・唯は、寝間着姿のまま、
     その後を追い、
     自分も一緒に行こうとするが、
     山道で忠清に諭される。

     以下は、忠清が唯に託した事。
     殿の出陣を兄、成之と共に
     止めて欲しい。 
     織田の強大な力の前では、
     生き延びる事こそが、真の勝ち。
     羽木の者は誰一人死なせない。
     五日後の祝言までには必ず戻る。

    ・忠清が源三郎と小垣城近くに到着。
     すでに一万五千の高山・織田軍が
     小垣城を取り囲んでいる
     殿に知らせる為、
     源三郎を黒羽城に戻す。

    ・出陣しようとする殿と家老たちを、
     成之と唯が止めようとするが
     聞き入れられない。
     そこへ、源三郎が到着。
     殿は、忠清がその存念を
     唯に託した事を知り、
     唯の話を聞き出陣を取りやめる。
     黒羽城を高山兵が取り囲み、
     羽木家は、籠城戦を覚悟する。

    ・天野信茂と千原元就が
     高山の陣に夜討ちに出る。
     唯が最後の一つの“煙玉”を使い
     救出に向かうも千原が命を落とす。
     千原は唯が忠清の正室になるのを
     良く思っていなかったが、
     最後には、認める言葉を残す。

    ・“誰も死なせない。”という
     忠清の言葉を守れなかったと
     落ち込む唯に、
     おふくろ様がタイムマシンの
     起動スイッチを渡し、
     忠清の言葉を伝える。
     ”許せ。頼む。”
     ”許せ”は、唯が池に投げ入れた
     起動スイッチを探し出して
     隠していた事。
     (おふくろ様に預けていた。)
     ”頼む”は、起動スイッチを使って
     平成に逃げて欲しいという意味。

    ・唯が、朝の軍議でこの城から
     羽木家総勢で消える事を提案。
     家老たちの反対にあう中、
     如己坊と、野上家の惣領が到着。
     忠清が野上家と和平協定を
     十日前に結んでいた事、
     野上家では羽木家を迎える
     意向がある事を知り、
     殿は、城を離れる事を決意。

    ・退却準備が進む夜、
     松丸城へと去ったはずの阿湖姫が、
     黒羽城に戻り、
     成之についていくと告白。
     成之も、阿湖姫を案じつつ、
     “生き延びたあかつきには
     (結婚しよう。)”と、
     受け入れる。

    ・唯は小垣城に向かうが、
     目前で高山兵に捉えられる。
     槍で突かれる寸前、
     宗熊がそれを止める。

    ・唯は、高山の使者として
     小垣城に入り、忠清と対面。
     忠清は羽木が総勢で
     野上に向かった事を知り、
     高山に下る事を決意。

    ・唯は、忠清が切腹するのでは
     と察するが、それは口に出せない。
     黒羽城で上げるはずだった祝言を
     小垣城で上げさせて欲しいと
     懇願する。
     躊躇する忠清に、木村が、
     最後を祝い事で飾れるならば、
     この城にとって最上のはなむけ
     と進言する。
      
    ・満月の下、忠清と唯は、
     木村夫妻の立ち合いのもと、
     祝言を上げるが、
     忠清は、唯を平成に戻すことを
     決意している。

    ・唯は、祝言の喜びを胸に、
     寝所で忠清を待ちつつ、
     忠清を平成に送る為、密かに
     持ち込んだタイムマシンの
     起動スイッチを布団に隠す。
     二日眠らずに走って来た
     疲れが出て、寝落ちして
     しまいそうになる。
     眠気覚ましに倒立前転をした所に、
     忠清登場。

    ・忠清にお姫様抱っこで
     布団に運ばれるが、
     腹を決めたはずが、
     決まっておらず、
     泣き出してしまう。
     密かに思い描いていた
     平成での忠清との夢のデート
     を語る唯を、忠清は優しく
     抱きしめながら聞き、
     髪を撫でながら、眠らせる。

    ・ふと、唯が目覚めると、
     満月は空高く上がり、
     忠清はすでに着替えて、
     外廊下に座っている。
     
    ・唯が取り出そうとした
     起動スイッチは
     忠清の手の中にあり、
     忠清は、
     “唯が平成に戻れば、自分も生きる”
     と唯を説得。
     唯は忠清がいきてくれるならと、
     平成へ戻る。

    素敵なYOUTUBEがあるので、張りますね。
    皆様、お許しを!
    https://www.youtube.com/watch?v=q4Xq-p_JUDk
    この曲は、小垣城から唯が消えていくシーンで流れます。
    若君の唯への気持ちを歌った名曲です。
    英語なので、私よりも、カマアイナ様の方が
    味わい深く聞いてくださるのではないかと
    思います。

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    返信
    二人の平成Days22~15日20時、ひらめいた!

    言わなくても励むでしょ。
    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    覚「それでは、いただきます」

    全員「いただきまーす」

    覚「ん~、いいねいいねー」

    尊「あっ!このイカまだ動いてる!」

    唯「すごーい!」

    美香子「奮発した甲斐があるわ~」

    若君「この動く物は、食べられますか?」

    美「全部食べ物よ~」

    若「この火のついた物も?」

    一人鍋用の固形燃料が燃えている。

    尊「すき焼きは、それが燃え尽きたら食べ頃です」

    若「そうか」

    尊「忠清兄さん、じっと見ててもすぐには消えないかも」

    唯「かわいいー」

    覚「あー、ビールがうまい!」

    美「長距離運転お疲れ様でした。はい、もう一杯どうぞ」

    尊「そんなに飲ませて平気?あとは寝るだけではあるけど」

    美香子が尊に耳打ちする。

    美「何かね、お酒の力を借りて聞きたい事があるんだって」

    尊「聞きたい事。もしかして若君に?」

    美「そう」

    尊「へぇ」

    火が消えました。

    美「忠清くんお待たせ~。あら、いい感じ」

    若「美味い」

    唯「揚げたての天ぷら来たよー。どんどん片付けてかないと置くトコないよ。お父さん、食べてないじゃ~ん、あれ?寝てる」

    覚「ふあ?」

    美「お父さん、寝ちゃったら意味ないじゃない。話は?」

    覚「あー、そうだった。忠清くん」

    若「はい?」

    若君が箸を置く。

    若「お父さん、話とは?」

    覚「あのー、何というかー、そのー」

    若「?」

    覚「子作りはどう考えているかね」

    唯「うわっ!ド直球!」

    尊「確かに酒あおらないと言えないかも」

    若「わし…僕は、総領なので、世継ぎを残さなければならないという使命があります」

    美「でも、側室も居るわよね?」

    若「いえ、僕は唯を正室にして、側室は考えていません」

    美「えっ?!そうなの忠清くん!思い切ったわねー」

    尊「そこ、もっと褒めてあげる所じゃない?」

    美「そうでした。唯って、本当にご寵愛の姫なのね」

    若「あとは、唯の気持ちです。戦があれば共に出陣すると言ってますし」

    覚「お前そんな事思ってるのか。確かに止めても行きそうだ」

    美「でもー、妊娠がわかったら、絶対そんな事しちゃダメよ!唯」

    唯「うんー。使命なんだもんね」

    その時、若君の表情が変わった。

    若「そうか、そうか!」

    唯「何?」

    若「お父さん、ありがとうございます。答えが出ました」

    覚「答え?」

    尊「もしかして、何かずっと悩んでたの?」

    若「そうじゃ。もっと簡単に考えておれば良かった。霧が晴れたようじゃ。お父さん、お母さん」

    覚&美「はい」

    若「子作り、励ませていただきます」

    唯「えー!何宣言してるの!」

    若「今すぐとは申しておらぬが、嫌か?」

    唯「いえ、使命…だし」

    尊「大丈夫、忠清兄さんだから、そこに愛はある」

    唯「尊がなぜ言う」

    若「愛情は勿論ある。心配には及ばぬ」

    覚「ありがとう忠清くん。よくわかった。さあ、みんな食べて飲んで~はははー」

    美「なんかカラ元気ねぇ」

    食事が終わり、部屋へ戻る途中。

    美「この後、みんなでゲームしない?出かける時、エリさんが自宅のを持たせてくれたの」

    唯「今日は、時間制限は?」

    美「なしよ」

    唯「やったー!嬉しいね、たーくん」

    若「ありがとうございます」

    ┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

    夜は、更けゆく。

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    いわゆるチャレンジについて

    カマアイナ様始め皆様、いつも私の妄想話にお付き合いいただきありがとうございます。ご声援大感謝です。リクエスト、なんとか応えられるといいですが、まずは今のシリーズ完成させますね。

    表題ですが、本編4話とSPで、未遂に終わった例の件です。ご覧になられてない方には、わかりにくい話ですみません。

    率直に申しまして、この件、今後描きます。

    すでに私の話の中で若君は、こちらの世ではそのつもりはない、と唯に伝えています。やっぱりなしか~とか、なくてホッとしたとか、色々ご意見はあったと思います。ただこれは、その時点での彼の考えです。信念を曲げるのではなく、環境が変わればどうなるか。

    くどい!を承知でまた申しますが、「アシガールは寸止めが美」とお考えの方は、ご覧になられませんようお願いいたします。

    強い絆で結ばれた二人を、もう一歩進ませたい。私は描くべきと考えました。と、いう宣言でした。

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    憎き相賀は今泉巡査

    許可おりるまえに
    忘れそうなので
    この板には不向きかも
    しれませんが
    許してね

    カマアイナさん
    相賀を演じるのは
    西村雅彦さんです
    (現在は「まさ彦」さん)
    今年のNHK大河ドラマでは
    明智光秀の叔父
    明智光安を好演されました
    以前のドラマでは
    田村正和さん主演
    三谷幸喜 作
    「古畑任三郎」に
    今泉巡査役で
    そそっかしくて
    落ち着きのない部下役を
    演じておられました
    近年は年も重ねて悪役も多く
    相賀の役も合っていると思いました

    「古畑任三郎」は
    最初に犯行シーンがあり
    犯人がわかっているので
    「刑事コロンボ」風ですが
    犯人役が毎回豪華キャストで
    楽しかったです
    正和さんが年齢などで
    リタイヤされたようですが
    新キャストで復活の話があるようです
    「新・古畑任三郎」
    どなたが演じてくださるのか
    楽しみとちょっぴり寂しい気持ちが混在しています
    脱線話題&板違い
    失礼しました

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    ありがとうございます!

    カマアイナ様
     お読みいただき、また、
     最大級のお褒めの言葉、
     ありがとうございます!
     起動スイッチについては、
     千絵様のご説明通りです。
     SPの中で登場します。
     未来から平成に、新しい
     起動スイッチが届いた時は、
     ”そんな、無理やりな展開”
     とか、思いつつ、凄く
     ワクワクしました。
     おばばの前の作品、
     ”満月はイブの前”に、
     尊が”未来の自分に託した、
     課題”で悩むシーンを
     ちょこっと書きましたが、
     その課題が、それに当ります。

     ”お味噌汁”は、確かに
     ”朝”のイメージですよね。
     ただ、これは、木村様が
     語り終えた後に皆で頂いた
     事になっています。
     寝る前の”ホットミルク”
     のようなものです。
     冷え切った体を皆で
     温めたとご理解ください。

    夕月かかりて様
    千絵様
    お読みいただき、
    有難うございます。

    取り急ぎ、お礼まで。

    投稿フォームへ

    返信
    知恵ちゃんさん

    ご丁寧な説明、ありがとうございます。
    SPが観れていないので、理解するのにとても役立ちました。
    やはりどう考えても続編が欲しいですね。

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    千年おばばさん❗

    大作の前に歌謡曲の歌詞
    入れちゃってごめんなさいね
    感想投稿が続いていたのと
    作品の後は余韻と感想が良いと思い
    ならば作品の前にと
    お邪魔した次第ですm(_ _)m

    若君が相賀にこき使われ
    踏み台にされたシーンは
    思わず「やめて~」と
    なりますよね

    そして、?疾風 頼もしいです
    若君以外は乗せない忠臣です
    鳥は怖くて苦手ですが
    「黒羽城」の由来
    なるほどと感じ入りました

    カマアイナさん❗

    2年前の「アシガールSP」放送を
    思い出しました
    地上波放送21時の前に
    17時から4K放送があり
    NHK 仙台局に集結された
    アシラバの皆さんが羨ましく
    そして、特典映像ありに
    釣られて出勤でしたが
    早退し
    職場に最寄りの家電量販店で
    観たのです
    カマアイナさんの
    ご推察通り
    尊は未来の尊に
    2人用のタイムマシンを
    作って
    平成の尊の作業部屋へ
    届けてくれるよう
    依頼して
    未来の尊はそれに応えて
    改良型タイムマシン起動スイッチを
    贈って(送って)くれたのです
    それを持って唯が
    若君を救いに行き
    2人で平成の世へ来たのです

    こんな説明で伝わりましたでしょうか
    依頼方法は…私では難しいので
    どなたかお願いいたします?

    ネタバレ許していただければ
    相賀のキャストについてはお知らせしたいです

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    あったかい家族にキュン

    夕月かかりてさん

    現代のお二人も、ほんわかと暖かい家族に囲まれて
    戦国では望むべくもない平和を堪能してて、
    それはそれで、若君を戦いのない世界に
    暫し住まわせてあげたいという願いを、
    充分に満たしてくれています。

    毎度新しい展開を読む度に、頬が緩みっぱなしです。
    年越しクリスマスは勿論大歓迎です。
    お好きなだけ引き伸ばして下さい。
    どうやらこの年にしてボーナスのお年玉シリーズが読めそうで、
    楽しみに待っています。

    なんなら原作無視で、若君に現代の、家族水入らずの
    お正月を味あわせてあげたら、喜ばれるでしょうね。

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    返信
    相賀

    妖怪千年おばば様

    多分フロイディアンスリップか、まだらボケが起こったんだと思います。
    名前の間違い、失礼いたしました。
    これほどの作品は準備が大変かと思いますが、次を楽しみにしています。

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